「エクセルで作った表の必要な部分だけを印刷したいけど、どうやって設定するの?」「印刷範囲を設定したのに、思ったように印刷されない…」そんな経験はありませんか?
資料作成や業務で文書を印刷する際に、必要な部分だけを効率的に印刷できれば、用紙やインクの節約になりますし、見やすい資料を作ることができますよね。でも、「印刷範囲の設定方法が分からない」「思った通りの範囲で印刷されない」「アプリケーションごとに方法が違って混乱する」といった問題を抱えている方も多いと思います。
この記事では、印刷範囲の設定方法を、エクセルを中心に、ワード、パワーポイント、PDFまで幅広く、初心者の方でも分かりやすく解説していきます。基本的な設定から応用テクニックまで、効率的な印刷のコツをご紹介しますね。
エクセルでの印刷範囲設定

基本的な印刷範囲の設定方法
エクセルでの印刷範囲設定は、最も頻繁に使用される機能の一つです。
手動での印刷範囲設定:
- 印刷したいセル範囲をドラッグして選択
- 「ページレイアウト」タブをクリック
- 「印刷範囲」→「印刷範囲の設定」を選択
- 選択した範囲が印刷範囲として設定される
名前ボックスを使った範囲指定:
- 名前ボックス(左上のセル番地表示部分)をクリック
- 範囲を直接入力(例:A1:F20)
- Enterキーを押して範囲を選択
- 「印刷範囲の設定」を実行
印刷範囲の確認方法:
- 「表示」→「改ページプレビュー」で視覚的に確認
- 青い実線で囲まれた部分が印刷範囲
- Ctrl+P で印刷プレビューでも確認可能
複数範囲の印刷設定
一つのシートで複数の範囲を印刷したい場合の設定方法です。
複数範囲の同時設定:
- 最初の範囲を選択
- Ctrlキーを押しながら追加の範囲を選択
- 「印刷範囲の設定」を実行
- 各範囲が別々のページとして印刷される
範囲の追加方法:
- 既存の印刷範囲が設定済みの状態
- 新たに追加したい範囲を選択
- 「印刷範囲」→「印刷範囲に追加」を選択
- 既存の範囲に新しい範囲が追加される
範囲の削除と変更:
- 印刷範囲のクリア:「印刷範囲」→「印刷範囲のクリア」
- 部分的な変更:再度範囲選択して「印刷範囲の設定」
- 調整:改ページプレビューでドラッグして調整
印刷タイトルの設定
各ページに項目名や見出しを印刷する方法です。
印刷タイトルの設定手順:
- 「ページレイアウト」タブを選択
- 「印刷タイトル」をクリック
- 「ページ設定」ダイアログが表示される
- 「印刷タイトル」セクションで設定
行のタイトル設定:
- 「行のタイトル」欄をクリック
- 各ページに印刷したい行を選択(例:$1:$3)
- すべてのページの上部に表示される
列のタイトル設定:
- 「列のタイトル」欄をクリック
- 各ページに印刷したい列を選択(例:$A:$B)
- すべてのページの左側に表示される
実用的な活用例:
- 大きな表の見出し行を全ページに表示
- 項目名の列を全ページに表示
- 会社名やタイトルを全ページに印刷
- 日付や作成者情報の共通表示
この章のまとめ: エクセルでの基本的な印刷範囲設定をマスターしました。次は、ワードでの印刷範囲設定について見ていきましょう。
ワードでの印刷範囲設定
選択部分の印刷
ワードで文書の一部分だけを印刷する方法です。
テキスト選択での部分印刷:
- 印刷したいテキスト部分をドラッグして選択
- Ctrl+P または「ファイル」→「印刷」
- 印刷設定で「選択した部分を印刷」を選択
- 「印刷」ボタンをクリック
段落単位での選択印刷:
- 段落の左端でトリプルクリックして段落全体を選択
- 複数段落はShift+クリックで範囲選択
- 見出しから本文まで一括選択も可能
表の部分印刷:
- 表内の印刷したい部分を選択
- 行全体、列全体、または特定のセル範囲
- 「選択した部分を印刷」で表の一部のみ印刷
ページ範囲の指定
特定のページまたはページ範囲を印刷する方法です。
ページ範囲指定の方法:
- 印刷ダイアログで「ページ」を選択
- 以下の形式で範囲を指定:
- 単一ページ:「3」(3ページ目のみ)
- 連続ページ:「1-5」(1~5ページ)
- 複数範囲:「1-3,7,10-12」
- 現在のページ:「現在のページ」を選択
セクション単位での印刷:
- セクション区切りがある文書で有効
- 「セクション」オプションで特定セクションのみ印刷
- 長文書の章別印刷に便利
印刷レイアウトの最適化
ワードでの印刷設定の詳細調整方法です。
余白の調整:
- 「レイアウト」タブ→「余白」
- プリセット余白または「ユーザー設定の余白」
- 上下左右の余白を個別に設定
- 印刷プレビューで確認
用紙サイズと向きの設定:
- 「レイアウト」→「サイズ」でA4、A3等を選択
- 「印刷の向き」で縦・横を切り替え
- カスタムサイズでの特殊用紙対応
ページ設定の詳細オプション:
- ヘッダー・フッターの設定
- ページ番号の配置
- 文字数・行数の指定
- 文字間隔の調整
印刷品質の設定:
- ドラフト品質:高速・低品質
- 標準品質:バランス重視
- 高品質:時間をかけて美しく
この章のまとめ: ワードでの印刷範囲設定と最適化を学びました。続いて、パワーポイントでの設定方法をご紹介します。
パワーポイントでの印刷範囲設定

スライド選択での印刷
パワーポイントで特定のスライドのみを印刷する方法です。
個別スライドの印刷:
- 印刷したいスライドを選択
- Ctrl+P で印刷画面を開く
- 「設定」で「現在のスライド」を選択
- プレビューで確認後「印刷」
複数スライドの選択印刷:
- スライド一覧表示で最初のスライドをクリック
- Ctrlキーを押しながら追加スライドをクリック
- または、Shiftキーで範囲選択
- 印刷設定で「選択したスライド」を選択
スライド範囲の指定:
- 印刷設定で「スライド」を選択
- 範囲入力欄に「1-5」「2,4,6」等を入力
- 特定の範囲のみを効率的に印刷
配布資料としての印刷
複数のスライドを1ページにまとめる印刷方法です。
配布資料レイアウトの選択:
- 印刷設定で「フルページサイズのスライド」をクリック
- 「配布資料」から希望するレイアウトを選択:
- 1スライド/ページ:大きく見やすい
- 2スライド/ページ:メモ欄付き
- 4スライド/ページ:一般的な配布資料
- 6スライド/ページ:コンパクト
- 9スライド/ページ:概要確認用
配布資料の詳細設定:
- 「配布資料マスター」で共通デザイン設定
- ヘッダー・フッターの追加
- 日付・ページ番号の自動挿入
- 会社ロゴや透かしの配置
ノートページの印刷
発表者用のメモ付きスライドの印刷方法です。
ノートページの印刷設定:
- 印刷設定で「ノートページ」を選択
- スライドとノートが一緒に印刷される
- 発表練習や備忘録として活用
ノートの編集と最適化:
- 「表示」→「ノート」でノート編集モード
- フォントサイズや書式の調整
- 重要なポイントの強調表示
- 印刷プレビューでの読みやすさ確認
実用的な活用方法:
- プレゼンテーション練習用
- 参加者への詳細資料として
- 後日の振り返り用資料
- トレーニング教材として
この章のまとめ: パワーポイントでの多様な印刷設定を習得しました。次は、PDFファイルの印刷範囲設定について見ていきましょう。
PDFファイルでの印刷範囲設定
ページ範囲の指定
PDFファイルで特定のページや範囲を印刷する方法です。
Adobe Acrobat Readerでの範囲指定:
- PDFファイルを開いてCtrl+P
- 「印刷範囲」セクションで「ページ」を選択
- 範囲を入力:
- 単一ページ:「5」
- 連続ページ:「3-7」
- 複数範囲:「1-3,8,12-15」
- 最終ページから:「10-」
- 先頭から:「-5」
ブラウザでのPDF印刷:
- ChromeやEdgeでPDFを開く
- Ctrl+P で印刷画面
- 「ページ」で「カスタム」を選択
- 印刷したいページ範囲を入力
部分選択での印刷
PDFの特定の範囲や内容のみを印刷する方法です。
範囲選択での印刷:
- Adobe Acrobatで「編集」→「スナップショット」
- 印刷したい範囲をドラッグして選択
- 「選択した領域がクリップボードにコピーされました」と表示
- 印刷設定で「選択したグラフィック」を選択
テキスト選択での印刷:
- 印刷したいテキストをドラッグして選択
- 右クリック→「印刷」
- または印刷ダイアログで「選択範囲」を選択
PDF印刷の詳細設定
PDF印刷時の品質と効率を向上させる設定です。
サイズ調整の設定:
- 「ページサイズ処理」で用紙に合わせる設定
- 「実際のサイズ」:原寸大での印刷
- 「用紙に合わせる」:用紙全体を使用
- 「カスタムスケール」:任意の拡大縮小率
複数ページ印刷:
- 「ページサイズ処理」で「複数」を選択
- 「1枚あたりのページ数」を設定(2、4、6、9、16)
- 用紙節約と概要確認に効果的
印刷品質の最適化:
- 「詳細設定」で印刷品質を調整
- 「画像として印刷」で互換性向上
- カラー・グレースケール・モノクロの選択
この章のまとめ: PDF印刷の効率的な範囲設定を学びました。続いて、印刷設定の効率化テクニックをご紹介します。
印刷設定の効率化テクニック
プリセット設定の活用
よく使う印刷設定を保存して効率化する方法です。
印刷プリセットの作成:
- 最適な印刷設定を完了
- プリンター設定で「プリセットを保存」
- 分かりやすい名前を付けて保存
- 次回以降はプリセット選択で瞬時に設定
おすすめプリセット例:
- 「会議資料」:A4、2ページ/枚、両面印刷
- 「提案書」:A4、高品質、片面印刷
- 「下書き用」:ドラフト品質、グレースケール
- 「配布用」:経済印刷、複数ページ配置
テンプレート化による標準化
組織内での印刷設定統一方法です。
設定テンプレートの作成:
- 標準的な印刷設定を決定
- 各アプリケーションでテンプレート保存
- チーム内での設定共有
- 定期的な見直しと更新
テンプレート項目例:
- 余白設定:上下25mm、左右20mm
- フォント:明朝体12pt、ゴシック体10pt
- ヘッダー・フッター:日付、ページ番号
- 印刷品質:標準品質で統一
ショートカットキーの活用
印刷作業を高速化するキーボード操作です。
共通ショートカット:
- Ctrl+P:印刷ダイアログを開く
- Ctrl+Shift+P:ページ設定(一部アプリ)
- F2:名前の変更(ファイル保存時)
- Esc:ダイアログのキャンセル
エクセル固有のショートカット:
- Ctrl+Shift+F11:新しいワークシート挿入
- Ctrl+PageUp/PageDown:ワークシート切り替え
- Ctrl+Home:A1セルに移動
- Ctrl+End:データ範囲の最後に移動
作業効率化のコツ:
- よく使う機能のショートカット暗記
- マウス操作との使い分け
- 作業の流れに合わせたキー操作
- 定期的な操作方法の見直し
この章のまとめ: 印刷作業の効率化テクニックを身につけました。最後に、よくある問題とその解決策をご紹介します。
よくある問題と解決策

印刷範囲が思った通りにならない問題
設定した範囲と実際の印刷結果が異なる場合の対処法です。
エクセルでの範囲ズレ問題:
原因1:改ページ位置の問題
- 症状:表の途中で改ページされてしまう
- 解決法:「ページレイアウト」→「改ページ」で手動調整
- 予防策:印刷プレビューでの事前確認
原因2:余白設定の影響
- 症状:設定した範囲の一部が切れる
- 解決法:「ページ設定」で余白を調整
- 推奨値:上下15-20mm、左右10-15mm
原因3:用紙サイズとの不一致
- 症状:内容が用紙に収まらない
- 解決法:「ページ設定」で拡大縮小率を調整
- 自動調整:「次のページ数に合わせて印刷」を活用
文字や図表が切れてしまう問題
印刷時に重要な情報が欠けてしまう場合の対策です。
プリンター余白の問題:
- プリンターの印刷可能領域確認
- 各プリンターには印刷できない余白がある
- 通常は上下左右5mm程度の余白が必要
- 機種固有の制限をマニュアルで確認
- フチなし印刷の利用
- 対応プリンターでフチなし印刷を選択
- 用紙全体を使った印刷が可能
- インク消費量は増加するので注意
レイアウト調整での解決:
- 重要な情報は中央寄りに配置
- 境界線から十分な余裕を確保
- 図表のサイズ調整
- フォントサイズの最適化
印刷品質が悪い問題
印刷結果の品質が期待に満たない場合の改善方法です。
解像度とフォントの問題:
- 印刷解像度の設定
- プリンタープロパティで品質設定を確認
- 「高品質」または「きれい」を選択
- DPI設定を300以上に調整
- フォントの最適化
- 印刷に適したフォントの選択
- 小さすぎる文字サイズの回避
- アンチエイリアスの設定確認
色合いとコントラストの調整:
- カラープロファイルの設定
- プリンターのカラーマッチング機能
- モニターとプリンターの色合わせ
- テスト印刷での確認
用紙とインクの無駄を防ぐ方法
コスト削減のための効率的な印刷設定です。
用紙節約の設定:
- 両面印刷の活用
- 自動両面印刷機能の利用
- 手動両面印刷の手順習得
- 綴じ方向の適切な設定
- 複数ページ印刷
- 2ページ/枚、4ページ/枚の活用
- 配布資料やドラフト用途に最適
- 読みやすさとコストのバランス
インク節約の設定:
- ドラフト品質での印刷
- グレースケール印刷の活用
- 不要な画像やロゴの除去
- エコノミーモードの利用
事前確認の重要性:
- 印刷プレビューでの最終確認
- 小さなサイズでのテスト印刷
- ページ数とコストの事前計算
- 必要性の再検討
この章のまとめ: よくある問題への対処法を身につけました。これで効率的で確実な印刷範囲設定ができますね。
まとめ
印刷範囲の設定は、アプリケーションごとに特徴がありますが、基本的な考え方は共通していることが分かりました。
今回マスターした重要なポイント:
- エクセルでの基本設定 – 印刷範囲の設定と印刷タイトルの活用
- ワードでの選択印刷 – 部分印刷とページ範囲指定
- パワーポイントの活用 – スライド選択と配布資料設定
- PDFの効率印刷 – ページ範囲と部分選択の技術
- 効率化テクニック – プリセット活用とショートカット
- トラブル解決 – よくある問題への対処法
特に重要なのは、「印刷前のプレビュー確認を怠らない」ことです。設定ミスによる用紙やインクの無駄を防ぎ、期待通りの印刷結果を得るために、事前確認は必須の習慣ですね。
また、用途に応じた適切な設定選択も重要です。会議用の配布資料なら複数ページ印刷、重要な提案書なら高品質設定といった使い分けにより、コストと品質のバランスを最適化できます。
これらの知識と技術を活用して、効率的で経済的な印刷作業を実現し、業務の生産性向上を図ってくださいね!
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