せっかくOutlookでテンプレートを作ったのに、呼び出し方が分かりづらくて結局使っていない…そんな経験はありませんか?
テンプレートは作っただけでは意味がなく、スムーズに呼び出せてこそ真価を発揮します。呼び出し方法を知らないと、テンプレートを探すだけで時間がかかってしまい、かえって非効率になってしまうんです。
この記事では、Outlookテンプレートを素早く呼び出す5つの方法を、初心者向けから上級者向けまで順番に解説していきます。
テンプレート呼び出しの基本知識

テンプレートファイルの形式
Outlookのテンプレートは「.oft」という拡張子で保存されています。
これは「Outlook Form Template(アウトルック・フォーム・テンプレート)」の略で、メールの雛形として使える専用のファイル形式です。通常のメールとは異なり、開くたびに新しいメール画面として立ち上がる仕組みになっています。
デフォルトの保存場所
テンプレートを呼び出す前に、保存場所を知っておくことが大切です。
Windows環境では、通常次の場所に保存されています。
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Microsoft\Templates
または
C:\Users\ユーザー名\Documents\カスタムOfficeテンプレート
保存場所が分からない場合は、エクスプローラーで「*.oft」と検索すれば見つかります。
【方法1】ファイルから直接開く(最も簡単)
手順
一番シンプルな方法は、テンプレートファイルを直接ダブルクリックする方法です。
- エクスプローラーを開く
- テンプレートの保存フォルダに移動
- 使いたいテンプレートファイル(.oft)をダブルクリック
- 新しいメール画面が開く
これだけで、テンプレートの内容が反映されたメールが作成されます。
メリットとデメリット
メリット:
- 操作が簡単で初心者でも分かりやすい
- Outlookの操作に慣れていなくても使える
- 複数のテンプレートを視覚的に確認できる
デメリット:
- 毎回フォルダを開く必要がある
- クリック数が多く、やや時間がかかる
- 頻繁に使うには不便
たまにしか使わないテンプレートなら、この方法で十分です。
さらに便利に:デスクトップにショートカットを作る
よく使うテンプレートは、デスクトップにショートカットを作成しておくと便利です。
- テンプレートファイルを右クリック
- 「送る」→「デスクトップ(ショートカットを作成)」を選択
- デスクトップにアイコンが表示される
これで、デスクトップからワンクリックでテンプレートを呼び出せるようになります。
【方法2】Outlook内のメニューから開く(標準的な方法)
基本手順
Outlookのメニューから正式な手順で呼び出す方法です。
- Outlookを開く
- 「ホーム」タブをクリック
- 「新しいアイテム」をクリック
- 「その他のアイテム」→「フォームの選択」を選ぶ
- 「参照」ボタンをクリック
- テンプレートファイルを選択して「開く」
この方法は、Microsoft公式の呼び出し方法なので、動作が安定しています。
ショートカットキーで素早く開く
上記の手順を少しだけ速くする方法があります。
「新しいアイテム」をクリックする代わりに、Ctrl + Shift + P を押すと、すぐに「フォームの選択」画面が開きます。これだけでも数秒の時短になりますよ。
この方法が向いている場面
- 複数のテンプレートを使い分けている
- 社内で正式な手順が決まっている
- 初めて使うテンプレートを開く時
安全性と確実性を重視するなら、この方法がおすすめです。
【方法3】クイックアクセスツールバーに登録(おすすめ)
クイックアクセスツールバーとは?
クイックアクセスツールバーは、Outlook画面の左上にある小さなアイコン群のことです。
ここによく使う機能を登録しておくと、どの画面からでもワンクリックでアクセスできます。テンプレートをここに登録すれば、最速で呼び出せるようになるんです。
登録手順(詳細版)
少し手順が複雑ですが、一度設定すれば非常に便利です。
ステップ1: クイックアクセスツールバーのカスタマイズを開く
- 画面左上の「クイックアクセスツールバー」の右にある▼をクリック
- 「その他のコマンド」を選択
ステップ2: マクロを作成する
- 「リボンのユーザー設定」の画面が開く
- 左側の「コマンドの選択」で「マクロ」を選ぶ
- 「Project1.NewFromTemplate」を探す(見つからない場合は後述の方法で作成)
- 「追加」ボタンをクリック
- 「OK」をクリック
ステップ3: マクロコードを作成する(見つからない場合)
「Project1.NewFromTemplate」が見つからない場合は、自分で作成する必要があります。
- Alt + F11 を押してVBAエディタを開く
- 「挿入」→「標準モジュール」をクリック
- 以下のコードを貼り付ける
Sub お礼メール()
Dim myItem As Outlook.MailItem
Set myItem = Application.CreateItemFromTemplate("C:\Users\ユーザー名\Documents\カスタムOfficeテンプレート\お礼メール.oft")
myItem.Display
End Sub
- 「C:\Users…」の部分は、自分のテンプレートファイルのパスに変更
- ファイルを保存して閉じる
これで、クイックアクセスツールバーから一発でテンプレートを呼び出せるようになります。
アイコンとボタン名を変更する
登録したボタンは、アイコンと名前を変更できます。
- クイックアクセスツールバーの▼をクリック
- 「その他のコマンド」を選択
- 追加したマクロを選択
- 「変更」ボタンをクリック
- アイコンと表示名を設定
分かりやすいアイコンと名前を付けておくと、間違えずに使えます。
【方法4】キーボードショートカットで開く(上級者向け)

独自のショートカットキーを割り当てる
VBAマクロを使えば、独自のショートカットキーを設定できます。
例えば、Ctrl + Alt + 1 で「お礼メール」テンプレートが開くようにする、といった設定が可能です。
ただし、この方法は他のショートカットキーと干渉しないよう注意が必要。すでに使われているキーの組み合わせを設定すると、既存の機能が使えなくなってしまいます。
設定方法の概要
- VBAエディタ(Alt + F11)を開く
- マクロにショートカットキーを関連付ける
- 「ツール」→「マクロ」→「マクロ」から設定
この方法は少し高度なので、VBAに慣れている方向けです。詳しく知りたい方は、「Outlook VBA ショートカット」で検索すると、詳しい解説が見つかります。
【方法5】Web版Outlookでの呼び出し方法
Web版の制限事項
残念ながら、Web版のOutlook(Outlook.comやMicrosoft 365のWebアプリ)では、デスクトップ版のような.oftファイルを直接呼び出すことはできません。
ただし、似たような機能を実現する方法がいくつかあります。
代替案1: 下書きを使う
Web版で最も簡単なのは、下書き機能を使う方法です。
- テンプレートにしたいメールを作成
- 送信せずに「下書き」として保存
- 使う時は下書きフォルダから開く
- 内容をコピーして新規メールに貼り付け
- 必要な部分を編集して送信
この方法なら、Web版でもテンプレートと同じ効果が得られます。
代替案2: ブラウザ拡張機能を活用
Chrome拡張機能を使うと、Web版でもテンプレート機能が使えるようになります。
おすすめの拡張機能:
- Briskine: 無料で使える定型文ツール
- Gorgias: ショートカットキーで定型文を挿入
- Text Blaze: スニペット機能が充実
これらの拡張機能をインストールすると、ショートカットキーや専用ボタンでテンプレートを呼び出せます。複数のメールサービスで共通して使えるのもメリットです。
代替案3: OneNoteに保存
テンプレートをOneNoteに保存しておく方法もあります。
- OneNoteにテンプレートの文面を保存
- 必要な時にOneNoteを開く
- 内容をコピーしてメールに貼り付け
この方法は、スマートフォンからもアクセスできるので、外出先でも使えて便利です。
よくあるトラブルと解決方法
Q: テンプレートをダブルクリックしても開きません
A: 次の原因が考えられます。
原因1: ファイルの関連付けが外れている
.oftファイルがOutlookに関連付けられていない可能性があります。
解決方法:
- .oftファイルを右クリック
- 「プログラムから開く」→「別のプログラムを選択」
- 「Outlook」を選んで「常にこのアプリを使って.oftファイルを開く」にチェック
- 「OK」をクリック
原因2: Outlookが既定のメールアプリになっていない
Windows 10/11の設定で、Outlookを既定のメールアプリに設定する必要があります。
解決方法:
- 「設定」→「アプリ」→「既定のアプリ」を開く
- 「メール」の項目で「Outlook」を選択
Q: クイックアクセスツールバーにテンプレートが表示されません
A: マクロのセキュリティ設定を確認してください。
- 「ファイル」→「オプション」→「トラストセンター」
- 「トラストセンターの設定」をクリック
- 「マクロの設定」で「警告を表示してすべてのマクロを無効にする」または「デジタル署名されたマクロを除き、すべてのマクロを無効にする」を選択
セキュリティを保ちながら、マクロを使える設定にする必要があります。
Q: テンプレートを開いても内容が空白です
A: テンプレートファイルが破損している可能性があります。
解決方法:
- 元のテンプレートを再度作成する
- ファイルを保存し直す
- 他のフォルダにコピーして試してみる
それでも解決しない場合は、Outlookを再起動してから試してください。
効率を最大化するベストプラクティス
使用頻度に応じた呼び出し方法を選ぶ
テンプレートごとに最適な呼び出し方法を使い分けましょう。
毎日使うテンプレート:
→ クイックアクセスツールバーに登録
週に数回使うテンプレート:
→ デスクトップにショートカットを作成
月に数回使うテンプレート:
→ フォルダから直接開く
この使い分けが、業務効率を最大化するポイントです。
テンプレート名を工夫する
ファイル名で内容が分かるようにしておくと、呼び出し時に迷いません。
良い例:
- 01_お礼_面談後.oft
- 02_お礼_訪問後.oft
- 03_案内会議招集定例会.oft
- 04_依頼_資料送付.oft
番号を付けると、クイックアクセスツールバーでも順番通りに並びます。
複数のPCで同じテンプレートを使う方法
複数のパソコンでOutlookを使っている場合は、テンプレートをOneDriveなどのクラウドストレージに保存しておくと便利です。
- テンプレートをOneDriveフォルダに保存
- 各PCで同じOneDriveフォルダにアクセス
- ショートカットを作成して使う
この方法なら、どのPCからでも同じテンプレートが使えます。
チーム全体でテンプレートを共有する方法
共有フォルダに保存する
社内でテンプレートを統一したい場合は、共有フォルダに保存します。
- 社内の共有ドライブにテンプレートフォルダを作成
- チーム全員がアクセスできるよう権限を設定
- 各自のPCからショートカットを作成
この方法なら、テンプレートを更新した時も全員が最新版を使えます。
SharePointやOneDrive for Businessを活用
Microsoft 365を使っている企業なら、SharePointやOneDrive for Businessでテンプレートを共有できます。
メリット:
- バージョン管理ができる
- 変更履歴が残る
- アクセス権限を細かく設定できる
- どこからでもアクセス可能
チーム全体で同じテンプレートを使う場合に最適です。
まとめ
Outlookテンプレートを素早く呼び出す方法は、用途に応じて使い分けることが重要です。
この記事のポイント:
- ファイルから直接開くのが最も簡単
- クイックアクセスツールバーへの登録が最速
- Web版では下書きや拡張機能で代用可能
- 使用頻度に応じて呼び出し方法を選ぶ
- チーム全体で共有する場合はクラウドストレージを活用
初心者の方は、まず「ファイルから直接開く」方法から始めてみてください。慣れてきたら、よく使うテンプレートを「クイックアクセスツールバー」に登録すると、業務効率が劇的に向上します。
テンプレートは作るだけでなく、素早く呼び出せてこそ価値があります。
この記事を参考に、自分に合った呼び出し方法を見つけて、毎日のメール業務をもっと快適にしていきましょう!


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