Safariでピクチャインピクチャ(小窓で動画を表示する機能)を使おうとしたら、「一瞬で消えてしまう」「全く表示されない」という経験はありませんか?
ピクチャインピクチャ(以下、PiP)は、動画を見ながら他の作業ができる便利な機能です。でも、うまく動かないと本当にイライラしますよね。
この記事では、SafariのPiPが消える原因と、確実に動くようにする方法を詳しく解説していきます。iPhone、iPad、Macすべてに対応していますよ。
ピクチャインピクチャ(PiP)とは

基本的な機能
ピクチャインピクチャ(Picture in Picture)とは、動画を小さな浮遊ウィンドウで表示しながら、他のアプリやWebサイトを閲覧できる機能のことです。
例えば:
- YouTubeを見ながらメールを返信
- オンライン講義を見ながらノートを取る
- 配信を視聴しながらSNSをチェック
こんな「ながら作業」ができる、とても便利な機能なんです。
対応環境
PiPが使える環境は以下のとおりです:
iPhone・iPad:
- iOS 14以降
- iPadOS 9以降(iPadは以前から対応)
Mac:
- macOS Sierra 10.12以降
ほとんどの新しいAppleデバイスで使えますが、古い機種では動作しない場合があります。
PiPが消える・使えない主な原因
1. PiP設定がオフになっている
最も多い原因が、デバイスの設定でPiP機能がオフになっているケースです。
設定を確認していないと、いくら試しても動きません。
2. YouTubeプレミアムに未加入
実は、YouTubeアプリでPiPを使うには、YouTubeプレミアム(有料会員)への加入が必要なんです。
無料会員の場合、SafariからWebブラウザ版YouTubeを使えばPiPが使えることもありますが、これもYouTube側の仕様変更で度々使えなくなっています。
3. 全画面表示にしていない(iPhone)
iPhoneでPiPを使う場合、動画を全画面表示にしてからPiPにしないと、うまく動かないことが多いんです。
この手順を飛ばすと、Safariを閉じた瞬間に動画が停止してしまいます。
4. 他のメディアが自動再生される
Webサイトを閲覧中、別の動画が自動再生されると、PiPウィンドウが真っ白になったり、停止したりすることがあります。
特にTwitter(X)やFacebookなど、動画が自動再生されるSNSを見ているときに起こりやすいです。
5. Webサイト側の制限
一部のWebサイトでは、意図的にPiP機能を無効にしている場合があります。
著作権保護や視聴データ収集のため、サイト側がPiPをブロックしているケースですね。
6. iOSアップデート後のバグ
新しいiOSやiPadOSにアップデートした直後、一時的にPiPが動かなくなることがあります。
これはApple側のバグであることが多く、次のアップデートで修正されることが一般的です。
iPhone・iPadでの対処法
1. PiP設定を確認・有効化
まず最初に、デバイスの設定を確認しましょう。
手順:
- 設定アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「ピクチャ・イン・ピクチャ」をタップ
- 「自動的に開始」をオンにする
これがオフになっていると、PiPは絶対に動きません。必ず確認してください。
2. 正しい手順でPiPを起動(Safari)
iPhoneのSafariでYouTubeなどを見る場合、以下の手順が重要です。
手順:
- SafariでYouTubeにアクセス(アプリではなくブラウザ版)
- 見たい動画を再生
- 全画面表示ボタンをタップ(重要!)
- 動画が全画面で再生される
- ホームボタンを押す(または画面下から上にスワイプ)
- PiPウィンドウが表示される
全画面表示にせずにホームボタンを押すと、動画が停止してしまうので注意してくださいね。
3. デスクトップ用サイトを表示
Safariでモバイル版のサイトを見ている場合、デスクトップ版に切り替えると、PiPが使えるようになることがあります。
手順:
- Safariでアドレスバーの「ぁあ」ボタンをタップ
- 「デスクトップ用Webサイトを表示」をタップ
- 動画を再生して、全画面表示にする
- マルチタスク画面から他のアプリに切り替える
この方法で、YouTubeなど一部のサイトでPiPが使えるようになります。
4. JavaScript を確認
SafariでJavaScriptがオフになっていると、PiPが動かない場合があります。
確認方法:
- 設定アプリ > Safari
- 「詳細」をタップ
- 「JavaScript」がオンになっているか確認
オフになっていたら、オンにしましょう。
5. PiPifier 拡張機能を使う
どうしてもPiPが使えない場合は、「PiPifier」という無料の拡張機能を試してみましょう。
導入方法:
- App StoreでPiPifierを検索してインストール
- 設定アプリ > Safari > 拡張機能
- PiPifierをオンにする
- Safariで動画を再生
- アドレスバーの「ぁあ」ボタンをタップ
- 「PiPifier」を選択
この拡張機能を使えば、ほとんどのHTML5動画でPiPが使えるようになります。
6. デバイスを再起動
一時的な不具合の場合、再起動で直ることが多いです。
iPhone X以降:
- 音量ボタン(どちらか)とサイドボタンを同時に長押し
- スライダーをドラッグして電源オフ
- 30秒待ってから、サイドボタン長押しで再起動
iPhone SE・8以前:
- サイドボタン(または上部のボタン)を長押し
- スライダーをドラッグして電源オフ
- 30秒待ってから、同じボタン長押しで再起動
Macでの対処法
1. 基本的なPiP起動方法(YouTube)
Macでは、iPhoneより簡単にPiPが使えます。
方法1:右クリック2回
- Safariで動画を再生
- 動画上で右クリック(またはControlキー+クリック)
- YouTubeのメニューが表示される
- もう一度右クリック
- Safariのメニューから「ピクチャ・イン・ピクチャにする」を選択
2回クリックするのがポイントです。1回だとYouTubeのメニューしか出てきません。
方法2:アドレスバーの音量アイコンから
- Safariで動画を再生
- アドレスバー右側に表示される音量アイコンを右クリック
- 「ピクチャ・イン・ピクチャにする」を選択
この方法は、Twitchなど多くのサイトで使えます。
2. ビデオコントロールから直接起動
Dailymotionなど、一部のサイトでは、ビデオプレーヤーのコントロールに直接PiPボタンがあります。
再生バー付近にあるPiPアイコン(画面に矢印のマーク)をクリックするだけです。
3. PiPifier拡張機能を使う(Mac版)
Macでも、すべてのサイトで簡単にPiPを使いたい場合は、拡張機能が便利です。
導入方法:
- Safari > Safari拡張機能
- App Storeが開く
- PiPifierを検索してインストール
- Safari > 設定 > 拡張機能
- PiPifierにチェックを入れる
- Safariのツールバーに追加される
これで、どの動画サイトでもツールバーのアイコンをクリックするだけでPiPが使えます。
4. キャッシュをクリア
Safariのキャッシュが原因でPiPが動かないこともあります。
手順:
- Safari > 設定 > 詳細
- 「メニューバーに開発メニューを表示」にチェック
- メニューバーに「開発」が表示される
- 開発 > キャッシュを空にする
YouTubeでPiPを使う方法
YouTubeの制限について
YouTubeでPiPを使う場合、いくつか制限があります。
YouTubeアプリの場合:
- YouTubeプレミアム会員のみPiPが使える
- 無料会員は使えない
Safariブラウザの場合:
- デスクトップ版サイトを表示すれば、無料でもPiPが使えることがある
- ただし、YouTube側の仕様変更で突然使えなくなることが多い
Safari(iPhone)でYouTubeをPiPする
最新の方法を試してみましょう。
手順:
- 他のアプリを開いておく(重要!)
- まず適当なアプリを開く
- ホームボタンを押してホーム画面に戻る
- これでマルチタスク画面にアプリが残る
- SafariでYouTubeを開く
- アドレスバーの「ぁあ」をタップ
- 「デスクトップ用Webサイトを表示」を選択
- 動画を再生
- 見たい動画を再生
- 全画面表示にする
- アプリを切り替える
- マルチタスク画面を開く
- 最初に開いておいたアプリに切り替える
- PiPウィンドウが表示される
この方法なら、YouTubeプレミアムに加入していなくても、PiPが使える可能性があります。
Safari(Mac)でYouTubeをPiPする
Macなら、もっと簡単です。
手順:
- Safariで動画を再生
- 動画上で右クリック2回
- 「ピクチャ・イン・ピクチャにする」を選択
これだけで、無料でもPiPが使えます。
よくあるトラブルと解決法

PiPが一瞬表示されてすぐ消える
このトラブルは本当によくあります。
原因と対処:
原因1:全画面表示にしていない(iPhone)
- 対処:動画を必ず全画面表示にしてからPiPにする
原因2:他のメディアが自動再生される
- 対処:設定 > アクセシビリティ > 動作 で「ビデオプレビューの自動再生」をオフ
原因3:アプリが対応していない
- 対処:別のブラウザや拡張機能を試す
PiPウィンドウが真っ白になる
PiPウィンドウは表示されるけど、中が真っ白で何も映らない場合。
対処法:
- Safari を再起動
- Safariを完全に終了して、もう一度開く
- 動画を一時停止してから再生
- PiPウィンドウの再生ボタンをタップ
- 元のタブに戻って再読み込み
- Safariで元の動画ページを更新
音だけ聞こえて映像が出ない
音声は再生されているのに、画面が表示されない場合。
対処法:
- PiPウィンドウを画面端から引き出す
- iPhoneの場合、PiPウィンドウを画面の端に押し付けると、音声のみのモードになります
- 画面端に小さな矢印が表示されるので、それをタップして引き出す
- 動画を再読み込み
- Safariで動画ページをリフレッシュしてから、もう一度PiPを試す
特定のサイトでPiPが使えない
Netflix、Amazonプライムビデオなど、一部のストリーミングサービスではPiPが制限されています。
対処:
- これらのサイトは公式アプリを使う
- 公式アプリならPiPに対応していることが多い
- Safari拡張機能を試す(完全には保証できません)
iOSアップデート後に動かなくなった
新しいiOSにアップデートした直後、PiPが使えなくなることがあります。
対処法:
- 設定をリセット
- 設定 > 一般 > 転送または(デバイス名)をリセット
- 「すべての設定をリセット」を選択
- データは消えませんが、Wi-Fiパスワードなどは再設定が必要
- 次のアップデートを待つ
- Apple側のバグの場合、次のマイナーアップデートで修正されることが多い
- フィードバックを送る
- Appleのフィードバックページから報告する
PiPが使えない場合の代替手段
Split View(iPad)
iPadなら、Split View(画面分割)機能が使えます。
手順:
- 動画を再生
- 画面下部から上にスワイプしてDockを表示
- 他のアプリをドラッグして画面の端に持っていく
- 画面が2分割される
これなら、PiPよりも大きな画面で動画を見ながら作業できます。
別のブラウザを試す
Safariでダメなら、他のブラウザを試してみましょう。
おすすめブラウザ:
- Google Chrome:独自のPiP機能がある
- Microsoft Edge:PiP対応
- Firefox:一部の動画でPiP可能
特にChromeは、YouTubeとの相性が良いです。
画面録画を活用(最終手段)
どうしてもPiPが使えない場合の裏技です。
- 動画を再生
- 画面録画機能を使って録画
- 録画した動画を再生してPiPにする
ただし、著作権には十分注意してください。個人利用の範囲内で。
PiPを快適に使うコツ
ウィンドウサイズの調整
iPhone・iPad:
- PiPウィンドウをピンチイン・ピンチアウトでサイズ変更
- ダブルタップでも拡大・縮小できる
Mac:
- ウィンドウの角をドラッグしてサイズ変更
- かなり大きくすることも可能
ウィンドウ位置の移動
PiPウィンドウは自由に移動できます。
iPhone・iPad:
- ウィンドウをドラッグして好きな位置へ
- 画面の四隅にスナップする
Mac:
- ウィンドウをドラッグして任意の位置へ
- 他のアプリの上でも常に最前面に表示される
音声だけ聞きたい場合(iPhone・iPad)
作業に集中したいけど、音声だけは聞きたい時。
手順:
- PiPウィンドウを画面の左端または右端にスワイプ
- ウィンドウが画面外に隠れる
- 小さな矢印マークだけが残る
- 音声は引き続き再生される
- 矢印をタップすれば、またウィンドウが表示される
セキュリティとプライバシーの注意
画面共有時の注意
ZoomやTeamsで画面共有している時、PiPウィンドウも相手に見えてしまいます。
会議中や画面共有中は、PiPをオフにすることをおすすめします。
公共の場での使用
図書館やカフェなど、公共の場でPiPを使う場合は:
- イヤホンを使う
- 音量に注意
- 画面の内容にも気を配る
周りの人への配慮を忘れずに。
まとめ
Safariのピクチャインピクチャがうまく動かない時は、まず設定を確認しましょう。
解決の鍵となるポイント:
- 設定を確認:一般 > ピクチャ・イン・ピクチャ がオンか
- 全画面表示にする:特にiPhoneでは必須
- デスクトップ版サイト:モバイル版で動かない時は切り替える
- 拡張機能を活用:PiPifierなど無料ツールを使う
- デバイスを再起動:一時的な不具合なら直る
YouTubeの場合は、プレミアム会員でないと制限がありますが、Safariのデスクトップ版を使えば無料でもPiPが使える場合があります。
どうしてもうまくいかない時は:
- 別のブラウザを試す
- iPadならSplit Viewを使う
- Appleサポートに問い合わせる
PiPは一度使い始めると、手放せない便利機能です。この記事を参考に、快適な「ながら作業」環境を作ってくださいね!

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