MySQLデータベースをコマンドラインではなく、ブラウザから簡単に管理したいと思いませんか?
この記事では、phpMyAdminのインストール方法をWindows、Mac、Linux(Ubuntu)の各OS別に詳しく解説します。初心者の方でも迷わずインストールできるよう、画像と具体的な手順でご説明します。
phpMyAdminとは何か

phpMyAdminは、MySQLやMariaDBといったデータベースをWebブラウザから管理できる無料のオープンソースツールです。
phpMyAdminの特徴
- ブラウザベース:コマンドを覚えなくても、視覚的な画面でデータベースを操作できる
- 無料・オープンソース:誰でも無料で使用でき、世界中で利用されている
- 多機能:データベースの作成・削除、テーブル操作、データのインポート・エクスポート、SQL実行など
- 多言語対応:日本語を含む80以上の言語に対応
- 広く使われている:多くのレンタルサーバーで標準搭載されている
MySQLとの関係
MySQLは、データベースを管理するソフトウェア(DBMS:データベース管理システム)です。通常、MySQLを操作するには「SQL文」という専門的なコマンドを入力する必要があります。
phpMyAdminは、このSQL文を知らなくても、マウス操作だけでMySQLを管理できるようにする「ツール」です。WordPressがHTMLやCSSを知らなくてもWebサイトを作れるのと同じように、phpMyAdminはSQL文を知らなくてもデータベースを管理できます。
インストール前の準備:必要な環境
phpMyAdminをインストールする前に、以下の環境が必要です。
必須要件
- Webサーバー
- Apache 2.4以降(推奨)
- または nginx、lighttpd、IISなど
- PHP
- PHP 7.2.5以降(推奨:PHP 8.0以降)
- 必要なPHP拡張機能:
- mysqli(MySQL接続用)
- mbstring(文字列処理用)
- json
- curl
- zip
- gd(グラフ機能用)
- データベース
- MySQL 5.5以降(推奨:MySQL 8.0)
- または MariaDB 10.1以降
- Webブラウザ
- JavaScript、Cookie対応
- モダンブラウザ(Chrome、Firefox、Safari、Edge)
確認方法
すでにこれらがインストールされているか確認するには、以下のコマンドを実行してください。
# PHPのバージョン確認
php -v
# MySQLのバージョン確認
mysql --version
# Apacheのバージョン確認(Linuxの場合)
apache2 -v
Windowsへのインストール方法
Windowsでは、XAMPPやWAMPといったパッケージソフトを使う方法が最も簡単です。
方法1:XAMPP for Windowsを使う(最も簡単・推奨)
XAMPPは、Apache、MySQL、PHP、phpMyAdminを一括でインストールできる便利なパッケージです。
手順1:XAMPPをダウンロード
- XAMPP公式サイト(https://www.apachefriends.org/jp/index.html)にアクセス
- 「Windows向けXAMPP」の最新版をダウンロード
- ダウンロードしたインストーラー(例:xampp-windows-x64-8.2.12-0-VS16-installer.exe)を実行
手順2:XAMPPをインストール
- インストーラーを実行(管理者権限で実行)
- セキュリティ警告が出た場合は「OK」をクリック
- インストールするコンポーネントを選択
- Apache(必須)
- MySQL(必須)
- PHP(必須)
- phpMyAdmin(必須)
- その他はお好みで
- インストール先を選択(デフォルトは
C:\xampp) - 「Next」→「Next」→「Finish」でインストール完了
手順3:XAMPPを起動
- XAMPPコントロールパネルを起動
- 「Apache」の「Start」ボタンをクリック
- 「MySQL」の「Start」ボタンをクリック
- 両方とも緑色の「Running」になればOK
手順4:phpMyAdminにアクセス
- Webブラウザを開く
- アドレスバーに
http://localhost/phpmyadmin/と入力 - phpMyAdminのログイン画面が表示されれば成功!
初回ログイン情報
- ユーザー名:
root - パスワード:空欄(何も入力しない)
方法2:WAMPを使う
WAMPもXAMPPと同様のパッケージソフトです。
手順
- WAMP公式サイト(https://www.wampserver.com/en/)にアクセス
- 最新版のWAMPServerをダウンロード(32bit版または64bit版)
- インストーラーを実行
- インストール完了後、タスクバーのWAMPアイコンをクリック
- 「phpMyAdmin」を選択
WAMPには、phpMyAdminが標準で含まれているため、追加のインストールは不要です。
方法3:手動インストール(上級者向け)
Apache、PHP、MySQLを個別にインストール済みの場合は、phpMyAdminのみを手動でインストールできます。
手順1:phpMyAdminをダウンロード
- phpMyAdmin公式サイト(https://www.phpmyadmin.net/)にアクセス
- 「Download」ボタンをクリック
- 使用環境に合ったバージョンを選択
- 例:
phpMyAdmin-5.2.1-all-languages.zip
- ダウンロードしたZIPファイルを解凍
手順2:Apacheのドキュメントルートに配置
- 解凍したフォルダ名を
phpmyadminに変更(任意) - Apacheのドキュメントルート(通常は
C:\Apache24\htdocs)に配置 - 完全なパスは
C:\Apache24\htdocs\phpmyadminになります
手順3:設定ファイルを作成
phpmyadminフォルダ内のconfig.sample.inc.phpをコピー- コピーしたファイルの名前を
config.inc.phpに変更 - テキストエディタで
config.inc.phpを開く - 以下の行を見つけて編集:
$cfg['blowfish_secret'] = ''; /* YOU MUST FILL IN THIS FOR COOKIE AUTH! */
これを以下のように変更(32文字のランダムな文字列を設定):
$cfg['blowfish_secret'] = 'abcdefghijklmnopqrstuvwxyz012345';
- ファイルを保存
手順4:php.iniの設定確認
- PHPのインストールフォルダを開く(例:
C:\php) php.iniファイルを開く- 以下の設定を確認・修正:
; 拡張機能ディレクトリの設定
extension_dir = "ext"
; 必要な拡張機能を有効化(行頭のセミコロンを削除)
extension=mysqli
extension=mbstring
extension=curl
extension=zip
extension=gd
- ファイルを保存
- Apacheを再起動
手順5:アクセス確認
- ブラウザで
http://localhost/phpmyadmin/にアクセス - phpMyAdminのログイン画面が表示されればOK
Linuxへのインストール方法(Ubuntu/Debian)
Linux(特にUbuntuやDebian)では、パッケージマネージャーを使った簡単なインストールが可能です。
Ubuntu/Debianでのインストール
前提条件
LAMPスタック(Linux、Apache、MySQL、PHP)がインストールされていることを確認してください。
インストールされていない場合は、以下のコマンドで一括インストールできます:
sudo apt update
sudo apt install apache2 mysql-server php php-mysqli php-mbstring php-zip php-gd php-json php-curl
手順1:システムをアップデート
sudo apt update
sudo apt upgrade
手順2:phpMyAdminをインストール
sudo apt install phpmyadmin
手順3:インストール中の設定
インストール中にいくつか質問されます。
- Webサーバーの選択
- 矢印キーで
apache2を選択 - スペースキーで選択(アスタリスク
*が表示される) - Tabキーで「OK」に移動してEnter
- dbconfig-commonでデータベースを設定するか
<Yes>を選択してEnter
- phpMyAdmin用のパスワード設定
- phpMyAdmin専用のMySQLユーザー用パスワードを入力
- 確認のため再入力
- 空欄にすると自動生成されます(推奨)
手順4:Apacheの設定を有効化
sudo phpenmod mbstring
sudo systemctl restart apache2
手順5:アクセス確認
ブラウザで以下のURLにアクセス:
http://localhost/phpmyadmin/
または、サーバーのIPアドレスを使用:
http://サーバーのIPアドレス/phpmyadmin/
CentOS/RHEL/Rocky Linuxでのインストール
CentOS系のディストリビューションでは、EPELリポジトリが必要です。
手順1:EPELリポジトリを有効化
sudo yum install epel-release
手順2:phpMyAdminをインストール
sudo yum install phpmyadmin php-mysql php-mcrypt
手順3:設定ファイルを編集
sudo nano /etc/httpd/conf.d/phpMyAdmin.conf
アクセス制限を設定(必要に応じて):
<Directory /usr/share/phpMyAdmin/>
<IfModule mod_authz_core.c>
# Apache 2.4
Require all granted
</IfModule>
</Directory>
手順4:Apacheを再起動
sudo systemctl restart httpd
macOSへのインストール方法

macOSには、ApacheとPHPが標準で搭載されています(ただし、最近のバージョンでは非推奨)。
方法1:XAMPP for macを使う(推奨)
手順
- XAMPP公式サイトからmacOS版をダウンロード
- ダウンロードした
.dmgファイルを開く - XAMPPをApplicationsフォルダにドラッグ&ドロップ
- アプリケーションフォルダからXAMPPを起動
- 「Manage Servers」タブで Apache と MySQL を Start
- ブラウザで
http://localhost/phpmyadmin/にアクセス
方法2:Homebrewを使う
Homebrewがインストールされている場合は、以下のコマンドでインストールできます。
手順1:必要なパッケージをインストール
brew install php
brew install mysql
brew services start mysql
手順2:phpMyAdminをダウンロード
cd ~/Downloads
wget https://files.phpmyadmin.net/phpMyAdmin/5.2.1/phpMyAdmin-5.2.1-all-languages.zip
unzip phpMyAdmin-5.2.1-all-languages.zip
手順3:Webサーバーのドキュメントルートに配置
sudo mv phpMyAdmin-5.2.1-all-languages /Library/WebServer/Documents/phpMyAdmin
手順4:Apacheを起動
sudo apachectl start
手順5:アクセス
ブラウザで http://localhost/phpMyAdmin にアクセス
初期設定とログイン
phpMyAdminをインストールしたら、初期設定とログインを行います。
MySQLユーザーの作成(重要)
セキュリティ上、rootユーザーで直接ログインするのではなく、専用のユーザーを作成することを推奨します。
方法1:コマンドラインから作成
# MySQLにログイン
mysql -u root -p
# 新しいユーザーを作成(パスワードは強固なものに変更してください)
CREATE USER 'phpmyadmin_user'@'localhost' IDENTIFIED BY '強固なパスワード';
# すべてのデータベースへのアクセス権限を付与
GRANT ALL PRIVILEGES ON *.* TO 'phpmyadmin_user'@'localhost' WITH GRANT OPTION;
# 権限を反映
FLUSH PRIVILEGES;
# MySQLから退出
EXIT;
方法2:phpMyAdminから作成
- rootユーザーでphpMyAdminにログイン
- 上部メニューの「ユーザアカウント」をクリック
- 「ユーザアカウントを追加する」をクリック
- ユーザー名、ホスト名(localhost)、パスワードを入力
- 「すべてにチェック」で全権限を付与
- 「実行」をクリック
MySQL 8.0での認証問題を解決
MySQL 8.0以降では、デフォルトの認証方式が caching_sha2_password に変更されました。これがphpMyAdminと互換性がない場合があります。
エラーメッセージの例
mysqli_real_connect(): The server requested authentication method unknown to the client [caching_sha2_password]
解決方法
MySQLのコマンドラインから、認証方式を変更します:
# MySQLにログイン
mysql -u root -p
# ユーザーの認証方式を変更
ALTER USER 'root'@'localhost' IDENTIFIED WITH mysql_native_password BY 'あなたのパスワード';
# 権限を反映
FLUSH PRIVILEGES;
# 終了
EXIT;
または、新しいユーザーを作成する際に認証方式を指定:
CREATE USER 'phpmyadmin_user'@'localhost' IDENTIFIED WITH mysql_native_password BY '強固なパスワード';
Ubuntu 20.04以降でのroot認証問題
Ubuntu 20.04以降では、MySQLのrootユーザーが auth_socket プラグインで認証されるため、パスワードでログインできません。
解決方法
# MySQLにrootでログイン(sudoが必要)
sudo mysql
# rootユーザーの認証方式を変更
ALTER USER 'root'@'localhost' IDENTIFIED WITH mysql_native_password BY '新しいパスワード';
FLUSH PRIVILEGES;
EXIT;
これで、rootユーザーでパスワードを使ってphpMyAdminにログインできるようになります。
セキュリティ設定(必須)
phpMyAdminは便利ですが、セキュリティリスクもあります。以下の対策を必ず実施してください。
1. アクセスURLを変更する
デフォルトのURL(/phpmyadmin)は推測しやすいため、変更することを推奨します。
Apacheの場合
# 設定ファイルを編集(Ubuntu/Debianの場合)
sudo nano /etc/apache2/conf-available/phpmyadmin.conf
以下の行を見つけて変更:
Alias /phpmyadmin /usr/share/phpmyadmin
これを以下のように変更(例:/secretadmin):
Alias /secretadmin /usr/share/phpmyadmin
Apacheを再起動:
sudo systemctl restart apache2
これで、http://localhost/secretadmin/ でアクセスできるようになります。
2. Basic認証を追加する
phpMyAdminのログイン画面にたどり着く前に、さらに認証を追加します。
手順1:パスワードファイルを作成
sudo htpasswd -c /etc/phpmyadmin/.htpasswd admin_user
パスワードを2回入力します。
手順2:.htaccessファイルを作成
sudo nano /usr/share/phpmyadmin/.htaccess
以下の内容を記述:
AuthType Basic
AuthName "Restricted Access"
AuthUserFile /etc/phpmyadmin/.htpasswd
Require valid-user
手順3:Apacheの設定を変更
sudo nano /etc/apache2/conf-available/phpmyadmin.conf
<Directory /usr/share/phpmyadmin> セクションに以下を追加:
AllowOverride All
手順4:Apacheを再起動
sudo systemctl restart apache2
これで、phpMyAdminにアクセスする際に2段階の認証が必要になります。
3. IPアドレスでアクセス制限
特定のIPアドレスからのみアクセスを許可します。
sudo nano /etc/apache2/conf-available/phpmyadmin.conf
以下を追加:
<Directory /usr/share/phpmyadmin>
Order Deny,Allow
Deny from All
Allow from 192.168.1.100 # 許可するIPアドレス
Allow from 127.0.0.1 # localhost
</Directory>
4. HTTPS/SSLを使用する
phpMyAdminへのアクセスは必ずHTTPS経由で行うべきです。
Let’s Encryptを使う場合
sudo apt install certbot python3-certbot-apache
sudo certbot --apache
画面の指示に従ってドメインを選択すると、自動的にSSL証明書がインストールされます。
5. 使わない時はアンインストールまたは無効化
phpMyAdminは常時稼働させる必要はありません。使わない時は無効化しましょう。
Ubuntuで無効化
sudo a2disconf phpmyadmin
sudo systemctl reload apache2
有効化する時
sudo a2enconf phpmyadmin
sudo systemctl reload apache2
よくあるトラブルシューティング
エラー:「mysqli拡張がありません」
原因
PHP の mysqli 拡張機能がインストールされていないか、有効化されていません。
解決方法
Windowsの場合
php.iniファイルを開く- 以下の行を探す:
;extension=mysqli
- 行頭のセミコロン(
;)を削除して有効化:
extension=mysqli
- Apacheを再起動
Linuxの場合
sudo apt install php-mysqli
sudo systemctl restart apache2
エラー:「Access denied for user ‘root’@’localhost’」
原因
ユーザー名またはパスワードが間違っているか、ユーザーに権限がありません。
解決方法
- MySQLのコマンドラインから正しいパスワードを設定:
ALTER USER 'root'@'localhost' IDENTIFIED BY '新しいパスワード';
FLUSH PRIVILEGES;
- phpMyAdminの設定ファイル
config.inc.phpを確認:
$cfg['Servers'][$i]['auth_type'] = 'cookie'; // または 'http'
エラー:「暗号化用の非公開パスフレーズの設定が必要です」
原因
config.inc.php の blowfish_secret が設定されていません。
解決方法
config.inc.php を開いて以下を設定:
$cfg['blowfish_secret'] = 'ここに32文字のランダムな文字列';
ランダムな文字列は以下のサイトで生成できます:
https://phpsolved.com/phpmyadmin-blowfish-secret-generator/
ログイン画面が表示されない
原因
Apache、MySQL、またはPHPが起動していない可能性があります。
解決方法
XAMPPの場合
- XAMPPコントロールパネルを開く
- Apache と MySQL が両方とも「Running」になっているか確認
- なっていない場合は「Start」ボタンをクリック
Linuxの場合
# サービスの状態を確認
sudo systemctl status apache2
sudo systemctl status mysql
# 起動していない場合は起動
sudo systemctl start apache2
sudo systemctl start mysql
ページが見つからない(404エラー)
原因
phpMyAdminが正しい場所にインストールされていないか、Apacheの設定が読み込まれていません。
解決方法
Ubuntuの場合
# phpMyAdminの設定を有効化
sudo a2enconf phpmyadmin
sudo systemctl reload apache2
手動インストールの場合
phpMyAdminのフォルダがApacheのドキュメントルート(htdocs など)に正しく配置されているか確認してください。
データベースの文字化け
原因
文字コードの設定が間違っています。
解決方法
config.inc.php に以下を追加:
$cfg['DefaultCharset'] = 'utf8mb4';
まとめ:phpMyAdminで効率的なデータベース管理を
phpMyAdminのインストール方法をOS別に詳しく解説しました。
インストール方法のまとめ
Windows
- 初心者:XAMPPまたはWAMPを使う(最も簡単)
- 上級者:手動インストール
Linux(Ubuntu/Debian)
- パッケージマネージャー(apt)で簡単インストール
- LAMP環境が前提
macOS
- XAMPP for macを使う
- または Homebrew + 手動設定
重要なポイント
- セキュリティ対策は必須
- アクセスURLの変更
- Basic認証の追加
- HTTPS/SSLの使用
- 使わない時は無効化
- MySQL 8.0の認証問題に注意
mysql_native_passwordへの変更が必要な場合がある
- 専用ユーザーの作成を推奨
- rootユーザーでの直接ログインは避ける
- トラブルシューティング
- エラーメッセージをよく読む
- PHP拡張機能の確認
- サービスの起動状態を確認
phpMyAdminを正しくインストールして設定すれば、データベース管理が格段に楽になります。特にWordPressなどのCMSを使っている方、Web開発者の方には欠かせないツールです。
セキュリティに十分注意しながら、便利にphpMyAdminを活用しましょう!


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