「Ver.2.0にバージョンアップしました!」
「Rev.1.2にリビジョンアップしました」
ソフトウェアやアプリを使っていると、こんな表示を見ることがありますよね。
でも、バージョンとリビジョンって何が違うの?と思ったことはありませんか?
この記事では、ITの世界で頻繁に使われる「バージョン」と「リビジョン」の違いについて、初心者にも分かりやすく解説していきます。
バージョン(Version)とは?
基本的な意味
バージョン(Version)は、英語で「版」「稿」という意味です。
簡単に言うと:
ソフトウェアや製品の大きな区切りや段階的な進化を表す番号です。
具体例で理解しよう
Windowsの場合:
- Windows 7
- Windows 8
- Windows 10
- Windows 11
この数字がバージョンです。大きな機能追加や変更があったときに変わります。
iOSの場合:
- iOS 12.1.2
この「12」の部分がメジャーバージョンです。
バージョンが変わるとき
バージョンは、以下のような大きな変更があったときに変わります:
典型的なケース:
- 新機能の追加
- インターフェースの大幅な変更
- 操作方法の変更
- 仕様の大幅な変更
- 互換性に影響する変更
例:
- 画像編集ソフトにAI自動補正機能が追加された → バージョンアップ
- ゲームに新しいゲームモードが追加された → バージョンアップ
- ビジネスソフトの基本機能が大きく変わった → バージョンアップ
略記方法
表記例:
- Version 2.0 → Ver.2.0 または V2.0
- Version 3.5 → Ver.3.5 または V3.5
リビジョン(Revision)とは?
基本的な意味
リビジョン(Revision)は、英語で「改訂」「修正」「補正」という意味です。
簡単に言うと:
同じバージョンの中での小さな修正や細かい調整を表す番号です。
具体例で理解しよう
iOSの場合:
- iOS 12.1.2
この「.1.2」の部分がリビジョン(マイナーバージョンとパッチバージョン)です。
ソフトウェアの表記例:
- Version 2.0 Revision 3 → Ver.2.0 Rev.3 または V2.0 R3
- StatWorks V5.0 R1.23
リビジョンが変わるとき
リビジョンは、以下のような小さな変更があったときに変わります:
典型的なケース:
- バグ修正
- セキュリティの脆弱性修正
- パフォーマンスの微調整
- 誤字脱字の修正
- 軽微な機能改善
例:
- アプリがときどきクラッシュする不具合を修正 → リビジョンアップ
- セキュリティホールを塞いだ → リビジョンアップ
- 動作速度を少し改善した → リビジョンアップ
- マニュアルの誤植を修正した → リビジョンアップ
略記方法
表記例:
- Revision 3 → Rev.3 または R3
- Revision 1.2.3 → Rev.1.2.3 または R1.2.3
バージョンとリビジョンの違い – 一覧表で比較
| 項目 | バージョン(Version) | リビジョン(Revision) |
|---|---|---|
| 意味 | 版、大きな区切り | 改訂、修正 |
| 変更の規模 | 大きい | 小さい |
| 変更内容 | 新機能追加、大幅な仕様変更 | バグ修正、軽微な改善 |
| 略記 | Ver. または V | Rev. または R |
| 更新頻度 | 低い(年単位) | 高い(月単位、週単位) |
| 料金 | 有償が多い | 無償が多い |
| 互換性 | 変わることがある | 基本的に保たれる |
| インパクト | ユーザーに大きな影響 | ユーザーにはほぼ影響なし |
大小関係で覚えよう
階層構造:
バージョン > リビジョン
- バージョン:建物全体の増改築
- リビジョン:部屋の壁紙の張り替え
このイメージで覚えると分かりやすいでしょう。
番号の付け方 – セマンティックバージョニング
一般的な番号形式
ソフトウェアのバージョン番号は、通常以下の形式で表されます:
メジャー.マイナー.パッチ
例:
2.5.3
意味:
- 2:メジャーバージョン(大きな変更)
- 5:マイナーバージョン(中程度の変更)
- 3:パッチバージョン(小さな修正)
セマンティックバージョニング
セマンティックバージョニング(Semantic Versioning)は、バージョン番号に明確なルールを設ける方式です。
形式:
X.Y.Z
ルール:
- X(メジャー):互換性のない大きな変更
- Y(マイナー):後方互換性のある機能追加
- Z(パッチ):後方互換性のあるバグ修正
例:
1.0.0 → 初版リリース
1.0.1 → バグ修正(パッチ)
1.1.0 → 新機能追加(マイナー)
2.0.0 → 互換性のない大変更(メジャー)
番号の増加ルール
パッチバージョンの増加:
1.2.3 → 1.2.4
バグ修正のみ
マイナーバージョンの増加:
1.2.4 → 1.3.0
新機能追加。パッチはゼロにリセット
メジャーバージョンの増加:
1.3.0 → 2.0.0
大きな変更。マイナーとパッチはゼロにリセット
業界・分野による違い
実は、バージョンとリビジョンの使い分けは業界や企業によって異なることがあります。
ソフトウェア業界(一般的)
バージョン:大きな機能追加や変更
リビジョン:バグ修正やマイナーな改善
表記例:
Ver.2.0 Rev.3
Version 3.5 Revision 12
PLM・CAD業界
PLM(製品ライフサイクル管理)システムでは、少し違う定義が使われます。
バージョン:
- エンジニアが作業中に保存するたびに増える「作業履歴」
- 内部的な変更管理
リビジョン:
- 正式に承認された「改訂版」
- 外部に公開されるマイルストーン
例:
リビジョンA:
├ バージョン1(初期作成)
├ バージョン2(修正1回目)
└ バージョン3(修正2回目)→ 承認
リビジョンB:
├ バージョン1(Aから変更開始)
├ バージョン2(修正)
└ バージョン3(修正)→ 承認
つまり、PLM業界ではソフトウェア業界と逆の意味で使われることもあります!
文書管理
バージョン:
- 文書の保存履歴
- チェックインのたびに増える
リビジョン:
- 公式に発行された版
- 承認プロセスを経たもの
ハードウェア
バージョン:製品の世代(iPhone 12, iPhone 13など)
リビジョン:同じ製品の内部的な改良(基板のリビジョンAからBなど)
実例で学ぼう – 身近なソフトウェア
例1:iOS(iPhone/iPad)
iOS 12.1.2
分解:
- 12:メジャーバージョン(大きな新機能)
- 1:マイナーバージョン(中程度の機能追加)
- 2:パッチバージョン(バグ修正)
変化の例:
iOS 11.4.1
↓ メジャーアップデート(年1回、大型アップデート)
iOS 12.0.0
↓ マイナーアップデート(新機能追加)
iOS 12.1.0
↓ パッチアップデート(バグ修正)
iOS 12.1.1
↓ パッチアップデート(バグ修正)
iOS 12.1.2
例2:Windows
Windows 10(商品名)
実際のバージョン:10.0.19044.1234
分解:
- 10.0:メジャー.マイナー
- 19044:ビルド番号
- 1234:リビジョン(UBR: Update Build Revision)
例3:Chrome
Chrome 120.0.6099.129
分解:
- 120:メジャーバージョン
- 0:マイナーバージョン
- 6099:ビルド番号
- 129:パッチ番号
例4:一般的なビジネスソフト
StatWorks V5.0 R1.23
意味:
- V5.0:バージョン5.0(大きな機能追加があった版)
- R1.23:リビジョン1.23(23回目の細かい修正版)
有償・無償の違い
バージョンアップ(有償が多い)
バージョンアップは、大きな機能追加があるため、有償(お金がかかる)ことが多いです。
例:
- Adobe Photoshop CS6 → Photoshop CC(有償アップグレード)
- Microsoft Office 2019 → Office 2021(有償アップグレード)
- ゲームの無印版 → Complete Edition(有償)
理由:
- 新機能の開発にコストがかかっている
- 実質的に新製品に近い
リビジョンアップ(無償が多い)
リビジョンアップは、バグ修正や軽微な改善なので、無償(無料)が一般的です。
例:
- Windows 10の月例アップデート(無償)
- iOSのマイナーアップデート(無償)
- アプリのバグ修正アップデート(無償)
理由:
- 製品の品質を保つための義務
- ユーザーの信頼維持
注意:
最近はサブスクリプションモデル(月額・年額課金)が増えており、バージョンアップもリビジョンアップも含めてすべて無償で提供されるケースも増えています。
アップデートにかかる時間の目安
バージョンアップ
時間:長い(数十分〜数時間)
理由:
- 大量のファイルをダウンロード
- システムの大幅な書き換え
- 再起動が必要なことが多い
例:
- iOS 15 → iOS 16:30分〜1時間
- Windows 10 → Windows 11:1時間以上
リビジョンアップ
時間:短い(数分〜十数分)
理由:
- 少量のファイルのみ更新
- 部分的な書き換え
- 再起動不要なことも多い
例:
- iOS 16.1.1 → iOS 16.1.2:5〜10分
- アプリのバグ修正:数秒〜数分
確認方法 – 自分のバージョン・リビジョンを知る
Windowsの場合
方法1:設定から確認
- 「Windows + I」キーで設定を開く
- 「システム」→「バージョン情報」
- Windowsの仕様を確認
方法2:コマンドで確認
- 「Windows + R」キーで「ファイル名を指定して実行」
- 「winver」と入力して「OK」
- バージョン情報が表示される
iPhoneの場合
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」→「情報」
- 「ソフトウェアバージョン」を確認
アプリの場合
一般的な確認方法:
- アプリを開く
- メニューから「ヘルプ」または「?」を選択
- 「バージョン情報」または「このアプリについて」を選択
よくある混乱と注意点
混乱1:会社によって定義が違う
「バージョン」と「リビジョン」の厳密な定義は、会社や業界によって異なることがあります。
対策:
その製品の公式ドキュメントやヘルプを確認しましょう。
混乱2:「バージョンアップ」が曖昧
一般消費者向けには、小さな修正でも「バージョンアップ」と呼ぶことがあります。
理由:
- 「リビジョン」という言葉が一般的ではない
- 「アップデート」とだけ表記することも多い
混乱3:0.x.x のバージョン
Ver.0.9.5
意味:
- メジャーバージョンが「0」は開発中を意味することが多い
- 正式リリース前のベータ版やアルファ版
- いつでも大きく変わる可能性がある
混乱4:日付ベースのバージョン
一部のソフトウェアは日付をバージョン番号にします。
例:
Ubuntu 22.04(2022年4月リリース)
Ubuntu 24.04(2024年4月リリース)
この場合、リビジョンは別の番号で管理されます。
開発者視点 – バージョン管理システム
Gitとリビジョン
プログラマーが使うGitというツールでは、すべての変更履歴を「リビジョン」として記録します。
Gitのリビジョン(コミット):
commit a1b2c3d4e5f6...
これは40文字のハッシュ値で、一つ一つの変更を識別します。
GitHubのバージョンタグ
GitHubでは、重要な節目に「タグ」をつけます。
例:
v1.0.0
v1.1.0
v2.0.0
これがユーザーに提供されるバージョンになります。
まとめ – バージョンとリビジョンの違い
バージョンとリビジョンの違いについて、詳しく解説してきました。
重要ポイントのおさらい
1. バージョン(Version)
- 意味:版、大きな区切り
- 変更規模:大きい
- 内容:新機能追加、大幅な仕様変更
- 頻度:低い(年単位)
- 料金:有償が多い
- 例:iOS 12 → iOS 13、Windows 10 → Windows 11
2. リビジョン(Revision)
- 意味:改訂、修正
- 変更規模:小さい
- 内容:バグ修正、軽微な改善
- 頻度:高い(月単位、週単位)
- 料金:無償が多い
- 例:iOS 12.1.1 → iOS 12.1.2
3. 番号の形式
メジャー.マイナー.パッチ
↓ ↓ ↓
バージョン マイナー リビジョン
バージョン
4. 業界による違い
- ソフトウェア業界:バージョン>リビジョン
- PLM/CAD業界:場合によって逆の意味
- 文書管理:バージョン=作業履歴、リビジョン=正式版
覚え方
シンプルな覚え方:
バージョン = 大きな変更(有償が多い)
リビジョン = 小さな修正(無償が多い)
イメージ:
バージョン = 建物の増改築
リビジョン = 部屋の模様替え
実生活での活用
アップデート通知が来たら:
- バージョンアップの場合
- 新機能をチェック
- 時間に余裕があるときに実行
- 互換性を確認
- リビジョンアップの場合
- すぐに実行してOK
- セキュリティ修正が含まれることも
- 短時間で終わる
最後に
「バージョン」と「リビジョン」の違いを理解すると、ソフトウェアのアップデート通知を見たときに、それがどれくらい重要で、どれくらい時間がかかるかの目安が分かるようになります。
また、製品を選ぶときにも、「このソフトはバージョンアップが頻繁だから進化が早い」とか「リビジョンアップが細かくて品質管理が行き届いている」といった判断材料にもなります。
ぜひこの知識を、日常のIT生活に役立ててください!

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