iPhoneでWebサイトを見ていて、「この続きをMacの大画面で見たいな」と思ったことはありませんか?
Safariの「デバイス間で共有」機能を使えば、そんな願いが簡単に叶います。この機能は、iPhone、iPad、Macなど複数のApple製品を持っている人にとって、とても便利なんです。
今回は、Safariのデバイス間共有について、初めての人でも分かるように詳しく説明していきますね。
Safariの「デバイス間で共有」とは何か

基本的な仕組み
Safariの「デバイス間で共有」とは、iCloudというAppleのクラウドサービスを使って、複数のApple製品でSafariのデータを同期する機能のことです。
例えば、こんな使い方ができます:
- 家のMacで見ていたレシピサイトを、キッチンのiPadで開く
- 通勤電車のiPhoneで調べていた記事を、会社のMacで続きから読む
- iPadでブックマークした旅行サイトを、iPhoneでもすぐに見られる
要するに、「どのデバイスで見ても、同じSafariの環境が使える」ということなんです。
どんな情報が共有されるのか
デバイス間で共有されるのは、以下の情報です:
タブ情報
今開いているWebページのタブが、他のデバイスでも見られます。
ブックマーク
お気に入りに登録したWebサイトが、全てのデバイスで同じように使えます。
リーディングリスト
後で読みたい記事を保存しておくリストも同期されます。
閲覧履歴
過去に見たWebサイトの記録が共有されるので、「あのサイト、どこだっけ?」という時に便利です。
タブグループ
関連するタブをまとめて管理する「タブグループ」という機能も同期できます。
Webサイトごとの設定(iOS 16以降)
「このサイトは常にPC版で表示する」といった設定も共有されるようになりました。
デバイス間共有を使うための準備
必要な条件
この機能を使うには、いくつかの条件があります:
同じApple IDでサインイン
すべてのデバイスで、同じApple IDを使ってiCloudにサインインする必要があります。
対応OS
- iPhone・iPad:iOS 13以降(最新の機能を使うにはiOS 16以降推奨)
- Mac:macOS Mojave 10.14.4以降
2ファクタ認証
Apple IDで2ファクタ認証を設定している必要があります。セキュリティのための機能ですね。
インターネット接続
データを同期するため、Wi-Fiやモバイルデータ通信でインターネットに接続している必要があります。
iPhoneとiPadでの設定方法
では、実際の設定方法を見ていきましょう。まずはiPhoneとiPadから。
手順1:設定アプリを開く
ホーム画面にある歯車マークの「設定」をタップします。
手順2:自分の名前をタップ
設定画面の一番上にある、あなたの名前(Apple ID)をタップしてください。
手順3:iCloudを選択
メニューから「iCloud」を選びます。
手順4:Safariをオンにする
「iCloudを使用しているAPP」の中から「Safari」を見つけて、スイッチをオン(緑色)にします。「すべてを表示」をタップしないと見えない場合もあるので注意してくださいね。
これで設定完了です!
Macでの設定方法
続いて、Macでの設定方法です。
手順1:システム設定を開く
画面左上のAppleメニュー(リンゴマーク)から「システム設定」を選びます。
手順2:Apple IDをクリック
左側のサイドバーで、一番上にある自分の名前(Apple ID)をクリックします。
手順3:iCloudを選択
「iCloud」という項目をクリックしてください。
手順4:Safariをオンにする
「iCloudを使用しているAPP」の中から「Safari」を見つけて、チェックボックスにチェックを入れます。
Macの設定もこれで終わりです。
デバイス間共有の使い方
他のデバイスで開いているタブを見る方法
設定ができたら、実際に使ってみましょう。
iPhoneとiPadの場合
- Safariを開きます
- 画面右下のタブボタン(四角が重なったアイコン)をタップ
- 左下の「+」マークをタップして新しいタブを開く
- スタートページを下にスクロール
- 「iCloudタブ」または他のデバイス名が表示されます
- 見たいタブをタップすれば、そのWebページが開きます
タブを長押しすると、他のデバイスで開いているタブを閉じることもできますよ。
Macの場合
- Safariを開きます
- メニューバーから「ブックマーク」→「スタートページを表示」を選択
- スタートページに他のデバイスで開いているタブが表示されます
- 見たいタブをクリックすれば開けます
または、画面左上のサイドバーボタン(点が並んだアイコン)をクリックして、「iCloudタブ」セクションから確認することもできます。
ブックマークと履歴の共有
ブックマークや閲覧履歴は、特別な操作をしなくても自動的に同期されます。
あるデバイスでブックマークを追加すれば、他のデバイスでもすぐに表示されるようになります。ただし、同期には少し時間がかかる場合もあるので、数分待ってみてくださいね。
閲覧履歴も同じです。iPhoneで見たWebサイトの履歴が、Macからも確認できます。
タブグループの共有
iOS 15とmacOS Monterey以降では、「タブグループ」という機能も使えます。
タブグループとは、複数のタブをまとめて管理できる機能のこと。例えば「旅行の計画」「仕事のリサーチ」といったグループを作れます。
このタブグループも、デバイス間で自動的に同期されるんです。さらに、他の人とタブグループを共有して、共同作業することもできます。
便利な関連機能
Handoff(ハンドオフ)
デバイス間共有とは別に、「Handoff」という機能もあります。
これは、あるデバイスで作業していたことを、別のデバイスでその場ですぐに引き継げる機能です。例えば、iPhoneでWebサイトを見ている時に、Macの画面下のDockに小さなSafariアイコンが表示されます。それをクリックすると、同じWebページがMacで開くんです。
Handoffは、同じWi-Fiネットワークに接続していて、Bluetoothがオンになっている必要があります。
AirDrop(エアドロップ)
近くにいる人や、自分の別のデバイスにWebページを送りたい時は、AirDropが便利です。
Safariで共有ボタンをタップして、「AirDrop」を選び、送りたい相手やデバイスを選ぶだけ。数秒でWebページが相手のSafariで開きます。
AirDropを使うには、Wi-FiとBluetoothがオンになっている必要があります。また、受け取る側が「連絡先のみ」や「受信しない」に設定していると、共有できない場合もあるので注意してくださいね。
よくある質問と対処法
他のデバイスのタブが表示されない時
タブが表示されない場合、いくつかの原因が考えられます:
すべてのデバイスで設定がオンになっているか確認
各デバイスで、iCloud設定のSafariがオンになっているか、もう一度チェックしてみましょう。
同じApple IDでサインインしているか
デバイスによって違うApple IDを使っていると、同期されません。
インターネットに接続しているか
Wi-Fiやモバイルデータ通信がオンになっているか確認してください。
少し時間を置く
設定を有効にした直後は、同期に数分かかることがあります。少し待ってから再度確認してみましょう。
デバイスを再起動
それでもダメな場合は、デバイスを再起動すると解決することもあります。
iCloudストレージが足りない場合
デバイス間共有のデータは、iCloudのストレージ(保存容量)を使います。
無料プランは5GBまでなので、写真や他のデータで容量がいっぱいだと、Safariのデータが同期されないことがあります。
その場合は、不要なデータを削除するか、有料のiCloud+プラン(月額130円から)にアップグレードすることを検討してみてください。
プライバシーが心配な時
「履歴が他のデバイスと共有されるのは困る」という場合もありますよね。
そんな時は、Safariの「プライベートブラウズモード」を使いましょう。このモードで閲覧したWebサイトは、履歴に残らず、他のデバイスとも共有されません。
または、特定のデバイスだけiCloud設定でSafariをオフにすることもできます。そのデバイスの情報は、他のデバイスと同期されなくなります。
古いタブが残り続ける問題
時々、既に閉じたはずのタブが、他のデバイスのiCloudタブリストに残り続けることがあります。
その場合は、表示されているタブを長押し(Macの場合は右クリック)して、「閉じる」を選ぶと削除できます。
それでも解決しない場合は、すべてのデバイスでSafariを一度終了してから、再度起動してみてください。
デバイス間共有をオフにする方法
もしデバイス間共有が不要になった場合は、簡単にオフにできます。
iPhoneとiPadの場合
設定 > Apple ID > iCloud > Safari のスイッチをオフにします。
Macの場合
システム設定 > Apple ID > iCloud > Safari のチェックを外します。
オフにすると、そのデバイスのSafariデータは他のデバイスと同期されなくなります。ただし、既にiCloudに保存されているデータは残るので、完全に削除したい場合は別途対応が必要です。
まとめ
Safariの「デバイス間で共有」機能は、複数のApple製品を使っている人にとって、本当に便利な機能です。
一度設定すれば、後は自動的に同期されるので、特別な操作をする必要もありません。家のMacで調べていたことを、外出先のiPhoneですぐに確認できる。そんな便利さを、ぜひ体験してみてください。
設定方法も簡単なので、まだ使ったことがない人は、今すぐ試してみてはいかがでしょうか。きっとSafariがもっと使いやすくなるはずです。
Apple製品同士の連携機能を活用して、より快適なインターネットライフを楽しんでくださいね!

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