パソコンが起動しない・電源がついたり消えたりする原因と対処法|デスクトップ・ノートPC別に解説

パソコンの電源ボタンを押すと一瞬ファンが回るけど、すぐに電源が切れてしまう。そしてまた電源が入って、また切れる――この「ついたり消えたり」を繰り返す症状に困っていませんか?

この症状は、パソコン内部のハードウェアに何らかの問題が起きているサインです。
放置すると状態が悪化してパーツの故障やデータの消失につながる可能性があるため、早めの対処が重要になります。

この記事では、電源がついたり消えたりを繰り返す主な原因と、自分でできる対処法をデスクトップPC・ノートPC別にわかりやすく解説します。

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まず確認!「ついたり消えたり」の症状パターン

対処法を試す前に、自分のパソコンがどのパターンに当てはまるか確認しましょう。
パターンによって原因の見当がつきやすくなります。

電源ボタンを押すと一瞬だけファンが回り、すぐ切れる(数秒以内):
この症状は、マザーボードの保護機能が作動している可能性が高いパターンです。
CPUやメモリの接触不良、電源ユニットの故障、ショートなどが主な原因として考えられます。

電源が入りファンは回るが、数秒〜十数秒で電源が落ち、再び電源が入ることを繰り返す:
CPUの熱暴走、電源ユニットの出力不足・劣化、メモリの故障が疑われるパターンです。
ファンが一定間隔で停止と再開を繰り返している場合は、システムが再起動を繰り返しています。

電源ランプは点灯するが画面に何も映らない:
メモリの接触不良や故障、グラフィックボードの問題、ディスプレイケーブルの接続不良などが原因として考えられます。

しばらく使えるが、途中で突然電源が落ちる:
熱暴走、電源供給の不安定(タコ足配線など)、電源ユニットの経年劣化、バッテリーの劣化(ノートPCの場合)が主な原因です。

電源がついたり消えたりする主な原因

この症状を引き起こす原因は、大きく分けて以下の6つです。

原因1:帯電(静電気の蓄積)

パソコンを長時間使い続けたり、長時間電源ケーブルを挿したまま放置したりすると、内部の回路や部品に不要な電気が溜まります。
これを「帯電」と呼び、パソコンの電源が入らない・ついてもすぐ切れるといった症状の原因になります。

パソコンの電源回路には過電流や過電圧を防ぐ保護機能が搭載されており、帯電によってこの保護機能が誤作動すると、電源の投入と遮断を繰り返すことがあります。
帯電は特に冬場の乾燥した環境で起きやすい傾向があります。

原因2:電源ユニットの劣化・故障(デスクトップPC)

電源ユニットはパソコン内部のすべてのパーツに電力を供給するパーツで、いわばパソコンの「心臓」にあたります。
経年劣化によって出力が低下すると、起動時に必要な電力を供給できなくなり、電源がついたり消えたりを繰り返す原因になります。

電源ユニットの寿命は一般的に2〜5年程度とされており、消耗品のような側面があります。
グラフィックボードの増設やパーツの追加によって消費電力が増えた場合も、電源容量が不足して同様の症状が出ることがあります。

原因3:CPUの熱暴走

CPUが高温になりすぎると、パーツを保護するために自動的に電源が遮断されます。
冷却ファンにホコリが詰まっている、CPUクーラーが正しく取り付けられていない、グリスが劣化しているなどの原因で放熱がうまくいかないと、起動するたびに高温になって電源が落ちるサイクルに陥ります。

パソコンの吸排気口にホコリが大量に溜まっている場合や、通気の悪い場所に設置している場合も熱暴走のリスクが高まります。

原因4:メモリの接触不良・故障

メモリがスロットにしっかり差し込まれていない場合や、接点にホコリが付着している場合、パソコンが正常に起動できず再起動を繰り返すことがあります。

日常使用で発生する微細な振動や衝撃で、メモリが少しずつ緩んでしまうケースもあります。
メモリ自体が故障している場合も同様の症状が出るため、差し直しだけでなく、スロットの変更や1枚ずつの動作確認が有効です。

原因5:電源ケーブル・コンセントの問題

意外と見落としやすいのが、電源ケーブルの接触不良やコンセント側の問題です。
ケーブルが緩んでいたり、内部で断線しかかっていたりすると、電源供給が不安定になります。

電源タップ(延長コード)を使っている場合は、タコ足配線で電力が不足していたり、タップのブレーカーが落ちていたりする可能性もあります。
ドライヤーや電子レンジなど消費電力が大きい家電と同じタップから給電している場合、それらの使用時に電圧が一時的に下がってパソコンの電源が落ちることがあります。

原因6:バッテリーの劣化(ノートPC)

ノートパソコンのバッテリーは消耗品です。
長年使用して劣化が進むと、電気をほとんど蓄えられなくなり、ACアダプターを外した状態ですぐに電源が落ちるようになります。

バッテリーが完全に放電してしまっている場合は、ACアダプターを接続してもすぐには起動できず、ある程度充電されるまで待つ必要があります。

【最初に試す】放電処置の手順

電源がついたり消えたりする症状に遭遇したら、最初に試してほしいのが「放電」です。
放電とは、パソコン内部に溜まった不要な電気を放出する作業のことで、帯電が原因の場合はこれだけで問題が解決することも多いです。

特別な道具は不要で、誰でもすぐに試せます。

デスクトップPCの放電手順

  1. パソコンの電源を切る(電源ボタンを長押しして強制終了してよい)
  2. 電源ケーブルをコンセントから抜く
  3. パソコン本体に接続しているすべてのケーブルと周辺機器(USBメモリ、外付けHDD、プリンターなど)を取り外す
  4. そのまま90秒以上放置する
  5. 電源ボタンを15〜30秒間長押しする(内部の残留電荷を放出するため)
  6. 電源ケーブルを接続し直す
  7. パソコンの電源を入れて、正常に起動するか確認する

ノートPCの放電手順(バッテリー取り外し可能な機種)

  1. パソコンの電源を切る(Shiftキーを押しながらシャットダウンで完全シャットダウン推奨)
  2. ACアダプターをパソコンから取り外す
  3. バッテリーを取り外す
  4. すべての周辺機器とケーブルを取り外す
  5. そのまま90秒以上放置する
  6. 電源ボタンを15〜30秒間長押しする
  7. バッテリーを取り付ける
  8. ACアダプターを接続する(周辺機器はまだ接続しない)
  9. パソコンの電源を入れて確認する

ノートPCの放電手順(バッテリー内蔵・取り外し不可の機種)

バッテリーが取り外せない機種では、放電の方法がメーカーや機種によって異なります。
一般的な手順は以下のとおりです。

  1. パソコンの電源を切る
  2. ACアダプターとすべての周辺機器を取り外す
  3. 電源ボタンを20〜30秒間長押しする
  4. ACアダプターを接続し直す
  5. パソコンの電源を入れて確認する

機種によっては電源ボタンの長押し中にランプが点滅するなど、独自の放電手順が指定されています。
お使いのメーカーの公式サポートページで、機種ごとの正しい放電方法を確認してから実施してください。

パソコンの電源トラブルについてより詳しく知りたい方は、Windows PCの電源が入らない!完全復旧までの緊急対処ガイドも参考にしてください。

【デスクトップPC】放電で直らない場合の対処法

放電を試しても症状が改善しない場合は、以下の対処法を順番に試してください。
パソコンの内部を触る作業が含まれるため、作業前に必ず電源ケーブルを抜いてから行いましょう。

対処法1:電源ケーブルとコンセントを確認する

電源ケーブルがパソコン本体にしっかり差し込まれているか確認してください。
外観に問題がなくてもケーブル内部で断線していることがあるため、予備のケーブルがあれば交換して試してみましょう。

電源タップを使っている場合は、壁のコンセントに直接接続してみてください。
別のコンセントに差し替えることで、コンセント側の問題を切り分けることもできます。

対処法2:メモリを差し直す

メモリの接触不良は、この症状のよくある原因です。
パソコンのケースを開けて、メモリを一度取り外し、接点のホコリをエアダスターなどで除去してから、しっかりと差し直してください。

メモリを差し込む際は、スロット両端のレバーが「カチッ」と音がするまで奥まで押し込みます。
メモリを2枚以上搭載している場合は、1枚だけにして起動できるか試したり、差し込むスロットの位置を変えて試したりすることで、メモリ自体の故障かスロットの問題かを切り分けられます。

対処法3:パソコン内部のホコリを掃除する

ケースを開けて、内部にホコリが溜まっていないか確認してください。
特にCPUファン、電源ユニットのファン、吸排気口にホコリが溜まりやすく、放熱を妨げて熱暴走の原因になります。

掃除にはエアダスターが便利です。
ファンの羽根を手で押さえながら(回転させないように)ホコリを吹き飛ばしてください。

対処法4:最小構成で起動を試す

USB機器、外付けHDD、増設したグラフィックボードなど、起動に必要のないパーツや周辺機器をすべて取り外してから電源を入れてみてください。

これで起動できた場合は、取り外したパーツを一つずつ接続し直して、どのパーツが原因かを特定します。
故障したストレージ(HDDやSSD)が接続されていることで起動できなくなるケースもあるため、データ用のストレージも一時的に外して試すと効果的です。

対処法5:電源ユニットの交換を検討する

上記の対処法をすべて試しても改善しない場合は、電源ユニットの故障や劣化が原因の可能性が高いです。

別の電源ユニットがあれば交換して動作するか確認できます。
交換する際は、パソコンの消費電力に見合った容量(ワット数)の電源ユニットを選びましょう。
グラフィックボードを搭載している場合やHDDを複数接続している場合は、その分だけ必要なワット数が増えます。

メーカー製パソコンの場合は独自の電源ユニットを使用していることが多いため、メーカー修理への依頼が必要になるケースもあります。

対処法6:CMOS電池の交換

マザーボードにはBIOS設定を保持するためのボタン電池(CMOS電池、CR2032など)が搭載されています。
この電池が切れるとBIOS設定が初期化されたり、起動が不安定になったりすることがあります。

CMOS電池はコンビニや家電量販店で購入できるリチウム電池です。
パソコンのケースを開けてマザーボード上のボタン電池を探し、交換してみてください。
交換後はBIOSの日時設定が初期状態に戻るため、再設定が必要です。

【ノートPC】放電で直らない場合の対処法

ノートパソコンはデスクトップに比べて内部にアクセスしにくいため、自分でできる対処法はやや限られます。

対処法1:ACアダプターだけで起動を試す

バッテリーが取り外せる機種の場合は、バッテリーを外した状態でACアダプターのみで起動できるか試してください。
これで起動できればバッテリーの劣化が原因です。

バッテリーの持続時間が極端に短くなっている場合は、メーカーに連絡してバッテリーの交換を依頼しましょう。

対処法2:ACアダプターを確認する

ACアダプター自体が故障している可能性もあります。
別のACアダプター(同じ機種の対応品)があれば交換して試してみてください。

ACアダプターのケーブルが断線しかかっている場合、接触が悪くなって電源供給が不安定になることがあります。
ケーブルに折れ曲がりや損傷がないか目視で確認しましょう。

対処法3:本体底面の吸排気口を掃除する

ノートパソコンの底面や側面にある吸排気口にホコリが詰まっていると、CPUの熱が逃げられず熱暴走を起こします。
エアダスターで吸排気口のホコリを吹き飛ばしてください。

また、布団やクッションの上など通気の悪い場所で使用していると放熱が妨げられるため、固い平らな面の上で使用してください。

対処法4:外部ディスプレイに接続してみる

電源は入っているのに画面だけが映らない場合は、パソコンのHDMI端子などから外部ディスプレイに接続して映るか確認してください。
外部ディスプレイに映る場合は、ノートパソコンの液晶パネルやバックライトの故障が考えられます。

やってはいけないこと

症状が出ている状態で以下のことは避けてください。

電源ボタンの連打:
電源がつかないからといってボタンを何度も素早く押すと、内部のパーツに余計な負荷がかかります。
1回押して反応がなければ、しばらく待ってからもう一度試しましょう。

通電状態でのパーツの抜き差し:
メモリやケーブルの抜き差しは、必ず電源ケーブルを完全に抜いた状態で行ってください。
通電状態でパーツを触るとショートや感電の原因になります。

異臭がする場合に無理に起動する:
パソコンから焦げ臭いにおいがする場合は、内部パーツが焼損している可能性があります。
すぐに電源ケーブルを抜いて使用を中止し、メーカーサポートまたは修理業者に相談してください。
無理に起動させると発火の危険性があります。

修理・相談が必要な場合

以下のような状況では、自力での対処が難しいため、メーカーサポートやパソコン修理業者に相談することをおすすめします。

  • この記事のすべての対処法を試しても改善しない
  • パソコンから異臭や異音がする
  • 電源ランプすらまったく点灯しない
  • ビープ音(ピーピーという電子音)が鳴る
  • 大切なデータが保存されていて、操作によるデータ消失が怖い

修理に出す場合、メーカーや修理業者の「修理」はパソコンを動作する状態に戻すことが目的であり、保存されていたデータは基本的に保証されません。
大切なデータがある場合は、修理に出す前にデータ復旧の専門業者に相談することも検討してください。

万が一の起動トラブルに備えて、日頃からリカバリーUSBを作成しておくことをおすすめします。
作成方法はWindowsリカバリーUSBの作り方と使い方で解説しています。

まとめ

パソコンの電源がついたり消えたりを繰り返す場合、まず最初に試すべきは「放電」です。
帯電が原因であれば、放電だけで問題が解決するケースが多くあります。

放電で改善しない場合は、電源ケーブルの確認、メモリの差し直し、内部のホコリ除去と順番に対処していきましょう。
デスクトップPCでは電源ユニットの劣化が原因であることが多く、ノートPCではバッテリーの劣化やACアダプターの不良も疑ってみてください。

異臭や異音がある場合は無理に起動せず、すぐにメーカーサポートや修理業者に相談することが大切です。

参考情報源:

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