取引先から送られてきた重要なメール。開いてみると、商品画像やロゴマークがあるはずの場所に、赤いバツ印や空白が表示されている。
「え、何これ?画像が見られない…」
こんな経験、ありませんか?特にビジネスメールでは、画像が見られないと内容が理解できないことも多いですよね。
でも安心してください。Outlookで画像が表示されない問題は、ほとんどの場合、簡単な設定変更で解決できます。
この記事では、画像が表示されない原因と、それぞれの状況に合わせた解決方法を、初心者の方にも分かりやすく説明していきます。
- なぜOutlookは画像を表示しないの?セキュリティが理由
- 画像が表示されないパターンを見極めよう
- 【解決法1】メールごとに手動で画像を表示する(最も安全)
- 【解決法2】信頼できる差出人からは自動で画像を表示
- 【解決法3】すべてのメールで画像を自動表示する
- 【解決法4】赤いバツ印が表示される場合の対処法
- 【解決法5】メール形式を確認する
- 【解決法6】新しいOutlookでの設定方法
- 【解決法7】ファイアウォールやアンチウイルスを確認
- 【解決法8】アドインが原因の場合
- 【解決法9】インターネット接続を確認
- トラブルシューティング:それでも解決しない場合
- 画像表示設定のベストプラクティス
- まとめ:安全性と利便性のバランスを考えよう
なぜOutlookは画像を表示しないの?セキュリティが理由

まず、なぜOutlookが初期設定で画像を表示しないのか理解しておきましょう。
セキュリティのための初期設定
実は、Outlookが画像を自動表示しないのは仕様なんです。バグではありません。
Microsoftは、ユーザーを守るために、わざと画像を表示しないように設定しています。なぜかというと、メールに埋め込まれた画像には、いくつかのリスクがあるからです。
画像がブロックされる3つの理由
理由1:悪意のあるサイトへの誘導を防ぐ
迷惑メールに含まれる画像をクリックすると、ウイルス感染やフィッシング詐欺のサイトに誘導されることがあります。画像を表示しなければ、誤ってクリックするリスクも減らせます。
理由2:プライバシーの保護
HTML形式のメールでは、画像を表示した瞬間に、送信者側に「この人がメールを開いた」という情報が送られることがあります。
これを「トラッキングピクセル」と言います。迷惑メール業者は、この仕組みで有効なメールアドレスを見つけ出し、さらに多くのスパムメールを送ってくるんです。
理由3:通信量とパフォーマンスの節約
広告メールやメールマガジンには、サイズの大きい画像が大量に含まれていることがあります。
すべての画像を自動ダウンロードすると、モバイル回線の通信量を無駄に消費したり、Outlookの動作が遅くなったりする原因になります。
画像が表示されないパターンを見極めよう
画像が表示されない状況は、いくつかのパターンに分かれます。自分がどの状況なのか確認しましょう。
パターン1:「画像をダウンロードするには、ここをクリックします」と表示される
これは最も一般的なパターンです。
メール本文の上部に黄色や青色の帯が表示され、「画像をダウンロードするには、ここをクリックします。プライバシー保護のため、メッセージ内の画像は自動的にダウンロードされません。」というメッセージが出ます。
原因:Outlookの標準的なセキュリティ設定が働いている状態です。
パターン2:赤いバツ印(×)が表示される
画像があるはずの場所に、小さな赤いバツ印が表示されます。
原因:一時ファイルの保存場所に問題があるか、画像のリンクが切れている可能性があります。
パターン3:何も表示されない(空白)
画像の場所が完全に空白で、何も表示されません。
原因:メール形式がテキスト形式になっているか、画像が正しく埋め込まれていない可能性があります。
パターン4:一部の画像だけ表示されない
同じメール内で、表示される画像と表示されない画像が混在しています。
原因:特定の画像ファイル形式に対応していないか、一部の画像のリンクだけが切れている可能性があります。
【解決法1】メールごとに手動で画像を表示する(最も安全)
まずは、安全性を保ちながら、必要なメールだけ画像を表示する方法から説明します。
1通ずつ画像をダウンロードする手順
- 画像が表示されていないメールを開く
- メール本文の上部に表示されるメッセージをクリック
- 「画像のダウンロード」を選択
これで、そのメールの画像だけが表示されます。次回同じメールを開いた時も、画像は表示されたままです。
この方法のメリット
- 迷惑メールの画像は自動的にブロックされたまま
- 必要なメールだけ画像を見られる
- セキュリティリスクを最小限に抑えられる
毎回手動で操作するのは少し面倒ですが、最も安全な方法です。特に、不特定多数の人からメールを受け取る環境では、この方法をおすすめします。
【解決法2】信頼できる差出人からは自動で画像を表示
特定の人や会社からのメールは、いつも画像を表示したい。そんな場合は「信頼できる差出人リスト」に登録しましょう。
差出人を信頼リストに追加する手順
- 画像がブロックされているメールを開く
- 上部のメッセージバーをクリック
- 「差出人を信頼できる差出人のリストに追加」を選択
- 確認画面で「OK」をクリック
これで、この差出人からの今後のメールは、自動的に画像が表示されるようになります。
ドメイン全体を信頼する方法
例えば、「@company.co.jp」という会社からのメールを全て信頼したい場合は、「ドメインを信頼できる差出人のリストに追加」を選択します。
ドメインとは、メールアドレスの「@」より後ろの部分のこと。これを登録すると、同じ会社の誰からのメールでも画像が自動表示されます。
注意点
信頼できる差出人リストに追加する前に、必ず送信者が本当に信頼できるかどうか確認してください。
フィッシングメールは、有名企業を装うこともあるので要注意です。
【解決法3】すべてのメールで画像を自動表示する
「いちいち設定するのは面倒。全部表示してほしい」という場合は、トラストセンターの設定を変更します。
トラストセンターで設定を変更する手順
ステップ1:Outlookのオプションを開く
- Outlookを起動
- 左上の「ファイル」タブをクリック
- 「オプション」を選択
ショートカットキー「Alt → F → T」を順番に押しても開けます。
ステップ2:トラストセンターの設定へ
- 左側のメニューから「トラストセンター」を選択
- 右側の「トラストセンターの設定」ボタンをクリック
ステップ3:自動ダウンロードの設定を変更
- 左側のメニューで「自動ダウンロード」を選択
- 「標準HTMLメールメッセージまたはRSSアイテム内の画像を自動的にダウンロードしない」のチェックを外す
- 「OK」をクリックして設定画面を閉じる
- もう一度「OK」をクリックしてオプション画面も閉じる
この設定変更のリスク
すべての画像を自動表示すると便利ですが、以下のリスクがあることを理解しておいてください:
- 迷惑メールの画像も自動的に表示される
- 悪意のある画像をクリックしてしまう可能性が高まる
- メールを開いた情報が送信者に通知される
- 通信量が増える
個人的な使用で、迷惑メールが少ない環境なら問題ありませんが、会社のメールアドレスでは推奨できません。
【解決法4】赤いバツ印が表示される場合の対処法
画像の場所に赤いバツ印(×)が表示される場合は、一時ファイルフォルダーに問題がある可能性があります。
暗号化されたページの保存設定を変更
ステップ1:インターネットオプションを開く
- Windowsの「スタート」ボタンをクリック
- 検索ボックスに「コントロールパネル」と入力
- 「コントロールパネル」を開く
- 「ネットワークとインターネット」を選択
- 「インターネットオプション」をクリック
ステップ2:詳細設定タブで設定変更
- 「詳細設定」タブをクリック
- 下にスクロールして「暗号化されたページをディスクに保存しない」という項目を探す
- このチェックボックスを外す
- 「適用」→「OK」をクリック
ステップ3:Outlookを再起動
Outlookを一度完全に終了してから、再度起動してください。赤いバツ印が消えて、画像が表示されるようになります。
レジストリの問題(上級者向け)
上記の方法で解決しない場合、Outlookの一時ファイル保存場所の設定に問題がある可能性があります。
これはレジストリという、Windowsの重要な設定ファイルに関わる作業なので、パソコンに詳しくない方は、専門家に相談することをおすすめします。
【解決法5】メール形式を確認する
画像が全く表示されない場合、メールが「テキスト形式」になっている可能性があります。
メール形式には3種類ある
- HTML形式:画像、色、フォントなど、装飾が表示できる
- リッチテキスト形式:一部の書式設定が可能
- テキスト形式:文字だけ。画像は表示できない
テキスト形式では、画像を表示することができません。
メール形式を変更する方法
受信メールの形式を変更:
- 画像が表示されないメールをダブルクリックして別ウィンドウで開く
- 上部の「書式設定」タブをクリック
- 「HTML」を選択
これで、画像が表示されるようになります。
すべての受信メールをHTML形式で表示:
- 「ファイル」→「オプション」→「メール」を選択
- 「メッセージの形式」セクションで「HTML形式」を選択
- 「OK」をクリック
【解決法6】新しいOutlookでの設定方法
Windows 11などで使える「新しいOutlook」では、設定方法が少し異なります。
新しいOutlookでの画像表示設定
- Outlookの右上にある歯車マーク(設定)をクリック
- 「すべてのOutlook設定を表示」を選択
- 左側のメニューで「全般」を選択
- 「プライバシーとデータ」をクリック
- 「外部画像」の設定を確認
ここで「常にOutlookサービスを使用して画像を読み込む」が選択されていることを確認してください。
Web版Outlookの場合
ブラウザで使うOutlook.com(Web版)では、画像がブロックされている場合:
- メール本文の上部に表示される「ブロックされたコンテンツを表示」ボタンをクリック
- 画像が表示されます
【解決法7】ファイアウォールやアンチウイルスを確認
セキュリティソフトが画像のダウンロードをブロックしている場合があります。
一時的にファイアウォールを無効化して確認
注意:この方法は一時的な確認用です。確認後は必ず再度有効にしてください。
- Windowsの「設定」を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」を選択
- 「ファイアウォールとネットワーク保護」をクリック
- 使用中のネットワークを選択
- 「Microsoft Defender ファイアウォール」を一時的にオフにする
- Outlookで画像が表示されるか確認
- 確認後、必ずファイアウォールを再度オンにする
ファイアウォールを無効化して画像が表示された場合、セキュリティソフトの設定でOutlookを許可リストに追加する必要があります。
【解決法8】アドインが原因の場合

Outlookのアドイン(拡張機能)が画像表示を妨げている可能性があります。
セーフモードで起動して確認
ステップ1:セーフモードで起動
- Windowsキー + R を押す
- 「outlook.exe /safe」と入力
- Enterキーを押す
Outlookがセーフモードで起動します。この状態で画像が表示されるなら、アドインが原因です。
ステップ2:問題のあるアドインを特定
- 通常通りOutlookを起動
- 「ファイル」→「オプション」→「アドイン」を選択
- 下部の「管理」で「COMアドイン」を選択して「設定」をクリック
- インストールされているアドインを一つずつ無効化して、どれが原因か特定
- 問題のあるアドインを無効のままにするか、アンインストール
【解決法9】インターネット接続を確認
意外と見落としがちなのが、インターネット接続の問題です。
オフラインで作業していないか確認
Outlookがオフラインモードになっていると、インターネット上にある画像をダウンロードできません。
- Outlookの下部を確認
- 「オフライン作業中」と表示されていたら、そこをクリックしてオンラインに切り替え
ネットワーク接続の確認
- Wi-Fiやイーサネットケーブルが正しく接続されているか確認
- ブラウザで他のウェブサイトが開けるか試してみる
- ネットワーク速度が極端に遅くないか確認
トラブルシューティング:それでも解決しない場合
Q. 特定の送信者からのメールだけ画像が表示されない
A. 送信者側の問題の可能性があります
送信者が画像を添付ではなく、外部サーバーへのリンクとして埋め込んでいる場合、そのサーバーが利用できないと画像は表示されません。
送信者に、画像を添付ファイルとして送ってもらうよう依頼してみてください。
Q. 添付ファイルの画像は開けるが、本文中の画像が表示されない
A. 埋め込み画像の問題です
メール本文に埋め込まれた画像と、添付ファイルは別物です。
上記の「解決法3」でトラストセンターの設定を変更するか、「解決法2」で差出人を信頼リストに追加してください。
Q. 画像は表示されるが、非常に遅い
A. 画像のサイズが大きい可能性があります
送信者に、画像を圧縮して送ってもらうよう依頼するか、インターネット接続を確認してください。
また、Outlookのキャッシュモードの設定を変更すると改善することもあります。
Q. 会社のパソコンで設定変更できない
A. 管理者権限が必要な場合があります
会社のパソコンでは、セキュリティポリシーによって設定が制限されていることがあります。
IT部門やシステム管理者に相談してください。勝手に設定を変更すると、社内規定違反になる可能性もあります。
画像表示設定のベストプラクティス
状況に応じた設定を選ぼう
個人用メールアドレス(迷惑メールが少ない):
- すべての画像を自動表示する設定でOK
- ただし、知らない送信者からのメールは慎重に
仕事用メールアドレス(不特定多数からメールが来る):
- 手動で画像を表示する設定を維持
- 信頼できる取引先は「信頼リスト」に追加
- セキュリティを最優先に考える
モバイル回線を使用する場合:
- 画像の自動ダウンロードはオフ
- 必要な時だけ手動で表示
- 通信量の節約を優先
定期的な見直しを
数ヶ月に一度、信頼できる差出人リストを見直しましょう。
もう取引のない会社や、退職した人のメールアドレスが残っていることもあります。リストを整理することで、セキュリティを保つことができます。
まとめ:安全性と利便性のバランスを考えよう
Outlookで画像が表示されない問題は、多くの場合、簡単な設定変更で解決できます。
解決方法のおさらい:
- メールごとに手動表示:最も安全。ビジネス用におすすめ
- 信頼できる差出人を登録:よく連絡する相手だけ自動表示
- すべて自動表示:便利だがリスクあり。個人用に限定
- 赤いバツ印対策:暗号化ページの設定を変更
- メール形式の確認:HTML形式に変更
- 新しいOutlookの設定:プライバシー設定を確認
- セキュリティソフト確認:ファイアウォールの設定を見直し
- アドインの無効化:問題のあるアドインを特定
- ネット接続確認:オフラインモードになっていないかチェック
おすすめの設定方法:
- 基本は画像を自動ダウンロードしない設定のまま
- よく連絡を取る取引先や友人は「信頼リスト」に追加
- 必要に応じてメールごとに手動で画像を表示
この方法なら、安全性を保ちながら、必要な画像はしっかり表示できます。
画像が表示されないことで仕事に支障が出ている場合は、IT部門に相談することも検討してください。会社全体のセキュリティポリシーとのバランスを考えながら、最適な設定を見つけましょう。
大切なのは、便利さだけでなく、セキュリティも考慮すること。自分の環境に合った設定で、安全で快適なメール環境を作ってくださいね!


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