「PowerPointで文字に取り消し線を引きたい」「変更点や修正箇所を分かりやすく表示したい」
プレゼンテーションを作成していると、誤った情報の訂正や変更履歴の表示、完了したタスクの表示など、取り消し線を使いたい場面があります。しかし、「PowerPointで取り消し線はどこから設定するの?」「もっと効率的な方法はないの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、PowerPointで取り消し線を効果的に使用する方法を、基本操作から応用テクニック、実践的な活用例まで詳しく解説します。
取り消し線とは

取り消し線の基本概念
取り消し線とは、テキストの中央部分に横線を引く文字装飾効果です。主に以下の目的で使用されます:
主な用途
- 誤情報の訂正:間違った内容を視覚的に無効化
- 変更履歴の表示:修正前後の内容を同時表示
- 進捗管理:完了したタスクやアイテムの表示
- 比較表示:新旧情報の対比
取り消し線の視覚効果
プレゼンテーションでの効果
- 変更点の明確化:修正箇所が一目で分かる
- 情報の透明性:修正プロセスを公開
- 聴衆の理解促進:変更理由の説明が容易
- プロフェッショナルな印象:丁寧な資料作成姿勢
基本的な取り消し線の設定方法
方法1:フォントダイアログボックスを使用
最も確実で詳細な設定が可能な方法です。
操作手順
- 取り消し線を適用したいテキストを選択
- **「ホーム」**タブをクリック
- フォントグループの右下にある小さな矢印をクリック
- 「フォント」ダイアログボックスが表示される
- **「取り消し線」**にチェックを入れる
- **「OK」**をクリックして適用
選択のコツ
- 単語単位:ダブルクリックで選択
- 文単位:ドラッグで範囲選択
- 段落単位:トリプルクリックで選択
- 複数箇所:Ctrlを押しながら選択
方法2:ショートカットキーを使用
最も迅速で効率的な方法です。
ショートカットキー
- Windows:Ctrl + Shift + X
- Mac:Command + Shift + X
使用手順
- 対象テキストを選択
- ショートカットキーを押す
- 即座に取り消し線が適用される
ショートカットの利点
- 作業効率の向上:マウス操作不要
- 繰り返し作業に最適:連続適用が簡単
- プレゼン中の修正:素早い対応が可能
取り消し線の削除・解除方法
取り消し線の解除手順
設定した取り消し線を元に戻す方法です。
フォントダイアログでの解除
- 取り消し線が適用されているテキストを選択
- 「ホーム」 → フォントダイアログボックス
- 「取り消し線」のチェックを外す
- **「OK」**で確定
ショートカットでの解除
- 同じショートカットキー(Ctrl + Shift + X)で切り替え可能
- 選択→ショートカット→解除の簡単操作
部分的な解除
一部のテキストのみ解除
- 解除したい部分のみを選択
- 上記の解除方法を実行
- 選択部分のみが解除される
応用的な取り消し線テクニック
取り消し線と他の書式の組み合わせ
より効果的な視覚表現のための組み合わせ技術です。
色の変更による強調
手順
- 取り消し線を適用
- 「ホーム」 → 「フォントの色」
- グレーや赤系の色を選択
- 削除された印象を強調
効果的な色選択
- グレー:控えめで上品な削除表現
- 赤:明確な削除・エラー表示
- 薄い色:目立ちすぎない修正表示
フォントサイズとの組み合わせ
段階的な重要度表現
- 大きなフォント + 取り消し線:重要な変更点
- 小さなフォント + 取り消し線:軽微な修正
- 太字との組み合わせ:より強い削除意図
複数行にわたる取り消し線
段落全体への適用
操作方法
- 段落全体を選択(トリプルクリック)
- 取り消し線を適用
- 段落内のすべてのテキストに適用
複数段落への一括適用
効率的な選択方法
- 最初の段落でクリック
- Shiftを押しながら最後の段落をクリック
- 複数段落が一括選択される
- 取り消し線を適用
アニメーション効果との組み合わせ
段階的な取り消し線表示
設定手順
- **「アニメーション」**タブを選択
- 「アニメーションの追加」 → 「強調」 → 「ブラシ色」
- **「効果のオプション」**で取り消し線効果を設定
- タイミングを調整
プレゼンテーション効果
- リアルタイム修正:話しながら取り消し線を表示
- 段階的説明:修正理由を説明してから取り消し
- インパクトのある訂正:聴衆の注意を引く
実践的な活用例

ビジネスプレゼンテーションでの活用
予算修正の表示
Before/After の明確化
従来予算:~~1,000万円~~ → 修正後:800万円
理由:市場環境の変化により見直し
効果
- 変更の透明性を示す
- 修正理由の説明が容易
- 信頼性の向上
計画変更の表示
スケジュール修正例
完了予定:~~3月末~~ → 4月中旬
影響要因:追加要件の発生
プロジェクト管理での活用
タスク完了の表示
進捗管理の視覚化
- ~~要件定義書作成~~ ✓完了
- ~~設計書レビュー~~ ✓完了
- 開発作業 ←現在のフェーズ
- テスト実施
- リリース準備
管理効果
- 進捗状況の一目把握
- チーム全体での共有
- モチベーション向上
仕様変更の履歴管理
変更履歴の記録
機能仕様:
- ~~ログイン機能(パスワードのみ)~~
- ログイン機能(二段階認証対応)
変更日:2024年○月○日
変更理由:セキュリティ強化要求
教育・研修資料での活用
訂正・修正の表示
学習効果の向上
- 間違いやすいポイントの明示
- 修正プロセスの可視化
- 理解度チェックのツール
演習問題での活用
解答プロセスの表示
計算例:
~~10 × 3 = 50~~ ← 間違い
10 × 3 = 30 ← 正解
マーケティング資料での活用
価格改定の表示
価格変更の明示
料金体系:
- ~~基本プラン:月額5,000円~~
- 基本プラン:月額4,500円(10%値下げ)
訴求効果
- 値下げのインパクトを強調
- 変更の分かりやすさ
- 顧客への配慮を表現
デザイン上の注意点とコツ
読みやすさの確保
適切な使用頻度
使いすぎの回避
- 1スライドあたり2-3箇所まで
- 重要な変更点のみに限定
- 視覚的な混乱を避ける
コントラストの確保
背景との調和
- 明るい背景:濃い色の取り消し線
- 暗い背景:明るい色の取り消し線
- 適切なコントラスト比の維持
プロフェッショナルな見せ方
統一性のあるデザイン
一貫したルール
- 同じ種類の修正は同じ色で統一
- フォントサイズは元テキストと同じ
- 取り消し線の太さを統一
説明の併記
修正理由の明示
- 取り消し線だけでなく修正理由も記載
- 変更日時の併記
- 責任者の明示(必要に応じて)
よくあるトラブルと解決方法

取り消し線が表示されない問題
原因と対処法
原因1:テキストが正しく選択されていない
- 対処法:テキストを再度正確に選択
原因2:フォントの問題
- 対処法:標準的なフォント(Arial、メイリオ等)に変更
原因3:表示倍率の問題
- 対処法:拡大して確認、印刷プレビューで確認
取り消し線が太すぎる/細すぎる問題
調整方法
現在のPowerPointでは取り消し線の太さ調整は限定的
- フォントサイズを調整して相対的な太さを変更
- 異なるフォントで見た目を調整
- 色の濃淡で印象を調整
印刷時に取り消し線が見えない
印刷設定の確認
対処法
- 印刷プレビューで事前確認
- 印刷品質を「高品質」に設定
- カラー印刷を選択
- フォントの埋め込みを確認
まとめ
PowerPointの取り消し線機能は、情報の修正や変更を視覚的に分かりやすく表現するための重要なツールです。適切に活用することで、プレゼンテーションの透明性と信頼性を大幅に向上させることができます。
重要なポイント
基本操作のマスター
- フォントダイアログとショートカットの使い分け
- 適切なテキスト選択方法の習得
- 設定と解除の確実な操作
効果的な活用方法
- 目的に応じた使い分け(訂正・履歴・進捗管理)
- 他の書式との組み合わせでより効果的に
- アニメーション効果との連携活用
デザインの考慮事項
- 読みやすさを最優先に
- 統一性のあるルールの確立
- プロフェッショナルな見た目の維持
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