Safariのユーザーエージェントを変更する方法【Mac・iPhone対応】

プログラミング・IT

「このサイト、Safariだと表示がおかしい…」
「PCサイトをスマホで見たいのに、勝手にモバイル版に飛ばされる」

こんな経験はありませんか?

実はこれ、ユーザーエージェントという設定を変えるだけで解決できることがあります。

この記事では、SafariブラウザでユーザーエージェントをChromeやEdgeなど別のブラウザに偽装する方法を、わかりやすく解説していきます。


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ユーザーエージェントって何?

まず、ユーザーエージェント(User Agent)について簡単に説明しておきましょう。

ユーザーエージェントとは、Webサイトにアクセスするとき「どんなブラウザ・OS・デバイスを使っているか」をサーバーに伝える識別情報のことです。

たとえば、あなたがMacのSafariでWebサイトを開くと、こんな感じの文字列がサーバーに送られます。

Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10_15_7) AppleWebKit/605.1.15 (KHTML, like Gecko) Version/17.4.1 Safari/605.1.15

この情報をもとに、Webサイト側は「あ、Macからアクセスしてるんだな」と判断して、Mac向けのページを表示してくれるわけですね。


ユーザーエージェントを変更するとどうなる?

ユーザーエージェントを変更すると、別のブラウザやデバイスから見ているように「なりすます」ことができます。

具体的には、以下のようなことが可能になります。

Safariで見られないサイトを閲覧できる

一部のWebサイトは、特定のブラウザ(ChromeやEdgeなど)にしか対応していない場合があります。
ユーザーエージェントを変更すれば、そうしたサイトにもアクセスできる可能性が高まります。

スマホ向け・PC向けの表示を切り替えられる

MacからiPhone版のサイト表示を確認したり、逆にiPhoneからPC版サイトを見たりできます。
Web制作者やデザイナーにとって、複数デバイスでのレイアウト確認に便利な機能です。

古いOSやブラウザをエミュレートできる

テスト目的で、古いバージョンのブラウザからのアクセスを再現することも可能。
開発者がブラウザ互換性をチェックする際に役立ちます。


【Mac】Safariでユーザーエージェントを変更する手順

MacのSafariには、ユーザーエージェントを変更する機能が標準で搭載されています。
ただし、初期状態では非表示になっているので、まず「開発」メニューを表示させる必要があります。

ステップ1:開発メニューを有効にする

  1. Safariを起動する
  2. 画面上部のメニューバーから 「Safari」→「設定」 をクリック(旧バージョンでは「環境設定」)
  3. 設定画面が開いたら 「詳細」タブ を選択
  4. 一番下にある 「Webデベロッパ用の機能を表示」 にチェックを入れる

補足
macOSのバージョンによっては「メニューバーに”開発”メニューを表示」という表記の場合もあります。

これで、Safariのメニューバーに「開発」という項目が追加されました。

ステップ2:ユーザーエージェントを変更する

  1. 変更したいWebサイトを開く
  2. メニューバーの 「開発」 をクリック
  3. 「ユーザエージェント」 にカーソルを合わせる
  4. 表示されるリストから、なりすましたいブラウザを選択

選択できるユーザーエージェントの例は以下の通りです。

選択肢偽装先
Safari — iOS — iPhoneiPhoneのSafari
Safari — iOS — iPadiPadのSafari
Google Chrome — macOSMac版Chrome
Google Chrome — WindowsWindows版Chrome
Microsoft Edge — WindowsWindows版Edge
Firefox — macOSMac版Firefox

選択した瞬間、そのタブで開いているページが再読み込みされ、選んだブラウザからアクセスしているかのように表示されます。

カスタムユーザーエージェントを設定する方法

リストにないブラウザや、特定のバージョンを指定したい場合は、カスタム設定を使います。

  1. 「開発」→「ユーザエージェント」→ 「その他…」 を選択
  2. 表示されるテキストボックスに、任意のユーザーエージェント文字列を入力
  3. 「OK」をクリック

たとえば、Googlebotになりすましたい場合は以下を入力します。

Mozilla/5.0 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)

【Mac】ユーザーエージェントを永続的に固定する方法

開発メニューから変更したユーザーエージェントは、タブを閉じたりSafariを再起動すると元に戻ってしまいます。

「毎回設定し直すのは面倒…」という方には、ターミナルを使った方法がおすすめです。

ターミナルでの設定手順

  1. 「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」 を開く
  2. 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す
defaults write com.apple.Safari CustomUserAgent "設定したいユーザーエージェント文字列"

具体例:Microsoft Edgeに偽装する場合

defaults write com.apple.Safari CustomUserAgent "Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/120.0.0.0 Safari/537.36 Edg/120.0.0.0"

設定後、Safariを再起動すれば変更が反映されます。

元に戻す方法

デフォルトのユーザーエージェントに戻したい場合は、以下のコマンドを実行します。

defaults delete com.apple.Safari CustomUserAgent

注意
ターミナル操作はシステム設定を直接変更するため、コマンドの入力ミスには十分注意してください。


【iPhone・iPad】Safariでユーザーエージェントを変更する方法

残念ながら、iPhoneやiPadのSafariには、ユーザーエージェントを変更する標準機能がありません。

どうしても変更したい場合は、以下の方法を検討してみてください。

方法1:Safari拡張機能を使う

App Storeには、ユーザーエージェントを変更できるSafari拡張機能がいくつか公開されています。

代表的なアプリとして「BrowserMask for Safari」などがありますが、信頼性の高いものは有料のケースが多いです。

インストール前に、レビューや評価を必ず確認しましょう。

方法2:代替ブラウザアプリを使う

ユーザーエージェントの変更に対応したサードパーティ製ブラウザを使う方法もあります。

アプリ名特徴
Sleipnir Mobile国産ブラウザ。設定画面からユーザーエージェントを切り替え可能
Lunascape日本製の老舗ブラウザ。User Agent設定機能あり
iCab Mobile細かいカスタマイズが可能(有料)

これらのアプリを使えば、iPhoneからでもPCサイトを強制的に表示させることができます。


よくある質問(FAQ)

Q. ユーザーエージェントを変更しても見られないサイトがある

サイトによっては、ユーザーエージェント以外の方法でアクセス元を判別している場合があります。

たとえば、DRM(デジタル著作権管理)で保護された動画サイトなどは、ユーザーエージェントを変えただけでは視聴できないことがあります。

Q. 変更は違法?規約違反になる?

ユーザーエージェントの変更自体は違法ではありません。

ただし、一部のWebサービスでは利用規約で禁止されている場合があるので、利用前に確認することをおすすめします。

Q. セキュリティ上のリスクはある?

ユーザーエージェントの変更そのものにセキュリティリスクはほとんどありません。

ただし、サードパーティ製のアプリや拡張機能を使う場合は、信頼できる開発元のものを選ぶようにしましょう。

Q. 開発メニューにInternet Explorerがない

Safari 12以降、Internet Explorerの選択肢はリストから削除されました。

IEのユーザーエージェントを使いたい場合は、「その他…」を選択して、以下の文字列を手動で入力してください。

Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; WOW64; Trident/7.0; rv:11.0) like Gecko

まとめ

Safariのユーザーエージェントを変更する方法を振り返ってみましょう。

Macの場合

  • 「設定」→「詳細」→「Webデベロッパ用の機能を表示」を有効化
  • 「開発」メニュー →「ユーザエージェント」から選択
  • 永続化したい場合はターミナルでコマンドを実行

iPhone・iPadの場合

  • 標準機能では変更不可
  • Safari拡張機能か代替ブラウザアプリを使用

ユーザーエージェントの変更は、Web開発者だけでなく、一般ユーザーにとっても役立つ場面があります。

特定のサイトが表示されなくて困っているときや、別デバイスでの見え方を確認したいときに、ぜひ試してみてください。

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