「メールに装飾を付けたいのに、文字の色も変えられない」「相手から届いたメールがプレーンテキストで読みにくい」そんな経験はありませんか?
Outlookには「HTML形式」「テキスト形式」「リッチテキスト形式」という3つのメール形式があります。どの形式を使うかによって、文字装飾や画像の挿入ができるかどうかが変わってくるんですよね。
この記事では、Outlookのメール形式を変更する方法から、それぞれの形式の使い分けまで、分かりやすく解説していきます。
Outlookの3つのメール形式とは?それぞれの違いを理解しよう

まずは、各メール形式の特徴を把握しましょう。
HTML形式(最も一般的)
現在のメールで最も広く使われている形式です。
できること
- 文字の色、サイズ、フォントの変更
- 太字、斜体、下線などの装飾
- 画像の挿入や埋め込み
- 表の作成
- 箇条書きや段落番号
- ハイパーリンクの設定
- 背景色や背景画像の設定
メリット
- 見た目を自由にカスタマイズできる
- ビジュアル重視のメールに最適
- 画像やロゴを直接表示できる
- ほとんどのメールソフトで正しく表示される
デメリット
- ファイルサイズが大きくなりがち
- セキュリティリスクがわずかに高い
- 一部の古いメールソフトで正しく表示されないことがある
ビジネスメールでも個人メールでも、基本的にはHTML形式がおすすめです。
テキスト形式(シンプル)
装飾を一切含まない、純粋な文字だけの形式です。
特徴
- 文字の装飾ができない
- 画像を埋め込めない(添付ファイルとしてのみ)
- フォントやサイズを変更できない
- すべて等幅フォントで表示される
メリット
- ファイルサイズが非常に小さい
- どんなメールソフトでも確実に読める
- セキュリティリスクが低い
- 表示速度が速い
- 古いシステムやガラケーでも読める
デメリット
- 視覚的な表現ができない
- 重要な箇所を目立たせにくい
- ビジネス文書としては見た目が地味
技術系のメーリングリストや、セキュリティを重視する場合に使われます。
リッチテキスト形式(Microsoft独自)
Microsoftが開発した独自の形式です。
特徴
- HTML形式に似た装飾が可能
- Microsoft Outlook同士でのみ完全に機能
- 他のメールソフトでは正しく表示されない可能性が高い
注意点
- 受信者がOutlookを使っていない場合、テキスト形式やHTML形式に変換される
- 現在はあまり推奨されていない
- 互換性の問題が多い
特別な理由がない限り、リッチテキスト形式は使わない方が良いでしょう。
【デスクトップ版】Outlookのメール形式を変更する方法
Windows版Outlookでのメール形式変更手順を解説します。
新規メール作成時に形式を変更する
メールを書いている途中でも形式を切り替えられます。
手順
- 新規メールを作成
- 「書式設定」タブをクリック
- 「形式」グループを確認
- 以下から選択
- HTML – 通常の装飾可能な形式
- テキスト – 装飾なしの文字のみ
- リッチテキスト – Outlook専用形式
形式を変更すると、すでに入力した装飾(太字や色など)は失われるので注意してください。
すべてのメールのデフォルト形式を変更する
新規作成時に毎回同じ形式を使いたい場合の設定です。
手順(従来のOutlook)
- 「ファイル」タブをクリック
- 「オプション」を選択
- 「メール」をクリック
- 「メッセージの作成」セクションを探す
- 「次の形式でメッセージを作成する」で選択
- HTML
- テキスト
- リッチテキスト
- 「OK」をクリックして保存
これで次回から、選択した形式が標準になります。
返信・転送時の形式を指定する
受信したメールに返信する際の形式も設定できます。
設定手順
- 「ファイル」→「オプション」→「メール」を開く
- 「返信と転送」セクションを確認
- 「メッセージへの返信や転送を行う場合」で選択
- 元のメッセージの形式を使用する – 受信したメールと同じ形式(推奨)
- HTML形式で返信する – 常にHTML形式
- テキスト形式で返信する – 常にテキスト形式
通常は「元のメッセージの形式を使用する」がおすすめです。相手がテキスト形式で送ってきた場合、こちらもテキスト形式で返すのがマナーですね。
特定の連絡先だけテキスト形式で送る
特定の相手にだけテキスト形式で送りたい場合の設定です。
手順
- 「連絡先」または「People」を開く
- 該当する連絡先をダブルクリック
- 「電子メール」セクションで「インターネット形式」を探す
- 「テキスト形式のみで送信」を選択
- 保存
この設定をしておけば、その人へのメールは自動的にテキスト形式になります。
【Web版】Outlook on the webでメール形式を変更する方法
ブラウザ版Outlookでの設定方法です。
メール作成時に形式を切り替える
手順
- 新規メールを作成
- メッセージ本文の下部にあるメニューを確認
- 「…」(その他のオプション)をクリック
- 「書式」を選択
- 「HTML」または「テキスト」を選択
Web版の場合、リッチテキスト形式は選択できません。
デフォルト形式の設定を変更する
手順
- 右上の歯車アイコン(設定)をクリック
- 「すべてのOutlook設定を表示」を選択
- 「メール」→「作成と返信」を選択
- 「メッセージ形式」で「HTML」または「テキスト」を選択
- 「保存」をクリック
これでブラウザ版Outlookのデフォルト形式が変更されます。
HTMLメールをテキストとして表示する
受信したHTMLメールをテキスト形式で読む設定です。
手順
- 設定画面を開く
- 「メール」→「メッセージの処理」を選択
- 「すべてのメッセージをテキスト形式で読む」にチェック
- 保存
セキュリティを重視する場合や、不要な装飾を非表示にしたい場合に便利です。
【モバイル】Outlookアプリでメール形式を変更する方法

スマートフォンアプリでの設定方法です。
iPhone・iPadでの設定
メール作成時の形式変更
- 新規メールを作成
- メッセージ入力欄の上部にあるツールバーを確認
- 「Aa」(書式設定)をタップ
- 装飾オプションが表示される(HTML形式の場合)
iOSアプリでは、基本的にHTML形式がデフォルトです。テキスト形式への切り替えオプションはありませんが、装飾せずに文章だけ入力すれば、実質的にテキストメールと同じになります。
Androidでの設定
メール作成時の形式変更
- 新規メールを作成
- メッセージ入力欄の上部にあるツールバーを確認
- 書式設定アイコン(「A」のマーク)をタップ
- 太字、斜体などの装飾オプションが表示される
Android版も基本的にHTML形式で、テキスト形式への明示的な切り替えはできません。
モバイルアプリの制限事項
スマートフォンアプリは機能が限定されています。
できないこと
- デフォルトのメール形式を変更する設定
- 受信メールをテキスト形式で表示する設定
- リッチテキスト形式の選択
対処法
- デスクトップ版で設定を変更する
- Webブラウザ版で設定を変更する
- 装飾が必要ない場合は、そのまま文字だけ入力
モバイルアプリは基本的にHTML形式を前提とした設計になっているんですね。
受信したメールの形式を確認・変更する方法
相手から届いたメールの形式を確認したり、表示方法を変更したりする手順です。
メールの形式を確認する方法
デスクトップ版Outlook
- メールを開く
- 「ファイル」タブをクリック
- 「プロパティ」を選択
- 「インターネットヘッダー」を確認
- Content-Type: text/html → HTML形式
- Content-Type: text/plain → テキスト形式
または、メールを開いた時に装飾が表示されていればHTML形式、表示されていなければテキスト形式だと判断できます。
HTMLメールをテキストで読む
装飾を取り除いて純粋なテキストで読みたい場合です。
一時的に変更する方法
- メールを開く
- 「アクション」→「その他のアクション」を選択
- 「テキスト形式で表示」をクリック
すべてのメールをテキストで読む設定
- 「ファイル」→「オプション」→「セキュリティセンター」を開く
- 「セキュリティセンターの設定」をクリック
- 「電子メールのセキュリティ」タブを選択
- 「標準テキスト形式ですべてのメッセージを読む」にチェック
- 「OK」で保存
この設定は、怪しいメールのリンクや画像を非表示にするセキュリティ対策にもなります。
テキスト形式メールをHTMLで返信する
テキスト形式で届いたメールにHTML形式で返信したい場合です。
手順
- 受信メールを開く
- 「返信」をクリック
- 「書式設定」タブをクリック
- 「HTML」を選択
ただし、相手がわざとテキスト形式で送ってきた場合、HTML形式で返すのは好ましくありません。相手の設定や意図を尊重しましょう。
トラブルシューティング:メール形式変更でよくある問題
形式変更時に起こりがちなトラブルと解決法です。
Q. 形式を変更すると装飾が消えてしまう
原因と対処法
これは正常な動作です。HTML形式からテキスト形式に変更すると、すべての装飾情報が削除されます。
対処法
- 形式変更前に、別の場所に装飾付きでコピーしておく
- 変更後に「元に戻す」(Ctrl + Z)で取り消す
- 最初からテキスト形式で作成し直す
形式変更は慎重に行いましょう。
Q. 相手に届くと文字化けしていると言われる
原因と対処法
文字エンコードの問題か、メール形式の問題です。
確認すべきポイント
- 相手のメールソフトが古くないか
- リッチテキスト形式を使っていないか(HTML形式に変更)
- 特殊な文字(絵文字、機種依存文字)を使っていないか
解決策
- HTML形式に変更する
- 特殊文字を避ける
- 文字エンコードをUTF-8に設定(通常は自動)
Q. 画像が添付ファイルになってしまう
原因と対処法
テキスト形式では画像を埋め込めません。
解決策
- メール形式をHTML形式に変更
- 「挿入」タブから「画像」を選択
- 「ファイルから」または「オンライン画像」を選択
HTML形式なら、画像はメール本文に直接表示されますよ。
Q. 署名の書式が崩れる
原因と対処法
署名を作成した時の形式と、メールの形式が異なる場合に起こります。
解決策
- 「ファイル」→「オプション」→「メール」を開く
- 「署名」をクリック
- 署名を編集
- メール形式(HTML、テキスト)ごとに署名を作成
HTML用とテキスト用で別々の署名を用意すると、どちらでも崩れません。
Q. 相手のメールがすべてテキスト形式で届く
原因と対処法
相手がテキスト形式で送信しているか、自分の設定でHTML表示を無効にしている可能性があります。
確認すべき設定
- 「ファイル」→「オプション」→「セキュリティセンター」を開く
- 「セキュリティセンターの設定」をクリック
- 「電子メールのセキュリティ」タブを確認
- 「標準テキスト形式ですべてのメッセージを読む」のチェックを外す
この設定を無効にすれば、HTML形式で正しく表示されます。
メール形式の使い分けガイド:場面別のおすすめ設定
どの形式を使うべきか、状況別に解説します。
ビジネスメールの場合
基本的にHTML形式を推奨
- 見やすく、プロフェッショナルな印象
- 会社のロゴや署名をきれいに表示できる
- 重要な箇所を太字で強調できる
例外的にテキスト形式を使う場合
- 相手がテキスト形式で送ってきた時
- 古いシステムを使っている相手へ送る時
- セキュリティポリシーで指定されている時
技術系メーリングリストの場合
テキスト形式を推奨
- コードをそのまま貼り付けられる
- 引用が分かりやすい
- アーカイブしやすい
- 余計な装飾がない
技術系のコミュニティでは、テキスト形式が慣習になっていることが多いですね。
プライベートメールの場合
HTML形式が便利
- 写真を埋め込んで送れる
- 文字に色を付けて楽しめる
- 絵文字が正しく表示される
ただし、相手の好みに合わせることも大切です。
セキュリティを重視する場合
テキスト形式が安全
- 悪意のあるスクリプトが実行されない
- 追跡ピクセルを防げる
- フィッシング詐欺のリスクが低い
機密情報を扱う場合や、セキュリティ意識が高い組織では、テキスト形式が推奨されます。
メール形式に関する豆知識とヒント
知っておくと便利な情報です。
送信後に形式を変更することはできない
一度送信したメールの形式は変更できません。
- 送信前に必ず確認する
- プレビュー機能で表示を確認
- テスト送信で自分宛てに送ってみる
送信ボタンを押す前のチェックが重要です。
HTMLメールのサイズはテキストの約3倍
同じ内容でも、形式によってファイルサイズが変わります。
- テキスト形式:10KB
- HTML形式:30KB〜50KB
- リッチテキスト形式:40KB〜60KB
大量のメールを扱う場合、容量の差は無視できません。
モバイルで見る人が多い場合はシンプルに
スマートフォンでメールを読む人が増えています。
モバイルフレンドリーなメールのコツ
- 過度な装飾は避ける
- フォントサイズは大きめに
- 画像は適度なサイズに
- 横幅は狭めに設定
HTML形式でも、シンプルなデザインの方が読みやすいですよ。
まとめ:メール形式は目的に応じて使い分けよう
Outlookのメール形式変更方法について解説してきました。
この記事のポイント:
- Outlookには「HTML形式」「テキスト形式」「リッチテキスト形式」の3種類がある
- 一般的にはHTML形式がおすすめ
- デスクトップ版では「書式設定」タブから簡単に変更できる
- デフォルト形式は「オプション」→「メール」で設定
- 相手の形式に合わせて返信するのがマナー
- セキュリティ重視ならテキスト形式を選択
- 技術系メーリングリストではテキスト形式が慣習
ビジネスでもプライベートでも、基本的にはHTML形式で問題ありません。ただし、相手の環境や状況に応じて、柔軟に形式を使い分けることが大切です。
相手にとって読みやすいメールを心がけて、効果的なコミュニケーションを実現しましょう!

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