PDFをエクセルに変換したとき「文字が□になってしまった」「記号がぐちゃぐちゃに表示される」といった文字化けに困っていませんか?大切な資料が読めなくなってしまうと、仕事や勉強に支障をきたしてしまいますよね。
実は、PDFからエクセルへの変換で起こる文字化けには明確な原因があり、適切な対処法を知っていれば必ず解決できます。この記事では、文字化けが起こる理由から具体的な解決策まで、分かりやすく解説していきます。
文字化けって何?どんな症状が出るの?

まず、文字化けがどのような現象なのかを理解しておきましょう。文字化けとは、コンピュータが文字を正しく表示できず、異なる文字・漢字や記号で表示する症状です。
よくある文字化けの症状
PDFファイルで発生する文字化けは、主に下記に挙げる3つの症状があります:
- 文字が四角「□」で表示される:元の文字が何だったか全く分からなくなる
- 文字が記号で表示される:意味不明な記号や文字に置き換わってしまう
- 一部の文字が抜ける:空白表示になって文字が消えてしまう
これらの症状が現れたら、それは確実に文字化けが発生しています。読めない資料では仕事が進まないので、早急な対処が必要ですね。
文字化けの基本的な症状を把握したところで、次はなぜこの問題が発生するのか、その根本的な原因を探ってみましょう。
PDFからエクセル変換で文字化けが起こる5つの原因
文字化けには必ず原因があります。原因を正しく理解することで、適切な対処法を選択できるようになります。
原因1:フォントの不一致問題
PDF内でエクセルに対応できないフォントが使用されている場合、対応可能なフォントに置き換えられてしまうため、文字化けが発生したり、レイアウトが崩れたりするといった現象が発生します。
具体的には:
- PDFで特殊なフォントが使用されている
- エクセル側に同じフォントがインストールされていない
- フォントが埋め込まれていないPDFをエクセルに変換すると、エクセル側に同じフォントが存在しない場合、代替フォントが使われて文字化けが発生します
原因2:環境依存文字・特殊文字の問題
PDFに環境依存文字や特殊文字が含まれていた場合、エクセルに変換するときに文字化けしてしまうことがあります。
- 特定のOS・デバイスでしか正常に表示されない文字
- 外字や特殊な記号類
- 機種依存文字(○付き数字など)
原因3:複雑な表構造の認識エラー
PDFに複雑な表が含まれていると、表の中の文字がうまく認識されずに文字化けしてしまうことがあります。
- セルの結合が複雑
- 表の中に画像やグラフが混在
- 縦書き・横書きが混在
原因4:言語サポートの問題
PDFに含まれている文字が日本語や特殊な言語の場合、変換ツールがその言語に対応していないと正確に変換されず、文字化けが起こります。
原因5:PDFファイル自体の破損
元となるPDFファイルが破損していると、文字化けが発生することがあります。
これらの原因を理解したところで、次は実際の解決方法を見ていきましょう。
確実に解決!文字化け対策の4つの方法
文字化けの原因が分かったところで、具体的な解決策を実践してみましょう。効果の高い順に紹介していきます。
方法1:Adobe Acrobatを使った高精度変換
Adobe社は、PDF形式のファイルを開発した会社です。そのため、Adobe Acrobatを使用してエクセルに変換すると、文字化けやレイアウトの崩れを抑えることができます。
Adobe Acrobatを使った変換手順:
- Adobe Acrobatで問題のPDFファイルを開く
- 「ファイル」→「エクスポート」を選択
- 「スプレッドシート」→「Microsoft エクセルワークブック」を選択
- 変換設定で言語を「日本語」に設定
- 保存場所を指定して変換実行
この方法は最も信頼性が高く、多くの文字化け問題を解決できます。
方法2:フォント埋め込み設定の確認・修正
PDFに「フォントの埋め込み」をしてから保存すると、文字化けの発生を防ぐことができます。
フォント埋め込み確認手順:
- Adobe Acrobat Readerでファイルを開く
- 「ファイル」→「プロパティ」を選択
- 「フォント」タブで埋め込み状況を確認
- 「埋め込みサブセット」の表示があるかを確認します。この表示がない場合、フォントの埋め込みがされておらず、正しく表示されない場合があります
埋め込みがされていない場合は、元ファイルからフォント埋め込み設定を有効にして再度PDF化しましょう。
方法3:OCR機能を活用した文字認識
画像として保存されたPDFや、スキャンPDFの場合はOCR機能が有効です。OCR機能とは、紙面などを写した画像を解析し、画像内に含まれている文字にあたるパターンを自動で検出して、記載内容を文字データにして取り出す機能です。
OCR対応ツールの例:
- PDFelement(OCR機能搭載)
- Adobe Acrobat Pro(OCR機能あり)
- Google Drive(無料OCR機能)
方法4:メモ帳経由での文字コード調整
テキストファイルウィザードで貼り付けすると文字化けの原因となる書式を削除した状態でエクセルに貼り付けできるので、文字化けを防ぐことができます。
手順:
- PDFからテキストをコピー
- メモ帳に貼り付けて書式をリセット
- メモ帳のテキストをコピー
- エクセルの「データ」→「テキストファイル」で読み込み
この方法により、書式による文字化けを回避できます。次は、具体的なツール別の対処法を見てみましょう。
ツール別!具体的な文字化け解決手順
使用するツールによって、最適な解決方法が異なります。あなたが使っているツールに合わせて実践してみてください。
Microsoft Excelの「データの取得」機能を使う場合
Excelの標準機能を使った解決手順:
- エクセルで「データ」タブ→「データの取得」を選択
- 「ファイルから」→「PDFから」を選択
- 対象PDFファイルを選択
- 「ナビゲーター」画面で取得したい表を選択
- 「データの変換」で文字コードを確認・修正
- 必要に応じて列の書式を調整
この方法は無料で利用でき、軽微な文字化けなら解決できます。
Google ドライブを経由する方法
Googleの無料OCR機能を活用:
- PDFをGoogle ドライブにアップロード
- PDFファイルを右クリック→「アプリで開く」→「Googleドキュメント」
- 自動的にOCR処理が実行される
- 認識されたテキストをコピー
- エクセルに貼り付けて体裁を整える
無料で使えるのが最大のメリットです。
専用変換ソフトを使う場合
高精度のPDF変換ソフトを使用する。変換ツールの精度が高いと、文字化けのリスクを減らせます。
おすすめの専用ソフト:
- PDFelement:日本語対応でOCR機能付き
- UPDF:高精度変換とバッチ処理対応
- 4DDiG File Repair:変換時の文字化けを修復する機能に特化しています
これらのソフトは有料ですが、複雑な文字化けも解決できる確率が高いです。
オンライン変換ツールを使う場合
軽度な文字化けであれば、オンラインのPDF変換ツールを試してみるのも一つの方法です。
注意点:
- セキュリティ面で機密文書には不向き
- ファイルサイズ制限がある
- 複雑なレイアウトは苦手
ここまでの方法で解決しない場合の対処法も確認しておきましょう。
どうしても解決しない時の最終手段

上記の方法を試しても文字化けが解決しない場合は、以下の最終手段を検討してください。
最終手段1:元データの再取得
元データから再度PDFに変換して保存しなおすことで、根本的な解決が期待できます。
- 可能であれば、PDF作成者に元のWordやExcelファイルを依頼
- 元データが残っていれば、フォント埋め込み設定を有効にして再PDF化
- スキャンPDFの場合は、可能であれば再スキャン
最終手段2:手動入力での対応
どうしても自動変換がうまくいかない場合:
- PDFを見ながらエクセルに手動で入力
- 音声認識ソフトを使って効率化
- 部分的に正常な箇所は変換結果を活用
最終手段3:プロ向けツールの活用
業務で頻繁に発生する場合:
- AI-OCR搭載の業務用ツールを検討
- PDFのデータ化ならAI-OCRが便利!
- 専門業者への外注も選択肢
破損ファイルの修復
PDFの破損が原因で文字化けが発生している場合は、以下の方法で修復を試してみましょう:
- 無料のPDFファイル修復ツールを使用
- Adobe Acrobat Readerで開いて保存しなおす
- 可能であれば元データからの再作成
これでも解決しない場合は、そのPDFファイル自体に根本的な問題がある可能性が高いです。
今後の文字化けを予防する3つのポイント
文字化けを解決できたら、今度は同じ問題を繰り返さないように予防策を講じましょう。
予防策1:PDF作成時の設定最適化
PDF作成時にフォントを埋め込み、エクセルで使用するフォントと一致させることで、文字化けを防げます。
PDF作成時のチェックポイント:
- フォント埋め込み設定を必ず有効化
- 使用フォントは標準的なもの(游ゴシック、メイリオなど)を選択
- 環境依存文字は可能な限り避ける
- 文字コードはUTF-8で統一
予防策2:適切な変換ツールの選択
日本語対応のPDF変換ツールを使用しましょう。
ツール選択の基準:
- 日本語サポート対応の確認
- OCR機能の搭載有無
- 変換精度の評判調査
- 業務利用に適したセキュリティレベル
予防策3:ファイル管理の最適化
日頃からのファイル管理を工夫することで、トラブルを未然に防げます:
- 元ファイル(Word、Excelなど)は必ず保管
- PDFファイル名は日本語を避けて半角英数字を使用
- 定期的なバックアップの実施
- ファイル形式統一のルール策定
これらの予防策により、文字化けトラブルを大幅に減らすことができます。
まとめ:文字化けは必ず解決できる!
PDFからエクセルへの変換で発生する文字化けは、確実に解決できる問題です。この記事で紹介した方法を順番に試してみてください。
解決手順のまとめ
- 原因の特定:フォント、文字コード、PDFの種類を確認
- 基本対策:Adobe Acrobatでの変換を最優先で試す
- 応用対策:OCR機能やメモ帳経由での変換を実施
- 最終手段:元データの再取得や手動入力で対応
重要なポイント
- 高精度な変換ツールやOCR機能を活用し、事前にフォントを統一することで、文字化けを防げます
- 一つの方法で解決しない場合も、複数の方法を組み合わせることで必ず解決できる
- 予防策を講じることで、今後のトラブルを大幅に減らせる
文字化けは最初は困惑するかもしれませんが、適切な対処法を知っていれば怖くありません。この記事の方法を実践して、スムーズなPDF・エクセル変換を実現してくださいね。
困ったときは、まずAdobe Acrobatでの変換から試してみることをおすすめします。多くの場合、これだけで問題は解決するはずです!
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