【Python初心者向け】四則演算の基本|計算のやり方を実例とともにやさしく解説

python

足し算、引き算、掛け算、割り算。小学校で習った四則演算が、プログラミングの基礎になります。Pythonでは、まるで電卓を使うように簡単に計算ができます。

この記事では、Python初心者の方でも今すぐ試せる四則演算の方法を、実際にコードを動かしながら学んでいきましょう。


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四則演算ってなに?

四則演算とは

四則演算とは、数学の基本的な4つの計算のことです:

  1. 足し算:数を足す
  2. 引き算:数を引く
  3. 掛け算:数をかける
  4. 割り算:数を割る

日常生活でも、お買い物の計算や時間の計算など、いつも使っている計算ですね。

Pythonで計算する理由

「電卓があるのに、なぜプログラミングで計算するの?」

そんな疑問を持つ方もいるでしょう。プログラミングで計算する良いところは:

  • たくさんの計算を一度にできる
  • 同じ計算を何回でも繰り返せる
  • 計算結果を保存して後で使える
  • 複雑な計算も正確にできる

例えば、100人分のテストの平均点を計算するとき、電卓だと時間がかかりますが、プログラミングなら一瞬です。


Pythonで使う計算記号

基本の計算記号

Pythonでは、以下の記号を使って計算します:

計算の種類記号読み方
足し算+プラス5 + 3
引き算-マイナス5 - 3
掛け算*アスタリスク5 * 3
割り算/スラッシュ5 / 3

ちょっと特別な計算記号

Pythonには、普通の電卓にはない便利な記号もあります:

計算の種類記号意味結果
整数の割り算//小数点以下を切り捨て5 // 31
あまり%割った余り5 % 32
べき乗**累乗(何乗)5 ** 3125

覚え方のコツ

  • // は「床割り算」と呼ばれます
  • % は「モジュロ」と呼ばれます
  • ** は「パワー」と覚えましょう

実際に計算してみよう

基本的な計算

まずは簡単な計算から始めてみましょう。

# 足し算
print(5 + 3)  # 結果: 8

# 引き算  
print(10 - 4)  # 結果: 6

# 掛け算
print(6 * 7)  # 結果: 42

# 割り算
print(15 / 3)  # 結果: 5.0

ポイント

  • print() は計算結果を画面に表示する命令です
  • # より右側はコメント(メモ)なので、実際には実行されません

数を変数に入れて計算

毎回数字を直接書くのではなく、変数という「箱」に数を入れて計算することもできます。

# 変数に数を入れる
a = 10
b = 3

# 変数を使って計算
print("足し算:", a + b)    # 結果: 足し算: 13
print("引き算:", a - b)    # 結果: 引き算: 7  
print("掛け算:", a * b)    # 結果: 掛け算: 30
print("割り算:", a / b)    # 結果: 割り算: 3.333333333333333

変数を使う理由

  • 同じ数を何回も使うとき便利
  • 後で数を変更したいとき簡単
  • プログラムが読みやすくなる

特別な割り算を試してみよう

a = 10
b = 3

# 普通の割り算(小数点あり)
print("普通の割り算:", a / b)     # 結果: 3.333333333333333

# 整数の割り算(小数点なし)
print("整数の割り算:", a // b)    # 結果: 3

# あまりを求める
print("あまり:", a % b)           # 結果: 1

# べき乗(10の3乗)
print("10の3乗:", a ** b)         # 結果: 1000

実用例

  • 整数の割り算 (//):「100個のお菓子を3人で分けると、一人何個?」
  • あまり (%):「100個のお菓子を3人で分けると、何個余る?」
  • べき乗 (**):「2の10乗は?」(コンピュータでよく使います)

計算の順番を理解しよう

計算の優先順位

数学と同じように、Pythonにも計算の順番があります:

  1. 括弧 () – 最優先
  2. べき乗 **
  3. 掛け算・割り算 * / // %
  4. 足し算・引き算 + -

実例で確認

# 括弧なしの場合
result1 = 2 + 3 * 4
print("2 + 3 * 4 =", result1)  # 結果: 14 (先に3*4が計算される)

# 括弧ありの場合
result2 = (2 + 3) * 4  
print("(2 + 3) * 4 =", result2)  # 結果: 20 (先に2+3が計算される)

# 複雑な例
result3 = 2 ** 3 + 1
print("2 ** 3 + 1 =", result3)  # 結果: 9 (先に2**3が計算される)

覚え方:数学の授業で習った通りです!迷ったら括弧を使いましょう。

括弧を使った読みやすい計算

# 読みにくい例
price = 100 * 1.08 + 50 * 1.08

# 読みやすい例  
item1_price = 100 * 1.08
item2_price = 50 * 1.08
total_price = item1_price + item2_price

print("合計金額:", total_price)  # 結果: 合計金額: 162.0

よくある間違いと解決法

間違い1: 掛け算の記号を忘れる

# ❌ 間違い
# result = 5x  # エラーになります

# ✅ 正しい
x = 3
result = 5 * x
print(result)  # 結果: 15

間違い2: ゼロで割る

# ❌ 間違い
# result = 10 / 0  # エラーになります

# ✅ 正しい(条件を確認)
a = 10
b = 0

if b != 0:
    result = a / b
    print("結果:", result)
else:
    print("ゼロで割ることはできません")

間違い3: 整数と小数の混同

# 小数点が欲しい場合
print(7 / 2)   # 結果: 3.5

# 整数が欲しい場合  
print(7 // 2)  # 結果: 3

# あまりが欲しい場合
print(7 % 2)   # 結果: 1

実用的な計算プログラムを作ってみよう

例1: 簡単な電卓

# 2つの数を入力してもらう
print("簡単な電卓プログラム")
print("2つの数を入力してください")

# 数の入力
num1 = float(input("1つ目の数: "))
num2 = float(input("2つ目の数: "))

# すべての計算を実行
print("\n=== 計算結果 ===")
print(f"足し算: {num1} + {num2} = {num1 + num2}")
print(f"引き算: {num1} - {num2} = {num1 - num2}")
print(f"掛け算: {num1} × {num2} = {num1 * num2}")

# 割り算はゼロチェック付き
if num2 != 0:
    print(f"割り算: {num1} ÷ {num2} = {num1 / num2}")
else:
    print("割り算: 0では割れません")

例2: お買い物の合計計算

# お買い物の計算プログラム
print("お買い物の合計を計算します")

# 商品の価格を入力
apple_price = 150
apple_count = int(input("りんごの個数: "))

banana_price = 100  
banana_count = int(input("バナナの個数: "))

# 小計を計算
apple_total = apple_price * apple_count
banana_total = banana_price * banana_count
subtotal = apple_total + banana_total

# 消費税を計算(10%)
tax_rate = 0.10
tax = subtotal * tax_rate
total = subtotal + tax

# 結果を表示
print("\n=== お会計 ===")
print(f"りんご: {apple_price}円 × {apple_count}個 = {apple_total}円")
print(f"バナナ: {banana_price}円 × {banana_count}個 = {banana_total}円")
print(f"小計: {subtotal}円")
print(f"消費税: {tax}円")
print(f"合計: {total}円")

例3: 偶数・奇数を判定

# 偶数・奇数の判定プログラム
number = int(input("数字を入力してください: "))

# あまり演算子を使って判定
if number % 2 == 0:
    print(f"{number}は偶数です")
else:
    print(f"{number}は奇数です")

計算結果を上手に使うコツ

結果を変数に保存

# 計算結果を保存して後で使う
width = 5
height = 3
area = width * height

print(f"横幅: {width}cm")
print(f"高さ: {height}cm") 
print(f"面積: {area}平方cm")

# 保存した結果を別の計算に使う
perimeter = (width + height) * 2
print(f"周囲の長さ: {perimeter}cm")

複数の計算を組み合わせ

# 円の面積と円周を計算
import math

radius = 5
pi = math.pi

# 円の面積 = π × 半径²
area = pi * radius ** 2

# 円の円周 = 2 × π × 半径  
circumference = 2 * pi * radius

print(f"半径: {radius}cm")
print(f"面積: {area:.2f}平方cm")  # .2fで小数点2桁まで表示
print(f"円周: {circumference:.2f}cm")

次のステップへ

四則演算をマスターしたら

四則演算の基本を覚えたら、以下にチャレンジしてみましょう:

条件分岐

score = 85

if score >= 80:
    print("優秀です!")
elif score >= 60:
    print("合格です")
else:
    print("もう少し頑張りましょう")

繰り返し処理

# 1から10まで足し算
total = 0
for i in range(1, 11):
    total = total + i
    
print(f"1から10までの合計: {total}")  # 結果: 55

関数を作る

def calculate_area(width, height):
    """長方形の面積を計算する関数"""
    return width * height

# 関数を使う
result = calculate_area(5, 3)
print(f"面積: {result}")  # 結果: 15

おすすめの練習問題

  1. BMIの計算:身長と体重からBMIを計算するプログラム
  2. 年齢計算:生まれた年から現在の年齢を計算
  3. 割り勘計算:食事代を人数で割る計算
  4. 単位変換:摂氏と華氏の温度変換
  5. ローン計算:月々の返済額を計算

まとめ

Python の四則演算は、プログラミングの第一歩として最適です。この記事で学んだことをまとめると:

覚えておきたい計算記号

記号意味使用例結果
+足し算5 + 38
-引き算5 - 32
*掛け算5 * 315
/割り算(小数)5 / 31.666...
//割り算(整数)5 // 31
%あまり5 % 32
**べき乗5 ** 3125

大切なポイント

  1. 計算の順番:括弧 → べき乗 → 掛け算・割り算 → 足し算・引き算
  2. 変数の活用:計算結果を保存して再利用
  3. エラーの回避:ゼロ除算などに注意
  4. 読みやすいコード:適切な変数名と括弧の使用

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