Outlookの削除済みアイテムフォルダー、どんどん溜まっていませんか?
一度削除したメールやアイテムは「削除済みアイテム」フォルダーに移動しますが、そのまま放置するとメールボックスの容量を圧迫してしまいます。Windowsのゴミ箱と同じで、削除済みアイテムフォルダーも定期的に空にする必要があるんです。
でも、毎回手動で削除するのは面倒ですよね。
実は、Outlookには削除済みアイテムを自動的に削除する便利な機能があります。Outlookを終了するときに自動で空にしたり、一定期間が経過したアイテムだけを削除したり。用途に応じていくつかの方法が選べます。
この記事では、Outlookのゴミ箱(削除済みアイテムフォルダー)を自動削除する方法を、状況別に詳しく解説します。設定方法だけでなく、自動削除を解除する方法や、誤って削除したアイテムを復元する方法も紹介するので、安心して設定を変更できますよ。
メールボックスをスッキリ整理して、快適なOutlook環境を作りましょう!
Outlookの削除済みアイテムフォルダーとは

まず、削除済みアイテムフォルダーの基本を確認しておきましょう。
削除済みアイテムフォルダーの役割
Outlookでメールやアイテムを削除すると、すぐに完全削除されるわけではありません。まず「削除済みアイテム」フォルダーに移動します。
これはWindowsのゴミ箱と同じ仕組みです。誤って削除してしまった場合でも、削除済みアイテムフォルダーから簡単に復元できます。
アカウントによる名称の違い
使用しているメールアカウントの種類によって、フォルダー名が異なります:
- Microsoft 365、Outlook.com、Exchangeアカウント:「削除済みアイテム」
- Gmail、Yahoo!など他のアカウント:「ごみ箱」
機能は同じですが、フォルダー名が違うことを覚えておいてください。
削除済みアイテムが占める容量
削除済みアイテムフォルダーに溜まったメールは、メールボックスの容量を消費し続けます。特に大きな添付ファイル付きメールを削除した場合、そのままにしておくとすぐに容量がいっぱいになってしまいます。
自動削除のメリット
削除済みアイテムを自動削除する設定には、いくつかのメリットがあります。
メリット1:メールボックスの容量を節約
削除済みアイテムが自動的に削除されることで、メールボックスの空き容量が増えます。特にメールボックスの容量に制限がある環境では、これは重要です。
メリット2:Outlookのパフォーマンス向上
メールボックスが整理されることで、Outlookの動作が軽快になります。検索速度も速くなり、ストレスなくメールを扱えます。
メリット3:手間を削減
手動で削除する作業から解放されます。毎回「削除済みアイテムを空にする」操作をする必要がなくなり、作業効率が上がります。
メリット4:バックアップサイズの削減
削除済みアイテムが減ることで、バックアップに必要な容量が小さくなります。バックアップや復元にかかる時間も短縮されます。
メリット5:セキュリティ面での安心
古い削除済みメールが長期間残らないため、情報漏洩のリスクが軽減されます。
【方法1】Outlook終了時に自動削除する(最も簡単)
Outlookを閉じるたびに、削除済みアイテムフォルダーを自動的に空にする方法です。
設定手順(デスクトップ版Outlook)
ステップ1:オプション画面を開く
- Outlookを起動します
- 画面左上の「ファイル」タブをクリック
- 左側のメニューから「オプション」を選択します
ステップ2:詳細設定を開く
- 「Outlookのオプション」ウィンドウが表示されます
- 左側のメニューから「詳細設定」をクリックします
ステップ3:自動削除を有効にする
- 右側の画面をスクロールして「Outlookの開始と終了」セクションを探します
- 「Outlookの終了時に削除済みアイテムフォルダーを空にする」のチェックボックスにチェックを入れます
- 「OK」ボタンをクリックして設定を保存します
これだけで設定完了です。次回Outlookを終了するときから、自動的に削除済みアイテムフォルダーが空になります。
確認メッセージを表示させない方法
上記の設定だけでは、Outlookを終了するたびに「すべてのアカウントの[削除済みアイテム]フォルダーにあるすべての内容を完全に削除しますか?」という確認メッセージが表示されます。
毎回OKをクリックするのが面倒な場合は、以下の設定も行いましょう。
追加設定:
- 同じ「詳細設定」画面で、一番下までスクロールします
- 「その他」セクションを探します
- 「削除前に確認メッセージを表示する」のチェックを外します
- 「OK」をクリックして保存します
これで、確認メッセージなしで自動的に削除されるようになります。
Outlook on the web(Webブラウザ版)の場合
手順:
- Outlook on the web(https://outlook.office.com)にアクセスします
- 画面右上の歯車マーク(設定)をクリック
- 「すべてのOutlook設定を表示」を選択
- 「メール」→「メッセージ」または「メッセージオプション」をクリック
- 「サインアウト時に削除済みアイテムフォルダーを空にする」にチェックを入れます
- 「保存」をクリックします
Web版では、ログアウトするたびに削除済みアイテムが空になります。
【方法2】古いアイテムの整理機能を使う
一定期間が経過したアイテムだけを自動削除する方法です。
古いアイテムの整理とは
「古いアイテムの整理」(AutoArchive)は、指定した日数より古いアイテムを自動的に削除または別のファイルに移動する機能です。
削除済みアイテムフォルダーだけでなく、他のフォルダーにも適用できます。
全体設定を行う手順
ステップ1:自動整理の設定を開く
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」を開きます
- 「自動整理」ボタンをクリックします
ステップ2:自動整理を有効にする
- 「自動整理を□日ごとに実行する」にチェックを入れます(デフォルトは14日ごと)
- 実行頻度を設定します(例:7日、14日など)
ステップ3:削除の設定をする
- 「保存期間の過ぎたアイテムを削除する」を選択します(アーカイブではなく削除したい場合)
- 「□か月より古いアイテムを整理する」の期間を設定します
- 「OK」をクリックして保存します
削除済みアイテムフォルダーだけに設定する手順
削除済みアイテムフォルダーだけに個別の設定を適用することもできます。
手順:
- Outlookのフォルダー一覧で「削除済みアイテム」フォルダーを右クリックします
- 「プロパティ」を選択
- 「古いアイテムの整理」タブをクリックします
- 「以下の設定でこのフォルダを保存する」を選択
- 「□か月より古いアイテムを整理する」で期間を設定します(例:1か月、2か月など)
- 「古いアイテムを削除する」を選択します(アーカイブではなく削除する場合)
- 「OK」をクリックして保存します
これで、削除済みアイテムフォルダー内の指定期間より古いアイテムだけが自動削除されるようになります。
【方法3】保持ポリシーを設定する(Exchange Online / Microsoft 365)
Exchange OnlineやMicrosoft 365を使用している場合、保持ポリシーで自動削除を管理できます。
保持ポリシーとは
保持ポリシーは、メールボックス内のアイテムをいつ削除またはアーカイブするかを制御する機能です。組織全体または個別のユーザーに適用できます。
デフォルトの保持期間
削除済みアイテムフォルダー
- 以前:30日後に自動削除(2015年までのデフォルト設定)
- 現在:無期限に保持(Microsoftが設定を変更)
つまり、現在のデフォルト設定では、削除済みアイテムフォルダーのメールは自動的には削除されません。
完全削除後の回復可能期間
削除済みアイテムフォルダーからさらに削除(完全削除)した場合:
- デフォルトで14日間、「回復可能なアイテム」フォルダーに保持されます
- この期間は最大30日まで延長可能です
保持ポリシーの設定方法(管理者向け)
保持ポリシーの設定には管理者権限が必要です。一般ユーザーの方は、IT部門に設定変更を依頼してください。
必要な手順の概要:
- Microsoft Purview コンプライアンスポータルにアクセス
- 保持タグを作成(削除済みアイテムフォルダー用)
- 保持ポリシーに保持タグを追加
- ユーザーのメールボックスに保持ポリシーを適用
PowerShellでの設定例(管理者用):
削除済みアイテムを30日後に削除する保持タグを作成:
New-RetentionPolicyTag -Name "削除済みアイテム30日" -Type DeletedItems -RetentionEnabled $true -AgeLimitForRetention 30 -RetentionAction DeleteAndAllowRecovery
個人ユーザーの確認方法
自分のメールボックスに適用されている保持ポリシーを確認する方法:
Outlook on the webの場合:
- Outlook on the webにアクセス
- 「設定」→「すべてのOutlook設定を表示」
- 「メール」→「保持ポリシー」を確認します
デスクトップ版Outlookの場合:
- フォルダーを右クリック→「プロパティ」
- 「ポリシー」タブで現在のポリシーを確認できます
【方法4】手動で削除済みアイテムを空にする

自動削除を設定しない場合でも、いつでも手動で削除できます。
デスクトップ版Outlookの場合
方法1:右クリックから
- フォルダー一覧で「削除済みアイテム」フォルダーを右クリック
- 「フォルダーを空にする」を選択
- 確認メッセージで「はい」をクリックします
方法2:リボンから
- 「削除済みアイテム」フォルダーを選択
- 「フォルダー」タブの「フォルダーを空にする」ボタンをクリックします
Outlook on the webの場合
- 画面左側のフォルダー一覧で「削除済みアイテム」を右クリック
- 「すべて削除」を選択します
すべてではなく一部だけ削除したい場合
フォルダー内の特定のメールだけを選択して削除することもできます。
手順:
- 削除済みアイテムフォルダーを開きます
- 削除したいメールを選択します(複数選択する場合はCtrlキーを押しながらクリック)
- Deleteキーを押すか、右クリックして「削除」を選択します
- この操作で完全削除されます
自動削除を解除する方法
自動削除の設定を元に戻したい場合の手順です。
終了時の自動削除を解除
手順:
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」を開きます
- 「Outlookの開始と終了」セクションにある「Outlookの終了時に削除済みアイテムフォルダーを空にする」のチェックを外します
- 「OK」をクリックして保存します
古いアイテムの整理を無効にする
フォルダーごとに無効にする場合:
- 該当するフォルダーを右クリック→「プロパティ」
- 「古いアイテムの整理」タブをクリック
- 「このフォルダーのアイテムを整理しない」を選択
- 「OK」をクリックします
自動整理自体を無効にする場合:
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
- 「自動整理」ボタンをクリック
- 「自動整理を□日ごとに実行する」のチェックを外します
- 「OK」をクリックします
削除したアイテムを復元する方法
誤って削除してしまった場合でも、復元できる可能性があります。
削除済みアイテムフォルダーから復元
まだ完全削除されていない場合:
手順:
- 「削除済みアイテム」フォルダーを開きます
- 復元したいアイテムを見つけます
- アイテムを元のフォルダーにドラッグ&ドロップします
または:
- 復元したいアイテムを右クリック
- 「移動」→「フォルダーの選択」を選択
- 移動先のフォルダーを選択して「OK」をクリックします
完全削除されたアイテムを復元(回復可能なアイテム)
削除済みアイテムフォルダーから削除した場合でも、一定期間内なら復元できます。
デスクトップ版Outlookの場合:
- 「削除済みアイテム」フォルダーを選択
- 「ホーム」タブまたは「フォルダー」タブの「削除済みアイテムを復元」をクリックします
(または「サーバーから削除済みアイテムを復元」) - 「削除済みアイテムの復元」ウィンドウが開きます
- 復元したいアイテムを選択します(複数選択可能)
- 「選択されたアイテムの復元」をクリックします
- アイテムは元の場所または削除済みアイテムフォルダーに復元されます
Outlook on the webの場合:
- 画面左側のフォルダー一覧で「削除済みアイテム」をクリック
- フォルダー一覧の下部にある「削除済みアイテムを復元」をクリックします
- 復元したいアイテムを選択
- 「復元」をクリックします
復元可能な期間
完全削除後に復元できる期間は:
- デフォルト:14日間
- 最大:30日間(管理者が設定変更した場合)
この期間を過ぎると、復元はできません。
注意点とよくある問題
自動削除を設定する前に、これらの注意点を確認してください。
注意点1:完全削除されたアイテムは元に戻せない
自動削除で完全に削除されたアイテムは、回復可能期間を過ぎると復元できません。重要なメールは、削除前に別のフォルダーに移動するか、バックアップを取っておきましょう。
注意点2:すべてのアカウントで設定が適用される
「Outlook終了時に削除済みアイテムを空にする」設定は、Outlookに登録されているすべてのアカウントに適用されます。特定のアカウントだけを除外することはできません。
注意点3:組織のポリシーが優先される場合がある
会社のパソコンなど、組織で管理されている環境では、管理者が設定したポリシーが優先されます。個人の設定が反映されない場合は、IT部門に確認してください。
注意点4:新しいOutlookでは一部機能が異なる
新しいOutlook(Outlook for Windows)では、古いアイテムの整理(自動整理)機能が使えません。保持ポリシーまたは終了時の自動削除を使用してください。
よくある問題:自動削除が動作しない
確認ポイント:
- 設定が正しく保存されているか確認します
- Outlookを一度終了して再起動してみます
- 自動整理の場合、実行頻度の日数が経過しているか確認します
- Exchange Onlineの場合、Managed Folder Assistantが定期的に動作するまで待ちます(通常は7日以内)
よくある質問
Q1:自動削除されたメールは完全に消えますか?
いいえ、すぐには消えません。自動削除されたアイテムは、まず「回復可能なアイテム」フォルダーに移動し、そこで14〜30日間保持されます。この期間内であれば復元可能です。
Q2:特定のメールだけ自動削除から除外できますか?
フォルダー単位での設定は可能ですが、個別のメール単位で除外することはできません。重要なメールは、削除済みアイテムフォルダーではなく、別の専用フォルダーに移動しておくことをおすすめします。
Q3:Outlook.comやHotmailでも自動削除できますか?
はい、できます。ただし、個人向けアカウント(Outlook.com、Hotmail、Liveなど)では、サーバー側で自動的に管理されており、設定の変更には制限があります。
デフォルトでは:
- 迷惑メールフォルダー:10日後に削除済みアイテムに移動
- 削除済みアイテムフォルダー:30日後に完全削除
Q4:削除済みアイテムの容量制限はありますか?
削除済みアイテムフォルダーは、メールボックス全体の容量制限の一部です。フォルダー自体に個別の容量制限はありませんが、メールボックス全体の容量がいっぱいになると、新しいメールを受信できなくなります。
Q5:自動削除を設定すると、すでにある削除済みアイテムも削除されますか?
「Outlook終了時に削除」を設定した場合は、次回の終了時にすべて削除されます。「古いアイテムの整理」の場合は、次回の実行時に指定期間より古いアイテムが削除されます。
Q6:会社のパソコンで設定が変更できません
組織で管理されている環境では、グループポリシーで設定が制限されている可能性があります。IT部門や管理者に相談してください。
Q7:スマホのOutlookアプリでも同じ設定ができますか?
スマホアプリでは、自動削除の設定はできません。これらの設定はデスクトップ版またはWeb版で行う必要があります。設定後は、スマホアプリにも反映されます。
まとめ
Outlookの削除済みアイテム(ゴミ箱)を自動削除する方法を4つ紹介しました。
方法の選び方:
【方法1】Outlook終了時に自動削除
→ 一番シンプル。毎回完全に空にしたい方におすすめ
【方法2】古いアイテムの整理
→ 一定期間保持してから削除したい方におすすめ
【方法3】保持ポリシー
→ Exchange Online / Microsoft 365ユーザー向け。組織全体で統一管理したい場合に
【方法4】手動削除
→ 自動削除を使わず、自分のタイミングで管理したい方向け
設定のポイント:
- 自動削除を設定する前に、重要なメールが削除済みアイテムに入っていないか確認しましょう
- 完全削除後も14〜30日間は復元可能です(回復可能なアイテム機能)
- 組織で管理されている環境では、管理者のポリシーが優先されます
- 新しいOutlookでは、一部の機能が異なることに注意してください
メールボックス管理のベストプラクティス:
- 定期的に不要なメールを削除する習慣をつける
- 重要なメールは専用フォルダーに分類する
- 大きな添付ファイルは別途保存して削除する
- 自動削除の設定を自分の使い方に合わせて調整する
メールボックスを整理することで、Outlookの動作が快適になり、仕事の効率も上がります。この記事の方法を参考に、自分に合った管理方法を見つけてくださいね!


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