「プレゼン中に前のスライドに戻りたい」「補足資料をすぐに見せたい」そんな時に便利なのが、PowerPointの別ページリンク機能です。
この機能を使えば、スライドショー中に自由にページを移動できるようになります。質疑応答で「○ページの内容をもう一度」と言われた時も、慌てずにサッと移動できるんです。
また、目次から各章へジャンプしたり、詳細説明ページへの導線を作ったりすることで、聞き手にとって分かりやすいプレゼンテーションが作れます。操作も思っているより簡単ですよ。
この記事では、初心者の方でも迷わずにリンクを設定できるよう、手順を詳しくご説明します。
基本的なリンク設定の方法

文字にリンクを設定する手順
まずは最も基本的な、文字に対してリンクを設定する方法からご紹介しますね。
手順:
- リンクを設定したい文字を選択します
- 右クリックして「リンク」を選択
- 「リンク先」で「このドキュメント内」を選択
- 移動先のスライドを選んでクリック
- 「OK」ボタンを押して完了
設定が完了すると、選択した文字が青色に変わり、下線が引かれます。これでリンクの設定は完成です。
図形やボタンにリンクを設定する方法
文字だけでなく、図形やボタンにもリンクを設定できます。見た目がおしゃれで、クリックしやすいのが特徴です。
図形を使ったリンクの作り方:
- 「挿入」タブから「図形」を選択
- 好きな図形(四角形、丸など)を描く
- 図形を右クリックして「リンク」を選択
- 移動先のスライドを指定
- 図形に「戻る」や「次へ」などの文字を入力
おすすめの図形:
- 四角形: シンプルで分かりやすい
- 矢印: 方向性が明確
- 楕円: 柔らかい印象を与える
図形の色や大きさも自由に変更できるので、プレゼンのデザインに合わせて調整しましょう。
具体的な活用例とテクニック
目次ページの作成
プレゼンの最初に目次ページを作ると、聞き手が全体の流れを把握しやすくなります。
目次リンクの作り方:
- 目次専用のスライドを作成
- 各章のタイトルを入力
- それぞれのタイトルにリンクを設定
- 対応する章の最初のスライドを指定
目次の例:
本日のご提案内容
1. 現状の課題について → スライド3へリンク
2. 解決策のご提案 → スライド8へリンク
3. 導入スケジュール → スライド15へリンク
4. 費用について → スライド20へリンク
これにより、聞き手の質問に応じて任意の章から説明を始められます。
戻るボタンの設置
各ページに「戻る」ボタンを設置すると、元のページに簡単に戻れて便利です。
戻るボタンの統一方法:
- 最初のスライドでボタンを作成
- ボタンをコピー(Ctrl+C)
- 他のスライドに貼り付け(Ctrl+V)
- 各スライドで戻り先を適切に設定
配置のコツ:
- 右下角に統一配置
- 色は目立ちすぎない程度に
- 大きさは指で押しやすいサイズに
補足資料へのリンク
メインの説明で時間が余った場合や、詳しい質問が出た場合に備えて、補足資料へのリンクを用意しておくと安心です。
補足資料の準備方法:
- プレゼンの最後に補足スライドを追加
- メインスライドから「詳細はこちら」リンクを設定
- 補足スライドには「メインに戻る」リンクを設置
これにより、必要に応じて詳しい情報を提供できるようになります。
リンク設定時のコツと注意点
見た目を分かりやすくする工夫
リンクが設定されていることを、見た目で分かりやすくしましょう。
デザインのポイント:
- 色の統一: リンク用の色を決めて統一
- 下線の活用: 文字リンクには下線を残す
- アイコンの使用: 矢印や指マークを追加
- 大きさの確保: クリックしやすいサイズに
アクセシビリティの配慮:
- 色だけでなく、形や文字でもリンクと分かるように
- コントラストを十分に確保
- 文字サイズは読みやすい大きさに
リンク先の確認方法
設定したリンクが正しく動作するかを確認することも大切です。
確認手順:
- 「スライドショー」を開始
- 実際にリンクをクリックして動作確認
- 戻るボタンも忘れずにチェック
- 全てのリンクを一通り確認
よくあるミス:
- リンク先のスライド番号が間違っている
- 戻るリンクを設定し忘れている
- リンクの色が背景と同化して見えない
プレゼン本番前には、必ず動作確認をしておきましょう。
高度なリンク機能の活用
外部ファイルへのリンク
PowerPoint内だけでなく、外部のファイルにもリンクできます。
設定方法:
- リンクを設定したい箇所を選択
- 右クリックして「リンク」を選択
- 「既存のファイルまたはWebページ」を選択
- 参照ボタンからファイルを指定
活用例:
- 詳細なExcelデータを別ファイルで用意
- 動画ファイルを外部リンクで再生
- PDFの資料を参照用に設置
Webサイトへのリンク
インターネット上のページにリンクすることも可能です。
設定手順:
- リンクを設定したい箇所を選択
- 「リンク」メニューを開く
- URLを直接入力
- 「OK」で設定完了
注意点:
- プレゼン会場のインターネット環境を事前確認
- リンク先のページが存在するかチェック
- セキュリティ設定でブロックされる可能性も考慮
アクションボタンの活用
PowerPointには専用のアクションボタンも用意されています。
アクションボタンの種類:
- 戻る: 前のスライドに戻る
- 進む: 次のスライドに進む
- 最初: 最初のスライドに移動
- 最後: 最後のスライドに移動
- ホーム: 指定したスライドに移動
挿入方法:
- 「挿入」タブの「図形」を選択
- 「アクションボタン」のカテゴリを選択
- 好きなボタンを選んで配置
- 自動的にリンク設定画面が表示される
これらのボタンを使うと、統一感のあるナビゲーションが簡単に作れます。
トラブルシューティング
リンクが動作しない場合
よくある原因と解決法:
リンク先スライドが削除された
- 解決法: リンクを再設定するか、新しいスライドを作成
ファイルの場所が変わった
- 解決法: 外部ファイルのパスを確認して再設定
PowerPointのバージョンが古い
- 解決法: 最新バージョンにアップデートするか、互換性を確認
スライドショー中の操作方法
基本的な操作:
- マウスクリック: リンクをクリック
- Tab キー: 次のリンクに移動
- Enter キー: 選択中のリンクを実行
- Esc キー: スライドショーを終了
プレゼン中のコツ:
- マウスポインターの動きは最小限に
- リンクをクリックする前に一呼吸置く
- 戻る際は「元のページに戻ります」と一言添える
ファイル共有時の注意点
他の人とファイルを共有する際は、以下の点にご注意ください。
外部ファイルリンクの問題:
- 相手のパソコンに同じファイルがない場合、リンクエラーになる
- 解決法: 外部ファイルも一緒に送るか、PowerPoint内に埋め込む
フォントの問題:
- 相手のパソコンにないフォントは別のフォントに置き換わる
- 解決法: 一般的なフォントを使用するか、PDF化して送付
効果的なプレゼンテーションのために

リンクを使ったストーリー設計
リンク機能を活用して、柔軟性のあるプレゼンテーション構成を考えましょう。
基本構成の例:
1. オープニング(必須)
2. メインコンテンツ(3つの選択肢から聞き手の関心に応じて選択)
- A案: 技術的な詳細
- B案: コスト重視の説明
- C案: スケジュール重視の説明
3. クロージング(必須)
フローチャート形式: 聞き手の反応や質問に応じて、説明の順序や深度を調整できる構成も効果的です。
聞き手のエンゲージメント向上
インタラクティブな要素:
- 「どちらに興味がありますか?」で選択肢を提示
- 「詳しく知りたい方はこちら」で深堀り情報を用意
- 「前の説明に戻りたい方はこちら」で復習機会を提供
質疑応答への備え: よくある質問への回答スライドを事前に用意し、目次からリンクを張っておくと、スムーズに対応できます。
まとめ:リンク機能でプレゼンテーションをレベルアップ
PowerPointの別ページリンク機能について、基本的な設定方法から高度な活用法まで詳しくご紹介しました。右クリックから「リンク」を選んで移動先を指定するだけで、簡単にページ間の移動ができるようになります。
リンク機能の主なメリット:
- 柔軟性: 聞き手の関心に応じて説明順序を調整
- 効率性: 必要な情報にすぐにアクセス可能
- プロフェッショナル感: 洗練されたプレゼンテーション
- インタラクティブ性: 聞き手との双方向コミュニケーション
現代のビジネスでは、一方的な説明よりも、聞き手のニーズに応じた柔軟なプレゼンテーションが求められています。リンク機能を使いこなすことで、より効果的で印象に残るプレゼンテーションができるようになるでしょう。
まずは簡単な「戻る」ボタンから始めて、徐々に複雑なナビゲーション構造にチャレンジしてみてください。きっと、従来のプレゼンテーションでは実現できなかった、新しいコミュニケーションスタイルを発見できるはずです。
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