「PCから急に音割れが聞こえるようになった…」
「ゲームや音楽を聴いているときにバリバリ・ビリビリという不快な音がする」
「ヘッドホンをつないだら音が歪んで聞こえる」
こんな経験はありませんか?
Realtek Audioを搭載したPCで音割れ(クラックリング、ポッピング、歪み)が発生するのは、実はとてもよくあるトラブルです。
今回は、Realtek Audioで音割れが発生する原因と、その解決方法を詳しく解説していきます。
音割れとは?症状を理解しよう

まず、「音割れ」という現象について正しく理解しておきましょう。
音割れの定義
音割れとは、スピーカーやヘッドホンから出力される音声信号が限界を超え、音が歪んで変質してしまう現象のことです。
正式には「クリッピング(Clipping)」や「ディストーション(Distortion)」と呼ばれます。
音割れの種類と聞こえ方
音割れには、いくつかのパターンがあります。
1. バリバリ・ビリビリ音(高音域の歪み)
高音を再生したときに「バリバリ」「ビリビリ」という耳障りなノイズが発生します。
これは、スピーカーやアンプが高周波の信号を処理しきれず、歪んでしまうために起こります。
2. ボツボツ・ブーン音(低音域の歪み)
重低音を再生したときに「ボツボツ」「ブーン」という振動音や歪みが発生します。
小型のノートPCスピーカーでは、低音を出力する能力が不足しているため、この症状が出やすいです。
3. パチパチ・プチプチ音(クラックリング)
音楽や動画を再生中に「パチパチ」「プチプチ」という短い雑音が不規則に入ります。
これはクラックリングと呼ばれ、ドライバーの問題やCPU負荷が原因で発生することが多いです。
4. ポップ音(ポッピング)
音が始まる瞬間や終わる瞬間に「ポッ」という音がします。
これはポッピングと呼ばれ、Realtekの省電力機能が原因で発生することが多いです。
5. こもった音・音質劣化
音割れまではいかないものの、音がこもって聞こえたり、全体的に音質が悪く感じられたりします。
これはサウンドエフェクトの設定が原因であることが多いです。
Realtek Audioで音割れが起こる主な原因
それでは、なぜRealtek Audioで音割れが発生するのか、主な原因を見ていきましょう。
原因1:イコライザーの設定(特に低音の上げすぎ)
最も多い原因がこれです。
Realtek Audio ConsoleやHDオーディオマネージャーのイコライザーで、低音を大幅にブースト(増幅)していると、小型スピーカーでは処理しきれず音割れが発生します。
特にノートPCの内蔵スピーカーは低音を出す能力が低いため、イコライザーで低音を上げると簡単に音割れします。
原因2:ラウドネス等化などのサウンドエフェクト
「ラウドネス等化」や「環境設定」などのサウンドエフェクトを有効にしていると、音声処理の過程で音が歪むことがあります。
特にラウドネス等化は、小さい音を大きくする機能なので、元々大きい音を再生すると限界を超えて音割れします。
原因3:音量の上げすぎ
Windows側の音量設定や、アプリ側の音量を100%にしていると、出力限界を超えて音割れが発生しやすくなります。
特に複数のアプリで同時に音を出している場合、音声信号が重なって音割れの原因になります。
原因4:サンプルレートの設定ミス
Windowsのサウンド設定で、サンプルレートを192kHzなど高すぎる値に設定していると、処理が追いつかず音割れやノイズが発生することがあります。
特に7.1chサラウンドなど多チャンネル設定と組み合わせると、問題が顕著になります。
原因5:Realtekドライバーの問題
古いドライバーや破損したドライバーが原因で音割れが発生することがあります。
特にWindowsアップデート後に自動的にインストールされる汎用ドライバーでは、音割れが起こりやすい傾向があります。
原因6:省電力機能(ポッピングの原因)
Realtekには省電力機能があり、音声出力がない時にアンプを自動的にオフにします。
音が再生される際にアンプが再起動するため、その瞬間に「ポッ」という音(ポッピング)が聞こえます。
原因7:CPU負荷が高すぎる
ゲームや動画編集など、CPUに高い負荷がかかる作業をしながら音楽を再生すると、オーディオ処理が追いつかず音飛びや音割れが発生します。
原因8:電力不足(ノートPCの場合)
ノートPCでACアダプタを接続せずにバッテリー駆動していると、電力不足で音割れが発生することがあります。
原因9:接続不良・ケーブルの問題
ヘッドホンやスピーカーの端子の接触不良や、ケーブルの断線が原因で音割れが発生することもあります。
原因10:オーディオ拡張機能の競合
Windows標準の「オーディオ拡張機能」や「Windows Spatial Sound」が、Realtekの機能と競合して音割れを引き起こすことがあります。
原因11:Wi-Fiやその他の電磁波干渉
意外かもしれませんが、Wi-Fiの電波がオーディオ回路に干渉して、ノイズや音割れの原因になることがあります。
特にUSB Wi-Fiアダプターを使用している場合に発生しやすいです。
音割れを解決する方法【基本編】
それでは、実際に音割れを解決する方法を見ていきましょう。
簡単な方法から順番に試していくのがポイントです。
解決方法1:イコライザーの低音を下げる
最も効果的で簡単な方法がこれです。
Realtek Audio Consoleの場合
- スタートメニューから「Realtek Audio Console」を起動
- 左側のメニューから「スピーカー」を選択
- 「イコライザー」セクションを探す
- 左側の低音域(31Hz~250Hz)のスライダーを0dBまたはマイナスに下げる
- 音楽を再生して音割れが改善したか確認
Realtek HD オーディオマネージャーの場合
- タスクバー右下の隠れたアイコンから、Realtekアイコンをクリック
- 「サウンドエフェクト」タブを選択
- イコライザーの左側(低音域)を下げる
ポイント
- 低音域は特に音割れを起こしやすいので、-3dB~0dBくらいに抑える
- すべてのバーを上げるのではなく、必要な帯域だけを上げる
- 調整後も音割れがする場合は、すべてのバーを0dBに戻す(フラット)
解決方法2:サウンドエフェクトをリセットする
イコライザー以外のエフェクトも音割れの原因になります。
手順
- コントロールパネルを開く
- 「ハードウェアとサウンド」→「Realtek HD オーディオマネージャ」をクリック
- 「サウンドエフェクト」タブを開く
- 環境欄の「リセット」ボタンをクリック
- 環境が「なし」になったことを確認
- 「OK」をクリック
解決方法3:ラウドネス等化をオフにする
ラウドネス等化は音割れの大きな原因です。
手順
- タスクバーの音量アイコンを右クリック
- 「サウンドの設定」を選択
- 「サウンド コントロール パネル」をクリック
- 「再生」タブで使用中のデバイスをダブルクリック
- 「拡張」タブを開く
- 「ラウドネス等化」のチェックを外す
- 「適用」→「OK」
注意
機種によっては「拡張」タブがなく、「オーディオ拡張機能」という項目になっていることがあります。
その場合は、オーディオ拡張機能を「オフ」にしてください。
解決方法4:音量を下げる
音量の上げすぎも音割れの原因です。
推奨設定
- Windows側の音量:80~90%
- アプリ側の音量:70~80%
特に、Windows音量とアプリ音量の両方を100%にするのは避けましょう。
解決方法5:サンプルレートを下げる
高すぎるサンプルレートが原因の場合もあります。
手順
- サウンドコントロールパネルを開く
- 使用中のデバイスのプロパティを開く
- 「詳細」タブを選択
- 「既定の形式」を「24ビット、48000Hz」に変更
- 「適用」→「OK」
なぜ48kHzがおすすめなのか
- ほとんどのゲームや動画は48kHzで制作されている
- 192kHzなど高いサンプルレートは処理負荷が高く、音割れの原因になる
- 元の音源以上のサンプルレートにしても音質は向上しない
解決方法6:すべてのサウンド効果をオフにする
Windowsの拡張機能も無効化してみましょう。
手順(Windows 11)
- 設定→システム→サウンドを開く
- 使用中のデバイスをクリック
- 「オーディオ拡張機能」を「オフ」に変更
手順(Windows 10)
- サウンドコントロールパネルを開く
- デバイスのプロパティ→「拡張」タブ
- 「すべてのサウンド効果をオフにする」にチェック
音割れを解決する方法【応用編】

基本的な方法で解決しない場合は、より高度な対処法を試してみましょう。
解決方法7:Realtekドライバーを再インストールする
ドライバーが破損している場合、再インストールが効果的です。
完全な再インストール手順
- Windowsキー + Xを押して「デバイスマネージャー」を開く
- 「サウンド、ビデオ、およびゲーム コントローラー」を展開
- 「Realtek」と名前がついているデバイスを右クリック
- 「デバイスのアンインストール」を選択
- 「このデバイスのドライバー ソフトウェアを削除します」にチェックを入れる
- 「アンインストール」をクリック
- PCを再起動(自動的にドライバーが再インストールされる)
メーカー公式ドライバーをインストールする方法
Windowsが自動インストールするドライバーでは音割れが改善しない場合、メーカー公式ドライバーを使いましょう。
- 使用しているPC/マザーボードのメーカーと型番を確認
- メーカーの公式サポートページにアクセス
- 型番で検索し、「ドライバー」セクションを開く
- 「Realtekオーディオドライバー」または「Audio Driver」をダウンロード
- ダウンロードしたファイルを実行してインストール
- PC再起動
主要メーカーのサポートページ
- Dell:https://www.dell.com/support/
- HP:https://support.hp.com/
- ASUS:https://www.asus.com/jp/support/
- Lenovo:https://support.lenovo.com/
解決方法8:省電力機能を無効化する(ポッピング対策)
音が始まる瞬間に「ポッ」という音がする場合は、省電力機能が原因です。
レジストリを編集する方法(上級者向け)
⚠️ 警告:レジストリの編集は慎重に行ってください。間違えるとPCが起動しなくなる可能性があります。
- Windowsキー + Rで「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「regedit」と入力してEnter
- 以下のパスに移動:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Realtek\Audio\RtkNGUI64\PowerMgnt
- 「Enabled」という項目を探す
- ダブルクリックして値を「0」に変更
- PCを再起動
注意点
- このレジストリキーがない場合もあります(UAD版Realtekなど)
- ドライバーを更新すると、この設定が「1」に戻ることがあります
別の方法:電源管理設定を変更
- デバイスマネージャーを開く
- Realtekオーディオデバイスを右クリック→「プロパティ」
- 「電源の管理」タブを開く
- 「電力を節約するために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにする」のチェックを外す
- 「OK」をクリック
解決方法9:CPU負荷を下げる
音飛びやクラックリングがCPU負荷で発生している場合の対策です。
1. 不要なアプリケーションを終了する
タスクマネージャー(Ctrl + Shift + Esc)を開いて、使っていないアプリを終了しましょう。
2. 電源プランを「高パフォーマンス」に変更
- コントロールパネル→「電源オプション」を開く
- 「高パフォーマンス」を選択
これにより、CPUが常に最大パフォーマンスで動作し、オーディオ処理が優先されます。
3. バックグラウンドアプリを制限
- 設定→プライバシーとセキュリティ→バックグラウンドアプリ
- 不要なアプリをオフにする
解決方法10:ACアダプタを接続する(ノートPCの場合)
ノートPCをバッテリー駆動している場合は、ACアダプタを接続してください。
電力不足が解消され、音割れが改善することがあります。
解決方法11:Windows Spatial Soundを無効にする
Windows標準の立体音響機能が干渉している場合があります。
手順
- サウンドコントロールパネルを開く
- 再生デバイスのプロパティを開く
- 「立体音響」タブを選択
- 「オフ」を選択
- 「適用」→「OK」
解決方法12:フロントパネル設定を変更する(デスクトップPCの場合)
ASUS製マザーボードなど、一部の環境ではフロントパネルの設定をAC97に変更すると音割れが改善します。
手順
- Realtek HD オーディオマネージャーを開く
- 右上の設定アイコン(歯車マーク)をクリック
- 「コネクタ設定」を探す
- 「HD Audio」から「AC97」に変更
解決方法13:Wi-Fiを一時的に無効化して確認
Wi-Fiの電磁波が干渉している可能性があります。
テスト方法
- Wi-Fiを一時的にオフにする
- 音割れが改善するか確認
- 改善する場合は、Wi-Fiルーターの位置を変えるか、有線LAN接続に切り替える
ハードウェア側の問題を確認する
ソフトウェア側の設定をすべて試しても改善しない場合、ハードウェアに問題がある可能性があります。
確認1:接続を確認する
チェック項目
- ヘッドホンやスピーカーのプラグがしっかり差さっているか
- ケーブルが断線していないか(別のケーブルで試す)
- 端子部分にホコリが詰まっていないか
端子の掃除方法
- PC本体やスピーカーの電源を切る
- エアダスター(スプレー缶)で端子内部のホコリを吹き飛ばす
- 綿棒にアルコールを少量つけて、端子を優しく拭く
確認2:別のデバイスで試す
テスト方法
- 別のヘッドホンやスピーカーで音割れが発生するか確認
- 同じヘッドホンを別のPC/スマホにつないで音割れが発生するか確認
判断
- 別のヘッドホンでも音割れする → PC側(ソフトウェアまたはオーディオチップ)の問題
- 同じヘッドホンで他のデバイスでは正常 → PC側の問題
- 同じヘッドホンで他のデバイスでも音割れする → ヘッドホン側の故障
確認3:PCスピーカー自体の性能限界
特にノートPCの内蔵スピーカーは、構造上の限界があります。
- サイズが小さく、低音を出す能力がない
- 音量を上げると簡単に音割れする
- 複雑な音(重低音やオーケストラなど)の再生が苦手
解決策
この場合、外部スピーカーやヘッドホンを使用するしか根本的な解決方法はありません。
外部DAC・サウンドカードという選択肢
あらゆる方法を試しても改善しない場合、外部DAC・サウンドカードの導入を検討しましょう。
外部機器を導入するメリット
- Realtekのドライバートラブルから完全に解放される
- 音質が大幅に向上する
- ノイズや音割れが根本的に解決する
- 高インピーダンスヘッドホンもしっかり鳴らせる
おすすめの外部DAC(予算別)
エントリークラス(3,000~8,000円)
- Creative Sound Blaster Play! 4:USB接続、手軽
- FiiO E10K:コンパクトで高音質
ミドルクラス(10,000~20,000円)
- FiiO K5 Pro:デスクトップ用、パワフル
- TEAC UD-301:高性能DAC
よくある質問と回答
最後に、よくある質問をまとめておきます。
Q1:特定のアプリだけで音割れする場合は?
A:そのアプリの音量設定を下げてください。また、アプリを最新バージョンにアップデートすることで改善する場合があります。
Q2:ゲーム中だけ音割れがひどい
A:ゲーム中はCPU負荷が高いため、音割れが発生しやすくなります。
対策:
- グラフィック設定を下げてCPU負荷を減らす
- バックグラウンドアプリを終了する
- 電源プランを「高パフォーマンス」に設定
Q3:ドライバーを再インストールしても改善しない
A:Windowsが自動インストールする汎用ドライバーではなく、メーカー公式の専用ドライバーを使ってください。
Dell、HP、ASUSなどのメーカーサイトから、使用しているPCの型番に対応したドライバーをダウンロードしましょう。
Q4:音割れではなく、定期的に「パチッ」という音がする
A:これは「ポッピング」と呼ばれる現象で、Realtekの省電力機能が原因です。
解決方法8(レジストリ編集)を試してください。
Q5:Bluetooth接続のヘッドホンでも音割れする?
A:はい、Bluetooth接続でも音割れは発生します。
ただし、Bluetooth特有の「音飛び」や「遅延」と混同している可能性もあります。
有線接続で正常なら、Bluetoothの電波干渉や接続の問題です。
Q6:すべて試したけど改善しない…
A:以下の可能性が考えられます。
- オーディオチップ自体の故障:修理または外部DACの導入が必要
- マザーボードの問題:ノイズフィルタリング回路の不良など
- スピーカー/ヘッドホンの故障:別のデバイスで確認
この場合、外部USB DAC/サウンドカードの導入が最も確実な解決策です。
まとめ:段階的に試して確実に解決しよう
Realtek Audioの音割れは、ほとんどの場合設定を調整することで解決できます。
まず試すべき基本対策(5分でできる)
- イコライザーの低音を下げる(最も効果的)
- ラウドネス等化をオフにする
- 音量を80~90%に下げる
- サンプルレートを48kHzに設定
それでもダメなら試す応用対策
- Realtekドライバーを再インストール
- メーカー公式ドライバーを使用
- 省電力機能を無効化
- Windows Spatial Soundをオフ
最終手段
- 外部DAC・サウンドカードの導入
重要なポイント
- イコライザーで低音を上げすぎない(0dB~-3dBに抑える)
- 音量は100%にしない(80~90%がベスト)
- ラウドネス等化は音楽鑑賞時はオフ
- 定期的にドライバーを更新
音割れは不快ですが、正しい手順で対処すれば必ず改善できます。
この記事で紹介した方法を上から順番に試していけば、きっとクリアな音質を取り戻せるはずです。
快適なPC音楽ライフを楽しんでください!

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