プレゼンテーションで「ここが重要なポイントです!」と伝えたい時、どうやって聞き手の注意を引いていますか?実は、PowerPointのマーカー機能を上手に使うことで、聞き手の理解度を大幅に向上させることができるんです。
でも、「マーカーってどこにあるの?」「効果的な使い方が分からない」という声をよく聞きます。この記事では、PowerPointのマーカー機能を基本から応用まで、誰でも分かりやすく解説していきます。
まずは、PowerPointでのマーカーの基本的な概念から見ていきましょう。
PowerPointの「マーカー」って実は2つの意味がある

1. テキストハイライト機能としてのマーカー
一つ目は、文字に蛍光ペンのようなハイライトを付ける機能です。重要な文章や単語を目立たせるために使います。黄色や緑色の背景色を文字に付けることで、まさに紙の資料にマーカーペンで線を引いたような効果が得られます。
2. プレゼン中の描画ツールとしてのマーカー
二つ目は、スライドショー実行中にリアルタイムで線を引いたり、丸で囲んだりする機能です。プレゼンテーション中に「ここが大切です」と言いながら、実際にスライド上に印を付けることができます。
この2つの機能、どちらも「マーカー」と呼ばれることが多いので、混乱しやすいんです。でも使い方を覚えれば、どちらもプレゼンテーションを格段に分かりやすくしてくれる強力なツールになります。
それぞれの使い方を詳しく見ていきましょう。
【基本編】テキストハイライト機能の使い方
ハイライト機能の基本操作
ステップ1:文字を選択する
- ハイライトを付けたい文字をドラッグして選択
- 単語全体なら、ダブルクリックで簡単選択
- 文章全体なら、段落をトリプルクリック
ステップ2:ハイライトを適用する
- 「ホーム」タブを開く
- 「文字の強調表示の色」ボタンをクリック(マーカーペンのアイコン)
- 好みの色を選択する
ステップ3:結果を確認する 選択した文字に、選んだ色の背景が付きます。まるで蛍光ペンでマーキングしたような見た目になります。
効果的な色の使い分け
黄色: 最も重要なポイント、キーワード 緑色: 補足情報、参考データ ピンク色: 注意事項、警告 水色: 新しい情報、追加点
色を統一して使うことで、聞き手も「黄色は最重要ポイント」といった具合に、情報の重要度を直感的に理解できるようになります。
ハイライトの削除・変更方法
削除する場合:
- ハイライトされた文字を選択
- 「文字の強調表示の色」→「色なし」を選択
色を変更する場合:
- 該当する文字を選択
- 新しい色を選択(前の色は自動的に置き換わります)
これで基本的なハイライト機能は使えるようになりました。次は、プレゼン中に使う描画機能を見てみましょう。
【実践編】プレゼン中の描画マーカー機能
描画機能へのアクセス方法
方法1:スライドショー中にアクセス
- プレゼンテーションを開始(F5キー)
- 画面左下の「ペン」アイコンをクリック
- 「マーカー」を選択
方法2:ショートカットキーを使用
- スライドショー中にCtrl + Pキーを押す
- マーカーモードに切り替わります
方法3:右クリックメニューから
- スライドショー中に右クリック
- 「ポインターオプション」→「マーカー」を選択
描画マーカーの基本操作
線を引く: マウスをドラッグして自由に線を描画 丸で囲む: 重要な部分をぐるっと囲んで強調 矢印を描く: 注目点を指し示す矢印を手書き 文字を書く: 簡単な文字や記号を追加
描画を消去する方法:
- Escキーを押す(描画モードを終了)
- Eキーを押す(消しゴムモードに切り替え)
- 右クリック→「すべてのインクを消去」
描画の色と太さの変更
描画モード中に色や太さを変更することもできます:
- ペンアイコンを右クリック
- 「ペンの色」で色を変更
- 「ペンの太さ」で線の太さを調整
おすすめの設定:
- 太さ:中程度(見やすく、目立ちすぎない)
- 色:赤色(最も注目を集めやすい)
- 重要度に応じて色を使い分け
この機能を使うことで、プレゼンテーション中に動的に情報を強調できます。
【応用編】マーカー機能を活用した効果的なプレゼンテクニック
1. 段階的な情報開示テクニック
プレゼンテーション中に、情報を段階的に強調していく方法です:
手順:
- 最初はハイライトなしでスライドを表示
- 話の流れに合わせて重要ポイントをマーカーで強調
- 次のポイントに移る前に、前のマーカーを薄い色に変更
- 新しいポイントを強い色で強調
この方法により、聞き手の注意を効果的にコントロールできます。
2. 比較・対比の視覚化
複数の選択肢や比較ポイントがある場合の活用法:
色分けルール例:
- 赤色:問題点、課題
- 緑色:解決策、メリット
- 黄色:注意点、検討事項
- 青色:データ、事実
3. ストーリー性のある強調
プレゼンテーションをストーリー調にする際の技法:
導入部: 薄い色でキーワードをほのめかし 展開部: 徐々に色を濃くして重要性を高める クライマックス: 最も鮮やかな色で核心を強調 結論部: 全体を俯瞰できるよう色を整理
4. 聞き手参加型の活用
質問投げかけ時:
- 「どこが問題だと思いますか?」と質問
- 聞き手の回答に合わせてリアルタイムでマーカー
- 正解を段階的に明かしていく
この方法で、プレゼンテーションをインタラクティブにできます。
マーカー機能でよくある失敗と対策
失敗例1:色を使いすぎて逆に分かりにくくなる
問題: 5色以上の色を使い、どれが重要か分からない
対策:
- 基本色は3色以内に限定
- 色の意味を最初に説明する
- 同じ重要度のものは同じ色で統一
失敗例2:描画が汚くて見づらい
問題: 手書きの線がガタガタで読みにくい
対策:
- 描画は大きく、はっきりと
- 直線は一気に引く(止まらない)
- 練習してから本番に臨む
- タブレットペンの使用を検討
失敗例3:ハイライトの色が背景と合わない
問題: 背景色とハイライト色が似ていて見えない
対策:
- 事前に色の組み合わせをテスト
- 白背景なら濃い色、黒背景なら明るい色
- プロジェクター投影時の見え方も確認
失敗例4:描画を消し忘れて次のスライドに移ってしまう
問題: 前のスライドの描画が残ったまま進行
対策:
- スライド移動前に必ず描画をクリア
- Escキーを習慣化する
- 台本に「描画消去」のメモを入れる
これらの失敗を避けることで、より効果的なプレゼンテーションができるようになります。
業種別・目的別マーカー活用法

営業プレゼンテーション
重点ポイント: 数字とメリットの強調
色使いの例:
- 緑色:売上向上、コスト削減などの良い数字
- 赤色:現状の問題、競合との差
- 黄色:提案のキーポイント
描画活用:
- グラフの伸びを矢印で強調
- 重要な数字を丸で囲む
- 比較表の優位点をマーキング
社内会議・報告
重点ポイント: 課題と解決策の明確化
色使いの例:
- 赤色:課題、問題点
- 青色:現状分析、データ
- 緑色:解決策、改善案
描画活用:
- 工程図の重要ステップを強調
- 責任者の名前を丸で囲む
- スケジュールの締切を矢印で指示
教育・研修
重点ポイント: 理解度の確認と重要概念の定着
色使いの例:
- 黄色:覚えるべき重要用語
- 緑色:具体例、事例
- ピンク:注意事項、例外
描画活用:
- 図解の重要部分を囲む
- ステップごとに番号を記入
- 関連性を線で結ぶ
技術プレゼンテーション
重点ポイント: 技術的な優位性と実現可能性
色使いの例:
- 青色:技術仕様、データ
- 緑色:技術的メリット
- 黄色:革新的なポイント
描画活用:
- システム図の関連を線で結ぶ
- 性能グラフのピークを強調
- 技術的な特徴を丸で囲む
それぞれの目的に合わせてマーカーを使い分けることで、より効果的な情報伝達ができます。
スマートなマーカー活用のための準備とコツ
事前準備のチェックリスト
技術的な準備:
- プロジェクターでの色の見え方確認
- マウスやタブレットペンの動作テスト
- バックアップ用のスライド準備(描画なし版)
- ショートカットキーの練習
内容的な準備:
- どこで何色を使うかの計画
- 描画するタイミングの台本作成
- 重要度に応じた色分けルールの設定
- 聞き手への色の意味説明の準備
プレゼン当日のコツ
開始時の説明: 「今日のプレゼンでは、重要なポイントを色分けしています。黄色が最重要、緑色が補足情報です。」
描画時の注意:
- 大きめにはっきりと描く
- 描画中も話を止めない
- 描画後は必ず内容を説明する
終了時の配慮:
- 描画版とクリーン版の両方を配布
- 重要ポイントの色分けを資料にも反映
- フォローアップ資料でも色を統一
マーカー機能の限界と代替案
マーカー機能が使えない場合:
- オンライン会議での画面共有時
- 他人のPCでプレゼンする時
- タブレットやスマホでの表示時
代替案:
- アニメーション効果での段階表示
- 別スライドでの強調版作成
- 口頭での強調と指差し
- レーザーポインターの活用
このように、状況に応じて柔軟に対応することも大切です。
まとめ:マーカー機能でプレゼンテーションを次のレベルへ
PowerPointのマーカー機能は、使い方次第でプレゼンテーションの効果を劇的に向上させることができる強力なツールです。重要なポイントをもう一度整理しましょう:
マーカー機能の2つのタイプ:
- テキストハイライト機能(事前準備)
- 描画マーカー機能(リアルタイム)
効果的な活用のポイント:
- 色の使い分けルールを決める(3色以内が基本)
- 聞き手への説明を忘れない
- 事前練習で描画スキルを向上させる
- 目的と業種に応じた使い分け
注意すべきポイント:
- 色を使いすぎない
- 背景色との相性を確認
- 描画の消去を忘れない
- 環境による制限を考慮する
プレゼンテーション向上への効果:
- 聞き手の注意をコントロールできる
- 重要ポイントの理解度が向上する
- インタラクティブな進行が可能になる
- 印象に残るプレゼンテーションになる
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