メールで資料や写真を送ろうとしたら「ファイルが大きすぎます」というエラーが出た経験はありませんか?
Outlookには添付ファイルのサイズ制限があり、これを超えるとメールを送信できません。ビジネスシーンでは資料のやり取りが頻繁にあるため、この制限を知っておくことはとても重要です。
この記事では、Outlookの添付ファイル上限と、制限を超えた場合の対処法について分かりやすく解説していきます。
Outlookの添付ファイル上限は何MB?

Outlook.com・Webメールの場合
Outlook.com(ブラウザで使うWebメール)の添付ファイル上限は合計34MBです。
これは1つのメールに添付できるすべてのファイルの合計サイズ。例えば、10MBのファイルを3つ添付すると30MBなので送信できますが、12MBのファイルを3つ添付すると36MBになり、制限を超えてしまいます。
Outlookデスクトップアプリの場合
パソコンにインストールして使うOutlookアプリ(Microsoft 365やOffice版)の上限は、使っている環境によって異なります。
- Exchangeサーバー経由の場合: デフォルトで20MB(会社や組織の管理者が設定を変更している場合もあります)
- POPやIMAPアカウントの場合: メールプロバイダーの設定による
会社のメールアカウントを使っている場合、社内のIT部門が独自の制限を設けていることもあるので注意が必要です。
なぜ上限があるの?
添付ファイルの上限が設定されている理由は主に3つあります。
1つ目は、メールサーバーの負担を減らすため。大きなファイルを何千通も保管すると、サーバーの容量がすぐにいっぱいになってしまいます。
2つ目は、送受信の速度を保つため。大容量ファイルは送信にも受信にも時間がかかり、他のメールの配信にも影響が出てしまうんです。
3つ目は、セキュリティ対策。大きなファイルにはマルウェア(悪意のあるプログラム)が仕込まれている可能性もあるため、制限を設けることでリスクを減らしています。
上限を超えたらどうなる?
表示されるエラーメッセージ
添付ファイルが上限を超えると、次のようなエラーメッセージが表示されます。
- 「添付ファイルのサイズが最大値を超えています」
- 「ファイルサイズが大きすぎます」
- 「The attachment size exceeds the allowable limit」
このエラーが出た場合、そのままではメールを送信できません。ファイルを削除するか、別の方法で送る必要があります。
受信側にも制限がある
自分のOutlookで送信できたとしても、相手側のメールサーバーにも制限があることを忘れてはいけません。
例えば、あなたの上限が34MBでも、相手のメールサーバーが10MBまでしか受信できない設定になっていると、メールは届きません。この場合、送信者に「メールが配信できませんでした」というエラー通知が返ってきます。
大容量ファイルを送る4つの方法
方法1: OneDriveを使った共有(推奨)
Outlookには、大きなファイルを自動的にOneDriveにアップロードして共有リンクを送る機能が組み込まれています。これが最も簡単で安全な方法です。
手順:
- 通常通りファイルを添付しようとする
- ファイルサイズが大きい場合、「OneDriveリンクとして共有しますか?」というメッセージが表示される
- 「はい」を選択すると、自動的にOneDriveにアップロードされ、共有リンクがメールに挿入される
この方法なら、数GB(ギガバイト)の大容量ファイルでも送れます。さらに、受信者がファイルをダウンロードしたかどうかも確認できるメリットがあります。
方法2: ファイルを圧縮する
複数のファイルを送る場合や、圧縮可能なファイル形式の場合は、ZIP形式などに圧縮することでサイズを小さくできます。
圧縮の効果:
- テキストファイルやWord文書: 50〜70%程度縮小可能
- 画像ファイル(JPEG、PNG): 圧縮済みのため効果は小さい
- 動画ファイル: 既に圧縮されているため、ほとんど小さくならない
Windowsの場合、ファイルを右クリックして「送る」→「圧縮(zip形式)フォルダー」を選ぶだけで簡単に圧縮できます。
方法3: ファイル転送サービスを利用する
OneDriveを使いたくない場合や、相手がMicrosoftアカウントを持っていない場合は、ファイル転送サービスが便利です。
主なサービス:
- ギガファイル便(日本製、無料)
- Google Drive
- Dropbox
- WeTransfer
これらのサービスにファイルをアップロードし、ダウンロード用のリンクをメールで送ります。多くのサービスでは2GB以上のファイルも無料で送れるため、とても実用的です。
方法4: ファイルを分割して送る
どうしても添付ファイルとして送りたい場合は、ファイルを複数に分割する方法もあります。
ただし、この方法はあまりおすすめできません。理由は次の通りです。
- 受信者が複数のメールを管理する手間がかかる
- 一部のメールが届かない可能性がある
- 分割したファイルを結合する作業が必要
緊急時の最終手段と考えておきましょう。
ビジネスシーンでの注意点
セキュリティ意識を持つ
大容量ファイルを外部に送信する際は、情報漏えいのリスクにも注意が必要です。
OneDriveやファイル転送サービスを使う場合は、次の点を確認しましょう。
- パスワード保護機能があるか
- ダウンロード期限を設定できるか
- ダウンロード回数を制限できるか
- 誰がダウンロードしたか記録が残るか
特に機密情報を含むファイルの場合、これらの機能を活用してセキュリティを強化することが大切です。
社内ルールを確認する
会社によっては、ファイル共有の方法について独自のルールを定めていることがあります。
- 使用が許可されているサービスは何か
- 社外とのファイル共有に承認が必要か
- 特定の情報は暗号化が必要か
トラブルを避けるため、事前に社内のIT部門やセキュリティポリシーを確認しておきましょう。
相手の環境を考慮する
ファイルを送る前に、相手の状況も考えてみてください。
スマートフォンでメールを確認している場合、大容量ファイルのダウンロードは通信量を消費します。また、古いパソコンや回線速度が遅い環境では、ダウンロードに時間がかかることも。
可能であれば、事前に「○○MBのファイルを送ります」と連絡しておくと親切です。
よくある質問
Q: 複数のファイルを添付すると上限に達しやすいのですが、良い方法はありますか?
A: 複数のファイルを1つのZIPファイルにまとめることで、管理がしやすくなります。ただし、圧縮してもサイズが上限を超える場合は、OneDriveなどのクラウドストレージを使いましょう。
Q: 写真を送りたいのですが、サイズが大きすぎます。どうすればいいですか?
A: 写真の解像度を下げることで、サイズを大幅に縮小できます。メールで送るだけなら、元の画質の30〜50%程度に縮小しても十分見やすい品質を保てます。Windowsの「ペイント」やスマートフォンの写真編集機能で簡単にリサイズ可能です。
Q: PDFファイルのサイズを小さくする方法はありますか?
A: PDFは、Adobe Acrobat Readerの「ファイルサイズを縮小」機能や、オンラインの圧縮ツールを使うことで小さくできます。ただし、画質が低下する可能性があるため、重要な資料の場合は圧縮前にバックアップを取っておきましょう。
まとめ
Outlookの添付ファイル上限は、Outlook.comで34MB、デスクトップ版で通常20MBです。
この制限を超えるファイルを送りたい場合は、次の方法を検討しましょう。
- OneDriveを使った共有(最も簡単で推奨)
- ファイルの圧縮
- ファイル転送サービスの利用
- ファイルの分割(最終手段)
ビジネスシーンでは、セキュリティや社内ルール、相手の環境にも配慮することが大切です。
大容量ファイルを送る機会が多い方は、普段からOneDriveなどのクラウドストレージを活用する習慣をつけておくと、スムーズなやり取りができるようになります。
メールでのファイル共有は仕事の基本。この記事を参考に、状況に応じた最適な方法を選んでくださいね。

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