PowerPointでプレゼンテーション資料を作成していると、「スライドに日付やページ番号を表示したい」「会社のロゴを全ページに入れたい」「資料の一貫性を保ちたい」と感じることがありませんか?
こうした要望に応えるのが、PowerPointのフッター機能です。フッターとは、スライドの下部に表示される情報のことで、日付、ページ番号、会社名、著作権情報などを統一的に表示できます。
この記事では、PowerPointでフッターを効果的に編集する方法を、初心者でも分かりやすく解説します。基本的な設定から応用的なカスタマイズまで、プロフェッショナルな資料作成に必要なテクニックをすべてご紹介します。
フッター機能がもたらすメリットとは

プレゼンテーション資料の統一性向上
ブランディング効果 会社のロゴや名称をすべてのスライドに表示することで、一貫したブランドイメージを演出できます。
情報の整理 日付やページ番号により、聴衆が資料の構成や作成時期を把握しやすくなります。
プロフェッショナルな印象 統一されたフッターにより、資料全体がより洗練された印象を与えます。
作業効率の大幅改善
一括設定の利便性 スライドマスター機能により、一度の設定ですべてのスライドにフッター情報を適用できます。
修正作業の簡素化 会社名や日付の変更が必要になった場合、一箇所を修正するだけで全スライドに反映されます。
時間短縮効果 個別にスライドを編集する必要がなく、大幅な時間短縮が可能です。
PowerPointでフッターを編集する2つの基本方法
スライドマスターを使った一括編集(推奨方法)
この方法が適している場面
企業プレゼンテーション すべてのスライドに会社情報を統一的に表示したい場合に最適です。
学術発表 研究発表や学会での発表資料に、一貫した情報を表示したい場合に適しています。
長い資料 多数のスライドがある場合、一括設定により作業効率が大幅に向上します。
具体的な操作手順
1. スライドマスター画面を開く
- PowerPointを起動し、編集したいプレゼンテーションを開きます
- 画面上部の「表示」タブをクリックします
- 「マスター表示」グループにある「スライドマスター」を選択します
- 左側にスライドマスターのサムネイル一覧が表示されます
2. 編集対象のマスターを選択 左側のサムネイル一覧から、一番上にある「スライドマスター」(最も大きなサムネイル)をクリックします。ここで設定した内容が、すべてのスライドに適用されます。
3. ヘッダーとフッター設定を開く
- 「挿入」タブをクリックします
- 「テキスト」グループにある「ヘッダーとフッター」を選択します
- 「ヘッダーとフッター」ダイアログボックスが表示されます
4. フッター情報を設定 ダイアログボックスで以下の項目を設定できます:
日付と時刻の設定
- 「日付と時刻」にチェックを入れます
- 「自動更新」を選択すると、常に最新の日付が表示されます
- 「固定」を選択すると、指定した日付で固定されます
スライド番号の設定
- 「スライド番号」にチェックを入れると、各スライドにページ番号が表示されます
フッターテキストの設定
- 「フッター」にチェックを入れ、テキストボックスに会社名や著作権情報を入力します
5. 設定を適用 「すべてに適用」ボタンをクリックすると、すべてのスライドにフッター情報が適用されます。
スライドマスター編集のメリット
効率性 一度の設定で全スライドに適用されるため、大幅な時間短縮が可能です。
一貫性 すべてのスライドで同じフォーマットが保たれ、統一感のある資料になります。
保守性 後から変更が必要になった場合、マスターを修正するだけで全体が更新されます。
個別スライドでのフッター編集
この方法が適している場面
特定スライドの特別表示 タイトルスライドだけ異なる情報を表示したい場合に適しています。
部分的なカスタマイズ 一部のスライドだけ特別な情報を追加したい場合に便利です。
テスト的な設定 フッター情報を試験的に表示してみたい場合に使用できます。
具体的な操作手順
1. 対象スライドを選択 編集したいスライドをクリックして選択状態にします。
2. ヘッダーとフッター設定を開く
- 「挿入」タブをクリックします
- 「ヘッダーとフッター」を選択します
3. 個別設定を行う
- 必要な項目にチェックを入れます
- 「適用」ボタンをクリック(「すべてに適用」ではないことに注意)
4. 結果を確認 選択したスライドだけにフッター情報が表示されることを確認します。
フッターに表示できる情報の種類と活用方法
日付と時刻の効果的な活用
自動更新機能の活用
リアルタイム更新 プレゼンテーション実行時に最新の日付が表示されるため、資料の新しさをアピールできます。
メンテナンス不要 日付の手動更新が不要で、常に正確な情報が表示されます。
固定日付の活用
特定日付の記録 「2024年12月作成」のように、資料の作成日を記録したい場合に便利です。
イベント日程の表示 「2024年度決算説明会」のように、特定のイベント日を表示する場合に適しています。
スライド番号(ページ番号)の重要性
聴衆への配慮
進行状況の把握 聴衆が全体の中での現在位置を把握しやすくなります。
質疑応答での参照 「3ページの内容について質問があります」のような具体的な指摘が可能になります。
プレゼンター側のメリット
時間管理 全体のページ数を把握することで、時間配分を調整しやすくなります。
内容の整理 資料の構成を明確にし、論理的な流れを維持しやすくなります。
会社名・ブランド情報の表示
ブランディング効果
認知度向上 会社名やロゴを継続的に表示することで、ブランドの認知度向上に貢献します。
プロフェッショナル感 統一されたブランド表示により、企業の信頼性が向上します。
法的な観点
著作権の主張 資料の所有者を明確にし、無断使用を防ぐ効果があります。
機密情報の管理 「社外秘」「機密情報」などの表示により、情報管理を徹底できます。
フッターのデザインカスタマイズテクニック
フォントとサイズの調整
読みやすさの確保
適切なフォントサイズ
- 一般的なプレゼンテーション:10-12pt
- 大会議室での発表:14-16pt
- 印刷資料:8-10pt
フォントの種類選択
- ゴシック系:メイリオ、游ゴシック(視認性重視)
- 明朝系:游明朝(格式重視)
- 英数字:Arial、Calibri(国際的な場面)
統一感のあるデザイン
スライド全体との調和 フッターのフォントは、本文と同じ系統を選ぶことで統一感が生まれます。
色の一貫性 会社のブランドカラーを使用することで、ブランディング効果が高まります。
位置とレイアウトの調整
フッター要素の配置
左寄せ配置 会社名や著作権情報など、重要な情報を目立たせたい場合に適しています。
中央配置 ページ番号や日付など、参考情報として表示する場合に適しています。
右寄せ配置 ロゴや簡潔な情報を控えめに表示したい場合に効果的です。
複数情報の整理
分散配置 左に会社名、中央に日付、右にページ番号のように分散させると、情報が整理されて見えます。
グループ化 関連する情報をまとめて配置することで、視覚的な整理ができます。
背景と装飾の活用
背景色の効果的な使用
控えめな背景色 薄いグレーや会社の薄いブランドカラーにより、フッターを区別できます。
透明度の調整 背景を半透明にすることで、スライドの内容を邪魔せずに区別できます。
線や図形による装飾
区切り線の追加 フッター部分の上に細い線を引くことで、本文との区別が明確になります。
枠線の使用 フッター全体を細い枠で囲むことで、まとまりのある印象を与えます。
業界・用途別フッター活用事例

ビジネスプレゼンテーション
営業資料での活用
基本情報の表示
- 左:株式会社○○○
- 中央:2024年12月
- 右:ページ番号
追加情報の工夫
- 連絡先情報(電話番号、メールアドレス)
- 「機密情報」や「社外秘」の表示
社内会議資料
部署情報の表示 「営業企画部」「人事部」などの部署名を表示することで、資料の出所を明確化できます。
バージョン管理 「Ver.2.1」「最終更新:12/15」などの情報で、資料の管理を効率化できます。
学術・研究発表
学会発表での活用
所属機関の表示 「○○大学 工学部」「××研究所」などの所属を明記することで、権威性を示せます。
発表情報 「第○回××学会」「2024年度春季大会」などのイベント情報を表示できます。
論文発表資料
著作権情報 「© 2024 Taro Yamada, ○○ University」のような著作権表示で権利を保護できます。
参考文献情報 「本研究は科研費××の支援を受けています」などの謝辞情報を表示できます。
教育・研修資料
企業研修での活用
研修情報 「新入社員研修」「管理職向け研修」などの研修名を表示できます。
講師情報 「講師:田中太郎(人事部)」のような情報で、資料の責任者を明確化できます。
学校教育での活用
教科・単元情報 「数学I 二次関数」「英語 現在完了形」などの教科情報を表示できます。
学期情報 「2024年度 後期」「第3学期」などの時期情報を記録できます。
よくあるトラブルとその解決方法
フッター情報が表示されない場合
原因と解決方法
設定の確認不足 「ヘッダーとフッター」ダイアログで、必要な項目にチェックが入っているか確認しましょう。
マスターとスライドの競合 個別スライドの設定がマスターの設定を上書きしている可能性があります。個別設定を解除してください。
レイアウトの問題 使用しているスライドレイアウトがフッター表示に対応していない場合があります。別のレイアウトに変更してみてください。
フッター情報の位置がずれる場合
調整方法
スライドマスターでの微調整
- スライドマスター表示にします
- フッター要素を選択します
- ドラッグして適切な位置に移動します
- 必要に応じて、「配置」機能で正確な位置調整を行います
余白の調整 「デザイン」タブの「ページ設定」から、スライドの余白を調整することで、フッターの表示領域を確保できます。
印刷時にフッターが切れる場合
対策方法
印刷設定の確認
- 「ファイル」→「印刷」を選択
- 「ページ設定」で余白を確認
- 「スライドに合わせて拡大/縮小」の設定を調整
フッター位置の調整 フッターの位置を少し上に移動させることで、印刷時の切れを防げます。
高度なフッターカスタマイズテクニック
動的な情報表示
発表者情報の自動挿入
PowerPointの「文書情報の挿入」機能を使用することで、ファイルのプロパティ情報を自動的にフッターに表示できます。
設定方法
- 「挿入」→「テキスト」→「クイックパーツ」を選択
- 「文書情報」から「作成者」「タイトル」などを選択
- フッター位置に自動挿入
プレゼンテーション情報の表示
総スライド数の表示 「ページ番号 / 総ページ数」形式で、全体の構成を示すことができます。
セクション情報 大きなプレゼンテーションでは、「第1章 概要」「第2章 詳細」などのセクション情報をフッターに表示できます。
複数言語対応
国際的なプレゼンテーション
言語切替機能 同じ資料を複数言語で使用する場合、言語に応じてフッター情報を切り替える設定が可能です。
文字コードの対応 日本語、英語、中国語など、複数言語が混在する場合の文字化け対策も重要です。
まとめ:効果的なフッター活用でプロフェッショナルな資料を作ろう
PowerPointのフッター機能を効果的に活用することで、プレゼンテーション資料の品質と統一性を大幅に向上させることができます。
フッター編集の基本ポイント
スライドマスター活用 一括設定により効率的で統一感のある資料作成が可能です。
情報の選択と配置 日付、ページ番号、会社情報など、目的に応じた適切な情報を選択しましょう。
デザインの統一 フォント、色、配置を統一することで、プロフェッショナルな印象を与えます。
用途別カスタマイズ ビジネス、学術、教育など、用途に応じたフッター情報の使い分けが重要です。
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