Outlookで右クリックメニューを開いたら「ポリシーの割り当て」という項目を見つけて、「これって何?」と思ったことはありませんか?
実はこの機能、メールを自動的に整理したり、法令遵守のために重要なメールを保護したりする、非常に便利な仕組みなんです。特に企業でOutlookを使っている方は、知らず知らずのうちにこの機能の恩恵を受けているかもしれません。
本記事では、Outlookの「ポリシーの割り当て」とは何か、どのように使うのか、そして具体的にどんなメリットがあるのかを、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
メールの整理に悩んでいる方、メールボックスの容量不足で困っている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
ポリシーの割り当てとは?基本を理解しよう

ポリシーとは何か
Outlookにおける「ポリシー」とは、メールやフォルダーに対して自動的に適用されるルールのことです。
具体的には、以下のようなことを自動で行ってくれます。
- 一定期間が経過したメールをアーカイブ(保管庫)に移動する
- 古いメールを自動的に削除する
- 重要なメールを指定期間保持する
これらのルールは、企業のIT管理者が設定することもあれば、ユーザー自身が選択することもできます。
2種類の主要なポリシー
Outlookでは、主に2種類のポリシーが使われています。
アイテム保持ポリシー(Retention Policy)
メールをどのくらいの期間保存するかを制御するポリシーです。
例えば「1年経過したメールは自動削除」「5年間は必ず保持」といったルールを設定できます。法令遵守や社内規定に基づいて、重要なメールを適切に管理するために使われます。
アーカイブポリシー(Archive Policy)
メールがアーカイブメールボックス(別の保管場所)に移動されるまでの期間を制御するポリシーです。
例えば「3年経過したメールはアーカイブに移動」といった設定が可能です。メインのメールボックスの容量を節約しながら、古いメールも保管しておけます。
なぜポリシーが必要なのか
「手動でメールを整理すればいいのでは?」と思うかもしれませんが、ポリシーには以下のようなメリットがあります。
法令遵守(コンプライアンス)
金融業界や医療業界では、メールを一定期間保存することが法律で義務付けられている場合があります。ポリシーを使えば、自動的にこの要件を満たせます。
容量管理の自動化
メールボックスの容量が上限に達すると、新しいメールを受信できなくなります。アーカイブポリシーを使えば、古いメールを自動的に別の場所に移動し、容量を確保できます。
作業効率の向上
毎日何十通ものメールを受け取る場合、手動で整理するのは大変です。ポリシーが自動的に整理してくれれば、本来の業務に集中できます。
ポリシーの割り当て方法(ユーザー向け)
ここからは、実際にポリシーを割り当てる方法を解説します。まずは一般ユーザーができる操作から見ていきましょう。
前提条件の確認
ポリシーの割り当て機能を使うには、いくつかの条件があります。
必要なライセンス
この機能は、すべてのOutlookユーザーが使えるわけではありません。以下のいずれかのライセンスが必要です。
- Microsoft 365 Business Standard
- Microsoft 365 Business Premium
- Microsoft 365 E3/E5
- Exchange Online Plan 2
- Exchange Server(オンプレミス環境)
管理者による有効化
IT管理者がこの機能を有効にしている必要があります。企業や組織のポリシーで無効化されている場合は使用できません。
アーカイブメールボックスの有効化
アーカイブポリシーを使用する場合は、アーカイブメールボックスが有効になっている必要があります。
デスクトップ版Outlookでの割り当て方法
メールに対してポリシーを割り当てる
手順1:対象のメールを選択します。
手順2:リボンの「ホーム」タブで「ポリシーの割り当て」をクリックします。
※「ポリシーの割り当て」が見当たらない場合は、リボンの右側にある「…」(その他のコマンド)をクリックすると表示されることがあります。
手順3:表示されたメニューから、適用したいポリシーを選択します。
例えば以下のようなポリシーが表示されます。
- 1週間削除(7日後に削除)
- 1ヶ月削除(30日後に削除)
- 1年削除(1年後に削除)
- 3年後にアーカイブに移動
- 親フォルダーのポリシーを使用
フォルダーに対してポリシーを割り当てる
フォルダー全体にポリシーを適用することもできます。
手順1:ナビゲーションウィンドウで対象のフォルダーを右クリックします。
手順2:メニューから「プロパティ」を選択します。
手順3:「ポリシー」タブをクリックします。
手順4:「フォルダーポリシー」のドロップダウンメニューから適用したいポリシーを選択します。
手順5:「OK」をクリックして設定を保存します。
Web版Outlook(Outlook on the web)での割り当て方法
ブラウザ版のOutlookでも、同様の操作が可能です。
メールへの割り当て
手順1:メール一覧で対象のメールを右クリックします。
手順2:メニューから「ポリシーの割り当て」を選択します。
手順3:表示された保持ラベルまたはアーカイブポリシーの一覧から、適用したいものを選択します。
フォルダーへの割り当て
手順1:フォルダー一覧で対象のフォルダーを右クリックします。
手順2:「ポリシーの割り当て」を選択します。
手順3:適用したいポリシーを選択します。
親フォルダーのポリシーを使用する
「親フォルダーのポリシーを使用」という選択肢について説明します。
これは、個別のメールやサブフォルダーに対して、上位フォルダーと同じポリシーを適用する機能です。
例えば「プロジェクトA」というフォルダーに「3年後にアーカイブ」というポリシーを設定した場合、その中の個別メールも同じポリシーを継承できます。
一貫した管理がしやすくなるため、特別な理由がない限りこの設定がおすすめです。
ポリシーの種類と具体例
実際にどのようなポリシーが用意されているのか、具体例を見てみましょう。
標準的な保持ポリシー
Outlookには、あらかじめいくつかの保持ポリシーが用意されています。
削除系ポリシー
- 1週間削除:受信または作成から7日後に自動削除
- 1ヶ月削除:30日後に自動削除
- 1年削除:1年後に自動削除
- 5年削除:5年後に自動削除
これらは、一時的な情報や古くなったメールを自動的に削除するために使います。
保持系ポリシー
- 1年間保持:最低1年間は削除しない
- 3年間保持:最低3年間は削除しない
- 7年間保持:最低7年間は削除しない
法令遵守が必要な業界で、重要なメールを確実に保管するために使われます。
アーカイブポリシー
アーカイブポリシーは、メールをアーカイブメールボックスに移動するタイミングを決定します。
移動系ポリシー
- 1年後にアーカイブに移動:1年経過したメールを自動的にアーカイブへ移動
- 3年後にアーカイブに移動:3年経過したメールをアーカイブへ移動
- 5年後にアーカイブに移動:5年経過したメールをアーカイブへ移動
アーカイブに移動されたメールは削除されません。Outlookの「アーカイブ」フォルダーから引き続きアクセスできます。
パーソナルタグ
一部の組織では、ユーザーが自由に適用できる「パーソナルタグ」が提供されています。
これは、個人の判断で特定のメールに適用できるカスタムポリシーです。例えば以下のような使い方ができます。
- 重要なプロジェクトのメールには「10年保持」を適用
- 社内の定例連絡には「3ヶ月削除」を適用
- 個人的なメモには「1週間削除」を適用
削除の種類について
保持ポリシーで「削除」と表示されている場合、実際には2種類の削除方法があります。
削除して回復可能(Delete and Allow Recovery)
削除されたメールは「削除済みアイテム」フォルダーに移動し、一定期間内であれば復元できます。標準では30日間回復可能です。
完全削除(Permanently Delete)
メールが完全に削除され、通常の方法では復元できなくなります。機密情報など、確実に削除したいメールに使われます。
ポリシーの確認方法

自分のメールやフォルダーに、どのポリシーが適用されているか確認する方法を説明します。
デスクトップ版での確認
メールに適用されているポリシーの確認
手順1:メールを選択または開きます。
手順2:閲覧ウィンドウのヘッダー部分(受信者名の下)を確認します。
適用されているポリシー名と、有効期限(該当する場合)が表示されます。
例:「このアイテムは2026年12月31日に削除されます」
フォルダーに適用されているポリシーの確認
手順1:フォルダーを右クリックして「プロパティ」を選択します。
手順2:「ポリシー」タブを開きます。
現在適用されているフォルダーポリシーが表示されます。
Web版での確認
Web版では、メールを右クリックして「ポリシーの割り当て」を選択すると、現在適用されているポリシーにチェックマークが付いています。
ポリシーが表示されない場合
ポリシー情報が表示されない場合、以下の理由が考えられます。
- ポリシーが割り当てられていない
- 「保持のみ」のポリシーが適用されている(削除日がないため表示されない)
- 管理者が表示設定を無効にしている
ポリシーの削除・変更方法
一度割り当てたポリシーを変更または削除する方法を説明します。
ポリシーの変更
手順1:対象のメールまたはフォルダーを選択
ポリシーを変更したいメールやフォルダーを選択します。
手順2:ポリシーの割り当てを開く
リボンまたは右クリックメニューから「ポリシーの割り当て」を選択します。
手順3:新しいポリシーを選択
表示されたメニューから、変更後のポリシーを選択します。
以前のポリシーは自動的に上書きされます。
ポリシーの削除
メールから完全にポリシーを削除したい場合は、以下の手順で行います。
手順1:ポリシーの割り当てメニューを開く
対象のメールで「ポリシーの割り当て」を選択します。
手順2:親フォルダーポリシーを使用
「親フォルダーのポリシーを使用」を選択します。
これにより、個別のポリシーが解除され、フォルダーのポリシーが適用されます。
注意事項
必須ポリシーとして管理者が設定したものは、ユーザーが削除できない場合があります。この場合、IT管理者に相談する必要があります。
アーカイブメールボックスについて
アーカイブポリシーを理解する上で、アーカイブメールボックスの仕組みを知っておくことが重要です。
アーカイブメールボックスとは
アーカイブメールボックスは、プライマリメールボックス(通常使うメールボックス)とは別に用意される、追加の保管スペースです。
特徴
- プライマリメールボックスの容量制限に含まれない
- Outlookで通常のフォルダーと同じようにアクセスできる
- 検索も通常のメールボックスと同様に行える
- ほぼ無制限の容量(自動拡張アーカイブ機能)
アーカイブメールボックスの有効化
アーカイブメールボックスは、IT管理者が有効にする必要があります。
確認方法
Outlookのフォルダー一覧に「アーカイブ – [ユーザー名]」または「オンラインアーカイブ」というフォルダーが表示されていれば、有効になっています。
表示されていない場合は、IT管理者に有効化を依頼してください。
アーカイブへの手動移動
ポリシーによる自動移動を待たずに、手動でメールをアーカイブに移動することもできます。
方法1:ドラッグ&ドロップ
メールを選択して、アーカイブフォルダーにドラッグします。
方法2:アーカイブボタン
リボンの「アーカイブ」ボタンをクリックします。メールは自動的にアーカイブフォルダーの対応する場所に移動します。
アーカイブからの復元
アーカイブに移動したメールを元に戻したい場合は、単純にプライマリメールボックスのフォルダーにドラッグして戻すだけです。
管理者向け:ポリシーの設定方法
ここからは、IT管理者向けにポリシーの設定方法を解説します。
保持ポリシーの基本構造
保持ポリシーは、以下の2つの要素で構成されます。
保持タグ(Retention Tag)
実際のルール本体です。「いつ」「何を」「どうする」という情報を定義します。
保持ポリシー(Retention Policy)
複数の保持タグをまとめたものです。これをユーザーのメールボックスに割り当てることで、ポリシーが有効になります。
保持タグの種類
管理者は、3種類の保持タグを作成できます。
既定ポリシータグ(Default Policy Tag / DPT)
メールボックス全体に自動的に適用されるタグです。
例:「すべてのメールを3年後にアーカイブに移動」
保持ポリシータグ(Retention Policy Tag / RPT)
特定の既定フォルダー(受信トレイ、送信済みアイテムなど)に自動的に適用されるタグです。
例:「送信済みアイテムは1年後に削除」
個人用タグ(Personal Tag)
ユーザーが自分の判断でメールやフォルダーに適用できるタグです。
例:「重要メールは7年間保持」
Exchange管理センターでの設定手順
手順1:保持タグの作成
- Microsoft 365管理センターにサインインします
- Exchange管理センターに移動します
- 「コンプライアンス管理」→「保持タグ」を選択
- 「+」ボタンをクリックして新しいタグを作成
- タグの種類、名前、保持期間、アクションを設定します
手順2:保持ポリシーの作成
- 「コンプライアンス管理」→「保持ポリシー」を選択
- 「+」ボタンをクリック
- ポリシー名を入力
- 作成した保持タグを追加
- 保存します
手順3:ユーザーへの割り当て
- 「受信者」→「メールボックス」を選択
- 対象ユーザーを選択して編集
- 「メールボックス機能」タブで保持ポリシーを選択
- 保存します
PowerShellでの一括設定
多数のユーザーに一度にポリシーを適用する場合は、PowerShellが便利です。
全ユーザーに適用
Get-Mailbox -ResultSize unlimited | Set-Mailbox -RetentionPolicy "保持ポリシー名"
特定の部署に適用
Get-User -Filter "Department -eq '営業部'" | Set-Mailbox -RetentionPolicy "営業部用ポリシー"
既定ポリシーとして設定
Set-MailboxPlan "ExchangeOnlineEnterprise" -RetentionPolicy "標準保持ポリシー"
管理フォルダーアシスタント
保持ポリシーは、「管理フォルダーアシスタント」というプロセスによって処理されます。
処理頻度
標準では7日に1回、各メールボックスを自動的に処理します。
手動実行
すぐにポリシーを適用したい場合は、以下のコマンドで強制実行できます。
Start-ManagedFolderAssistant -Identity "ユーザー名"
よくある質問と回答
ポリシーの割り当てに関して、よく寄せられる質問をまとめました。
Q1:ポリシーの割り当てメニューが表示されません
A:以下の理由が考えられます。
- 必要なライセンスがない
- 管理者がこの機能を有効にしていない
- アーカイブメールボックスが有効になっていない
- リボンのオーバーフローメニュー(「…」)に隠れている
まずはリボンの「…」を確認し、それでも見つからない場合はIT管理者に相談してください。
Q2:削除されたメールは復元できますか?
A:削除の種類によります。
「削除して回復可能」の場合、削除済みアイテムフォルダーから30日以内(既定設定)であれば復元できます。
Outlookの「削除済みアイテムの回復」機能を使用してください。
「完全削除」の場合、通常の方法では復元できません。ただし、訴訟ホールドなどが適用されている場合は、管理者が復元できる可能性があります。
Q3:予定表にもポリシーを適用できますか?
A:いいえ、現在のところ予定表アイテムには保持ラベルやアーカイブポリシーを適用できません。この機能はメールとフォルダーのみが対象です。
Q4:ポリシーはいつ処理されますか?
A:保持ラベルとアーカイブポリシーは、7日に1回処理されます。
つまり、ポリシーを割り当ててもすぐには実行されず、最大7日かかる場合があります。管理者が手動で実行すれば、即座に処理することも可能です。
Q5:複数のポリシーを同時に適用できますか?
A:いいえ、1つのメールまたはフォルダーには、1つのポリシーしか適用できません。
ただし、メールに個別のポリシーを設定し、フォルダーには別のポリシーを設定することは可能です。この場合、メールのポリシーが優先されます。
Q6:アーカイブに移動したメールの容量制限はありますか?
A:Exchange Onlineのアーカイブメールボックスには、自動拡張機能があります。
初期容量は100GBですが、それを超えると自動的に拡張され、実質的にはほぼ無制限に保存できます。
Q7:ポリシーによる削除を一時的に停止できますか?
A:管理者は「保持ホールド」という機能で、特定のメールボックスに対する保持ポリシーの処理を一時停止できます。
ユーザーが長期休暇を取る場合などに使用されます。一般ユーザーが自分で設定することはできません。
Q8:既定のフォルダー(受信トレイなど)にポリシーを設定できますか?
A:個人用タグは既定のフォルダーには適用できません。
ただし、管理者が作成した保持ポリシータグ(RPT)であれば、既定フォルダーにも自動的に適用されます。
トラブルシューティング

ポリシーがうまく動作しない場合の対処法をご紹介します。
ポリシーが適用されない
症状
ポリシーを割り当てたのに、メールが移動または削除されない。
原因と対処法
原因1:処理タイミング
ポリシーは7日に1回しか処理されません。設定直後はまだ実行されていない可能性があります。
対処法:最大7日間待つか、管理者に手動実行を依頼してください。
原因2:保持期間未達
ポリシーの保持期間がまだ経過していない可能性があります。
対処法:メールの受信日または作成日を確認し、保持期間を経過しているか確認してください。
原因3:訴訟ホールド
メールボックスに訴訟ホールドが設定されている場合、削除ポリシーは実行されません(メールは保護されます)。
対処法:これは意図的な保護機能なので、対処は不要です。
アーカイブフォルダーが表示されない
症状
アーカイブポリシーを使いたいが、アーカイブフォルダーが見当たらない。
原因と対処法
原因:アーカイブメールボックスが無効
管理者がアーカイブメールボックスを有効にしていません。
対処法:IT管理者に連絡し、アーカイブメールボックスの有効化を依頼してください。有効化には適切なライセンスが必要です。
ポリシーを削除できない
症状
割り当てたポリシーを削除しようとしても、選択肢がグレーアウトしている。
原因と対処法
原因:必須ポリシー
管理者が「必須」として設定したポリシーは、ユーザーが削除できません。
対処法:業務上の正当な理由がある場合は、IT管理者に相談してください。
意図しないメールが削除された
症状
重要なメールが保持ポリシーによって削除されてしまった。
対処法
手順1:削除済みアイテムを確認
まず「削除済みアイテム」フォルダーを確認してください。
手順2:削除済みアイテムの回復を使用
Outlookで「フォルダー」タブ→「削除済みアイテムの回復」を選択します。
30日以内(既定設定)であれば、完全削除されたメールも復元できる可能性があります。
手順3:管理者に相談
復元できない場合は、IT管理者に相談してください。バックアップから復元できる可能性があります。
再発防止策
重要なメールには、より長い保持期間のポリシーを個別に割り当てることをおすすめします。
Microsoft 365保持ポリシーとの違い
「ポリシーの割り当て」機能とは別に、Microsoft 365には「保持ポリシー」という機能もあります。混同しやすいので、違いを整理しておきましょう。
MRM(メッセージングレコード管理)
本記事で説明してきた「ポリシーの割り当て」は、MRM(Messaging Records Management)という古い機能に基づいています。
特徴
- Exchangeベースの機能
- ユーザーが個別のメールやフォルダーに適用できる
- アーカイブメールボックスへの移動が可能
Microsoft 365保持ポリシー(新しい方式)
Microsoft 365のコンプライアンスセンターで設定する、より新しい保持機能です。
特徴
- Microsoft Purviewの一部
- 管理者のみが設定可能
- Exchange以外(SharePoint、Teams、OneDriveなど)にも対応
- より高度な条件設定が可能
どちらを使うべきか
MRMを使う場合
- メールをアーカイブメールボックスに自動移動したい
- ユーザーが自分で柔軟にポリシーを選択できるようにしたい
- 特定のフォルダーのみにポリシーを適用したい
Microsoft 365保持ポリシーを使う場合
- 組織全体で統一したコンプライアンス要件を適用したい
- メール以外(Teams、SharePointなど)も含めて管理したい
- より高度な条件(キーワード、ラベルなど)で保持を制御したい
多くの組織では、両方の機能を併用しています。
まとめ
Outlookの「ポリシーの割り当て」機能について、基本から応用まで詳しく解説してきました。
本記事のポイント
- ポリシーとは、メールの保持期間や移動を自動制御する仕組み
- アイテム保持ポリシーとアーカイブポリシーの2種類がある
- ユーザーは個別のメールやフォルダーにポリシーを適用できる
- 管理者は組織全体のポリシーを設定・管理する
- アーカイブメールボックスでメールボックス容量を拡張できる
ポリシーを活用するメリット
メール整理の自動化
古いメールを自動的に整理してくれるため、手動作業が不要になります。
コンプライアンス対応
法令で定められた保存期間を確実に守れます。
容量不足の解消
アーカイブポリシーで、メールボックスの容量を効率的に管理できます。
検索性の向上
不要なメールが自動削除されることで、必要な情報を見つけやすくなります。
まずは試してみよう
ポリシーの割り当ては、一見複雑に見えますが、基本的な使い方は簡単です。
まずは以下のステップから始めてみてください。
- 自分のメールボックスに「ポリシーの割り当て」メニューがあるか確認
- どのようなポリシーが利用可能か確認
- 不要なメールが溜まっているフォルダーに「削除」ポリシーを試しに適用
- 重要なプロジェクトフォルダーには「長期保持」ポリシーを適用
さらに効率化するために
ポリシー機能を使いこなせるようになったら、以下の機能も併せて活用すると、さらに効率的にメール管理ができます。
- クイックステップで定型操作を自動化
- ルール機能で受信メールを自動分類
- カテゴリーで視覚的に整理
- 検索フォルダーで条件に合ったメールを常に表示
Outlookには、まだまだ便利な機能がたくさんあります。ポリシーの割り当てをマスターして、快適なメール環境を構築しましょう!

コメント