「フォルダがたくさんあって、どこに何があるか分かりにくい」「同じ件名のメールが散らばっていて、会話の流れが追いづらい」そんな悩みを抱えていませんか?
Outlookには「ツリー表示」という機能があり、フォルダを階層構造で表示したり、メールを会話ごとにまとめたりできます。この機能をうまく使えば、大量のメールやフォルダも効率的に管理できるんですよね。
この記事では、Outlookのツリー表示を使いこなす方法を、分かりやすく解説していきます。
Outlookの「ツリー表示」とは?2つの意味を理解しよう

実は「ツリー表示」という言葉には、Outlookでは2つの意味があります。
フォルダツリー表示(フォルダウィンドウ)
左側に表示されるフォルダの階層構造のことです。
特徴
- 受信トレイ、送信済みアイテム、削除済みアイテムなどが縦に並ぶ
- フォルダの中にサブフォルダを作ると、階層的に表示される
- 「>」マークをクリックすると展開・折りたたみができる
- ツリー構造で親子関係が一目で分かる
例:フォルダ階層
受信トレイ
> プロジェクトA
- 議事録
- 資料
> プロジェクトB
> 顧客対応
送信済みアイテム
下書き
このように、フォルダが木(ツリー)の枝のように階層的に並んでいるのが特徴です。
スレッド表示(会話のグループ化)
同じ件名のメールをまとめて、会話の流れとして表示する機能です。
特徴
- 件名が同じメールが自動的にグループ化される
- 返信や転送のやり取りがひとまとまりで見られる
- 「>」をクリックすると会話を展開できる
- メールの前後関係が分かりやすい
例:スレッド表示
> 【重要】来週の会議について(5通)
- 田中太郎 11/10 10:00
- 佐藤花子 11/10 11:30
- 田中太郎 11/10 14:00
- 鈴木一郎 11/11 9:00
- 田中太郎 11/11 10:30
このように、会話のやり取りが一つのツリーにまとまります。
この記事では、両方のツリー表示について解説していきますね。
フォルダツリー表示を設定する方法
左側のフォルダウィンドウの表示を調整する方法です。
フォルダウィンドウの表示・非表示を切り替える
フォルダツリー自体を表示するか隠すかを設定できます。
表示する手順
- 「表示」タブをクリック
- 「レイアウト」グループを確認
- 「フォルダーウィンドウ」をクリック
- 以下から選択
- 標準 – 通常のフォルダツリー表示
- 最小化 – 左端に細いバーで表示
- オフ – 完全に非表示
「標準」が最も使いやすい設定です。
フォルダツリーを展開・折りたたむ
大量のフォルダがある場合、必要なものだけ展開すると見やすくなります。
操作方法
- フォルダ名の左にある「>」をクリック → 展開
- 「v」をクリック → 折りたたみ
ショートカットキー
- 選択したフォルダを展開:テンキーの「+」
- 選択したフォルダを折りたたみ:テンキーの「-」
- すべて展開:テンキーの「*」
キーボードで素早く操作できるので便利ですよ。
お気に入りフォルダを設定する
よく使うフォルダをツリーの上部に固定表示できます。
お気に入りに追加する手順
- フォルダを右クリック
- 「お気に入りに追加」を選択
- フォルダウィンドウの上部「お気に入り」セクションに表示される
お気に入りから削除する手順
- お気に入りセクション内のフォルダを右クリック
- 「お気に入りから削除」を選択
頻繁にアクセスするフォルダは、お気に入りに登録しておくと作業効率が上がります。
フォルダの表示順序を変更する
フォルダの並び順をカスタマイズすることもできます。
並べ替えの手順
- フォルダウィンドウ内で右クリック
- 「名前で並べ替え」を選択
または
- フォルダをドラッグ&ドロップ
- 好きな位置に移動
ただし、システムフォルダ(受信トレイなど)は移動できません。自分で作成したフォルダのみ自由に配置できます。
スレッド表示(会話のグループ化)を設定する方法
メールを会話ごとにまとめて表示する機能の設定です。
スレッド表示を有効にする
デスクトップ版Outlookの手順
- 「表示」タブをクリック
- 「メッセージ」グループを確認
- 「スレッドで表示」にチェックを入れる
これで同じ件名のメールが自動的にグループ化されます。
適用範囲を選択する
スレッド表示を有効にすると、適用範囲を聞かれます。
- このフォルダー – 現在開いているフォルダのみ
- すべてのメールボックス – すべてのフォルダに適用
通常は「すべてのメールボックス」を選択すると便利です。
スレッド表示を無効にする
スレッド表示が不要な場合は、同じ手順でチェックを外します。
- 「表示」タブをクリック
- 「スレッドで表示」のチェックを外す
これでメールが個別に表示されるようになります。
スレッドの展開・折りたたみ
スレッド表示がオンの状態で、会話を開閉できます。
操作方法
- 件名の左にある「>」をクリック → 会話内のメールをすべて表示
- 「v」をクリック → 最新のメールだけ表示
すべてのスレッドを一括操作
- 「表示」タブをクリック
- 「スレッド」グループを確認
- 「すべて展開」または「すべて折りたたみ」をクリック
大量のメールがある時は、一度すべて折りたたんでからスッキリさせると良いですね。
スレッドの並び順を変更する
スレッド内のメールをどう並べるか設定できます。
設定手順
- 「表示」タブをクリック
- 「表示設定」をクリック
- 「その他の設定」をクリック
- 「スレッド」セクションで設定
- 「スレッドをインデント表示する」→ 階層的に表示
- 「古いアイテムから表示する」→ 会話の流れが上から下に
好みに合わせて調整しましょう。
【Web版】Outlook on the webでのツリー表示設定
ブラウザ版Outlookの設定方法です。
フォルダツリーの表示設定
フォルダウィンドウの表示切替
- 左上の三本線アイコンをクリック
- フォルダ一覧が表示される
- もう一度クリックすると非表示
Web版では、画面サイズに応じて自動的に表示・非表示が切り替わります。
スレッド表示の設定
有効化の手順
- 右上の歯車アイコン(設定)をクリック
- 「すべてのOutlook設定を表示」を選択
- 「メール」→「レイアウト」を選択
- 「メッセージの整理」セクションを確認
- 「スレッド別にメッセージを表示」のトグルをオンにする
- 「保存」をクリック
スレッドの表示オプション
- 最新のメッセージを表示 – スレッドの一番新しいメールだけ表示
- すべてのメッセージを表示 – スレッド内のすべてのメールを展開表示
「最新のメッセージを表示」がおすすめです。必要に応じて展開できますよ。
お気に入りの設定
フォルダをお気に入りに追加
- フォルダを右クリック
- 「お気に入りに追加」を選択
Web版でも、デスクトップ版と同じようにお気に入り機能が使えます。
【モバイル】Outlookアプリでのツリー表示
スマートフォンでの設定方法です。
フォルダ一覧の表示
iPhone・iPadの場合
- 左上のメニューアイコン(三本線)をタップ
- フォルダ一覧が表示される
- 階層構造になっているフォルダは「>」をタップして展開
Androidの場合
- 左上のメニューアイコンをタップ
- フォルダ一覧が表示される
- フォルダの階層を展開して移動
モバイルアプリでは、画面サイズの関係で常時表示ではなく、メニューから開く形式になっています。
スレッド表示の設定
設定手順(iOS・Android共通)
- アプリを開く
- 左上のメニューから歯車アイコン(設定)をタップ
- 使用しているアカウントを選択
- 「スレッド別にメッセージを整理」のトグルをオン・オフ
モバイルでもスレッド表示は利用できますが、画面が小さいため、必要に応じてオン・オフを切り替えると良いでしょう。
お気に入りフォルダの設定
モバイルでのお気に入り追加
- メニューからフォルダ一覧を開く
- フォルダを長押し
- 「お気に入りに追加」をタップ
お気に入りに追加したフォルダは、フォルダ一覧の上部に表示されます。
ツリー表示を使いこなすための実践テクニック

効率的にメールを管理するための使い方を紹介します。
フォルダの階層構造を工夫する
プロジェクトやカテゴリごとに整理すると便利です。
おすすめのフォルダ構成例
受信トレイ
> プロジェクト
> プロジェクトA
- 契約書
- 議事録
- 納品物
> プロジェクトB
> プロジェクトC
> 顧客別
> A社
> B社
> C社
> 部署別
> 営業部
> 開発部
> 総務部
このように階層化すると、関連するメールをまとめて管理できますね。
クイックステップと組み合わせる
特定のフォルダへの移動を自動化できます。
クイックステップの作成
- 「ホーム」タブの「クイックステップ」を確認
- 「新規作成」をクリック
- アクション「移動」を選択
- 移動先フォルダを指定
- ショートカットキーを割り当て
例えば「Ctrl + Shift + 1」で「プロジェクトA」フォルダに移動、といった設定ができます。
検索フォルダを活用する
条件に合うメールを自動的に集める仮想フォルダです。
検索フォルダの作成例
- フォルダウィンドウで「検索フォルダー」を右クリック
- 「新しい検索フォルダー」を選択
- 条件を設定
- 「未読のメール」
- 「フラグ付きメール」
- 「今週のメール」
- 「特定の送信者からのメール」
- 「OK」をクリック
検索フォルダは実際のフォルダではなく、条件に合うメールを動的に表示する便利な機能です。
色分けカテゴリとの併用
フォルダ整理と色分けを組み合わせると、さらに管理しやすくなります。
カテゴリの設定
- メールを右クリック
- 「分類」→「カテゴリの管理」を選択
- 新しいカテゴリを作成(色と名前を設定)
- メールに分類を適用
フォルダで大まかに分けて、カテゴリで細かく分類する使い方がおすすめです。
トラブルシューティング:ツリー表示がうまく機能しない時
設定が思い通りにならない場合の対処法です。
Q. フォルダツリーが表示されない
対処法:
レイアウト設定を確認しましょう。
- 「表示」タブをクリック
- 「レイアウト」→「フォルダーウィンドウ」を確認
- 「オフ」になっていたら「標準」に変更
それでも表示されない場合は、Outlookを再起動してみてください。
Q. スレッド表示にしたのに会話がまとまらない
対処法:
件名が異なると別のスレッドになります。
考えられる原因
- 返信時に件名が変更された
- 「Re:」や「Fwd:」が付いて別扱いになっている
- メールソフトが異なり、スレッド情報が引き継がれていない
解決策
- 手動で同じフォルダに移動して整理
- 検索機能で関連メールを探す
- 件名を統一してもらうよう相手に依頼
スレッド表示は完璧ではないので、ある程度手動での整理も必要です。
Q. フォルダの「>」マークが表示されない
対処法:
サブフォルダがない場合は「>」マークは表示されません。
確認ポイント
- そのフォルダの下にサブフォルダが存在するか
- フォルダを右クリックして「新しいフォルダー」で追加してみる
サブフォルダを作成すると、親フォルダに「>」が表示されるようになります。
Q. お気に入りに追加したフォルダが消える
対処法:
元のフォルダを削除すると、お気に入りからも消えます。
対処法
- フォルダを削除していないか確認
- 「削除済みアイテム」フォルダを確認して復元
- もう一度お気に入りに追加
お気に入りは実際のフォルダへのショートカットなので、元のフォルダが必要です。
Q. スレッド表示が重くて動作が遅い
対処法:
大量のメールがある場合、処理に時間がかかることがあります。
軽くする方法
- 古いメールをアーカイブフォルダに移動
- 不要なメールを削除
- フォルダを分割して1フォルダあたりのメール数を減らす
- 一時的にスレッド表示をオフにする
受信トレイに数千通以上ある場合は、整理することで改善しますよ。
ツリー表示を使わない方がいい場合もある
すべてのケースでツリー表示が最適とは限りません。
フラットな表示が向いている場合
以下のような状況では、ツリー表示をオフにする方が効率的です。
メールの量が少ない場合
- 1日に数通しかメール来ない
- フォルダ分けの必要がない
- すべて受信トレイで管理できる
この場合、わざわざツリー構造にする必要はありません。
時系列での確認が重要な場合
- 最新順に並べて確認したい
- 会話の流れよりも受信日時が重要
- スレッド表示だと見落とすリスクがある
スレッド表示にすると、古いスレッドに新しい返信が来た時に気づきにくいことがあるんですね。
外部とのやり取りが多い場合
- 取引先とのメールが中心
- 件名が統一されていない
- 各メールが独立している
社内の継続的なやり取りでなければ、スレッド表示の恩恵は少ないかもしれません。
ツリー表示と併用すると便利な機能
さらに効率を上げるための追加機能です。
ビューのカスタマイズ
メール一覧の表示方法を細かく調整できます。
ビューの変更手順
- 「表示」タブをクリック
- 「ビューの変更」をクリック
- 以下から選択
- コンパクト – 1行表示で多くのメールを表示
- シングル – プレビューなしの一覧表示
- プレビュー – 本文の一部を表示
スレッド表示と組み合わせることで、さらに見やすくなります。
閲覧ウィンドウの配置
メール本文のプレビュー位置を変更できます。
配置の変更
- 「表示」タブをクリック
- 「閲覧ウィンドウ」をクリック
- 「右」「下」「オフ」から選択
- 右 – 横に広い画面で見やすい
- 下 – 縦に長いメールに適している
- オフ – ダブルクリックで開く必要があるが、画面を広く使える
自分の画面サイズや好みに合わせて選びましょう。
条件付き書式で色分け
特定の条件を満たすメールを自動で色分けできます。
設定手順
- 「表示」タブ→「表示設定」をクリック
- 「条件付き書式」をクリック
- 「追加」をクリック
- 条件と色を設定
- 例:「送信者が上司」→ 赤色
- 例:「件名に【緊急】」→ 黄色
ツリー表示の中でも、重要なメールが一目で分かるようになりますよ。
まとめ:ツリー表示で効率的なメール管理を実現しよう
Outlookのツリー表示について解説してきました。
この記事のポイント:
- ツリー表示には「フォルダツリー」と「スレッド表示」の2種類がある
- フォルダツリーは階層構造でフォルダを整理する機能
- スレッド表示は会話ごとにメールをグループ化する機能
- 「表示」タブから簡単に有効・無効を切り替えられる
- お気に入りフォルダや検索フォルダと併用すると便利
- フォルダ構成を工夫することで、大量のメールも管理しやすい
- すべてのケースでツリー表示が最適とは限らない
大量のメールを扱う場合、ツリー表示は非常に強力な整理ツールになります。フォルダの階層化とスレッド表示を組み合わせれば、必要なメールをすぐに見つけられるようになりますよ。
自分の業務スタイルに合わせて、最適なツリー表示設定を見つけてくださいね!


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