Outlookの「同期の問題」フォルダー完全ガイド|表示・削除・エラー解決まで

プログラミング・IT

Outlookを使っていて、ふと気づくと「同期の問題」というフォルダーが表示されていたことはありませんか?

中を見ると「競合」「ローカルの失敗」「サーバーの失敗」といった謎のサブフォルダーがあり、「これって削除していいの?」「何のためにあるの?」と不安になる方も多いでしょう。

この記事では、Outlookの「同期の問題」フォルダーについて、その役割から削除方法、さらには根本的なエラー解決まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説していきます。


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  1. 「同期の問題」フォルダーとは?
    1. 基本的な役割
    2. どんなときに表示される?
  2. 3つのサブフォルダーの意味
    1. 1. 競合(Conflicts)
    2. 2. ローカルの失敗(Local Failures)
    3. 3. サーバーの失敗(Server Failures)
  3. 「同期の問題」フォルダーを表示する方法
    1. 表示手順
    2. フォルダーの場所
    3. 表示されない場合
  4. 「同期の問題」フォルダーの中身を削除する方法
    1. 個別に削除する
    2. 複数のメッセージをまとめて削除
    3. フォルダーを空にする
  5. フォルダー自体は削除できるの?
    1. 重要な事実
    2. なぜ削除できないの?
    3. 唯一の例外:Outlook Web App(OWA)を使う
  6. フォルダーを再び非表示にする方法
    1. 非表示にする手順
  7. 同期エラーを根本的に解決する方法
    1. 解決方法1:オフラインアイテムをクリア
    2. 解決方法2:OSTファイルの再作成
    3. 解決方法3:Outlookプロファイルの修復
    4. 解決方法4:/resetfoldersスイッチを使う
  8. 自動削除を設定する方法
    1. 自動アーカイブを使う
    2. VBAマクロを使う(上級者向け)
  9. 同期エラーが頻発する主な原因
    1. 1. インターネット接続の問題
    2. 2. サーバー設定の誤り
    3. 3. ファイアウォール・アンチウイルスの干渉
    4. 4. OSTファイルの破損
    5. 5. メールボックスの容量不足
    6. 6. 複数デバイスでの同時編集
  10. 「削除済みアイテム」に同期ログが保存される場合
    1. 原因
    2. 解決方法
  11. よくある質問
    1. 「同期の問題」フォルダーを削除しても大丈夫?
    2. フォルダー自体は本当に削除できないの?
    3. 毎日大量の同期ログが溜まるのですが?
    4. 削除しても何度も表示されるのはなぜ?
    5. サーバーの容量を圧迫している?
    6. Web版Outlookで見える?
    7. 他のパソコンでも同じフォルダーが見える?
  12. まとめ

「同期の問題」フォルダーとは?

基本的な役割

「同期の問題」フォルダーは、Outlookがメールサーバーと情報を同期する際に発生したエラーや問題を記録するためのシステムフォルダーです。

簡単に言うと

OutlookとExchangeサーバー(またはメールサーバー)の間でデータをやり取りする際に何か問題が起きると、その記録がこのフォルダーに保存されるわけです。

どんなときに表示される?

このフォルダーは、以下のような状況で使用されます:

  • Outlookをキャッシュモードで使用している
  • Exchange、Office 365、IMAPアカウントを使用している
  • インターネット接続が不安定
  • オフラインで作業した後にオンラインに戻った
  • 複数のデバイスで同じアカウントを使用している

重要なポイント

「同期の問題」フォルダーはローカルのみに存在します。つまり、このフォルダーの内容はサーバーには保存されず、他のコンピューターやスマートフォンからは見えません。


3つのサブフォルダーの意味

「同期の問題」フォルダーを展開すると、通常3つのサブフォルダーが表示されます。それぞれの役割を理解しておきましょう。

1. 競合(Conflicts)

何が保存される?

同じメール、タスク、カレンダーイベントなどが、複数の場所で異なる内容に編集された場合に保存されます。

具体例

  • 会社のパソコンでメールを編集
  • 同時にスマートフォンでも同じメールを別の内容に編集
  • 両方が同期されようとして競合が発生

このフォルダーには、競合した両方のバージョンが保存され、どちらを残すか選択できるようになっています。

2. ローカルの失敗(Local Failures)

何が保存される?

Outlookからメールサーバーへの送信に失敗したアイテムが保存されます。

どんなとき?

  • メールの送信に失敗
  • タスクの更新がサーバーに送れなかった
  • カレンダーの応答がサーバーに届かなかった
  • オフライン作業中の変更が同期できなかった

Outlookからサーバーへの「アップロード」に問題があるケースです。

3. サーバーの失敗(Server Failures)

何が保存される?

メールサーバーからOutlookへのダウンロードに失敗したアイテムが保存されます。

特徴

  • このフォルダーは比較的空のことが多い
  • サーバーからのダウンロードエラーは少ない
  • オンライン接続時のみ内容が表示される

「同期の問題」フォルダーを表示する方法

このフォルダーは、デフォルトでは非表示になっています。表示させる方法を見ていきましょう。

表示手順

  1. Outlookを開きます
  2. 画面左下のナビゲーションウィンドウの一番下にある「…」(3つの点)をクリック
  3. 表示されるメニューから「フォルダー」を選択

すると、左側のナビゲーションウィンドウがフォルダー一覧表示に切り替わります。

フォルダーの場所

フォルダー一覧の中で、「すべてのOutlookアイテム」または自分のメールアドレスの下に、「同期の問題」フォルダーが表示されているはずです。

左側の「+」マークをクリックすると、3つのサブフォルダー(競合、ローカルの失敗、サーバーの失敗)が展開されます。

表示されない場合

もし「同期の問題」フォルダーが見つからない場合:

  • キャッシュモードを使用していない可能性があります
  • POPアカウントを使用している(Exchange/IMAPではない)
  • まだ同期エラーが一度も発生していない

「同期の問題」フォルダーの中身を削除する方法

それでは、実際に削除する方法を見ていきましょう。

個別に削除する

手順

  1. 「同期の問題」フォルダーまたはサブフォルダーを開く
  2. 削除したいメッセージを選択
  3. Deleteキーを押す、または右クリックして「削除」を選択

これで、選択したメッセージが削除済みアイテムフォルダーに移動します。

複数のメッセージをまとめて削除

方法1:すべて選択

  1. フォルダー内の任意のメッセージをクリック
  2. Ctrl + Aを押してすべてを選択
  3. Deleteキーを押す

方法2:範囲選択

  1. 最初のメッセージをクリック
  2. Shiftキーを押しながら最後のメッセージをクリック
  3. Deleteキーを押す

方法3:個別選択

  1. 最初のメッセージをクリック
  2. Ctrlキーを押しながら、削除したい他のメッセージをクリック
  3. Deleteキーを押す

フォルダーを空にする

すべてのメッセージを一度に削除したい場合:

  1. 「同期の問題」フォルダーを右クリック
  2. 「フォルダーを空にする」を選択(この項目がある場合)

フォルダー自体は削除できるの?

重要な事実

「同期の問題」フォルダー自体は削除できません。

このフォルダーはOutlookのシステムフォルダーであり、プログラムが自動的に作成・管理しているため、削除しようとしても「削除」オプションがグレーアウトしています。

なぜ削除できないの?

  • Outlookの動作に必要な機能だから
  • 同期エラーを記録するための場所が必要だから
  • キャッシュモードを使用している限り必要だから

唯一の例外:Outlook Web App(OWA)を使う

一部の古い報告では、Outlook Web Appからアクセスするとフォルダー自体を削除できたという情報がありますが、これは推奨されません

理由:

  • システムフォルダーを削除すると予期しない動作が起きる可能性がある
  • 次回の同期時に再び作成される
  • エラーログを確認できなくなる

結論:フォルダー自体の削除は諦めて、中身を定期的に削除する方が安全です。


フォルダーを再び非表示にする方法

中身を削除した後、フォルダー自体を見えなくしたい場合は、表示を元に戻しましょう。

非表示にする手順

  1. 画面左下のナビゲーションウィンドウで「…」(3つの点)をクリック
  2. 「メール」を選択

これで、通常のメールフォルダー表示に戻り、「同期の問題」フォルダーは見えなくなります。


同期エラーを根本的に解決する方法

「同期の問題」フォルダーに頻繁にメッセージが溜まる場合は、根本的な原因を解決する必要があります。

解決方法1:オフラインアイテムをクリア

特定のフォルダーに問題がある場合、このフォルダーのオフラインキャッシュをクリアすることで解決できます。

手順

  1. 問題が発生しているフォルダー(例:受信トレイ、カレンダー)を右クリック
  2. 「プロパティ」を選択
  3. 「全般」タブで「オフラインアイテムをクリア」ボタンをクリック
  4. 「OK」をクリック
  5. Outlookリボンの「送受信」タブから「フォルダーの更新」をクリック

これで、フォルダーが再同期されます。

解決方法2:OSTファイルの再作成

OSTファイル(オフラインストレージファイル)が破損している場合、新しく作り直すのが効果的です。

重要:この方法はExchange、Office 365、IMAPアカウント専用です

手順

  1. Outlookを完全に終了します
  2. Windowsエクスプローラーで以下のフォルダーを開きます:
    C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Outlook
  3. 拡張子が.ostのファイルを探します
  4. このファイルを別の場所に移動するか、名前を変更します
    例:メールアドレス.ostメールアドレス_old.ost
  5. Outlookを起動します

Outlookは自動的に新しいOSTファイルを作成し、サーバーからデータを再ダウンロードします。

注意点

  • メールボックスのサイズによっては、再同期に数時間かかることがあります
  • 安定したインターネット接続環境で実行してください
  • 古いOSTファイルはしばらく保管しておくことをおすすめします

解決方法3:Outlookプロファイルの修復

アカウント設定に問題がある場合は、修復を試してみましょう。

手順

  1. 「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」をクリック
  2. 「メール」タブで、問題のあるアカウントを選択
  3. 「修復」ボタンをクリック
  4. 画面の指示に従って修復を完了させる
  5. Outlookを再起動

解決方法4:/resetfoldersスイッチを使う

同期エラーが削除済みアイテムに保存される場合、このスイッチでフォルダー設定を初期化できます。

手順

  1. Windows + Rキーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
  2. 以下を入力:
    outlook.exe /resetfolders
  3. Enterキーを押してOutlookを起動

これで、フォルダー設定が初期化され、同期ログが正しい場所に保存されるようになります。


自動削除を設定する方法

毎回手動で削除するのは面倒ですよね。自動的に削除する方法を設定しましょう。

自動アーカイブを使う

Outlookの自動アーカイブ機能を使えば、古い同期ログを自動的に削除できます。

設定手順

  1. 「ファイル」タブをクリック
  2. 「オプション」を選択
  3. 「詳細設定」をクリック
  4. 「自動整理」セクションの「自動整理の設定」ボタンをクリック
  5. 「自動整理を有効にする」にチェックを入れる
  6. 整理の頻度を設定(例:14日ごと)
  7. 「古いアイテムを削除する」を選択
  8. 期間を設定(例:7日より古いアイテム)
  9. 「OK」をクリック

特定のフォルダーに対して設定

  1. 「同期の問題」フォルダーを右クリック
  2. 「プロパティ」を選択
  3. 「自動整理」タブをクリック
  4. 「このフォルダーを自動整理で処理する」にチェック
  5. 「次の期間が経過したアイテムを削除する」を選択
  6. 期間を設定(例:3日)
  7. 「OK」をクリック

VBAマクロを使う(上級者向け)

プログラミングの知識がある方は、VBAマクロを使って起動時に自動削除することもできます。

詳しくは、Outlookのマクロ機能に関する専門的なガイドを参照してください。


同期エラーが頻発する主な原因

根本的な解決のために、エラーが起きる原因を理解しておきましょう。

1. インターネット接続の問題

症状

  • 接続が不安定
  • 速度が遅い
  • 頻繁に切断される

対策

  • Wi-Fiの電波状況を確認
  • 有線接続に切り替える
  • ルーターを再起動する

2. サーバー設定の誤り

症状

  • 特定のフォルダーだけ同期しない
  • 送信はできるが受信ができない

対策

  • アカウント設定を確認
  • サーバー名、ポート番号、認証設定を再確認
  • プロバイダーの公式サイトで正しい設定を確認

3. ファイアウォール・アンチウイルスの干渉

症状

  • セキュリティソフトをオフにすると同期する
  • 特定のポートがブロックされている

対策

  • Outlookをセキュリティソフトの除外リストに追加
  • ファイアウォールでOutlookの通信を許可

4. OSTファイルの破損

症状

  • 特定のフォルダーが表示されない
  • メールの件数が合わない
  • 同期が途中で止まる

対策

  • OSTファイルを再作成(前述の方法)
  • 受信トレイ修復ツールを使用

5. メールボックスの容量不足

症状

  • 「メールボックスがいっぱいです」というメッセージ
  • 新しいメールが受信できない

対策

  • 古いメールをアーカイブ
  • 不要なメールを削除
  • 添付ファイルを整理

6. 複数デバイスでの同時編集

症状

  • 競合フォルダーにアイテムが頻繁に表示される
  • 同じメールの異なるバージョンが存在

対策

  • 一度に1つのデバイスでのみ編集する
  • 変更後、同期が完了してから他のデバイスを使う

「削除済みアイテム」に同期ログが保存される場合

まれに、同期ログが「同期の問題」フォルダーではなく「削除済みアイテム」に保存されることがあります。

原因

Outlookの同期ログ生成の仕組みは以下の通りです:

  1. 削除済みアイテムフォルダーに一時的にログアイテムを生成
  2. 同期処理のイベントをそのアイテムに書き込む
  3. エラーが発生したら「同期の失敗」フォルダーに移動
  4. エラーがなければ生成したアイテムを破棄

この3番目のステップで何らかの理由で移動できなかった場合、削除済みアイテムに残ってしまいます。

解決方法

前述の「/resetfoldersスイッチ」を使用してフォルダー設定を初期化してください。


よくある質問

「同期の問題」フォルダーを削除しても大丈夫?

フォルダーの中身は削除して問題ありません。これはエラーログなので、削除してもOutlookの動作には影響しません。

ただし、エラーの原因が解消されていない場合、再びメッセージが溜まる可能性があります。

フォルダー自体は本当に削除できないの?

はい、通常の方法では削除できません。Outlookのシステムフォルダーであり、キャッシュモードを使用している限り必要です。

毎日大量の同期ログが溜まるのですが?

それは正常ではありません。根本的な同期エラーが発生している証拠です。以下を試してください:

  1. OSTファイルの再作成
  2. Outlookプロファイルの修復
  3. アカウント設定の確認
  4. インターネット接続の安定性チェック

削除しても何度も表示されるのはなぜ?

エラーの根本原因が解決されていないからです。同期エラーログの内容を確認して、何が問題なのかを特定しましょう。

サーバーの容量を圧迫している?

いいえ、「同期の問題」フォルダーはローカルのみに存在し、サーバーには同期されません。サーバーの容量には影響しません。

Web版Outlookで見える?

いいえ、このフォルダーはローカル専用なので、Outlook Web AppやOWAでは通常表示されません。

他のパソコンでも同じフォルダーが見える?

いいえ、各コンピューター独自のフォルダーです。パソコンAの「同期の問題」とパソコンBの「同期の問題」は別物です。


まとめ

Outlookの「同期の問題」フォルダーについて、重要なポイントをまとめます。

覚えておきたいこと

  • 「同期の問題」フォルダーは同期エラーを記録するシステムフォルダー
  • フォルダー自体は削除できないが、中身は自由に削除できる
  • 3つのサブフォルダーがあり、それぞれ異なる種類のエラーを記録
  • ローカルのみに存在し、サーバーには同期されない
  • デフォルトでは非表示になっている

削除方法

  • 個別またはまとめて削除可能
  • 自動アーカイブで自動削除も設定できる
  • 削除してもOutlookの動作には影響しない

頻繁に溜まる場合の対処

  • OSTファイルを再作成
  • Outlookプロファイルを修復
  • オフラインアイテムをクリア
  • /resetfoldersスイッチを使用
  • 根本的な原因(接続、設定、破損)を特定して解決

予防策

  • 安定したインターネット接続を維持
  • 定期的にOutlookを更新
  • メールボックスのサイズを管理
  • 複数デバイスでの同時編集を避ける

「同期の問題」フォルダーは、Outlookが正常に動作していない兆候を教えてくれる便利な機能です。定期的に中身を確認し、必要に応じて根本的な問題を解決することで、快適なOutlook環境を維持できます。

エラーが頻発する場合は、無理に対処せず、IT部門や専門家に相談することも検討してくださいね。

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