Outlookを起動したら、前回見ていたメールが自動的に開いてほしい…そんな経験はありませんか?
実は、Outlookには「前回開いていたアイテムを自動的に復元する」という便利な機能があります。でも、この機能について詳しく知らない人も多いんです。
この記事では、Outlookで前回開いていたメールを開く方法と、設定のカスタマイズ方法を分かりやすく解説します。
Outlookの「ウィンドウ復元機能」とは

Outlookには、前回のセッションで開いていたメールやアイテムを、次回起動時に自動的に復元する機能があります。
復元されるアイテム
- 開いていたメールのウィンドウ
- 作成途中のメールの下書き
- 開いていた会議の招待
- 表示していた予定やタスク
この機能は2020年頃に追加され、特にOutlookがクラッシュした時や、Windows Updateで強制的に再起動された時に役立ちます。
作業中のメールを見失うことがなくなるので、とても便利な機能なんです。
前回のメールを開く機能の使い方
起動時のダイアログについて
Outlookを起動すると、以下のようなメッセージが表示される場合があります。
表示されるメッセージ
「アイテムを開いている間にOutlookが閉じました。前回のセッションからそれらのアイテムを再開しますか?」
このダイアログでは、2つの選択肢があります。
「はい」をクリックした場合
前回開いていたメール、下書き、予定などがすべて復元されます。複数のウィンドウを開いていた場合は、それぞれが別ウィンドウで開きます。
「いいえ」をクリックした場合
通常通りOutlookが起動し、前回のアイテムは復元されません。
設定方法:ウィンドウ復元機能のカスタマイズ
この機能は、自分の好みに合わせてカスタマイズできます。
基本設定の変更手順
ステップ1:オプション画面を開く
- Outlookを起動
- 画面左上の「ファイル」をクリック
- 「オプション」を選択
ステップ2:起動時の設定を変更
- 左側メニューの「全般」をクリック
- 「起動時の設定」の項目を探す
- 「Outlookが開いた場合:」のプルダウンメニューをクリック
ステップ3:好みの設定を選択
以下の3つから選べます。
- アイテムを再度開くかどうかを確認する(デフォルト)
- 起動時に毎回確認ダイアログが表示される
- 状況に応じて「はい」か「いいえ」を選択できる
- 常に前の項目を再度開く
- 確認なしで自動的に前回のアイテムがすべて開く
- 作業の継続性を重視する人におすすめ
- 以前のアイテムを再度開かない
- 前回のアイテムは復元されない
- 常に新しい状態でOutlookを使いたい人向け
設定を選んだら「OK」をクリックして完了です。
設定項目が表示されない場合の対処法
買い切り版のOutlook(Outlook 2019、2021など)を使っている場合、「起動時の設定」の項目が表示されないことがあります。
解決方法1:クラウドストレージオプションをオフにする
意外かもしれませんが、クラウドストレージのオプションが原因でダイアログが繰り返し表示されることがあります。
設定手順
- 「ファイル」→「オプション」をクリック
- 左側メニューの「全般」を選択
- 下にスクロールして「クラウドストレージのオプション」を探す
- すべてのチェックを外す
- 「OK」をクリック
- Outlookを再起動
この方法で、繰り返し表示されるダイアログが解消されることがあります。
解決方法2:レジストリ編集で対応する
注意事項
レジストリの編集は、Windowsの重要な設定を変更する作業です。間違えるとパソコンが起動しなくなる可能性があるので、十分注意して作業してください。
不安な場合は、IT部門や詳しい人に相談することをおすすめします。
レジストリ編集の手順
ステップ1:レジストリエディターを開く
- キーボードで「Windowsキー + R」を押す
- 「regedit」と入力してEnterキー
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリック
ステップ2:該当の場所に移動
左側のフォルダーツリーから、以下の場所まで移動します。
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Office\16.0\Outlook\Preferences
ステップ3:新しい値を作成
- 右側の空白部分で右クリック
- 「新規」→「DWORD(32ビット)値」を選択
- 名前を「ReopenWindowsOption」に変更
ステップ4:値を設定
- 作成した「ReopenWindowsOption」を右クリック
- 「修正」を選択
- 「値のデータ」に以下の数値を入力
設定できる値
- 1 = 以前のアイテムを再度開かない
- 0 = アイテムを再度開くかどうかを確認する
- 2 = 常に前の項目を再度開く
- 「OK」をクリック
- レジストリエディターを閉じる
- Outlookを再起動
これで設定が反映されます。
ダイアログが毎回表示される問題の解決法
「きちんとメールを閉じているのに、毎回ダイアログが表示される」という問題が発生することがあります。
原因
これは主に買い切り版のOutlookで発生する不具合です。Microsoft側で修正作業を進めているようですが、それまでは以下の方法で対処できます。
解決策1:Outlookを複数起動して閉じる
少し変わった方法ですが、効果があると報告されています。
手順
- Outlookを起動
- ダイアログで「はい」をクリック(前回のアイテムが開く)
- タスクバーまたはスタートメニューから、もう一度Outlookを起動
- Outlookが2つ(または3つ)開いた状態にする
- 開いているOutlookをすべて順番に閉じる
- 次回起動時、ダイアログが表示されなくなる
解決策2:Microsoft IME Outlookアドインを無効化
アドインが原因の場合もあります。
手順
- 「ファイル」→「オプション」をクリック
- 左側メニューの「アドイン」を選択
- 画面下部の「管理」で「COMアドイン」を選択
- 「設定」ボタンをクリック
- 「Microsoft IME Outlookアドイン」のチェックを外す
- 「OK」をクリック
- Outlookを再起動
解決策3:Officeの更新を確認
古いバージョンのOutlookでは不具合が残っている可能性があります。
手順
- 「ファイル」→「Officeアカウント」をクリック
- 「更新オプション」→「今すぐ更新」を選択
- 更新が完了したらOutlookを再起動
バージョン2309ビルド16827.20130以降では、この問題が修正されています。
この機能を活用するシーン
ウィンドウ復元機能は、以下のような場面で特に役立ちます。
シーン1:Outlookがクラッシュした時
作業中に突然Outlookが落ちてしまっても、再起動時に前回の状態を復元できます。重要なメールの返信を書いている途中でも安心です。
シーン2:Windows Updateによる強制再起動
夜間にWindows Updateで自動的に再起動された場合でも、翌日Outlookを開けば前日の作業状態が復元されます。
シーン3:複数のメールを同時に参照している時
何通ものメールを開いて比較しながら作業している時、途中で席を外すことになっても大丈夫。次回起動時に同じ状態に戻せます。
シーン4:長いメールを読んでいる途中
長文のメールを読んでいる途中で中断しても、次回開いた時に続きから読めます。
便利に使うためのコツ

コツ1:自分の作業スタイルに合わせて設定
複数のメールを同時に扱う人
「常に前の項目を再度開く」に設定すると、作業効率が上がります。
毎回クリーンな状態で始めたい人
「以前のアイテムを再度開かない」に設定して、すっきりした状態から始めましょう。
状況に応じて判断したい人
デフォルトの「確認する」設定のままにしておけば、その時の状況で選択できます。
コツ2:下書きの自動保存と組み合わせる
メールの作成途中で中断しても、Outlookは自動的に下書きを保存してくれます。ウィンドウ復元機能と合わせて使えば、作業の継続性がさらに高まります。
コツ3:重要なメールはフラグも活用
復元機能だけに頼らず、重要なメールにはフラグを立てておくと、万が一復元されなかった場合でも見つけやすくなります。
よくある質問
Q1:前回のメールを手動で復元できる?
残念ながら、Outlookには「前回のセッションを手動で復元する」というメニューはありません。
ダイアログで「いいえ」を選んでしまった場合、その後に復元することはできません。
Q2:何個までのウィンドウを復元できる?
Outlookは前回開いていたすべてのウィンドウを復元しようとします。ただし、あまりにも多くのウィンドウを開いていた場合は、Outlookの起動が遅くなることがあります。
Q3:新しいOutlookでもこの機能は使える?
はい、新しいOutlook(Web版ベースのOutlook)でも同様の機能が使えます。設定方法は若干異なる場合がありますが、基本的な動作は同じです。
Q4:復元されないメールがあるのはなぜ?
以下のような理由が考えられます。
- Outlookが正常に終了しなかった
- メールがすでに削除されている
- サーバーとの同期に問題がある
- データファイルが破損している
Q5:この機能をオフにしたら、下書きも復元されない?
いいえ、下書きメールは「下書きフォルダー」に自動保存されているので、ウィンドウ復元機能をオフにしても問題ありません。下書きフォルダーから開けば、作成途中のメールにアクセスできます。
トラブルシューティング
問題1:設定しても反映されない
解決策
- Outlookを完全に再起動してみる(タスクマネージャーでプロセスも確認)
- パソコン自体を再起動
- Office全体の修復を実行
問題2:ダイアログが表示されない
原因
- 前回Outlookを閉じた時、すべてのウィンドウが閉じていた
- 設定が「以前のアイテムを再度開かない」になっている
- Outlookのバージョンが古い
解決策
設定を確認して、「アイテムを再度開くかどうかを確認する」または「常に前の項目を再度開く」に変更してみましょう。
問題3:復元されたウィンドウが空白
解決策
- インターネット接続を確認
- 「送受信」をクリックして同期を実行
- アカウント設定を確認
注意点とベストプラクティス
注意点1:セキュリティ面
共有パソコンを使っている場合、前回開いていたメールが他の人に見られる可能性があります。そのような環境では、「以前のアイテムを再度開かない」に設定することをおすすめします。
注意点2:パフォーマンス
多くのウィンドウを開いたままにすると、Outlookの起動が遅くなることがあります。定期的に不要なウィンドウは閉じるようにしましょう。
注意点3:データの保存
ウィンドウ復元機能は便利ですが、過信は禁物です。重要なメール作成中は、こまめに下書き保存するか、一時的にメモ帳などにテキストをコピーしておくと安心です。
ベストプラクティス
作業終了時のルーティン
- 重要なメールには返信済みまたは要フォローのフラグを立てる
- 不要なウィンドウは閉じる
- 重要な下書きは送信トレイではなく下書きフォルダーに保存
- Outlookを正常終了させる
まとめ
Outlookの「前回開いていたメールを開く」機能は、作業の継続性を保つのにとても便利です。
この記事のポイント
✓ 起動時のダイアログで前回のアイテムを復元できる
✓ 設定は「ファイル」→「オプション」→「全般」→「起動時の設定」で変更可能
✓ 3つの選択肢から自分の作業スタイルに合わせて選べる
✓ 設定項目が表示されない場合は、クラウドストレージオプションをオフにするか、レジストリ編集で対応
✓ ダイアログが毎回表示される不具合は、Officeの更新で解決する場合が多い
自分の作業スタイルに合わせて設定をカスタマイズすれば、Outlookがもっと使いやすくなります。
ぜひこの機能を活用して、効率的なメール管理を実現してください。

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