Outlookの保存先を変更する方法|データファイルと添付ファイルの設定完全ガイド

プログラミング・IT

Outlookを長年使っていると、メールデータがどんどん増えていきます。気づいたらCドライブの容量が残りわずか、なんてことはありませんか?

また、添付ファイルを保存するたびに同じフォルダを開くのが面倒だと感じることもあるでしょう。「いつも使うフォルダに最初から保存できたら便利なのに」と思いますよね。

この記事では、Outlookのデータファイル保存先の変更方法から、添付ファイルの既定保存先の設定まで、分かりやすく解説していきます。

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Outlookの「保存先」には2種類ある

データファイルの保存先

Outlookのメール、連絡先、予定表などのデータは、実は1つのファイルにまとめて保存されています。

PSTファイル
個人用フォルダファイルと呼ばれ、POPアカウントやIMAPアカウントのデータを保存します。拡張子は「.pst」です。

OSTファイル
オフラインフォルダファイルと呼ばれ、Exchange ServerやMicrosoft 365のアカウントデータをキャッシュ(一時保存)します。拡張子は「.ost」となっています。

これらのファイルは、デフォルトではCドライブの決まった場所に保存されます。

添付ファイルの保存先

メールに添付されているファイルを保存する際、保存場所を毎回指定するのは手間です。

Outlookでは、添付ファイルの既定保存先を設定できます。これを変更すれば、よく使うフォルダへ素早く保存できるようになるでしょう。

データファイルの保存場所を確認する方法

変更する前に、現在どこに保存されているか確認しましょう。

現在の保存場所の確認手順

手順1:アカウント設定を開く

  1. Outlookを起動
  2. 「ファイル」タブをクリック
  3. 「アカウント設定」→「アカウント設定」を選択

手順2:データファイルタブを確認

  1. 「アカウント設定」ウィンドウが開く
  2. 「データファイル」タブをクリック
  3. 一覧にファイル名と場所が表示される
  4. 各ファイルを選択して「フォルダーを開く」をクリックすると、エクスプローラーで場所を確認できる

デフォルトの保存場所

通常、データファイルは以下の場所に保存されています。

Windows 10/11の場合

C:\Users\[ユーザー名]\Documents\Outlook ファイル

または

C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Microsoft\Outlook

[ユーザー名]の部分は、実際のWindowsユーザー名に置き換わります。

PSTファイルの保存先を変更する方法

データ容量が大きくなってCドライブを圧迫している場合、別のドライブへ移動できます。

移動の手順

PSTファイルの移動は、慎重に行う必要があります。

準備:Outlookを完全に終了

  1. Outlookを閉じる
  2. タスクマネージャーを開いて、Outlook.exeが完全に終了していることを確認
  3. システムトレイにOutlookアイコンがないことも確認

手順1:PSTファイルをコピー

  1. エクスプローラーで現在のPSTファイルがある場所を開く
  2. PSTファイルを右クリックして「コピー」を選択
  3. 移動先のフォルダ(例:Dドライブの「Outlook」フォルダ)を開く
  4. 右クリックして「貼り付け」を選択

注意:移動ではなくコピーを推奨
万が一のトラブルに備え、最初はコピーで行いましょう。正常に動作確認できたら、元のファイルを削除できます。

手順2:古いPSTファイルを削除

  1. Outlookを起動
  2. 「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」
  3. 「データファイル」タブで古い場所のPSTファイルを選択
  4. 「削除」をクリック(ファイル自体は削除されず、Outlookから切り離されるだけ)

手順3:新しい場所のPSTファイルを追加

  1. 同じ「データファイル」タブで「追加」をクリック
  2. 新しい場所にコピーしたPSTファイルを選択
  3. 「OK」をクリック

手順4:既定に設定

  1. 追加したPSTファイルを選択
  2. 「既定に設定」をクリック
  3. 「閉じる」をクリック

これで、新しい場所でOutlookが動作するようになります。動作確認ができたら、元の場所のPSTファイルを削除して構いません。

OSTファイルの保存先を変更する方法

Microsoft 365やExchange Serverを使用している場合、OSTファイルの移動は少し複雑です。

レジストリを編集する方法(上級者向け)

重要な警告
レジストリの編集を誤ると、Windowsが起動しなくなる可能性があります。必ずバックアップを取ってから作業してください。自信がない場合は、IT管理者に相談することをおすすめします。

手順1:レジストリエディタを開く

  1. 「Windowsキー + R」を押す
  2. 「regedit」と入力して Enter キーを押す
  3. ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリック

手順2:該当キーを編集

  1. 以下のパスに移動:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Outlook

(バージョンにより「16.0」の部分が異なる場合あり)

  1. 右側の何もないところで右クリック
  2. 「新規」→「展開可能な文字列値」を選択
  3. 名前を「ForcePSTPath」と入力
  4. 作成した値をダブルクリック
  5. 値のデータに新しい保存先パス(例:D:\Outlook)を入力
  6. 「OK」をクリック

手順3:Outlookを再起動

  1. レジストリエディタを閉じる
  2. Outlookを起動
  3. アカウントを再設定すると、新しい場所にOSTファイルが作成される

より安全な方法:アカウント再設定

レジストリ編集が不安な場合は、以下の方法がおすすめです。

手順

  1. Outlookからアカウントを削除
  2. 古いOSTファイルを手動で削除
  3. 上記のレジストリ設定を行う
  4. Outlookにアカウントを再追加

この方法なら、自動的に新しい場所にOSTファイルが作成されます。

添付ファイルの既定保存先を変更する方法

メールの添付ファイルを保存する際、毎回同じフォルダに保存することが多い方向けの設定です。

Windows版での設定方法

残念ながら、Outlook本体には添付ファイルの既定保存先を直接変更する設定がありません。しかし、以下の方法で実質的に変更できます。

方法1:レジストリで既定フォルダを変更

手順

  1. レジストリエディタを開く(「Windowsキー + R」→「regedit」)
  2. 以下のパスに移動:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Outlook\Options
  1. 右側で右クリック→「新規」→「文字列値」
  2. 名前を「DefaultPath」と入力
  3. 値をダブルクリックして、希望の保存先パス(例:D:\Downloads\Attachments)を入力
  4. Outlookを再起動

方法2:最近使ったフォルダを活用

Outlookは、最後に保存したフォルダを記憶します。

使い方

  1. よく使うフォルダに一度添付ファイルを保存
  2. 次回以降、自動的にそのフォルダが表示される

この機能を活用すれば、設定変更なしでも効率化できるでしょう。

マクロを使った高度な方法

VBAマクロを使えば、添付ファイルを自動的に指定フォルダへ保存できます。

メリット

  • ボタン一つで自動保存
  • ファイル名の自動リネーム
  • 保存先を複数から選択

ただし、マクロの作成にはVBAの知識が必要です。Outlookのマクロ機能を有効にする必要もあります。

バックアップの保存先を変更する

Outlookのデータを定期的にバックアップすることは重要です。

手動エクスポートの保存先

エクスポート手順

  1. 「ファイル」→「開く/エクスポート」→「インポート/エクスポート」
  2. 「ファイルにエクスポート」を選択
  3. 「Outlookデータファイル(.pst)」を選択
  4. エクスポートするフォルダを選択
  5. 保存先を指定(ここで外付けHDDやクラウドストレージを選択)
  6. 「完了」をクリック

自動バックアップツールの活用

Outlookには自動バックアップ機能がないため、サードパーティのツールや、Windowsのタスクスケジューラを使った自動コピーが有効です。

推奨バックアップ先

  • 外付けハードディスク
  • NAS(ネットワーク接続ストレージ)
  • クラウドストレージ(OneDrive、Google Driveなど)

複数の場所にバックアップを取ることで、データ損失のリスクを最小限に抑えられます。

保存先変更時の注意点

注意点1:ネットワークドライブは非推奨

PSTファイルをネットワークドライブに保存することは、Microsoft非推奨です。

理由

  • データ破損のリスクが高い
  • 動作が不安定になる
  • パフォーマンスが低下する

ローカルドライブ(内蔵HDD/SSDや外付けUSBドライブ)への保存を強く推奨します。

注意点2:OneDriveとの同期に注意

OneDriveの同期フォルダにPSTファイルを置くと、以下の問題が起きることがあります。

考えられる問題

  • Outlookの動作が遅くなる
  • ファイル破損のリスク
  • 同期エラーの頻発

OneDriveにバックアップを取るのは良いですが、作業中のPSTファイルは同期対象外のフォルダに置きましょう。

注意点3:容量に余裕を持たせる

移動先のドライブには、十分な空き容量を確保してください。

推奨容量
現在のPSTファイルサイズの2倍以上の空き容量があると安心です。例えば、10GBのPSTファイルなら、20GB以上の空きが理想的でしょう。

注意点4:アクセス権限の確認

移動先フォルダに対して、読み書きの権限があることを確認してください。

確認方法

  1. フォルダを右クリック→「プロパティ」
  2. 「セキュリティ」タブをクリック
  3. 自分のユーザーアカウントに「フルコントロール」が付与されているか確認

よくあるトラブルと解決方法

トラブル1:Outlookが起動しない

PSTファイルを移動後、Outlookが起動しなくなった場合。

解決方法

  1. Outlookをセーフモードで起動(「outlook.exe /safe」)
  2. 「ファイル」→「アカウント設定」→「データファイル」
  3. 正しくないパスのファイルを削除
  4. 「追加」で正しい場所のPSTファイルを指定

トラブル2:メールが表示されない

新しい場所のPSTファイルを開いても、過去のメールが表示されない場合。

原因
古いPSTファイルが読み込まれていない、または別のPSTファイルを開いている可能性があります。

解決方法

  1. 正しいPSTファイルを開いているか確認
  2. ファイルサイズを比較して、内容が移動されているか確認
  3. 必要に応じて、インポート機能で古いPSTファイルからデータを取り込む

トラブル3:添付ファイルの保存先が変わらない

レジストリを編集したのに、保存先が変わらない場合。

確認ポイント

  • Outlookのバージョン番号が正しいか(16.0、15.0など)
  • レジストリキーの名前が正確か(スペルミス注意)
  • Outlookを完全に再起動したか

レジストリ編集は、パスやキー名が1文字でも違うと動作しません。慎重に確認してください。

トラブル4:ファイルが破損した

移動作業中にファイルが破損してしまった場合。

対処方法

  1. Outlookに付属の「受信トレイ修復ツール」(scanpst.exe)を実行
  2. 検索バーで「scanpst.exe」を検索
  3. ツールを起動して、問題のPSTファイルを選択
  4. 「スキャン開始」をクリック
  5. エラーが見つかったら「修復」を実行

修復ツールでも直らない場合は、バックアップから復元しましょう。

保存先変更のベストプラクティス

推奨される保存先の選び方

最適な保存先の条件

  • 十分な容量がある
  • 高速なSSDドライブ(HDDより推奨)
  • ローカルドライブ(ネットワークドライブは避ける)
  • 定期的にバックアップされている

具体例

  • Cドライブ容量不足→Dドライブ(内蔵SSD)へ移動
  • ノートPC→外付けSSDへ移動(持ち運び時は外す)
  • デスクトップPC→セカンダリドライブへ移動

定期的なメンテナンス

保存先を変更した後も、定期的なメンテナンスが重要です。

メンテナンス項目

  • 月に1回:PSTファイルのサイズ確認
  • 3ヶ月に1回:不要なメールの削除
  • 半年に1回:完全バックアップの実施

大きくなりすぎたPSTファイルは、年度ごとや案件ごとに分割することも検討しましょう。

セキュリティ対策

保存先を外部ドライブに変更する場合、セキュリティにも注意が必要です。

推奨対策

  • PSTファイルにパスワードを設定
  • 外付けドライブの暗号化
  • 紛失・盗難時の対応手順を決めておく

重要なメールが含まれる場合は、特にセキュリティ対策を徹底してください。

Microsoft 365での保存先管理

Microsoft 365(旧Office 365)を使用している場合、保存先の考え方が少し異なります。

クラウドストレージの活用

Microsoft 365では、メールデータは基本的にクラウド(Microsoftのサーバー)に保存されます。

OSTファイルの役割
ローカルに保存されるOSTファイルは、あくまでキャッシュ(一時コピー)です。削除してもサーバーからダウンロードされるため、データ損失の心配はありません。

容量管理

  • メールボックスの容量制限を確認
  • 古いメールはアーカイブへ移動
  • 不要なメールは定期的に削除

アーカイブ機能の活用

Microsoft 365では、自動アーカイブ機能が使えます。

設定方法

  1. 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
  2. 「自動整理」セクションで設定
  3. 古いメールを自動的にアーカイブフォルダへ移動

この機能を使えば、メインのメールボックスをすっきり保てるでしょう。

まとめ:計画的な保存先管理で快適なOutlook環境を

Outlookの保存先を適切に管理することで、パフォーマンスの向上とデータ保護が実現できます。

この記事のポイント

  • データファイルの種類:PSTファイル(個人用)とOSTファイル(Exchange/365用)
  • 移動の基本:コピー→動作確認→元ファイル削除の順で慎重に
  • 添付ファイル:レジストリ編集またはマクロで既定保存先を変更可能
  • 注意事項:ネットワークドライブは非推奨、十分な空き容量を確保
  • バックアップ:複数の場所に定期的にバックアップを取る
  • Microsoft 365:クラウドベースのため、OSTファイルはキャッシュとして管理

Cドライブの容量不足に悩んでいる方、バックアップ体制を整えたい方は、ぜひこの記事の手順を参考にしてください。

作業前には必ずバックアップを取り、慎重に進めることが大切です。不安な場合は、IT管理者やサポート窓口に相談することをおすすめします。適切な保存先管理で、快適なOutlook環境を実現しましょう。

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