「Parallels Desktopが不要になったから削除したい」「動作がおかしいから一度完全に削除してインストールし直したい」
Parallels Desktopをアンインストールする理由は様々ですが、単にアプリをゴミ箱に入れるだけでは、実は完全には削除されていないんです。
仮想マシンのファイルや設定ファイルが残っていると、数十GBものストレージを無駄に使い続けることになります。
この記事では、Parallels Desktopを完全にアンインストールする方法を、関連ファイルの削除まで含めて詳しく解説していきます。
アンインストールする前に確認すること

削除する前に、必ず確認しておくべきことがあります。
本当にアンインストールが必要か確認
アンインストールを検討している理由によっては、別の解決方法がある場合もあります。
アンインストールではなく解決できるケース
- 動作が遅い → メモリやCPU設定の見直し
- エラーが頻発 → Parallels Toolsの再インストール
- 容量不足 → 仮想マシンの圧縮や不要なスナップショット削除
- 一部機能が動かない → アップデートで解決
本当に削除が必要か、もう一度考えてみましょう。
ライセンス情報の確認
アンインストール後も、ライセンスは有効です。
確認すべき情報
- Parallels Desktopメニュー→「アカウント」を開く
- 以下の情報をメモまたはスクリーンショット
- ライセンスキー
- アカウントのメールアドレス
- ライセンスの種類(Standard/Pro/Business)
- 有効期限
再インストール時に必要になります。
重要なファイルのバックアップ
仮想マシン内のデータが必要な場合は、必ずバックアップを取りましょう。
バックアップが必要なもの
- 仮想マシン内のドキュメント
- デスクトップのファイル
- ダウンロードフォルダ
- ブラウザのブックマーク
- インストール済みアプリのライセンスキー
Windowsを再度インストールすると、これらのデータは消えてしまいます。
仮想マシンファイルの保存
仮想マシンを別のMacで使いたい、または後で復元したい場合は、ファイルを保存しておきましょう。
保存方法
- Finderで「書類」フォルダを開く
- 「Parallels」フォルダを見つける
- 仮想マシンファイル(.pvmファイル)を外付けHDDにコピー
- コピー完了を確認
ファイルサイズが大きいので、十分な空き容量がある外付けストレージを使ってください。
実行中のアプリケーションの終了
アンインストール前に、Parallelsとその関連プロセスを完全に終了させます。
終了手順
- Windowsを起動している場合はシャットダウン
- Parallels Desktopを終了
- メニューバーにParallelsアイコンがないことを確認
完全に終了していないと、削除時にエラーが出ることがあります。
基本的なアンインストール方法
まずは、標準的なアンインストール方法から説明します。
方法1:Finderから削除
最もシンプルな方法です。
手順
- Finderを開く
- サイドバーから「アプリケーション」をクリック
- 「Parallels Desktop」を探す
- 「Parallels Desktop」を右クリック
- 「ゴミ箱に入れる」を選択
- 管理者パスワードを入力
- パスワードを確認して「OK」をクリック
これでアプリ本体は削除されます。
方法2:ゴミ箱へドラッグ
ドラッグ操作でも削除できます。
手順
- Finderで「アプリケーション」フォルダを開く
- 「Parallels Desktop」を見つける
- Dockのゴミ箱にドラッグ
- 管理者パスワードを入力
シンプルですが、これだけでは不完全です。
方法3:Launchpadから削除
Launchpadからも削除可能です。
手順
- Launchpadを開く(トラックパッドで親指と3本指をつまむ)
- 「Parallels Desktop」アイコンを見つける
- アイコンを長押し
- 左上の「×」マークをクリック
- 「削除」を確認
ただし、この方法でも関連ファイルは残ります。
ゴミ箱を空にする
手順
- Dockのゴミ箱アイコンを右クリック
- 「ゴミ箱を空にする」を選択
- 確認画面で「ゴミ箱を空にする」をクリック
これでアプリ本体は完全に削除されます。
完全アンインストール:関連ファイルの削除

アプリ本体だけでは不十分です。関連ファイルも削除しましょう。
仮想マシンファイルの削除
最もサイズが大きいファイルです。
場所と削除手順
- Finderを開く
- 「移動」メニュー→「ホーム」を選択
- 「書類」フォルダを開く
- 「Parallels」フォルダを探す
- 「Parallels」フォルダを右クリック
- 「ゴミ箱に入れる」を選択
ファイルの中身
- Windows 11.pvm(仮想マシン本体、20〜80GB)
- その他の仮想マシン
- スナップショット
削除すると、Windowsとその中のすべてのデータが消えます。
サポートファイルの削除
Parallelsの設定やログが保存されています。
削除手順
- Finderで「移動」メニューをクリック
- Optionキーを押しながら「ライブラリ」を選択
- 「Application Support」フォルダを開く
- 「Parallels」フォルダをゴミ箱に入れる
含まれるもの
- ログファイル
- テンプレート
- キャッシュ
環境設定ファイルの削除
アプリの設定情報です。
削除手順
- Finderで「移動」→「フォルダへ移動」を選択
- 「~/Library/Preferences/」と入力
- Returnキーを押す
- 以下のファイルを削除(存在する場合)
- com.parallels.Parallels Desktop.plist
- com.parallels.PDInfo.plist
- com.parallels.PDLaunchAgent.plist
- その他「com.parallels」で始まるファイル
検索のコツ
検索ボックスに「parallels」と入力すると、関連ファイルがすべて表示されます。
キャッシュファイルの削除
一時ファイルやキャッシュも削除しましょう。
削除手順
- 「移動」→「フォルダへ移動」を選択
- 「~/Library/Caches/」と入力
- 「com.parallels」で始まるフォルダを削除
- 「Parallels」フォルダがあれば削除
ログファイルの削除
トラブルシューティング用のログです。
削除手順
- 「移動」→「フォルダへ移動」を選択
- 「~/Library/Logs/」と入力
- 「Parallels」フォルダを削除
- 「com.parallels」で始まるファイルも削除
起動エージェントの削除
バックグラウンドで動くプログラムです。
削除手順
- 「移動」→「フォルダへ移動」を選択
- 「~/Library/LaunchAgents/」と入力
- 以下のファイルを削除
- com.parallels.desktop.console.plist
- その他「com.parallels」で始まるファイル
システムレベルのファイル削除(上級者向け)
管理者権限が必要なファイルもあります。
注意:誤って他のファイルを削除すると、システムに影響が出る可能性があります。慎重に行ってください。
削除場所
- 「移動」→「フォルダへ移動」を選択
- 「/Library/LaunchDaemons/」と入力
- 「com.parallels」で始まるファイルを削除(存在する場合)
- 管理者パスワードを入力
同様に、以下の場所も確認:
- /Library/Frameworks/ParallelsVirtualization.framework
- /Library/Preferences/Parallels/
専用ツールを使った削除
手動削除が不安な方は、専用ツールを使う方法もあります。
App Cleanerを使う方法
App Cleanerは、関連ファイルも含めて削除してくれる無料アプリです。
使い方
- App Cleaner(https://freemacsoft.net/appcleaner/)をダウンロード
- App Cleanerを起動
- Parallels Desktopのアイコンをドラッグ
- 関連ファイルのリストが表示される
- すべてにチェックが入っていることを確認
- 「削除」ボタンをクリック
- 確認画面で「削除」を実行
自動的に関連ファイルを検出してくれるので便利です。
CleanMyMac Xを使う方法
CleanMyMac Xは有料ですが、高機能なクリーニングツールです。
使い方
- CleanMyMac Xを起動
- 「アンインストーラ」を選択
- 「Parallels Desktop」を見つける
- チェックを入れる
- 「削除」ボタンをクリック
関連ファイルも自動で削除してくれます。
アンインストール後の確認

本当に完全に削除されたか確認しましょう。
アプリケーションフォルダの確認
確認方法
- Finderで「アプリケーション」フォルダを開く
- 「Parallels Desktop」が存在しないことを確認
Spotlight検索での確認
確認方法
- Command + Spaceで Spotlightを開く
- 「Parallels」と入力
- アプリやファイルが表示されないことを確認
わずかでも残っていると、検索結果に表示されます。
ストレージ容量の確認
削除前後でどれくらい空き容量が増えたか確認しましょう。
確認方法
- Appleメニュー→「このMacについて」を開く
- 「ストレージ」タブをクリック
- 空き容量を確認
通常、30〜100GB程度増えるはずです。
システム環境設定の確認
セキュリティ設定に残っていないか確認します。
確認方法
- システム設定→「プライバシーとセキュリティ」を開く
- 「アクセシビリティ」をクリック
- Parallels関連の項目があれば削除
ログインプロセスの確認
起動時に自動で動くプログラムが残っていないか確認します。
確認方法
- システム設定→「一般」→「ログイン項目」を開く
- Parallels関連の項目がないことを確認
トラブルシューティング
削除時に問題が起きた場合の対処法です。
トラブル1:「使用中のため削除できません」エラー
症状
削除しようとすると「ファイルが使用中です」と表示される。
対処法
- アクティビティモニタを開く(アプリケーション→ユーティリティ)
- 検索ボックスに「Parallels」と入力
- Parallels関連のプロセスをすべて選択
- 左上の「×」ボタンで終了
- 「強制終了」を選択
- もう一度削除を試す
トラブル2:管理者パスワードが求められるが入力できない
症状
パスワード入力画面が表示されない、または受け付けられない。
対処法
- Macを再起動
- 別の管理者アカウントでログイン(ある場合)
- セーフモードで起動して削除を試す
- 起動時にShiftキーを長押し
- セーフモードで起動後、削除を実行
トラブル3:ファイルが見つからない
症状
削除しようとしたファイルやフォルダが見つからない。
対処法
既に削除されている可能性があります。
- Spotlightで「Parallels」を検索
- 検索結果がなければ削除済み
- あれば、その場所に移動して削除
トラブル4:削除後もストレージが増えない
症状
削除したはずなのに、空き容量が増えていない。
対処法
- ゴミ箱を確認
- ゴミ箱を空にしていない可能性
- Time Machineのローカルスナップショットを確認
- ターミナルで「tmutil listlocalsnapshots /」を実行
- スナップショットがあれば削除を検討
- Macを再起動
- システムがストレージを再計算
トラブル5:仮想マシンファイルが見つからない
症状
「書類」フォルダに「Parallels」フォルダがない。
対処法
別の場所に保存されている可能性があります。
- Finderで「移動」→「フォルダへ移動」を選択
- 以下の場所を確認
- ~/Documents/Parallels/
- ~/Parallels/
- /Users/Shared/Parallels/
- Spotlight で「.pvm」を検索
再インストール前の準備
アンインストール後に再インストールする場合の注意点です。
Macの再起動
再インストール前に、必ずMacを再起動してください。
理由
- 残っているプロセスをクリア
- システムキャッシュをリセット
- クリーンな状態でインストール
ディスクのクリーンアップ
実行すること
- ゴミ箱を空にする
- 不要なファイルを削除
- ディスクユーティリティで「First Aid」を実行
より安定した環境でインストールできます。
macOSの更新確認
古いmacOSでは、最新のParallelsが動作しない可能性があります。
確認方法
- Appleメニュー→「システム設定」を開く
- 「一般」→「ソフトウェアアップデート」をクリック
- 更新があればインストール
ライセンス情報の準備
事前にメモしたライセンス情報を用意してください。
必要な情報
- ライセンスキー
- Parallelsアカウントのメールアドレスとパスワード
仮想マシンの準備
保存した仮想マシンを再利用する場合は、アクセスできる場所に配置してください。
配置場所
- 外付けHDD
- クラウドストレージからダウンロード
- ネットワークドライブ
よくある質問
Q: アンインストールするとWindowsライセンスも失う?
A: いいえ、Windowsのライセンスは仮想マシンに紐付いています。仮想マシンファイルを保存しておけば、再インストール後も使えます。ファイルを削除すると、Windowsも消えます。
Q: 部分的にアンインストールできる?
A: はい、アプリ本体だけ削除して仮想マシンファイルは残すこともできます。その場合、仮想マシンファイルは保持したまま、アプリだけをゴミ箱に入れてください。
Q: 削除したParallelsを復元できる?
A: Time Machineでバックアップを取っていれば、復元可能です。ただし、完全削除後は復元が難しいので、重要なデータは事前にバックアップしてください。
Q: 他の仮想化ソフトに影響は出る?
A: 基本的に影響はありません。VirtualBoxやVMware Fusionなどは独立して動作します。
Q: アンインストール後、空き容量がすぐに反映されない
A: Macのストレージ計算には時間がかかることがあります。数時間待つか、再起動すると正確な容量が表示されます。
Q: トライアル版もアンインストール方法は同じ?
A: はい、トライアル版も製品版も、アンインストール方法は全く同じです。
まとめ
Parallels Desktopのアンインストール方法について詳しく解説しました。
重要なポイントをおさらいしましょう。
- アンインストール前にライセンス情報と重要データのバックアップを取る
- アプリ本体の削除はFinderから簡単にできる
- 完全削除には関連ファイルの手動削除が必要
- 仮想マシンファイルが最も容量を使っている(20〜80GB)
- App Cleanerなどの専用ツールを使うと簡単
- 削除後は必ずゴミ箱を空にする
- 再インストール前はMacを再起動する
完全にアンインストールすれば、大幅にストレージ容量を回復できます。
ただし、削除したデータは復元できないので、本当に必要ないか十分確認してから実行してください。
この記事の手順に従えば、Parallels Desktopをきれいにアンインストールできます。お疲れさまでした!

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