「Safariで音楽や動画を再生しながら他のアプリを使いたいのに、すぐ止まってしまう…」
こんな経験はありませんか?
iPhoneやiPadのSafariでは、バックグラウンド再生が途中で止まってしまうトラブルがよく起こります。
この記事では、Safariのバックグラウンド再生が止まる原因と、すぐに試せる対処法を詳しく解説していきます。
Safariのバックグラウンド再生が止まる主な原因

まずは、再生が止まってしまう原因を把握しておきましょう。
原因がわかれば、適切な対処法も見えてきます。
他のアプリが音声を奪っている
最も多い原因がこれです。
iPhoneでは、一度に1つの音声しか再生できない仕組みになっています。
そのため、以下のような状況でSafariの再生が止まります。
- 電話の着信や発信
- 別のアプリで動画や音楽を再生した
- SNS(LINE、X、Instagramなど)のタイムラインで動画広告が自動再生された
- ゲームアプリの効果音が鳴った
特にSNSアプリの自動再生動画は、気づかないうちに再生が止まる原因になりやすいです。
低電力モードが有効になっている
iPhoneの低電力モードがオンになっていると、バックグラウンド処理が制限されます。
これにより、Safariの音声・動画再生が途中で止まることがあります。
バッテリー残量が20%以下になると自動でオンになる設定もあるので、気づかないうちに有効になっているケースも珍しくありません。
「視差効果を減らす」がオンになっている
アクセシビリティ設定の「視差効果を減らす」(Reduce Motion) がオンになっていると、Webページ上の背景動画が自動再生されない場合があります。
これはiOSの仕様で、動きの少ない表示を好むユーザー向けの機能です。
ただし、意図せずバックグラウンド再生に影響を与えることもあります。
iOSのバージョンによる不具合
iOS 15以降、Safariのバックグラウンド再生に関する不具合が報告されています。
特に、音楽プレイリストを再生中にSafariから離れると、次のトラックに進まなくなるという問題がありました。
この不具合はiOS 15.6で修正されましたが、iOSのバージョンによっては同様の問題が発生する可能性があります。
Webサイト側の仕様や制限
YouTubeなど一部のサイトは、モバイル版ページではバックグラウンド再生を制限しています。
また、Webサイトによっては、ブラウザがバックグラウンドに移行した瞬間に再生を停止するよう設計されている場合もあります。
今すぐ試せる対処法
原因がわかったところで、具体的な対処法を見ていきましょう。
簡単なものから順に紹介します。
コントロールセンターから再生を再開する
Safariでの再生が止まったとき、最も手軽な方法です。
- 画面右上から下にスワイプしてコントロールセンターを開く(ホームボタンがある機種は画面下から上にスワイプ)
- 音楽再生コントロールの再生ボタン(▶)をタップ
これで再生が再開されることがあります。
ただし、サイトによってはこの方法が効かない場合もあるので、その場合は他の対処法を試してください。
低電力モードをオフにする
低電力モードが原因の可能性がある場合は、以下の手順でオフにします。
- 「設定」アプリを開く
- 「バッテリー」をタップ
- 「低電力モード」をオフにする
または、コントロールセンターにバッテリーアイコンがあれば、そこからもオン・オフを切り替えられます。
「視差効果を減らす」をオフにする
この設定が原因でWebページの動画が再生されないことがあります。
- 「設定」アプリを開く
- 「アクセシビリティ」をタップ
- 「動作」を選択
- 「視差効果を減らす」をオフにする
ただし、この設定をオフにすると画面の動きが増えるため、乗り物酔いしやすい方は注意が必要です。
SNSアプリの自動再生をオフにする
LINEやX(旧Twitter)など、タイムラインで動画が自動再生されるアプリが原因の場合があります。
LINEの場合:
- LINEを開き、「ホーム」タブをタップ
- 右上の歯車アイコン(設定)をタップ
- 「写真と動画」を選択
- 「動画自動再生」を「オフ」または「Wi-Fiのみ」に変更
X(旧Twitter)の場合:
- Xアプリを開く
- 「設定とサポート」→「設定とプライバシー」をタップ
- 「アクセシビリティ、表示、言語」→「データ利用の設定」
- 「動画の自動再生」を「しない」に設定
他のSNSアプリでも、設定内で動画の自動再生をオフにできることが多いです。
デスクトップ用Webサイトを表示する
YouTubeなど一部のサイトは、モバイル版ページではバックグラウンド再生が制限されています。
デスクトップ用の表示に切り替えることで、この制限を回避できる場合があります。
- Safariで目的のサイトを開く
- アドレスバー左端の「ぁあ」をタップ
- 「デスクトップ用Webサイトを表示」を選択
- 動画を全画面表示にしてから再生開始
- ホーム画面に戻るか、別のアプリに切り替える
- 再生が止まったら、コントロールセンターで再生ボタンをタップ
この方法はYouTubeで特に有効ですが、サイトによっては効果がないこともあります。
それでも直らない場合の対処法

基本的な対処法で改善しない場合は、以下の方法も試してみてください。
Safariのキャッシュとデータを削除する
Safariに蓄積されたデータが原因で、再生に問題が起きている可能性があります。
- 「設定」アプリを開く
- 下にスクロールして「Safari」をタップ(または「アプリ」→「Safari」)
- 「履歴とWebサイトデータを消去」をタップ
- 確認画面で「履歴とデータを消去」を選択
注意: この操作を行うと、Safariのログイン情報や閲覧履歴も削除されます。
パスワードを覚えていないサイトがある場合は、事前に確認しておくことをおすすめします。
Safari拡張機能を無効にする
広告ブロッカーなどのSafari拡張機能が、再生に干渉していることがあります。
- 「設定」アプリを開く
- 「Safari」→「機能拡張」をタップ
- インストールされている拡張機能をすべてオフにする
- Safariを再起動して、再生できるか確認する
拡張機能をオフにして改善した場合は、1つずつオンに戻しながら原因を特定してください。
Safariを完全に終了して再起動する
一時的な不具合であれば、アプリの再起動で解決することがあります。
- 画面下部から上にスワイプして中央で止める(ホームボタンがある機種はホームボタンをダブルクリック)
- アプリスイッチャーが表示される
- Safariの画面を上にフリックして完全に終了
- 再度Safariを起動
iPhoneを再起動する
シンプルですが、多くの問題を解決できる方法です。
- 電源ボタンと音量ボタンを同時に長押し(機種による)
- 「スライドで電源オフ」が表示されたらスライド
- 完全に電源が切れたら、再度電源ボタンを長押しして起動
iOSを最新バージョンにアップデートする
古いiOSバージョンでは、バックグラウンド再生に関する不具合が修正されていない可能性があります。
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」→「ソフトウェアアップデート」をタップ
- アップデートがあれば「ダウンロードしてインストール」を実行
YouTube専用の対処法
YouTubeをSafariでバックグラウンド再生したい場合は、以下の方法が有効です。
ピクチャ・イン・ピクチャ(PiP)を使う
iOS 14以降では、ピクチャ・イン・ピクチャ機能で小さなウィンドウに動画を表示しながら他の操作ができます。
- Safariでデスクトップ用のYouTubeを開く
- 動画を全画面表示にする
- 画面左上のPiPアイコン(四角が重なったマーク)をタップ
- 小さなウィンドウで再生が継続される
この状態であれば、他のアプリを使いながら動画を視聴できます。
ピクチャ・イン・ピクチャの設定を確認する
PiPがうまく動作しない場合は、設定を確認してください。
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」→「ピクチャインピクチャ」をタップ
- 「PiPを自動的に開始」がオンになっているか確認
まとめ
Safariのバックグラウンド再生が止まる原因は、他アプリの音声干渉、低電力モード、iOS設定など多岐にわたります。
対処法のポイント
- まずはコントロールセンターから再生を再開してみる
- 低電力モードと「視差効果を減らす」の設定を確認
- SNSアプリの動画自動再生をオフに設定
- デスクトップ用Webサイト表示に切り替える
- Safariのキャッシュ削除や拡張機能の無効化も試す
- iOSは常に最新バージョンに保つ
上記の対処法を順番に試していけば、多くの場合は問題を解決できるはずです。
それでも改善しない場合は、使用しているWebサイト側の仕様による制限の可能性もあるため、別のブラウザアプリを試してみるのも一つの方法です。


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