「Realtek Audioの音質って実際どうなの?」
「もっと良い音で音楽を聴きたいけど、設定で改善できる?」
PCで音楽を聴いたりゲームをしたりしていて、こんな疑問を持ったことはありませんか?
今回は、多くのPCに搭載されているRealtek Audioの音質について、そして音質を向上させるための具体的な方法を詳しく解説していきます。
Realtek Audioとは?

Realtek Audio(リアルテック・オーディオ)は、台湾の半導体メーカーRealtekが開発したオーディオチップ(コーデック)です。
マザーボードに直接組み込まれているオンボードオーディオとして、世界中の多くのPCやノートパソコンで採用されています。
なぜRealtek Audioがこれほど普及しているのか
Realtek Audioが広く使われている理由は、いくつかあります。
コストパフォーマンスの高さ
Realtekのオーディオチップは、価格が非常に安価です。
実際、1ドル以下の部品コストで製造できるため、PCメーカーにとって採用しやすい選択肢となっています。
十分な性能
安価でありながら、一般的な用途には十分な音質を提供します。
普通に音楽を聴いたり、動画を見たり、ゲームをしたりする分には、特に不満を感じない品質です。
高い互換性
Windowsとの互換性が高く、ドライバーも安定しています。
多くのソフトウェアやハードウェアとスムーズに連携できるため、トラブルが少ないのも特徴です。
Realtek Audioの音質は実際どうなのか
ここが一番気になるポイントですよね。
結論から言うと、用途とユーザーの期待値によって評価が大きく変わります。
一般ユーザーにとっては「十分」
音楽を聴いたり、YouTubeを見たり、ゲームをしたりといった一般的な用途では、Realtek Audioの音質は十分です。
特に安価なヘッドホンやスピーカーを使っている場合、Realtekの性能が音質のボトルネックになることは少ないです。
オーディオファンや音楽制作者には「物足りない」
一方で、以下のような方には物足りなさを感じるかもしれません。
- 高級ヘッドホンやスピーカーを使っているオーディオファン
- 細かい音の違いを聞き分けたい音楽愛好家
- プロフェッシナルな音楽制作を行うクリエイター
こうした方々にとっては、Realtek Audioの音質は透明度や解像度が不足していると感じられることがあります。
Realtek Audioの具体的な弱点
Realtek Audioには、いくつかの技術的な制限があります。
1. ノイズフロア(残留ノイズ)
オンボードオーディオという性質上、マザーボード上の他の電子部品(CPUやGPUなど)から発生する電気的ノイズの影響を受けやすいです。
特に高負荷時(ゲームプレイ中など)に「サー」というホワイトノイズが聞こえることがあります。
2. ダイナミックレンジの制限
高価なオーディオインターフェースと比べると、静かな音と大きな音の表現幅がやや狭いです。
これにより、繊細な音の表現力が若干劣ります。
3. アンプ性能の不足
内蔵ヘッドホンアンプの出力が弱く、高インピーダンス(高抵抗値)のヘッドホンを鳴らしきれないことがあります。
例えば、300Ω以上のヘッドホンを使う場合、音量が十分に取れなかったり、音がこもって聞こえたりします。
Realtek Audioのコーデック(型番)による違い
「Realtek Audio」といっても、実はさまざまな型番(コーデック)があり、性能にも差があります。
主なコーデックを性能順に並べるとこうなります。
エントリーレベル
ALC887 / ALC892
- 発売時期:2010年頃
- SNR(信号対雑音比):95dB前後
- 用途:低価格帯マザーボード
- 特徴:基本的な音質、古い世代
これらは10年以上前のコーデックで、最新のものと比べると音質面で劣ります。
ミドルレンジ
ALC1200
- 発売時期:2015年頃
- SNR:100dB前後
- 用途:中価格帯マザーボード
- 特徴:コストパフォーマンスに優れる、Dolby Atmos / DTS:X対応
一般ユーザーには十分な性能で、現在も多くのマザーボードで採用されています。
ハイエンド
ALC1220
- 発売時期:2016年頃
- SNR:120dB
- 用途:ゲーミングマザーボード、高級マザーボード
- 特徴:高音質、32bit/384kHz対応
ALC1220は、Realtekの中では最も高性能なコーデックの1つです。
ALC892と比べると、音の透明度や解像度が明らかに向上しています。
最新世代
ALC4080 / ALC4050
- 発売時期:2020年代
- SNR:120dB以上
- 用途:最新の高級マザーボード
- 特徴:最新技術搭載、ノイズ対策強化
最新世代のコーデックは、従来のモデルよりもノイズ対策が強化されており、音質が向上しています。
型番の確認方法
自分のPCに搭載されているRealtekコーデックの型番は、以下の方法で確認できます。
- デバイスマネージャーを開く(Windowsキー + X →「デバイスマネージャー」)
- 「サウンド、ビデオ、およびゲーム コントローラー」を展開
- 「Realtek」と記載されているデバイスを右クリック→「プロパティ」
- 「詳細」タブで「ハードウェア ID」を確認
または、マザーボードの製品仕様ページで確認するのが確実です。
Realtek Audioの音質を向上させる設定方法
ここからが本題です。
Realtek Audioの音質を最大限に引き出すための設定方法を、順を追って解説していきます。
1. サンプルレートとビット深度の最適化
まず最初に設定すべきなのが、サンプルレートとビット深度です。
推奨設定
- ビット深度:24bit
- サンプルレート:48000Hz(48kHz)
この設定が、ほとんどのメディア(音楽、ゲーム、映画)に対して最適です。
設定手順
- タスクバーの音量アイコンを右クリック
- 「サウンドの設定」を選択
- 「サウンド コントロール パネル」をクリック
- 「再生」タブで使用中のデバイス(スピーカー/ヘッドホン)をダブルクリック
- 「詳細」タブを開く
- 「既定の形式」で「24ビット、48000Hz(スタジオ音質)」を選択
- 「適用」→「OK」をクリック
なぜ48kHzなのか?
多くの人は「サンプルレートは高ければ高いほど良い」と思いがちですが、これは誤解です。
- 44.1kHz:CDと同じ、音楽向け
- 48kHz:ゲームや映画で使用される標準
- 96kHz以上:高解像度音源向け
通常の音源を48kHz以上で再生しても、元の音源以上の情報は出てきません。
むしろ、不要なアップサンプリング処理によって音質が劣化する可能性すらあります。
24bitに設定するメリット
16bitよりも24bitの方が、ダイナミックレンジ(音の強弱の表現幅)が広くなります。
これにより、小さな音の表現力が向上し、全体的な音質が改善されます。
2. Realtek Audio Console / HD オーディオマネージャーの設定
Realtekの管理ソフトを使って、さらに細かく調整していきましょう。
Realtek Audio Consoleの起動方法
- スタートメニューを開く
- アプリ一覧から「Realtek Audio Console」を探してクリック
見つからない場合は、Microsoft Storeから無料でインストールできます。
Realtek HD オーディオマネージャーの場合
古いバージョンのドライバーを使用している場合は、「Realtek HD オーディオマネージャー」という名前かもしれません。
こちらは、タスクバー右下の隠れているインジケーターから、スピーカーアイコンをクリックして起動します。
3. イコライザー設定で好みの音質に
イコライザーは、特定の周波数帯の音量を調整することで、音質を自分好みにカスタマイズできる機能です。
イコライザーの開き方
Realtek Audio Consoleの場合:
- 左側のメニューから「スピーカー」を選択
- 「イコライザー」のセクションを探す
プリセットから選ぶ方法
イコライザーには、あらかじめ用意されたプリセット(設定のテンプレート)があります。
- ポップ:ポップスやJ-POP向け
- ライブ:ライブ音源の臨場感を強調
- クラブ:EDMやダンスミュージック向け
- ロック:ロックミュージック向け
- クラシック:クラシック音楽向け
まずはプリセットを試してみて、気に入ったものがあればそれをベースに微調整するのがおすすめです。
手動でカスタマイズする方法
イコライザーには、複数のスライダー(バー)が並んでいます。
- 左側:低音(低周波数)
- 真ん中:中音(中周波数)
- 右側:高音(高周波数)
音楽鑑賞向けのおすすめ設定
一般的な音楽を聴く場合は、以下の設定から始めてみましょう。
- 低音(60Hz~250Hz):+2~3dB(低音を少し強調)
- 中音(500Hz~2kHz):0dB(そのまま)
- 高音(4kHz~16kHz):+1~2dB(高音を少し強調)
ただし、音質は好みの問題なので、実際に音楽を再生しながら調整して、自分にとって心地よい設定を見つけてください。
ゲーム向けのおすすめ設定
FPSゲームなど、足音や銃声の方向を聞き分けたい場合:
- 低音(60Hz~250Hz):-2~0dB(低音を抑える)
- 中高音(2kHz~8kHz):+3~5dB(足音が聞こえやすくなる)
低音を抑えることで、重要な中高音域がマスキング(埋もれる)されにくくなります。
注意:イコライザーのかけすぎに注意
イコライザーで大幅にブースト(+6dB以上)すると、音が歪んだりクリッピング(音割れ)が発生する可能性があります。
調整は控えめに、最大でも±5dB程度にとどめましょう。
4. ラウドネス等化機能の活用
「ラウドネス等化」は、音量のばらつきを自動的に調整してくれる機能です。
ラウドネス等化をオンにするメリット
- 小さい音が聞き取りやすくなる
- 音量が急に大きくなったり小さくなったりしない
- 映画やゲームで迫力が増す
ラウドネス等化の設定方法
- サウンドコントロールパネルを開く
- 使用中のデバイスのプロパティを開く
- 「拡張」タブを選択
- 「ラウドネス等化」にチェック
- 「適用」→「OK」
注意点
ラウドネス等化は便利な機能ですが、音楽鑑賞には向いていません。
音楽は、静かな部分と大きな部分のダイナミクス(音量の強弱)が重要な表現手段です。
ラウドネス等化をオンにすると、この表現が潰れてしまい、本来の音楽性が失われます。
音楽を聴くときはオフ、映画やゲームのときはオン、と使い分けるのがおすすめです。
5. バーチャルサラウンド機能の設定
Realtek Audioには、バーチャルサラウンド(仮想的な立体音響)機能が搭載されています。
バーチャルサラウンドとは
ステレオヘッドホンでも、まるで周囲から音が聞こえてくるような立体的な音響効果を再現する技術です。
設定方法
- Realtek Audio Console または HDオーディオマネージャーを開く
- 「拡張」または「サウンドエフェクト」のセクションを探す
- 「ヘッドフォンバーチャル化」または「バーチャルサラウンド」にチェック
いつ使うべきか
- 映画鑑賞:臨場感が増す(おすすめ)
- FPSゲーム:足音の方向が分かりやすくなる(好みによる)
- 音楽鑑賞:音が人工的になる(おすすめしない)
バーチャルサラウンドは好みが分かれる機能なので、オン・オフを切り替えて、自分の好みに合うか試してみてください。
6. 環境設定の活用
Realtekには、環境(リバーブ・エコー)効果を付加する機能もあります。
利用可能な環境設定
- ホール
- 劇場
- ライブハウス
- 浴室
- 洞窟
など、さまざまな空間の音響効果を再現できます。
使いどころ
正直なところ、日常的な使用にはあまりおすすめしません。
音楽や映画は、制作者が意図した通りの音で聴くのが基本です。
環境設定は、あくまで遊びや実験的な用途として楽しむ程度に考えてください。
Realtek Audioのノイズ対策

「サー」というホワイトノイズや「ブーン」というハム音(電源ノイズ)が気になる場合の対処法です。
1. マイクブースト機能をオフにする
マイクから録音する際にノイズが乗る場合、マイクブーストが原因の可能性があります。
設定方法
- サウンドコントロールパネルを開く
- 「録音」タブを選択
- マイクをダブルクリックしてプロパティを開く
- 「レベル」タブで「マイクブースト」を0dBまたは+10dB以下に下げる
マイクブーストを上げすぎると、ノイズも一緒に増幅されてしまいます。
2. ライン入力レベルを下げる
ライン入力(外部機器からの入力)にノイズが乗る場合は、入力レベルを下げましょう。
推奨設定
ライン入力レベルを20以下に設定すると、ノイズが大幅に軽減されます。
デフォルトでは55程度になっていることが多く、これが高すぎてノイズの原因になります。
3. Windows Spatial Sound(立体音響)を無効にする
Windows標準の立体音響機能が、Realtekと競合してノイズを発生させることがあります。
無効化の手順
- サウンドコントロールパネルを開く
- 再生デバイスのプロパティを開く
- 「立体音響」タブを選択
- 「オフ」を選択
- 「適用」→「OK」
4. 電源管理設定の変更
PCの省電力設定が、オーディオの品質に影響することがあります。
高パフォーマンスモードに変更
- コントロールパネル→「電源オプション」を開く
- 「高パフォーマンス」を選択
これにより、オーディオ処理が優先され、ノイズやクラックリング(パチパチ音)が軽減されることがあります。
5. すべての入力ジャックを独立させる
複数の入力端子を使用している場合、独立させることでノイズが軽減されます。
設定方法
- Realtek Audio Console または HDオーディオマネージャーを開く
- 右上の「オプション」または設定アイコンをクリック
- 「録音デバイス」のセクションを探す
- 「すべての入力ジャックを独立した入力デバイスとして分離します」にチェック
外部DAC・サウンドカードとの比較
「Realtek Audioを使い続けるべきか、それとも外部機器を導入すべきか?」
これは多くの人が悩むポイントです。
Realtek Audioで十分なケース
以下のような場合は、Realtek Audioで問題ありません。
- 安価なヘッドホンやスピーカーを使用している
- 音楽はYouTubeやSpotifyなどストリーミングで聴く程度
- 音質に特別なこだわりはない
- ゲームや動画視聴が主な用途
この場合、外部機器を導入してもその効果を十分に感じられない可能性があります。
外部DAC・サウンドカードを検討すべきケース
以下のような場合は、外部機器の導入を検討する価値があります。
- 高級ヘッドホン(2万円以上)やスピーカーを使用している
- ハイレゾ音源など高音質ファイルを聴く
- 音楽制作やレコーディングを行う
- 高インピーダンス(300Ω以上)のヘッドホンを使用
これらの場合、Realtekがボトルネックになっている可能性が高いです。
おすすめの外部DAC(予算別)
エントリークラス(5,000~10,000円)
- FiiO E10K:コンパクトで高音質、初心者におすすめ
- Creative Sound Blaster Play! 4:USB接続で手軽
ミドルクラス(10,000~30,000円)
- FiiO K5 Pro:デスクトップ用、パワフルなアンプ
- TEAC UD-505:高性能DAC、バランス接続対応
ハイエンド(30,000円以上)
- Audioquest DragonFly Cobalt:ポータブルながら高性能
- Chord Mojo:プロも使用する高級DAC
外部DACを使うと、ノイズが大幅に減り、音の透明度や解像度が向上します。
特にRealtekの古いコーデック(ALC887やALC892)を使っている場合は、劇的な音質改善を体感できるはずです。
よくある問題と解決方法
最後に、Realtek Audioでよく遭遇する問題とその解決方法をまとめておきます。
Q1:音質が急に悪くなった
原因:Windowsアップデートでドライバーが更新された可能性があります。
解決方法:
- メーカー公式サイトから最新のRealtekドライバーをダウンロード
- 現在のドライバーをアンインストール
- ダウンロードしたドライバーをインストール
- PC再起動
Q2:ヘッドホンの音量が小さすぎる
原因:高インピーダンスのヘッドホンに対して、Realtekの内蔵アンプの出力が不足しています。
解決方法:
- ヘッドホンアンプまたは外部DACの導入を検討する
- インピーダンスの低いヘッドホン(32Ω以下)に変更する
Q3:音が途切れる・プチプチ音がする
原因:CPUの処理が追いつかず、オーディオバッファが不足しています。
解決方法:
- 他の重いアプリケーションを終了する
- 電源プランを「高パフォーマンス」に変更
- サンプルレートを44.1kHzまたは48kHzに下げる
Q4:マイクにノイズが乗る
原因:マイクブーストが高すぎる、または周辺のノイズを拾っています。
解決方法:
- マイクブーストを+10dB以下に設定
- Realtek Audio Consoleの「ノイズ抑制」機能を有効化
- マイクをPCから離す(USB延長ケーブルの使用)
Q5:イコライザーが使えない・表示されない
この問題については、別の記事で詳しく解説しています(前回作成した「Realtek Audioのイコライザーがない」記事を参照)。
Realtek Audioを最大限に活用するためのまとめ
最後に、Realtek Audioの音質を最大化するためのポイントをまとめます。
必ずやるべき設定
- ビット深度を24bitに設定
- サンプルレートを48kHzに設定
- 自分の好みに合ったイコライザープリセットを選ぶ
状況に応じて設定すべき項目
- ラウドネス等化:映画・ゲーム向け(音楽鑑賞には不向き)
- バーチャルサラウンド:ゲームや映画で試してみる
- ノイズ抑制:マイク使用時に有効化
音質に不満がある場合
- まず設定を見直す(この記事の内容を実践)
- それでも不満なら外部DAC・サウンドカードを検討
- 使用しているヘッドホン・スピーカーのグレードも確認
Realtekの限界を理解する
Realtek Audioは、コストパフォーマンスに優れた一般向けのオーディオソリューションです。
適切に設定すれば十分に良い音で楽しめますが、プロ用機材やハイエンドオーディオと同等の性能を期待するのは無理があります。
自分の用途とRealtekの性能がマッチしているかを見極め、必要に応じて外部機器の導入を検討するのが賢い選択です。
まとめ
Realtek Audioの音質は、適切に設定すれば一般的な用途には十分です。
特に以下の設定を行うことで、音質を大幅に改善できます。
- サンプルレートとビット深度の最適化(24bit / 48kHz)
- イコライザーの活用
- ノイズ対策の実施
一方で、高級ヘッドホンを使っている場合や、音質に強いこだわりがある場合は、外部DAC・サウンドカードの導入を検討しましょう。
Realtekは決して「悪い音質」ではありません。
むしろ、その価格帯で考えれば驚くほど優秀なチップです。
この記事で紹介した設定を試して、ぜひRealtekの潜在能力を最大限に引き出してください!
きっと、今まで以上に音楽やゲームが楽しくなるはずですよ。

コメント