APIテストに欠かせないツール「Postman」を開こうとしたら、画面が真っ白のまま固まった、ロード画面から先に進まない、クリックしても何も起きない——そんな不具合に突然見舞われた経験はないだろうか。
PostmanはElectronベースのデスクトップアプリのため、GPU(グラフィックス)やキャッシュの問題で起動トラブルが起きやすい構造を持っている。
この記事では、Postman公式ドキュメントとサポートセンターの情報をもとに、症状別の対処法をWindows・Mac両対応で整理して紹介する。
まずPostmanのサービス状況を確認する
起動できない原因がPostman側のサーバー障害である場合もある。
対処法を試す前に、まずPostman Status(公式ステータスページ)にアクセスして、現在サービスが正常稼働しているかを確認しよう。
「Degraded Performance」や「Outage」と表示されている場合は、復旧を待つほかない。
症状から原因を絞り込む
Postmanの「起動しない」には、いくつかのパターンがある。
まず自分の状況を確認しよう。
- 起動後に画面が真っ白または真っ黒になる:GPU・ハードウェアアクセラレーションの問題が最も疑われる
- ロード画面(スプラッシュスクリーン)で固まって先に進まない:キャッシュやローカルデータの破損が原因の可能性が高い
- サインイン後に画面が真っ白になる:ローカルのユーザーデータファイルの破損が原因の場合がある
- クリックしても何も起きない:前回のプロセスが残っているか、インストールが不完全な可能性がある
対処法【症状別】
症状①:画面が真っ白・真っ黒になる(GPU問題)
PostmanはPCのGPUを使って画面描画を高速化するハードウェアアクセラレーション機能を搭載している。
使用環境のGPUやドライバーとの相性が悪い場合、起動後に画面が白または黒のまま固まる症状が起きる。
Postman公式ドキュメントでは、この場合にハードウェアアクセラレーションを無効化することを推奨している。
方法A:Postmanのメニューから無効化する(v8.6.0以上)
- Postmanを起動する(メニューバーだけ表示されていればOK)
- 以下の手順でハードウェアアクセラレーションを無効化する
- macOS:画面上部の「Postman」メニュー →「Disable Hardware Acceleration」をクリック
- Windows・Linux:メニューバーの「Help」→「Disable Hardware Acceleration」をクリック
- Postmanを再起動する
※ ハードウェアアクセラレーションを無効にすると、パフォーマンスやCPU使用率に影響が出ることがある。
方法B:メニューにアクセスできない場合(環境変数で無効化)
Postmanのメニュー自体が表示されない場合は、コマンドラインから環境変数を設定する方法がある。
Windows(コマンドプロンプトを管理者として実行):
setx POSTMAN_DISABLE_GPU "true" /m
コマンド実行後、Postmanを再起動する。
Mac・Linux:
GPUソフトウェアの設定画面からハードウェアアクセラレーションを無効化するか、Postmanを再インストールしたうえで方法Aを試す。
参照:Postman Docs「Troubleshoot issues with the Postman app」
参照:Postman Support「Postman is stuck on the load screen」
症状②:ロード画面で固まる・接続エラーが出る
方法1:強制終了してキャッシュをクリアする
Postmanを一度強制終了してから再起動し、キャッシュをクリアする。
これはPostman公式ドキュメントで「接続に問題がある場合」の最初の推奨手順として記載されている。
- タスクマネージャー(Windows)またはアクティビティモニター(Mac)でPostmanのプロセスを強制終了する
- Postmanを再度起動する
- メニューバーの「Help」→「Clear Cache and Reload」をクリックする
方法2:VPN・プロキシを一時的に無効にする
VPNやプロキシ経由の接続が原因でPostmanのサーバーに繋がらない場合がある。
VPNを一度オフにして、別のネットワーク(スマートフォンのテザリングなど)に接続してから起動を試してみよう。
方法3:Postmanを最新バージョンに更新する
古いバージョンがバグを抱えている場合、アップデートで解消されることがある。
Postman公式ダウンロードページから最新版を入手してインストールしよう。
症状③:サインイン後に画面が真っ白になる
サインイン後にローカルのユーザーデータファイルが壊れていると、画面が真っ白になる症状が起きる。
この場合、ローカルデータの削除(またはリネーム)が有効な対処法だ。
⚠️ 注意:コレクションなどのデータはPostmanアカウント(クラウド)に同期されているため、ローカルデータを削除してもサインインし直せば元に戻る。ただし、ローカルのみに保存しているデータがある場合は事前にエクスポートしておくこと。
Windowsの場合:
- Postmanを完全に終了する
- Postmanをアンインストールする(「設定」→「アプリ」→「Power Automate Desktop」→「アンインストール」)
- エクスプローラーのアドレスバーに以下を入力して、Postmanフォルダを削除する
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Postman
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Postman
(%appdata% や %localappdata% と入力すると該当フォルダに素早くアクセスできる。隠しフォルダが見えない場合は「表示」→「隠しアイテム」にチェックを入れる)
- Postman公式ダウンロードページから最新版を再インストールする
macOSの場合:
- Postmanを完全に終了する
- FinderでCmd+Shift+Gを押し、以下のパスに移動してPostmanフォルダを削除する
~/Library/Application Support/Postman
~/Library/Caches/Postman
- Postmanを再度起動する(macOSはアンインストール不要)
参照:Postman Support「How to remove local data」
参照:Postman Support「Troubleshooting steps for Postman desktop issues」
症状④:クリックしても何も起きない
プロセスがバックグラウンドで残っていると、新たに起動しようとしても無反応になることがある。
- Windowsの場合:
Ctrl+Shift+Escでタスクマネージャーを開き、「Postman」というプロセスがあれば右クリックして「タスクの終了」を選択する - Macの場合:
Cmd+SpaceでSpotlightを開き「アクティビティモニター」を起動し、Postmanのプロセスを強制終了する - プロセスをすべて終了してから、Postmanを再度起動する
ログを確認する方法
上記の対処法で解決しない場合、Postmanのログを確認することで原因の手がかりがつかめる。
Postmanが起動できる状態であれば、以下の手順でログを表示できる。
- macOS:「View」→「Developer」→「View Logs in Finder」
- Windows:「View」→「Developer」→「View Logs in Explorer」
- Linux:「View」→「Developer」→「View Logs in File Manager」
取得したログファイルは、後述のサポートへの問い合わせ時にも役立つ。
それでも解決しない場合:公式サポートに問い合わせる
ここまでの手順をすべて試しても解決しない場合は、Postman公式のサポートセンターに問い合わせよう。
Postman Support Centerにアクセスし、「Submit a request」から問い合わせフォームを送信できる。
問い合わせ時に用意しておくと役立つ情報:
- OSの種類とバージョン(例:Windows 11、macOS Sonoma 14.xなど)
- Postmanのバージョン
- 試した対処法の内容と結果
- 取得したログファイル
- エラーメッセージのスクリーンショット
まとめ
Postmanが起動しない場合の対処法を症状別にまとめると、次のようになる。
- 画面が真っ白・真っ黒→ ハードウェアアクセラレーションを無効化(メニューまたは環境変数
POSTMAN_DISABLE_GPU) - ロード画面で固まる→ 強制終了 → 「Help > Clear Cache and Reload」→ VPN無効化 → 最新版に更新
- サインイン後に真っ白→ ローカルデータ(AppData内のPostmanフォルダ)を削除して再インストール
- 何も起きない→ タスクマネージャーでPostmanプロセスを強制終了してから再起動
コレクションなどのデータはPostmanアカウントに同期されているため、ローカルデータを削除してもサインインし直せば基本的に復元できる。
それでも解決しない場合は、ログを添付して公式サポートに問い合わせるのが確実だ。
参考情報源:

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