「プレゼン資料を作るのに時間がかかりすぎる」「既存の文書からスライドを作るのが面倒」そんな悩みを抱えていませんか?
PowerPointの新機能「Copilot」を使えば、WordやPDFファイルから直接スライドを自動生成できるようになりました。この記事では、その使い方を初心者向けにわかりやすく解説します。
PowerPoint Copilotとは?

PowerPoint Copilotは、Microsoft 365に搭載されたAI機能です。文書の内容を理解して、自動的にプレゼンテーション用のスライドを作成してくれます。
できること
- WordやPDFファイルからスライドを自動生成
- 文書の内容に合ったレイアウトを提案
- 重要なポイントを抽出してスライド化
- デザインテンプレートの自動適用
メリット
手作業でスライドを作る時間を大幅に短縮できるため、内容の検討やデザインの調整により多くの時間を使えるようになります。
必要な準備
Copilot機能を使う前に、以下の条件を満たしているか確認しましょう。
ライセンス要件
- Microsoft 365 Copilot Pro以上のサブスクリプション
- 法人の場合はMicrosoft 365 Copilot for Business
ファイルの保存場所
変換したいWordやPDFファイルは、以下の場所に保存されている必要があります:
- OneDrive(個人用または法人用)
- SharePoint Online
- Teams内のファイル
ローカルPC上のファイルは直接使用できないため、事前にOneDriveにアップロードしておきましょう。
ファイルサイズの制限
- Wordファイル:24MB以下
- PDFファイル:50MB以下
大きなファイルは事前に圧縮するか、必要な部分だけを抜き出して使用してください。
スライド作成の手順
PowerPointでCopilotを起動する
- PowerPointを開きます(新規作成でも既存ファイルでもOK)
- 画面上部のリボンにある「Copilot」アイコンをクリック
- 右側にCopilotのチャットウィンドウが表示されます
Copilotアイコンが見つからない場合
- Microsoft 365の更新を確認
- サブスクリプションの種類を確認
- 管理者に機能が有効になっているか確認
ファイルからプレゼンを作成する
- Copilotチャットウィンドウで「ファイルからプレゼンテーションを作成」を選択
- または「Create a presentation from file」と入力
- ペーパークリップアイコン(📎)をクリックしてファイルを選択
プロンプト例
より具体的に指示すると、精度の高いスライドが作成できます:
- 「営業資料.docxから顧客向けプレゼンを作成してください」
- 「月次報告書.pdfから重要なポイントをまとめたスライドを作成」
- 「企画書.docxから10分間のプレゼン用スライドを作成」
ファイルを選択して生成開始
- OneDriveやSharePoint上のファイル一覧が表示されます
- 目的のファイルをクリックして選択
- 送信ボタン(→)を押してスライド生成を開始
ファイルが見つからない場合の対処法
- 「/」を入力してファイル名で検索
- OneDriveの共有URLを貼り付け
- ファイルパスを直接入力
生成されたスライドを確認・調整
- Copilotが提案するトピック構成を確認
- 必要に応じて編集ツール(🖊️アイコン)で調整
- 「スライドを作成」ボタンでスライドの下書きを生成
カスタマイズオプション
生成後も以下のような調整が可能です:
- スライドの追加や削除
- レイアウトの変更
- 画像やグラフの追加
- デザインテンプレートの適用
活用のコツとベストプラクティス
元ファイルの準備
より良いスライドを生成するために、元となるファイルを以下のように整理しておきましょう:
文書構造を明確にする
- 見出しレベル(H1、H2、H3)を適切に設定
- 章立てを明確にする
- 重要なポイントを太字やリストで強調
内容を整理する
- 一つの段落には一つのトピック
- 結論を先に書く
- 数値やデータは表形式で整理
効果的なプロンプトの書き方
Copilotにより具体的な指示を出すことで、期待に近いスライドが作成できます:
良いプロンプト例
- 「新製品発表会用に、競合優位性を強調したスライドを作成」
- 「社内会議用に、プロジェクトの進捗と課題をまとめたスライドを作成」
- 「顧客プレゼン用に、導入効果を数値で示すスライドを作成」
避けるべきプロンプト
- 「スライドを作って」(具体性がない)
- 「いい感じに作成」(曖昧すぎる)
生成後のチェックポイント
AI生成のため、以下の点は必ず確認しましょう:
内容の正確性
- 数値や固有名詞の間違い
- 文脈の理解不足による誤解
- 重要な情報の抜け漏れ
デザインの一貫性
- 会社のブランドガイドラインとの整合性
- フォントやカラーの統一
- 図表のスタイル統一
トラブルシューティング

よくある問題と解決法
「ファイルが見つかりません」と表示される
原因と対策:
- ファイルがOneDriveにない → OneDriveにアップロード
- 共有設定が適切でない → ファイルの共有設定を確認
- ファイル名に特殊文字がある → ファイル名を英数字に変更
スライドが期待と違う内容になる
改善方法:
- より具体的なプロンプトを使用
- 元ファイルの構造を整理
- 段階的に指示を出して調整
生成に時間がかかる
考えられる原因:
- ファイルサイズが大きい
- サーバーが混雑している
- インターネット接続が不安定
対策:
- ファイルサイズを小さくする
- 時間を変えて再試行
- 接続環境を確認
サポートが必要な場合
問題が解決しない場合は、以下のリソースを活用してください:
- Microsoft サポートページ
- 社内のIT部門(法人の場合)
- Microsoft コミュニティフォーラム
実際の活用事例
ビジネスシーンでの活用
営業資料の作成
長い企画書から顧客向けの簡潔なプレゼンテーションを自動生成し、営業効率を向上させています。
研修資料の作成
マニュアルや手順書から、研修用のスライドを素早く作成できるため、教育担当者の負担が軽減されています。
報告書のプレゼン化
月次報告書や分析レポートから、役員会議用のサマリースライドを効率的に作成できます。
教育現場での活用
授業資料の作成
教科書の内容から授業用スライドを作成し、授業準備時間を短縮しています。
学生発表の支援
レポートから発表用スライドを作成することで、学生のプレゼンテーション準備をサポートしています。
今後の展開と新機能
PowerPoint Copilotは継続的にアップデートされており、以下のような機能追加が予定されています:
近日実装予定の機能
- より多様なファイル形式への対応
- 音声ナレーションの自動生成
- リアルタイム翻訳機能
関連する他のCopilot機能
- Word Copilot:文書作成の自動化
- Excel Copilot:データ分析の自動化
- Teams Copilot:会議要約の自動化
これらの機能を組み合わせることで、より効率的な業務フローを構築できます。
まとめ
PowerPoint Copilotを使ったファイルからのスライド作成は、以下の手順で行います:
- Copilotを起動:PowerPointでCopilotアイコンをクリック
- ファイルを選択:OneDrive上のWordやPDFファイルを指定
- スライド生成:具体的なプロンプトで指示を出す
- 内容確認:生成されたスライドをレビュー・調整
成功のポイント
- 適切なライセンスと保存場所の確認
- 元ファイルの構造整理
- 具体的で明確なプロンプト
- 生成後の必要な確認と調整
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