デバイスマネージャーを開いたら、見慣れない「Realtek USB2.0 Audio」という項目が表示されていて、「これは何?」「いつの間にインストールされたの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、Realtek USB2.0 Audioとは何か、通常のRealtekオーディオとの違い、どんな時に使われるのか、トラブルの対処法まで詳しく解説していきます。
Realtek USB2.0 Audioとは?

USB接続オーディオデバイス用のドライバー
Realtek USB2.0 Audioは、USB接続のオーディオデバイスを動作させるためのドライバーです。
基本情報
- 開発元:Realtek Semiconductor(台湾)
- 用途:USB経由で接続するオーディオ機器の制御
- 対応OS:Windows 7、8、10、11
- 接続方式:USB 2.0規格
通常のRealtekオーディオとの違い
多くの人が混同しやすいポイントですが、Realtek USB2.0 Audioと通常のRealtekオーディオは全く別物です。
Realtek High Definition Audio(通常版)
- マザーボードに直接搭載されたオーディオチップ
- 3.5mmジャック(イヤホン端子)に接続
- パソコン内部の基板に実装
- デバイス名:「Realtek High Definition Audio」「Realtek(R) Audio」
Realtek USB2.0 Audio(USB版)
- USB経由で接続するオーディオデバイス用
- USB Type-AまたはType-Cで接続
- 外付けデバイスまたはUSBポート経由のオーディオ
- デバイス名:「Realtek USB2.0 Audio」
つまり、接続方式が全く違うのです。
どんな時に表示される?
Realtek USB2.0 Audioが表示されるのは、以下のようなデバイスを使っている場合です。
1. USBヘッドセット・ヘッドホン
USB端子で接続するタイプのヘッドセットやヘッドホンを使っている場合、Realtek USB2.0 Audioドライバーが使われることがあります。
該当する製品例
- USB接続のゲーミングヘッドセット
- USB-DAC内蔵ヘッドホン
- USB Type-C接続のイヤホン
通常の3.5mmジャック(イヤホン端子)接続の製品は、Realtek High Definition Audioを使います。
2. USBドッキングステーション
ノートパソコンにドッキングステーションを接続している場合、ドッキングステーション経由のオーディオ出力にRealtek USB2.0 Audioが使われます。
該当する製品
- Dell製ドッキングステーション
- Lenovo製ドッキングステーション
- HP製ドッキングステーション
- USB Type-Cハブ(オーディオ機能付き)
ドッキングステーションには通常、スピーカー出力やマイク入力の端子が付いています。これらはUSB経由で信号を送るため、Realtek USB2.0 Audioドライバーが必要になります。
3. 最新マザーボードのフロントパネルUSBオーディオ
Intel 700シリーズ(Z790、B760など)やAMD 600シリーズ(X670など)の最新マザーボードでは、フロントパネルのUSBポートにオーディオ機能が統合されている場合があります。
具体例
- MSI MAG Z790 TOMAHAWK WIFI
- ASUS ROG STRIX Z790-E GAMING WIFI
- Gigabyte Z790 AORUS MASTER
これらのマザーボードでは、フロントパネルのヘッドホン端子がUSB経由で接続されているため、Realtek USB2.0 Audioが使われることがあります。
従来の仕組み
フロントパネル → HD Audioケーブル → マザーボードのオンボードオーディオ → Realtek High Definition Audio
最新の仕組み
フロントパネル → USB内部接続 → USBオーディオチップ → Realtek USB2.0 Audio
4. USB接続のマイク・オーディオインターフェース
- USBマイク
- オーディオインターフェース(音楽制作用)
- USB接続のスピーカー
- Webカメラ(マイク機能付き)
これらのデバイスの一部には、Realtek製のUSBオーディオチップが搭載されています。
主なRealtekチップの種類
Realtek USB2.0 Audioには、いくつかのチップモデルがあります。
ALC4040
- エントリーモデル
- 基本的なUSBオーディオ機能
- ドッキングステーションなどに採用
ALC4050 / ALC4050H
- 中級モデル
- 高品質なオーディオ出力
- Dell、Lenovo、HPのワークステーション向けドッキングステーションに採用
- 24bit/96kHzまで対応
ALC4080
- ハイエンドモデル
- 最新のZ790マザーボードなどに採用
- 24bit/192kHzまで対応
- ハイレゾ音源に対応
Realtek USB2.0 Audioの特徴
メリット
1. プラグアンドプレイ
USB接続なので、デバイスを接続するだけで自動的に認識されます。
2. 高品質なオーディオ
USB経由でデジタル信号を送るため、ノイズが入りにくく、高音質を実現できます。
3. 外部電源が不要
USB経由で電力も供給されるため、別途電源アダプターが不要です。
4. Windows標準ドライバー対応
Windows 10バージョン1703以降、Windows標準のUSB Audio 2.0ドライバーが搭載されているため、専用ドライバーなしでも基本的な機能が使えます。
デメリット・問題点
1. 電源管理の問題(ポップノイズ)
Realtek USB2.0 Audioドライバーには、電源管理に関する問題があります。
- 10秒間音声が流れないと、自動的にD2パワーステート(省電力モード)に入る
- 音声を再生しようとすると、D2からD0(通常モード)への復帰に約750ms(0.75秒)かかる
- 復帰時に「ポップ」「プチッ」というノイズが発生する
- 最初の0.75秒の音が聞こえない
この問題は、特にALC4050、ALC4050H、ALC4080で報告されています。
2. 音の遅延
USB経由で信号を送るため、わずかながら遅延が発生します。音楽鑑賞では気になりませんが、ゲームや動画編集では影響が出る場合があります。
3. Realtek Audio Consoleの機能制限
USB版では、通常のRealtek Audio Consoleの一部機能が使えない場合があります。特にイコライザーなどの詳細設定が制限されることがあります。
Windows標準のUSB Audio 2.0ドライバーとの違い
Windows 10バージョン1703以降、WindowsにはUSB Audio 2.0ドライバーが標準搭載されています。
Windows標準ドライバーのメリット
- ポップノイズが発生しない
- 電源管理の問題がない
- 安定性が高い
Windows標準ドライバーのデメリット
- Realtek Audio Consoleが使えない
- イコライザーなどの詳細設定ができない
- 一部の高度な機能が使えない
どちらを使うべき?
ポップノイズが気になる場合
→ Windows標準のUSB Audio 2.0ドライバーを使う
Realtek Audio Consoleの機能を使いたい場合
→ Realtek USB2.0 Audioドライバーを使う
トラブルシューティング

トラブル1:ポップノイズが発生する
症状
音声を再生し始めるとき、または10秒以上無音の後に「プチッ」というノイズが入る。
原因
ドライバーが10秒後にD2パワーステート(省電力モード)に入るため。
対処法1:Windows標準ドライバーに切り替える
- デバイスマネージャーを開く
- 「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」を展開
- 「Realtek USB2.0 Audio」を右クリック
- 「ドライバーの更新」を選択
- 「コンピューターを参照してドライバーを検索」
- 「コンピューター上の利用可能なドライバーの一覧から選択します」
- 「USB Audio 2.0」または「汎用USBオーディオデバイス」を選択
- 「次へ」をクリック
対処法2:ドライバーを最新版に更新
メーカー(Dell、Lenovo、MSIなど)の公式サイトから、最新版のRealtek USB2.0 Audioドライバーをダウンロードしてインストールしてください。新しいバージョンでは問題が改善されている場合があります。
対処法3:常に音を流し続ける(応急処置)
無音状態を作らないために、無音の音楽ファイルをリピート再生し続けるという応急処置もあります。ただし、根本的な解決にはなりません。
トラブル2:音が出ない
症状
デバイスは認識されているが、音が全く出ない。
対処法1:既定のデバイスに設定
- タスクバーのスピーカーアイコンを右クリック
- 「サウンドの設定」を開く
- 「出力デバイスを選択してください」で「Realtek USB2.0 Audio」を選択
対処法2:ドライバーを再インストール
- デバイスマネージャーを開く
- 「Realtek USB2.0 Audio」を右クリック
- 「デバイスのアンインストール」を選択
- 「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除します」にチェック
- 「アンインストール」をクリック
- パソコンを再起動
- 自動的に再インストールされる
トラブル3:通常のRealtekオーディオが使えなくなった
症状
USBデバイスを接続したら、3.5mmジャックからの音が出なくなった。
原因
既定のデバイスがUSB側に切り替わっているため。
対処法
- 「サウンドの設定」を開く
- 「出力デバイスを選択してください」で「Realtek High Definition Audio」または「スピーカー」を選択
- または、USBデバイスを取り外す
トラブル4:音質が悪い、ノイズが多い
対処法1:USBポートを変更
- USB 3.0ポート(青色)ではなく、USB 2.0ポート(黒色)を使ってみる
- フロントパネルではなく、リアパネル(マザーボード直結)のUSBポートを使う
対処法2:USBハブを経由しない
USBハブを使っている場合は、パソコン本体に直接接続してください。
対処法3:他のUSB機器との干渉を避ける
同じUSBコントローラーに複数の機器を接続すると、ノイズが発生することがあります。別のUSBポートに変更してください。
トラブル5:マイクが認識されない
対処法
- 「サウンドの設定」を開く
- 「入力デバイスを選択してください」で「Realtek USB2.0 Audio」を選択
- 「デバイスのプロパティ」を開く
- 「このデバイスを有効にする」にチェック
- マイク音量を調整
Realtek USB2.0 Audioは削除できる?

使っていない場合は削除してOK
USB接続のオーディオデバイスを使っていない場合、Realtek USB2.0 Audioドライバーは削除しても問題ありません。
削除方法
- デバイスマネージャーを開く
- 「Realtek USB2.0 Audio」を右クリック
- 「デバイスのアンインストール」を選択
- 「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除します」にチェック
- 「アンインストール」をクリック
削除しても再び表示される場合
原因
- USBデバイスが接続されたまま
- フロントパネルのUSBオーディオ機能が有効になっている
対処法
- USBデバイスを取り外す
- BIOS/UEFIでフロントパネルUSBオーディオを無効化する
まとめ:Realtek USB2.0 Audioを理解しよう
Realtek USB2.0 Audioについて、重要なポイントをまとめます。
Realtek USB2.0 Audioとは
- USB接続のオーディオデバイスを動作させるドライバー
- USBヘッドセット、ドッキングステーション、最新マザーボードのUSBオーディオ機能などで使用
- 通常のRealtek High Definition Audio(オンボードオーディオ)とは別物
主な使用例
- USBヘッドセット・ヘッドホン
- USBドッキングステーション
- 最新マザーボードのフロントパネルUSBオーディオ
- USBマイク・オーディオインターフェース
チップの種類
- ALC4040:エントリーモデル
- ALC4050/ALC4050H:中級モデル(ワークステーション向け)
- ALC4080:ハイエンドモデル(Z790マザーボードなど)
メリット
- プラグアンドプレイで簡単接続
- 高音質なデジタルオーディオ
- 外部電源不要
- Windows標準ドライバー対応
デメリット・問題点
- 10秒後にD2パワーステートに入り、ポップノイズが発生する
- 音声の最初0.75秒が途切れる
- わずかな遅延が発生
- Realtek Audio Consoleの一部機能が制限される
ポップノイズの対処法
- Windows標準のUSB Audio 2.0ドライバーに切り替える(推奨)
- 最新版ドライバーに更新
- メーカーサポートに問い合わせ
Windows標準ドライバーとの比較
- Windows標準:ポップノイズなし、安定、ただしRealtek Audio Console使えず
- Realtek専用:Realtek Audio Console使用可、ただしポップノイズ問題あり
削除について
- USB接続のオーディオデバイスを使っていない場合は削除OK
- ただし、使用中のデバイスがある場合は削除しない
Realtek USB2.0 Audioは、USB接続のオーディオデバイスを使う上で重要なドライバーですが、電源管理の問題でポップノイズが発生するという課題があります。用途や状況に応じて、Windows標準ドライバーへの切り替えも検討してみてください。

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