iPhoneでブックマークしたサイトをMacで開きたいのに、表示されない。MacのSafariに追加したお気に入りが、iPadに反映されない。そんな経験はありませんか?
複数のAppleデバイスを使っていると、どのデバイスからでも同じお気に入りにアクセスできると便利ですよね。実は、Safariには「iCloud」を使って、デバイス間でお気に入りを自動的に同期する機能が標準で搭載されています。
この記事では、Safariのお気に入りを複数のデバイスで同期する方法と、同期がうまくいかない時の対処法を詳しく解説していきます。
Safariのお気に入り同期とは?

Safariのお気に入り同期は、iCloudを使ってブックマークや閲覧履歴、開いているタブなどをデバイス間で共有する機能です。
同期できるもの:
- ブックマーク(お気に入り)
- リーディングリスト(後で読む記事)
- 開いているタブ
- 閲覧履歴
- 保存されたパスワード
対応デバイス:
- iPhone、iPad(iOS/iPadOS)
- Mac(macOS)
- Windows PC(iCloud for Windows経由)
一度設定すれば、iPhoneで追加したブックマークが自動的にMacやiPadにも表示されるようになります。iCloudとは、Appleが提供するクラウドストレージサービスで、データをインターネット上に保存して同期する仕組みです。
同期のメリットとは?
1. どのデバイスからでもアクセス可能
外出先でiPhoneで見つけたサイトを、帰宅後に大きな画面のMacで開ける。こんな使い方が自然にできるようになります。
2. 手動での移行作業が不要
新しいデバイスを購入しても、サインインするだけですぐに全てのお気に入りが使えます。
3. バックアップとしても機能
万が一デバイスを紛失しても、お気に入りはiCloud上に保存されているため、新しいデバイスで復元できます。
iPhone・iPadでの同期設定方法
まずは、iPhoneやiPadでSafariの同期を有効にする方法を見ていきましょう。
事前確認
以下の条件を満たしているか確認してください:
- Apple IDでサインインしている
- インターネットに接続している
- iOS 8以降、またはiPadOS 13以降
設定手順
- 「設定」アプリを開く
- 画面上部の自分の名前をタップ
- 「iCloud」をタップ
- アプリのリストから「Safari」を探す
- 「Safari」のスイッチをオンにする(緑色になる)
- 確認画面が表示されたら「結合」を選択
- 「結合」:既存のデータとiCloudのデータを統合
- 「削除」:デバイス上のデータを削除してiCloudのデータのみ使用
- 設定完了
これだけで、Safariのお気に入りがiCloudと同期されるようになります。
Safari設定の確認
Safariアプリ内でも確認できます:
- Safariアプリを開く
- 下部のブックマークアイコン(本のマーク)をタップ
- お気に入りが表示されることを確認
同期には数秒から数分かかることがあります。
Macでの同期設定方法
次に、MacでSafariの同期を設定する方法です。
事前確認
- Apple IDでサインインしている
- インターネットに接続している
- macOS Yosemite(10.10)以降
設定手順
- 画面左上のAppleメニューをクリック
- 「システム設定」(または「システム環境設定」)を選択
- 左側のメニューから自分の名前をクリック
- 「iCloud」を選択
- アプリのリストを下にスクロール
- 「Safari」の横にあるスイッチをオンにする
- 必要に応じて「オプション」をクリックして詳細設定を確認
- ブックマーク
- リーディングリスト
- 開いているタブ
- すべてにチェックが入っていることを確認
- 設定完了
Safari環境設定での確認
Safari内でも設定を確認できます:
- Safariを開く
- メニューバーの「Safari」→「環境設定」をクリック
- 「一般」タブを確認
- iCloudの設定が反映されていることを確認
Windows PCでの同期設定方法
WindowsパソコンでもiCloud for Windowsを使えば、Safariのお気に入りを同期できます。
必要なもの
- Windows 10以降
- iCloud for Windowsアプリ
- Apple ID
iCloud for Windowsのインストール
- Microsoft Storeを開く
- 「iCloud」で検索
- 「iCloud for Windows」をインストール
- インストール完了後、アプリを起動
同期設定手順
- iCloud for WindowsにApple IDでサインイン
- アプリ一覧から「ブックマーク」を探す
- 「ブックマーク」の横のチェックボックスをオンにする
- 「オプション」をクリック
- 使用するブラウザを選択
- Google Chrome
- Mozilla Firefox
- Microsoft Edge
- 「適用」をクリック
- ブラウザの拡張機能をインストール(必要な場合)
- パソコンを再起動
これで、WindowsのブラウザとSafariのお気に入りが同期されます。
注意点
Windows版のSafariブラウザは2012年に開発が終了しています。そのため、WindowsではChromeやEdgeなどの別のブラウザと同期する形になります。
同期がうまくいかない時の対処法
設定したのにお気に入りが同期されない。そんな時は、以下の方法を試してみましょう。
対処法1:iCloud同期を確認する
iPhone・iPad:
- 設定→自分の名前→iCloud
- Safariがオンになっているか確認
Mac:
- システム設定→Apple ID→iCloud
- Safariがオンになっているか確認
対処法2:インターネット接続を確認
同期にはインターネット接続が必要です。
- Wi-Fiまたはモバイルデータに接続されているか確認
- 他のウェブサイトが開けるかテスト
- 必要に応じてルーターを再起動
対処法3:デバイスを再起動する
シンプルですが、効果的な方法です。
iPhone・iPad:
- 電源ボタンを長押し→スライドして電源オフ→再起動
Mac:
- Appleメニュー→再起動
対処法4:iCloudからサインアウトして再サインイン
iPhone・iPad:
- 設定→自分の名前→「サインアウト」
- パスワードを入力してサインアウト
- 「iPhoneに残す」を選択(データを保持)
- 再度Apple IDでサインイン
- Safariの同期をオンに
Mac:
- システム設定→Apple ID
- 「サインアウト」をクリック
- Macに残すデータを選択
- 再度サインイン
- Safariの同期を有効化
対処法5:iCloudストレージを確認
iCloudの容量が不足していると、同期が停止します。
確認方法(iPhone・iPad):
- 設定→自分の名前→iCloud
- 「ストレージを管理」をタップ
- 使用可能な容量を確認
確認方法(Mac):
- システム設定→Apple ID→iCloud
- ストレージ使用状況を確認
無料プランの場合は5GBまで使えます。容量が足りない場合は:
- 不要なデータを削除
- iCloud+にアップグレード(有料)
対処法6:システムの日時設定を確認
日時が正しくないと、iCloud同期に問題が生じることがあります。
iPhone・iPad:
- 設定→一般→日付と時刻
- 「自動設定」をオンにする
Mac:
- システム設定→日付と時刻
- 「日付と時刻を自動的に設定」をオンにする
対処法7:Safariのデータをリセット
最終手段として、Safariのデータをリセットする方法があります。
注意:この方法を実行すると、同期されていないローカルのデータが失われる可能性があります。重要なブックマークは事前にバックアップしてください。
iPhone・iPad:
- 設定→Safari
- 下部の「履歴とWebサイトデータを消去」
- お気に入りはiCloudに保存されていれば復元される
Mac:
- Safari→環境設定→プライバシー
- 「Webサイトデータを管理」
- 「すべてを削除」
他のブラウザからSafariへお気に入りを移行する方法

ChromeからSafariへ(Mac)
- Safariを開く
- 「ファイル」→「読み込む」→「Chromeから」を選択
- 読み込む項目を選択
- 履歴
- ブックマーク
- パスワード
- 「読み込む」をクリック
- iCloud同期が有効なら、他のデバイスにも反映される
EdgeやFirefoxからの移行
- まず、EdgeやFirefoxからブックマークをHTMLファイルとしてエクスポート
- Safariで「ファイル」→「読み込む」→「ブックマークHTMLファイルから」を選択
- エクスポートしたファイルを選択
- 読み込み完了
iPhone・iPadでの読み込み
残念ながら、iOS版Safariには直接的な読み込み機能がありません。以下の方法で対応できます:
- Mac版Safariで読み込む
- iCloud同期で自動的にiPhoneやiPadに反映される
または:
- ブラウザの同期機能を使って一時的にデータを移動
- 必要なブックマークを手動でSafariに追加
お気に入りの整理のコツ
同期を活用する上で、お気に入りを整理しておくと便利です。
フォルダで分類する
iPhone・iPad:
- Safariのブックマークを開く
- 「編集」をタップ
- 「新規フォルダ」をタップ
- 名前を付けて保存
Mac:
- Safariのブックマークを開く
- 「ブックマーク」→「ブックマークを編集」
- 右クリック→「新規フォルダ」
- ドラッグ&ドロップで整理
命名規則を統一
- 仕事関連:「仕事_」で始める
- 趣味:「趣味_」で始める
- ニュース:「ニュース_」で始める
こうすることで、検索しやすくなります。
定期的に不要なものを削除
使わなくなったブックマークは定期的に削除しましょう。同期データが軽くなり、動作も快適になります。
セキュリティとプライバシーの注意点
共有デバイスでの注意
家族や職場で共有しているデバイスでは、個人のApple IDでサインインしないようにしましょう。
もしサインインする場合は、使用後に必ずサインアウトしてください。
パスワードの保護
Safariはパスワードも同期できますが、以下の点に注意:
- Face IDやTouch IDで保護する
- 強力なApple IDパスワードを使用
- 二段階認証を有効にする
プライベートブラウズモード
同期したくない閲覧は、プライベートブラウズモードを使いましょう。
iPhone・iPad:
- タブアイコン→「○個のタブ」→「プライベート」
Mac:
- ファイル→新規プライベートウインドウ
プライベートモードでのブックマークは同期されません。
トラブル事例と解決策
事例1:古いブックマークが復活する
原因:
複数のデバイスで同時に編集した場合、競合が発生することがあります。
解決策:
- すべてのデバイスでSafariの同期を一度オフにする
- 最新の状態を持つデバイスを決める
- そのデバイスでのみ同期をオンにする
- 完全に同期されたら、他のデバイスもオンにする
事例2:ブックマークが重複する
原因:
同期のタイミングの問題や、複数回の読み込みが原因です。
解決策:
- Mac版Safariでブックマークを編集
- 重複を手動で削除
- 変更がすべてのデバイスに反映されるまで待つ
事例3:一部のブックマークだけ同期されない
原因:
特定のブックマークが破損している可能性があります。
解決策:
- 問題のブックマークを削除
- URLをコピーして新しくブックマークを作成
- 同期されるか確認
よくある質問
Q1:同期にはどれくらい時間がかかる?
通常は数秒から数分です。ブックマークの数やインターネット速度によって異なります。初回同期は時間がかかることがあります。
Q2:Wi-Fiがなくても同期できる?
モバイルデータ通信でも同期できます。ただし、データ通信量を消費するため、Wi-Fi環境での同期をおすすめします。
Q3:iCloud同期をオフにするとどうなる?
デバイス上のブックマークは残りますが、他のデバイスとの同期が停止します。iCloud上のデータは削除されません。
Q4:家族とブックマークを共有できる?
標準機能では個別のApple IDごとに管理されます。共有したい場合は、AirDropでブックマークを個別に送信する方法があります。
Q5:Windows版SafariはないけどWindowsでも使える?
はい。iCloud for Windowsを使えば、ChromeやEdgeなどのブラウザと同期できます。
まとめ:快適なブラウジング環境を作ろう
Safariのお気に入り同期は、一度設定すれば複数のデバイスで快適にブラウジングできる便利な機能です。
設定のポイント:
- すべてのデバイスで同じApple IDを使用
- 各デバイスでiCloud Safariをオンにする
- インターネット接続を確保
- iCloudストレージに十分な空き容量を確保
同期がうまくいかない時は:
- インターネット接続を確認
- デバイスを再起動
- iCloudの設定を確認
- サインアウト・サインインを試す
- iCloudストレージを確認
便利な活用法:
- フォルダで整理して見やすく
- 定期的に不要なブックマークを削除
- プライベートブラウズを活用
- セキュリティ設定を確認
トラブル予防:
- 定期的にバックアップを確認
- 複数デバイスで同時編集を避ける
- システムアップデートを適用
Safariの同期機能を活用すれば、どのデバイスからでも必要な情報にすぐアクセスできます。
最初の設定さえ済ませてしまえば、後は自動的に同期されて手間いらず。仕事でもプライベートでも、効率的なブラウジング環境を実現できます。
この記事を参考に、ぜひSafariのお気に入り同期を設定して、より快適なAppleデバイスライフを楽しんでください!

コメント