Outlook「対象のプリンシパル名が間違っています」エラーの完全解決ガイド|原因から対処法まで徹底解説

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Outlookでメールを送受信しようとしたら、突然「対象のプリンシパル名が間違っています」というエラーメッセージが表示される。

今まで問題なく使えていたのに、急にこのエラーが出ると本当に困りますよね。「プリンシパル名って何?」「どうやって直すの?」と戸惑う方も多いはずです。

この記事では、このエラーメッセージの意味から、原因の特定方法、具体的な解決手順まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。


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  1. エラーメッセージの基本情報
    1. 正確なエラーメッセージ
    2. エラーが発生するタイミング
  2. 「プリンシパル名」とは?エラーの意味を理解する
    1. 専門用語を分かりやすく
    2. このエラーが意味すること
  3. エラーが発生する5つの主な原因
    1. 原因1:サーバー設定の名前が間違っている
    2. 原因2:プロバイダがサーバー設定を変更した
    3. 原因3:SSL証明書の有効期限切れ
    4. 原因4:自己署名証明書の使用
    5. 原因5:プロキシやVPNの干渉
  4. 解決方法:基本的なトラブルシューティング
    1. 手順1:サーバー設定を確認・修正
    2. 手順2:IPアドレスではなくホスト名を使用
    3. 手順3:暗号化方式を確認
    4. 手順4:証明書の警告を一時的に無視(非推奨)
  5. 高度な解決方法
    1. 解決方法1:アカウントを削除して再作成
    2. 解決方法2:Outlookのプロファイルを再作成
    3. 解決方法3:証明書を手動でインポート
  6. プロバイダ別の正しいサーバー設定
    1. Gmail
    2. Outlook.com / Hotmail
    3. Yahoo!メール
    4. OCN
  7. サーバー側に問題がある場合
    1. サーバー管理者に確認すべきこと
    2. プロバイダのサポートに問い合わせる
  8. 予防策と定期的なメンテナンス
    1. 設定情報の保管
    2. プロバイダからのお知らせに注意
    3. 証明書の有効期限
  9. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 「対象のプリンシパル名が間違っています」は危険なエラーですか?
    2. Q2. 今まで問題なかったのに突然このエラーが出ました。なぜ?
    3. Q3. IPアドレスで設定していたら、このエラーが出ました。
    4. Q4. 会社のメールで、自宅ではエラーが出ないのに会社で出ます。
    5. Q5. 証明書の検証を無効にしても大丈夫ですか?
    6. Q6. このエラーが出ても、メールは送受信できていますか?
  10. まとめ|正しい設定で安全なメール通信を

エラーメッセージの基本情報

正確なエラーメッセージ

このエラーは、以下のような形で表示されます。

日本語版

対象のプリンシパル名が間違っています

英語版

The target principal name is incorrect

完全なエラーメッセージの例

タスク '[メールアドレス] - 送信中' でエラー (0x80070057) が報告されました:
'対象のプリンシパル名が間違っています。サーバーの応答: 
Server certificate verification failed: hostname mismatch'

エラーが発生するタイミング

よくある状況

  • メールの送受信を実行した時
  • Outlookの起動時
  • 自動送受信のタイミング
  • 手動で「送受信」ボタンをクリックした時

影響範囲

  • メールの送信ができない
  • メールの受信ができない
  • 場合によっては両方できない

「プリンシパル名」とは?エラーの意味を理解する

専門用語を分かりやすく

プリンシパル名(Principal Name)

  • セキュリティ上の「身元確認に使われる名前」
  • メールサーバーの正式な名前のこと
  • SSL/TLS証明書に記載されている情報

例え話

  • 身分証明書の名前と実際の名前が一致しないようなもの
  • 「佐藤太郎」という身分証を持っているのに、「田中次郎」と名乗っている状態

このエラーが意味すること

簡単に言うと

  • Outlookが接続しようとしているサーバー名
  • そのサーバーが持っているSSL証明書の名前
  • この2つが一致していない

セキュリティ上の意味

  • OutlookがSSL/TLS接続でサーバーの身元を確認している
  • 証明書の名前が違うと「本物のサーバーじゃないかも」と警告
  • セキュリティ機能が正常に働いている証拠

エラーが発生する5つの主な原因

原因1:サーバー設定の名前が間違っている

具体例

正しい設定:

受信サーバー: mail.example.com

間違った設定:

受信サーバー: webmail.example.com
または
受信サーバー: 192.168.1.100(IPアドレス)

証明書は「mail.example.com」用に発行されているのに、別の名前で接続しようとしているため、エラーが発生します。

原因2:プロバイダがサーバー設定を変更した

よくあるケース

  • メールサービス提供者がサーバーを移行
  • サーバー名が変更された
  • 設定変更の案内メールを見逃していた

  • 旧:pop.oldserver.com
  • 新:mail.newserver.com

古い設定のまま使っていると、エラーが発生します。

原因3:SSL証明書の有効期限切れ

原因

  • サーバー側のSSL証明書が期限切れ
  • 証明書の更新が遅れている
  • サーバー管理者の対応待ち

症状

  • 突然エラーが発生する
  • 特定の日付から問題が始まる

原因4:自己署名証明書の使用

原因

  • サーバーが正式な認証局ではなく、自己署名証明書を使用
  • 主に小規模な組織や個人サーバー

特徴

  • 正規の証明書ではないため、Outlookが警告

原因5:プロキシやVPNの干渉

原因

  • 会社のプロキシサーバー経由で接続
  • VPN接続中
  • ネットワーク機器がSSL通信を検査している

症状

  • 特定のネットワークでのみ発生
  • 自宅では問題ないが、会社で発生

解決方法:基本的なトラブルシューティング

手順1:サーバー設定を確認・修正

最も多い原因がサーバー名の設定ミスです。

Windows版Outlook

  1. アカウント設定を開く
  • 「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」をクリック
  1. 該当するアカウントを選択
  • 問題のあるメールアカウントをクリック
  • 「変更」ボタンをクリック
  1. 「詳細設定」をクリック
  2. 「詳細設定」タブを確認

受信サーバー(POP3/IMAP)

  • サーバー名を確認
  • 正しいサーバー名を入力

送信サーバー(SMTP)

  • 「詳細設定」タブで送信サーバー名を確認
  • 正しいサーバー名を入力
  1. 「次へ」→「完了」をクリック
  2. Outlookを再起動

正しいサーバー名の確認方法

  • メールプロバイダの公式サイトを確認
  • 契約時の設定情報メールを確認
  • プロバイダのサポートに問い合わせ

手順2:IPアドレスではなくホスト名を使用

IPアドレスで設定している場合、ホスト名に変更します。

悪い例

受信サーバー: 203.0.113.50
送信サーバー: 203.0.113.50

良い例

受信サーバー: mail.example.com
送信サーバー: smtp.example.com

SSL証明書はホスト名(ドメイン名)に対して発行されるため、IPアドレスでは証明書の検証ができません。

手順3:暗号化方式を確認

暗号化設定が正しいか確認します。

確認項目

  1. 「詳細設定」タブを開く
  2. 受信サーバーの設定
  • 使用する暗号化接続の種類
  • 推奨:SSL/TLS または STARTTLS
  1. 送信サーバーの設定
  • 使用する暗号化接続の種類
  • 推奨:TLS または SSL/TLS

ポート番号も確認

受信サーバー(IMAP):

  • SSL/TLS:993
  • STARTTLS:143

受信サーバー(POP3):

  • SSL/TLS:995
  • STARTTLS:110

送信サーバー(SMTP):

  • TLS:587
  • SSL:465

手順4:証明書の警告を一時的に無視(非推奨)

重要な注意
この方法は、信頼できるサーバーの場合のみ使用してください。セキュリティリスクがあります。

手順

  1. レジストリエディタを開く
  • Windows + R で「regedit」と入力
  • Enter(管理者権限が必要)
  1. 以下のキーに移動
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Outlook\Security

※ バージョンにより「16.0」の部分が異なります

  • Office 2021/2019:16.0
  • Office 2016:16.0
  • Office 2013:15.0
  1. 新しいDWORD値を作成
  • 右側の空白部分を右クリック
  • 「新規」→「DWORD (32ビット) 値」
  • 名前:DisableServerCertificateValidation
  • 値:1
  1. Outlookを再起動

セキュリティ上の警告

  • この設定は、証明書の検証を無効化します
  • 中間者攻撃のリスクが高まります
  • 信頼できるサーバーでのみ使用
  • 問題解決後は必ず元に戻す(値を0に、または削除)

高度な解決方法

解決方法1:アカウントを削除して再作成

設定が複雑に壊れている場合、再作成が確実です。

事前準備

  1. 重要なメールをバックアップ
  • POP3の場合:必須
  • IMAPの場合:サーバーにメールが残るので不要
  1. 設定情報をメモ
  • サーバー名
  • ポート番号
  • ユーザー名
  • パスワード

再作成手順

  1. アカウント設定を開く
  • 「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」
  1. アカウントを削除
  • 該当アカウントを選択
  • 「削除」ボタンをクリック
  • 確認で「はい」
  1. Outlookを再起動
  2. アカウントを追加
  • 「ファイル」→「アカウントの追加」
  • メールアドレスとパスワードを入力
  • 自動設定に従う
  1. 手動設定が必要な場合
  • 「詳細オプション」→「自分で自分のアカウントを手動で設定」
  • 正しいサーバー情報を入力

解決方法2:Outlookのプロファイルを再作成

プロファイル自体に問題がある場合の対処法です。

手順

  1. Outlookを終了
  2. コントロールパネルを開く
  • Windows + R で「control」と入力
  1. 「メール (Microsoft Outlook)」をクリック
  2. 「プロファイルの表示」をクリック
  3. 「追加」ボタンをクリック
  • 新しいプロファイル名を入力
  • 「OK」
  1. 新しいプロファイルでアカウント設定
  • ウィザードに従ってアカウントを設定
  1. 既定のプロファイルを変更
  • 新しいプロファイルを選択
  • 「OK」
  1. Outlookを起動

解決方法3:証明書を手動でインポート

サーバーの証明書を信頼する証明書として登録します。

手順

  1. 証明書をエクスポート

ブラウザで証明書を確認:

  • ブラウザで https://mail.example.com にアクセス
  • アドレスバーの鍵マークをクリック
  • 証明書を表示
  • 証明書をエクスポート(.cer形式)
  1. 証明書をインポート

Windows:

  • エクスポートした.cerファイルをダブルクリック
  • 「証明書のインストール」をクリック
  • 「現在のユーザー」を選択
  • 「証明書をすべて次のストアに配置する」を選択
  • 「信頼されたルート証明機関」を選択
  • 完了
  1. Outlookを再起動

プロバイダ別の正しいサーバー設定

主要なメールプロバイダの正しい設定です。

Gmail

受信サーバー(IMAP)

サーバー: imap.gmail.com
ポート: 993
暗号化: SSL/TLS

送信サーバー(SMTP)

サーバー: smtp.gmail.com
ポート: 587
暗号化: TLS

Outlook.com / Hotmail

受信サーバー(IMAP)

サーバー: outlook.office365.com
ポート: 993
暗号化: SSL/TLS

送信サーバー(SMTP)

サーバー: smtp.office365.com
ポート: 587
暗号化: TLS

Yahoo!メール

受信サーバー(IMAP)

サーバー: imap.mail.yahoo.co.jp
ポート: 993
暗号化: SSL/TLS

送信サーバー(SMTP)

サーバー: smtp.mail.yahoo.co.jp
ポート: 465
暗号化: SSL

OCN

受信サーバー(POP3)

サーバー: pop.ocn.ne.jp
ポート: 995
暗号化: SSL/TLS

送信サーバー(SMTP)

サーバー: smtp.ocn.ne.jp
ポート: 465
暗号化: SSL

サーバー側に問題がある場合

自分では解決できない場合もあります。

サーバー管理者に確認すべきこと

確認項目

  1. SSL証明書の状態
  • 有効期限内か
  • 証明書が正しくインストールされているか
  1. サーバー名の確認
  • 証明書に記載されているサーバー名
  • 推奨される接続設定
  1. 既知の問題
  • 同様の報告が他にもあるか
  • 対応中または対応予定か

プロバイダのサポートに問い合わせる

問い合わせ時に伝える情報

  • 使用しているメールアドレス
  • エラーメッセージの全文
  • エラーが発生し始めた日時
  • 試した解決方法

問い合わせ先の確認方法

  • プロバイダの公式サイトで「サポート」を検索
  • 契約書類に記載の連絡先
  • マイページのお問い合わせフォーム

予防策と定期的なメンテナンス

設定情報の保管

記録しておくべき情報

  • 受信サーバー名
  • 送信サーバー名
  • ポート番号
  • 暗号化方式
  • ユーザー名
  • パスワード(安全な方法で)

保管場所

  • パスワードマネージャー
  • 暗号化されたファイル
  • 印刷して金庫に保管

プロバイダからのお知らせに注意

チェックすべきこと

  • サーバー設定変更のお知らせ
  • メンテナンス情報
  • セキュリティアップデート

定期的な確認

  • メールプロバイダの公式サイト
  • お知らせメールの確認
  • マイページのお知らせ

証明書の有効期限

確認方法

ブラウザで確認:

  1. ブラウザで https://mail.example.com にアクセス
  2. アドレスバーの鍵マークをクリック
  3. 証明書を表示
  4. 有効期限を確認

通常、SSL証明書は1〜2年で更新されます。


よくある質問(FAQ)

Q1. 「対象のプリンシパル名が間違っています」は危険なエラーですか?

A. エラー自体は安全機能が働いている証拠ですが、原因によります。

  • サーバー設定ミス:危険ではない(設定を直せば解決)
  • 証明書の問題:サーバー側の問題(管理者が対応すべき)
  • 不正なサーバー:危険(接続しない)

基本的には設定を見直すことで解決します。

Q2. 今まで問題なかったのに突然このエラーが出ました。なぜ?

A. プロバイダがサーバー設定を変更した可能性が高いです。

よくある原因:

  • サーバーの移行
  • SSL証明書の更新
  • セキュリティ強化

プロバイダの公式サイトでお知らせを確認してください。

Q3. IPアドレスで設定していたら、このエラーが出ました。

A. ホスト名(ドメイン名)に変更する必要があります。

SSL証明書はドメイン名に対して発行されるため、IPアドレスでは証明書の検証ができません。

例:

  • 悪い:203.0.113.50
  • 良い:mail.example.com

Q4. 会社のメールで、自宅ではエラーが出ないのに会社で出ます。

A. 会社のネットワーク環境が原因です。

考えられる原因:

  • プロキシサーバーの証明書検査
  • ファイアウォールの設定
  • 社内VPNの影響

IT部門に相談してください。

Q5. 証明書の検証を無効にしても大丈夫ですか?

A. 緊急の場合のみ、一時的に使用してください。セキュリティリスクがあります。

リスク:

  • 中間者攻撃の可能性
  • 偽のサーバーに接続する危険

根本的な原因(サーバー設定の修正)を解決することを強く推奨します。

Q6. このエラーが出ても、メールは送受信できていますか?

A. 状況によります。

  • エラーが出ても送受信できる場合:Outlookが警告を無視している
  • エラーで送受信できない場合:Outlookがセキュリティのため接続をブロック

どちらの場合も、早めに原因を特定して解決すべきです。


まとめ|正しい設定で安全なメール通信を

「対象のプリンシパル名が間違っています」エラーは、一見難しそうですが、多くの場合は設定の見直しで解決できます。

この記事の重要ポイント

エラーの意味

  • SSL/TLS証明書の検証エラー
  • サーバー名と証明書の名前が一致していない
  • セキュリティ機能が正常に働いている証拠

主な原因

  1. サーバー名の設定ミス
  2. プロバイダのサーバー変更
  3. SSL証明書の期限切れ
  4. IPアドレスでの接続
  5. プロキシ・VPNの干渉

解決方法の優先順位

1. サーバー設定の確認・修正(最も多い原因)
   ↓
2. ホスト名の使用(IPアドレスから変更)
   ↓
3. 暗号化方式とポート番号の確認
   ↓
4. アカウントの再作成
   ↓
5. プロバイダ・IT部門に問い合わせ

やってはいけないこと

  • 証明書検証を無効化したまま使い続ける
  • エラーを無視し続ける
  • 不正なサーバーに接続する

推奨する対応

  • まずは設定を見直す
  • プロバイダの情報を確認
  • 問題が解決しない場合はサポートに連絡
  • 証明書検証の無効化は最終手段

セキュリティは重要です。安易に無効化せず、正しい設定で安全なメール通信を維持しましょう。

この記事を参考に、エラーを解決して、快適にOutlookを使ってくださいね!

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