「PowerPointで『3/10』のような総ページ数を表示したい」「プレゼンで今何ページ目なのかを聞き手に分かりやすく示したい」
長いプレゼンテーションを作成する際、現在のスライド番号と総ページ数を表示することで、聞き手が全体の流れを把握しやすくなります。しかし、「PowerPointでページ数を表示する方法が分からない」「総ページ数が自動で更新されるようにしたい」という声をよく聞きます。
この記事では、PowerPointで総ページ数を自動表示する方法から、カスタマイズのコツ、よくあるトラブルの解決方法まで、分かりやすく解説します。
PowerPointのページ番号表示機能について

ページ番号機能の基本
PowerPointでは、以下の2つの方法でページ情報を表示できます:
表示可能な情報
- スライド番号:現在のスライドの番号(例:3)
- 総スライド数:プレゼンテーション全体のスライド数(例:10)
- 組み合わせ表示:「3/10」や「3 of 10」形式
自動更新の利点
- スライド追加・削除時に自動で番号が更新
- 手動での番号修正が不要
- プレゼンテーション全体で一貫性を保持
基本的なスライド番号の挿入方法
単純なスライド番号の表示
まずは基本的なスライド番号の挿入方法から説明します。
操作手順
- **「挿入」**タブをクリック
- **「ヘッダーとフッター」**を選択
- **「スライド番号」**にチェックを入れる
- **「すべてに適用」**をクリック
表示される内容
- 各スライドに番号(1, 2, 3…)が表示
- 総ページ数は表示されない
- 自動的に番号が更新される
タイトルスライドの除外設定
タイトルスライドにはページ番号を表示しない場合の設定です。
除外設定手順
- **「ヘッダーとフッター」**ダイアログで
- **「タイトルスライドに表示しない」**にチェック
- **「すべてに適用」**をクリック
総ページ数を表示する方法
スライドマスターを使用した設定
総ページ数を表示するには、スライドマスターでの設定が最も効果的です。
基本設定手順
- **「表示」**タブ → 「スライドマスター」
- マスタースライドを選択
- フッター部分のページ番号エリアを編集
- 表示形式を設定
フッター編集による総ページ数表示
方法1:ヘッダーとフッター機能の活用
詳細手順
- 「挿入」 → 「ヘッダーとフッター」
- **「フッター」**にチェックを入れる
- フッターテキストに**「#/#」**と入力
- **「スライド番号」**もチェック
- 「すべてに適用」
表示例
スライド番号:3
フッター:3/10(手動入力が必要)
方法2:スライドマスターでのカスタム設定
高度な設定手順
- 「表示」 → 「スライドマスター」
- 使用するレイアウトを選択
- 「挿入」 → 「テキストボックス」
- 総ページ数用のテキストボックスを作成
- 「マスター表示を閉じる」
自動更新される総ページ数の実現
VBAを使用した自動化
より高度な自動化を求める場合は、VBAマクロを使用します。
VBAコードの例
Sub UpdateSlideNumbers()
Dim sld As Slide
Dim totalSlides As Integer
totalSlides = ActivePresentation.Slides.Count
For Each sld In ActivePresentation.Slides
' フッターのテキストを更新
sld.HeadersFooters.Footer.Text = sld.SlideIndex & "/" & totalSlides
Next sld
End Sub
VBA設定手順
- Alt + F11でVBAエディタを開く
- 上記コードを貼り付け
- F5で実行
- 総ページ数が自動更新される
表示形式のカスタマイズ
様々な表示パターン
目的に応じて表示形式をカスタマイズできます。
パターン1:「X/Y」形式
最も一般的な形式
- 表示例:「5/20」
- 簡潔で分かりやすい
- 会議やセミナーに最適
パターン2:「X of Y」形式
より丁寧な表現
- 表示例:「5 of 20」
- フォーマルなプレゼンテーションに適用
- 英語圏での一般的な表記
パターン3:「ページ X/Y」形式
日本語での明確な表現
- 表示例:「ページ 5/20」
- 日本語プレゼンテーションに最適
- より親しみやすい印象
フォントとサイズの調整
読みやすさを重視した設定
推奨設定
- フォントサイズ:10-14pt
- フォント:Arial、Calibri、メイリオ
- 色:背景とのコントラストを確保
設定手順
- ページ番号テキストを選択
- **「ホーム」**タブでフォント設定
- 適切なサイズと色を選択
配置位置の調整
効果的な配置場所
一般的な配置位置
- 右下:最も標準的な位置
- 中央下:目立ちやすい位置
- 左下:デザインに応じて選択
位置調整方法
- スライドマスターでページ番号を選択
- ドラッグして位置を調整
- 複数レイアウトで統一
スライドマスターでの高度な設定

レイアウト別の設定
スライドレイアウトごとに異なるページ番号設定が可能です。
レイアウト別設定手順
- 「表示」 → 「スライドマスター」
- 個別レイアウトを選択
- そのレイアウト専用の設定を実施
- 「マスター表示を閉じる」
プレースホルダーの活用
ページ番号プレースホルダーの編集
カスタマイズ方法
- スライドマスターでプレースホルダーを選択
- **「スライドマスター」**タブ → 「プレースホルダーの挿入」
- **「フッター」または「スライド番号」**を選択
- 位置とサイズを調整
複数マスターでの管理
マスター別の設定
異なるセクション用の設定
- タイトルスライド用:ページ番号なし
- 内容スライド用:「X/Y」形式
- 付録スライド用:異なる番号体系
番号のカスタマイズと特殊設定
開始番号の変更
プレゼンテーションの途中から番号を開始する方法です。
開始番号変更手順
- **「デザイン」**タブ → 「スライドサイズ」
- 「ユーザー設定のスライドサイズ」
- **「スライド開始番号」**を変更
- **「OK」**で適用
セクション別の番号設定
セクション機能の活用
セクション作成手順
- **「ホーム」**タブ → 「セクション」 → 「セクションの追加」
- セクション名を入力
- セクションごとに番号体系を設定
特定スライドの除外
番号に含めないスライドの設定
除外設定方法
- 除外したいスライドを選択
- **「スライドの表示/非表示」**で非表示に設定
- または、手動でのページ番号調整
よくあるトラブルと解決方法
ページ番号が表示されない問題
原因と対処法
原因1:設定が無効になっている
- 解決策:「ヘッダーとフッター」で設定を再確認
原因2:スライドマスターの問題
- 解決策:スライドマスターでプレースホルダーを確認
原因3:レイアウトの問題
- 解決策:使用レイアウトにページ番号が含まれているか確認
総ページ数が更新されない問題
手動更新の方法
更新手順
- F9キーで強制更新
- 「ファイル」 → 「情報」 → **「プロパティ」**で確認
- プレゼンテーションを一度保存して再度開く
表示位置がずれる問題
位置調整の方法
調整手順
- スライドマスターで位置を確認
- プレースホルダーのサイズと位置を調整
- 複数のレイアウトで統一性を確認
実践的な活用例
ビジネスプレゼンテーション
会議での効果的な使用
推奨設定
- 表示形式:「5/20」
- 位置:右下角
- フォント:控えめなサイズ(10-12pt)
効果
- 参加者が進行状況を把握
- 時間管理がしやすい
- プロフェッショナルな印象
教育・研修資料
学習効果を高める設定
効果的な表示方法
- セクション番号も併記:「第2章 3/8」
- 進行状況バーとの組み合わせ
- 残り時間の目安表示
営業プレゼンテーション
顧客への配慮
営業資料での工夫
- 重要スライドの強調:色分けや記号
- 質疑応答時間の確保:ページ数での時間管理
- 資料配布時の参照:ページ番号で議論を促進
デザインと機能性のバランス
美しいページ番号デザイン
デザイン要素の統合
デザインのポイント
- ブランドカラーとの統一
- フォントの一貫性
- 適切なサイズとコントラスト
アクセシビリティの考慮
見やすさの確保
配慮すべき点
- 色覚障害への対応:色だけに依存しない表示
- 視力の弱い方への配慮:十分なサイズとコントラスト
- 印刷時の見やすさ:モノクロでも判別可能
まとめ
PowerPointで総ページ数を自動表示することで、聞き手にとって分かりやすく、プロフェッショナルなプレゼンテーションを作成できます。
重要なポイント
基本設定のマスター
- ヘッダーとフッター機能の活用
- スライドマスターでの統一設定
- 表示形式の選択(3/10、3 of 10等)
カスタマイズのコツ
- 目的に応じた表示形式の選択
- デザインとの調和を考慮
- 読みやすさを最優先
トラブル回避
- 設定の定期的な確認
- 複数レイアウトでの統一性
- 印刷時の表示確認
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