RAMとROMの違いとは?パソコン・スマホのメモリを完全解説

プログラミング・IT

「RAMが4GBで、ROMが64GBって、どういう意味?」「メモリとストレージって何が違うの?」

パソコンやスマートフォンを選ぶとき、「RAM」や「ROM」という言葉を目にすることがありますよね。でも、この2つの違いをきちんと説明できる人は意外と少ないんです。

この記事では、RAMとROMの違いについて、初心者にもわかりやすく解説していきます。スマホやパソコン選びで失敗しないための知識を、しっかり身につけましょう!

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RAMとROMの基本:まずは全体像を理解しよう

RAMとROMは、どちらもコンピューターの「メモリ(記憶装置)」の一種です。

しかし、その役割は大きく異なります。

RAMとは?「作業用の机」

RAM(ラム)は「Random Access Memory(ランダム・アクセス・メモリー)」の略です。

日本語に訳すと「自由に読み書きできる記憶装置」という意味になります。

RAMは、パソコンやスマホが作業をするための一時的な記憶スペースです。

ROMとは?「読み出し専用の記憶装置」

ROM(ロム)は「Read Only Memory(リード・オンリー・メモリー)」の略です。

日本語では「読み出し専用メモリ」という意味になります。

本来の意味では、ROMはデータを読み出すことはできるけれど、書き込むことはできない記憶装置のことです。

ただし、この用語は現代では少しややこしい使われ方をしているので、後ほど詳しく説明します。

RAMを理解しよう:「作業机」に例えると分かりやすい

RAMの役割を理解するには、「作業机」に例えるとイメージしやすいです。

RAMは作業スペース

勉強や仕事をするとき、机の上に教科書やノート、筆記用具などを広げますよね。

机が広ければ広いほど、たくさんの資料を同時に広げて作業できます。逆に、机が狭いと、必要なものを全部広げられず、作業効率が悪くなってしまいます。

RAMも同じです。

  • RAMが大きい(容量が多い):たくさんのアプリやデータを同時に扱える
  • RAMが小さい(容量が少ない):少ししかアプリやデータを扱えない

例えば:

  • ウェブブラウザで10個のタブを開く
  • 動画編集ソフトで作業する
  • 複数のアプリを同時に起動する

これらの作業は、すべてRAM上で行われます。RAMの容量が大きいほど、これらの作業を快適に行えるわけです。

RAMは「揮発性メモリ」

RAMには重要な特徴があります。それは、電源を切るとデータが消えてしまうということです。

この性質を「揮発性(きはつせい)」と呼びます。

作業机の例で言えば、仕事が終わって帰るとき、机の上をすべて片付けるイメージです。翌日出勤したら、また一から必要なものを机の上に並べ直す必要がありますよね。

だから、パソコンで作成した文書を保存せずに電源を切ってしまうと、データが失われてしまうんです。

RAMは「一時的な作業場所」であって、「長期保存する場所」ではないんですね。

RAMの容量の単位

RAMの容量は「GB(ギガバイト)」という単位で表されます。

一般的なRAMの容量は:

パソコンの場合

  • 4GB:軽い作業(ウェブ閲覧、文書作成など)
  • 8GB:一般的な作業に十分
  • 16GB:動画編集、ゲームなど重い作業向け
  • 32GB以上:プロフェッショナル向け

スマートフォンの場合

  • 2〜4GB:エントリーモデル
  • 6〜8GB:ミドルレンジモデル
  • 12GB以上:ハイエンドモデル

RAMが不足するとどうなる?

RAMの容量が不足すると、以下のような問題が起こります。

動作が遅くなる
複数のアプリを開いていると、パソコンやスマホの動きがカクカクしてきます。

アプリが強制終了する
RAMが足りなくなると、バックグラウンドで動いていたアプリが勝手に終了してしまうことがあります。

フリーズする
最悪の場合、パソコンやスマホがフリーズ(固まってしまう)することも。

RAMは、快適なデジタルライフに欠かせない重要なパーツなんですね。

ROMを理解しよう:本来の意味と現代の使い方

ROMについては、少しややこしい事情があります。

ROMの本来の意味

ROMは本来、「Read Only Memory(読み出し専用メモリ)」という意味で、データの読み出しはできるけれど、書き込み(保存)はできない記憶装置のことを指していました。

分かりやすい例:

  • 音楽CD:データを読み取って音楽を聴けるけど、新しい曲を書き込むことはできない
  • ゲームカートリッジ:ゲームデータが保存されていて、プレイできるけど、データを変更できない

これらが、ROMの典型的な例です。

ROMは「不揮発性メモリ」

ROMの重要な特徴は、電源を切ってもデータが消えないということです。

この性質を「不揮発性(ふきはつせい)」と呼びます。

音楽CDをプレーヤーから取り出しても、CDに記録された音楽データは消えませんよね。それと同じです。

スマホの「ROM」は実はストレージのこと!

ここが非常に混乱しやすいポイントです。

日本のスマートフォン業界では、「ROM」という言葉を「ストレージ(データ保存領域)」の意味で使っています。

例えば、スマホのスペック表に:

  • RAM:4GB
  • ROM:64GB

と書かれていた場合、この「ROM」は本来の「読み出し専用メモリ」ではなく、写真や動画、アプリなどを保存できる内蔵ストレージのことを指しています。

本来の意味では、ROMは書き込みができないはずなのに、スマホの「ROM」には自由にデータを保存できる。これが混乱の原因なんです。

海外では、同じものを「Internal Storage(内蔵ストレージ)」と呼ぶのが一般的です。

つまり:

  • パソコンでの表記:ストレージ(またはSSD、HDD)
  • 日本のスマホでの表記:ROM
  • 海外のスマホでの表記:Storage、Internal Memory

すべて同じものを指しているんですね。

パソコンでのROMの役割

パソコンにおいては、ROMは主にBIOS(バイオス)やUEFI(ユーファイ)と呼ばれる、コンピューターを起動するための基本的なプログラムを保存するために使われます。

電源を入れたとき、まずROMに保存されたこのプログラムが動き出し、OSを起動する準備をするんです。

この役割のROMは、容量も数メガバイト程度と非常に小さいです。

RAMとROMの違い:5つの重要なポイント

RAMとROMの違いを、表で整理してみましょう。

1. データの保持性(揮発性 vs 不揮発性)

RAM

  • 揮発性メモリ
  • 電源を切るとデータが消える
  • 一時的な記憶

ROM

  • 不揮発性メモリ
  • 電源を切ってもデータは残る
  • 永続的な記憶

2. 主な用途

RAM

  • アプリやソフトの実行
  • データの一時保存
  • マルチタスク処理

ROM(本来の意味)

  • 起動プログラム(BIOS/UEFI)の保存
  • 変更されない固定データの保存

ROM(スマホでの意味)

  • 写真、動画、音楽の保存
  • アプリのインストール
  • ファイルの長期保存

3. 読み書きの速度

RAM

  • 非常に高速(数GB/秒)
  • CPUから直接アクセス可能
  • 処理速度を大きく左右する

ROM(本来の意味)

  • RAMより遅い(数MB/秒)
  • 頻繁なアクセスには不向き

ストレージ(スマホのROM)

  • RAMより遅いが、ROMより速い
  • SSDなら高速、HDDなら低速

4. 容量

RAM

  • パソコン:4GB〜64GB程度
  • スマホ:2GB〜16GB程度

ROM(本来の意味)

  • 数メガバイト程度

ストレージ(スマホのROM)

  • スマホ:32GB〜1TB(テラバイト)
  • パソコン:128GB〜数TB

5. データの書き換え

RAM

  • 自由に何度でも読み書き可能
  • 非常に頻繁にデータが変わる

ROM(本来の意味)

  • 基本的に書き換え不可
  • 特殊な方法でのみ変更可能

ストレージ(スマホのROM)

  • 自由に読み書き可能
  • ファイルの保存・削除が自由

RAMの種類:DRAM と SRAM

RAMにも、いくつかの種類があります。

DRAM(ディーラム)

Dynamic RAM(ダイナミック・ラム)の略です。

「Dynamic(動的)」という名前の通り、データを保持するために定期的な「リフレッシュ(書き直し)」が必要なRAMです。

特徴

  • 構造がシンプルで、大容量化しやすい
  • 価格が比較的安い
  • パソコンのメインメモリとして使われる
  • スマホやタブレットにも使われる(モバイルDRAM)

SRAM(エスラム)

Static RAM(スタティック・ラム)の略です。

「Static(静的)」という名前の通り、リフレッシュが不要なRAMです。

特徴

  • 構造が複雑で、容量あたりの価格が高い
  • DRAMより高速
  • CPUのキャッシュメモリとして使われる
  • 大容量化には向かない

一般的に「RAM」と言った場合は、DRAMのことを指していることがほとんどです。

ROMの種類:PROM、EPROM、EEPROM

本来の意味でのROMにも、いくつかの種類があります。

Mask ROM(マスクロム)

製造時にデータが書き込まれ、その後は一切変更できないROMです。

大量生産に向いており、コストが安いです。

PROM(ピーロム)

Programmable ROM(プログラマブル・ロム)の略です。

ユーザーが1回だけデータを書き込むことができます。一度書き込んだら、変更はできません。

EPROM(イーピーロム)

Erasable Programmable ROM(イレイサブル・プログラマブル・ロム)の略です。

紫外線を当てることで、データを消去して書き直すことができます。

EEPROM(イーイーピーロム)

Electrically Erasable Programmable ROM(エレクトリカリー・イレイサブル・プログラマブル・ロム)の略です。

電気的にデータを消去・書き込みできるROMです。

フラッシュメモリ

EEPROMの一種で、USBメモリやSSD、スマホのストレージなどに使われています。

高速で、大容量化も可能なため、現代のデジタルデバイスに広く使われています。

ストレージとは?RAMやROMとの違い

もう一つ、混乱しやすい用語が「ストレージ」です。

ストレージの役割

ストレージは、データを長期保存するための記憶装置です。

わかりやすく言えば、「本棚」や「引き出し」のようなものです。

作業机(RAM)に広げたノートや資料を、使い終わったら本棚(ストレージ)にしまっておく、というイメージですね。

ストレージの種類

HDD(ハードディスクドライブ)

  • 磁気ディスクにデータを保存
  • 大容量で安価
  • 速度は比較的遅い
  • 衝撃に弱い

SSD(ソリッドステートドライブ)

  • フラッシュメモリにデータを保存
  • 高速
  • 衝撃に強い
  • HDDより高価(だが近年は価格差が縮小)

RAMとストレージの協力関係

パソコンやスマホは、RAMとストレージを連携させて動いています。

例えば、ワープロソフトで文書を作成する場合:

  1. ストレージに保存されているワープロソフトを起動
  2. ソフトのデータがRAMに読み込まれる
  3. RAM上でソフトが動作し、文書を作成
  4. 作成した文書をストレージに保存

このように、「高速だけど一時的なRAM」と「低速だけど長期保存できるストレージ」が協力することで、快適にデータを扱えるんですね。

実例で理解:パソコンとスマホの選び方

RAMとROMの知識を、実際のデバイス選びに活かしてみましょう。

パソコンを選ぶとき

ウェブ閲覧や文書作成が中心

  • RAM:8GB
  • ストレージ:256GB SSD

これくらいあれば十分快適に使えます。

動画編集やゲームもしたい

  • RAM:16GB以上
  • ストレージ:512GB以上のSSD

重い作業をするなら、RAMは多めに確保しましょう。

プロフェッショナル向け

  • RAM:32GB以上
  • ストレージ:1TB以上のSSD

4K動画編集や3DCGなど、本格的な作業をするなら、このくらいは欲しいところです。

スマホを選ぶとき

スマホのスペック表では:

  • RAM:作業用メモリ
  • ROM(実際にはストレージ):データ保存容量

と理解しましょう。

軽い使い方(SNS、ウェブ閲覧中心)

  • RAM:4GB
  • ROM(ストレージ):64GB

標準的な使い方(ゲームや動画視聴も)

  • RAM:6〜8GB
  • ROM(ストレージ):128GB

ヘビーユーザー(高画質動画撮影、重いゲーム)

  • RAM:12GB以上
  • ROM(ストレージ):256GB以上

写真や動画をたくさん撮る人は、ストレージ容量を重視しましょう。

よくある質問と答え

RAMとROMについて、よくある質問に答えます。

Q1. RAMは後から増やせる?

パソコンの場合
多くのデスクトップパソコンでは、RAMを増設できます。ノートパソコンは機種によります。

スマホの場合
スマホのRAMは増設できません。購入時に決まっている容量で使い続けることになります。

Q2. ROMは後から増やせる?

パソコンの場合
ストレージ(SSDやHDD)は、外付けや交換で増やせます。

スマホの場合
スマホ本体のストレージ(ROM)は増やせません。ただし、microSDカードで外部ストレージを追加できる機種もあります。

Q3. RAMが大きいと電池持ちが悪くなる?

RAMの容量自体は、電池持ちにほとんど影響しません。

ただし、大容量のRAMがあることで、たくさんのアプリをバックグラウンドで起動させてしまうと、その分電池を消費することになります。

Q4. 「メモリ」って言った場合、RAMとROMどっち?

一般的に、単に「メモリ」と言った場合はRAMのことを指すことが多いです。

ただし、日本のスマホ業界では混乱を避けるため、RAMを「メモリ」、ROMを「ストレージ」と呼び分けることもあります。

まとめ

RAMとROMの違いについて、詳しく解説してきました。

重要なポイントをおさらいしましょう。

  • RAM(ラム)は作業用の一時メモリで、電源を切るとデータが消える(揮発性)
  • ROM(ロム)は本来「読み出し専用メモリ」だが、スマホでは「ストレージ」を指すことが多い
  • RAMは作業机の広さ:大きいほどたくさんのアプリを快適に使える
  • ストレージ(スマホのROM)は本棚の大きさ:大きいほどたくさんのデータを保存できる
  • RAMは速度、ストレージは容量が重要
  • パソコン選びでは、用途に応じて適切なRAM容量を選ぶことが大切
  • スマホでは、RAMとROM両方のバランスを見て選ぶ

これらの知識を持っていれば、パソコンやスマホを選ぶときに、スペック表の意味がしっかり理解できるようになります。

自分の使い方に合った、快適なデバイスを選んでくださいね!

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