いつものようにOutlookを開こうとしたら、「Outlookを起動できません」というエラーメッセージが表示された…
または、クリックしても何も起こらない、フリーズして動かない…
急にメールが使えなくなると、とても困りますよね。
でも安心してください。Outlookが起動しない問題は、手順を踏めばほとんどの場合解決できます。
この記事では、「Outlookを起動できません」というエラーの原因と、その解決方法を初心者の方にも分かりやすくご紹介します。
概要

「Outlookを起動できません」というエラーは、様々な原因で発生する一般的なトラブルです。
完全に起動しない場合もあれば、起動途中でフリーズする場合もあります。
どんなエラーメッセージが出る?
Outlookが起動できない時、様々なエラーメッセージが表示されます。
よくあるエラーメッセージ
- 「Microsoft Outlookを起動できません。Outlookウィンドウを開けません。」
- 「フォルダーのセットを開けません。」
- 「データファイルにアクセスできません。」
- 「プロファイルの読み込みに失敗しました。」
- 「outlook.exeは動作を停止しました。」
- エラーメッセージなしで起動しない
どのメッセージでも、基本的な解決方法は共通しています。
主な原因は何?
Outlookが起動できない原因は、いくつかあります。
起動できない主な原因
- プロファイルが破損している
- データファイル(PSTファイル)が破損している
- アドインが原因で起動を妨げている
- Officeの更新プログラムに問題がある
- 別のプロセスがOutlookを使用している
- セキュリティソフトとの競合
- Outlookのファイルが破損している
原因を特定して、適切な対処をすれば解決できます。
まず試すべきこと
詳しい対処法の前に、まず基本的なことを確認しましょう。
最初に確認すること
- パソコンを再起動する(これで解決することも多い)
- 他のOfficeアプリ(WordやExcelなど)は動くか確認
- Windows Updateが実行中でないか確認
- Outlookのプロセスがバックグラウンドで動いていないか確認
簡単なことで解決する場合も多いので、まずはこれを試しましょう。
データは消えるの?
「起動できない」と聞くと、メールが消えてしまうのではと心配になりますよね。
安心してください
- メールデータは基本的に残っています
- プロファイルを作り直しても、メール本体は消えません
- データファイル(PSTファイル)が無事なら、データは大丈夫
ただし、念のため重要なメールは別途バックアップしておくのがおすすめです。
解決までの時間
問題によって、解決にかかる時間は異なります。
時間の目安
- 簡単な方法(再起動、セーフモード):5~10分
- プロファイル再作成:15~30分
- Office修復:30分~1時間
- データファイル修復:数時間(ファイルサイズによる)
焦らず、一つずつ試していきましょう。
解決方法
それでは、具体的な解決方法を、簡単なものから順番に見ていきましょう。
【手順1】パソコンを再起動する
最も基本的ですが、意外と効果的な方法です。
再起動の手順
- 開いているすべてのアプリを閉じる
- スタートボタンをクリック
- 電源アイコン→「再起動」を選択
- 再起動後、Outlookを起動してみる
一時的な不具合なら、これで解決することが多いです。
【手順2】タスクマネージャーでOutlookを終了する
バックグラウンドでOutlookが動いている場合があります。
タスクマネージャーでの終了手順
- Ctrl + Shift + Esc を押す
- タスクマネージャーが開く
- 「プロセス」タブを確認
- 「Microsoft Outlook」または「OUTLOOK.EXE」を探す
- 見つかったら選択して「タスクの終了」をクリック
- 再度Outlookを起動してみる
これで二重起動の問題が解消されます。
【手順3】セーフモードで起動する
アドインが原因の場合、セーフモードで起動できることがあります。
セーフモード起動の手順
- Windowsキー + R を押す
- 「outlook.exe /safe」と入力
- Enterキーを押す
- プロファイルを選択(複数ある場合)
- Outlookがセーフモードで起動
セーフモードで起動できれば、アドインが原因だと分かります。
【手順4】問題のあるアドインを無効化する
セーフモードで起動できた場合、アドインを無効にします。
アドイン無効化の手順
- セーフモードでOutlookを起動
- 「ファイル」→「オプション」を開く
- 「アドイン」をクリック
- 下部の「管理」で「COMアドイン」を選択
- 「設定」をクリック
- すべてのアドインのチェックを外す
- 「OK」をクリック
- Outlookを再起動
通常モードで起動できれば、アドインが原因だったことが確定します。
【手順5】新しいプロファイルを作成する
プロファイルが壊れている場合の対処法です。
新規プロファイル作成手順
- Outlookを完全に終了
- コントロールパネルを開く
- 「Mail (Microsoft Outlook)」をダブルクリック
- 「プロファイルの表示」をクリック
- 「追加」をクリック
- 新しいプロファイル名を入力(例:「新しいプロファイル」)
- メールアカウント情報を入力
- 「常に使用するプロファイル」で新しいプロファイルを選択
- Outlookを起動
これで、新しいプロファイルで起動できます。
【手順6】データファイルを修復する
データファイル(PSTファイル)が破損している場合の修復方法です。
受信トレイ修復ツール(ScanPST.exe)の使い方
- Outlookを完全に終了
- 以下の場所にあるScanPST.exeを探す:
C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16- または
C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16
- ScanPST.exeをダブルクリック
- 「参照」をクリック
- 修復したいPSTファイルを選択
- 通常:
C:\Users\[ユーザー名]\Documents\Outlookファイル
- 「開始」をクリック
- エラーが見つかったら「修復」をクリック
- 修復完了後、Outlookを起動
大きなファイルの場合、数時間かかることもあります。
【手順7】Officeを修復する
Outlookのプログラム自体に問題がある場合です。
Office修復の手順
- コントロールパネルを開く
- 「プログラムと機能」をクリック
- 「Microsoft Office」または「Microsoft 365」を選択
- 「変更」をクリック
- 「クイック修復」を選択
- 「修復」をクリック
- 完了後、Outlookを起動
クイック修復で解決しない場合は、「オンライン修復」を試します。
【手順8】互換モードで実行する
Windows更新後に起動しなくなった場合に有効です。
互換モード設定の手順
- Outlookのショートカットを右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「互換性」タブをクリック
- 「互換モードでこのプログラムを実行する」にチェック
- 「Windows 8」または「Windows 7」を選択
- 「OK」をクリック
- Outlookを起動
ただし、これは一時的な対処法です。
【手順9】セキュリティソフトを一時的に無効化する
セキュリティソフトがOutlookをブロックしている可能性があります。
確認手順
- セキュリティソフトを一時的に無効化
- Outlookを起動してみる
- 起動できれば、セキュリティソフトが原因
注意:無効化後は、必ずすぐに有効に戻してください。
セキュリティソフトの例外設定に、Outlookを追加することで解決できます。
【手順10】Outlookを再インストールする
最終手段です。他の方法で解決しない場合に試します。
再インストールの手順
- 重要なPSTファイルをバックアップ
- コントロールパネル→「プログラムと機能」
- 「Microsoft Office」を選択
- 「アンインストール」をクリック
- アンインストール完了後、パソコンを再起動
- Microsoft 365またはOfficeを再インストール
データファイルは削除されませんが、念のためバックアップしておきましょう。
【上級者向け】レジストリを確認・修復する
レジストリに問題がある場合もあります。
注意:レジストリの編集は慎重に行ってください
- Windowsキー + R を押す
- 「regedit」と入力してEnter
- 以下のキーを確認:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Outlook - 問題のあるキーを削除(バックアップを取ってから)
レジストリ編集に不安がある場合は、IT管理者に相談してください。
エラーコード別の対処法

特定のエラーコードが表示される場合の対処法です。
エラーコード 0x8004010F
データファイルにアクセスできない場合のエラーです。
対処方法
- データファイル(PST)の場所を確認
- ファイルが別の場所に移動していないか確認
- ScanPST.exeでPSTファイルを修復
- PSTファイルを別の場所にコピーして再接続
エラーコード 0x80040600
PSTファイルが破損している場合のエラーです。
対処方法
- 受信トレイ修復ツール(ScanPST.exe)を使う
- バックアップからPSTファイルを復元
- 新しいプロファイルを作成
エラーコード 0x80040119
Exchangeサーバーに接続できない場合のエラーです。
対処方法
- インターネット接続を確認
- サーバー名が正しいか確認
- アカウント設定を確認
- IT部門に問い合わせ(会社のメールの場合)
「フォルダーのセットを開けません」エラー
最もよくあるエラーの一つです。
対処方法
- 新しいプロファイルを作成
- データファイルを修復
- 既定のデータファイルを変更
- アカウントを削除して再追加
予防策
今後、同じ問題が起きないようにする予防策です。
定期的なバックアップ
最も重要な予防策は、定期的なバックアップです。
バックアップ方法
- PSTファイルを定期的にコピー
- エクスポート機能で定期的にバックアップ
- OneDriveなどクラウドにバックアップ
- 重要なメールは別フォルダに整理
月に1回程度、バックアップを取ることをおすすめします。
PSTファイルのサイズを管理
ファイルが大きすぎると、問題が起きやすくなります。
サイズ管理のコツ
- 定期的に古いメールをアーカイブ
- 不要なメールを削除
- 大きな添付ファイルは別途保存
- PSTファイルのサイズは2GB以下に(理想)
大きなファイルは、破損のリスクも高くなります。
Officeを最新に保つ
更新プログラムで問題が修正されることがあります。
更新方法
- 「ファイル」→「Officeアカウント」→「更新オプション」
- 「今すぐ更新」をクリック
- 定期的に確認
ただし、更新直後に問題が起きることもあるので、バックアップは忘れずに。
アドインは必要最小限に
不要なアドインは無効化しましょう。
アドイン管理のコツ
- 使っていないアドインは無効化
- 信頼できるアドインだけ使う
- 問題が起きたら、最近追加したアドインを疑う
アドインが少ないほど、トラブルのリスクも減ります。
まとめ
「Outlookを起動できません」というエラーは、適切な手順で対処すれば解決できます。
重要なポイント
- 起動できない原因は様々(プロファイル破損、アドイン、データファイル破損など)
- まずは簡単な方法から試す(再起動、セーフモード)
- プロファイルの再作成が効果的なことが多い
- データファイル(PST)は通常消えない
- 受信トレイ修復ツール(ScanPST.exe)でPSTファイルを修復できる
- 最終手段はOfficeの修復や再インストール
解決の優先順位
- パソコンを再起動
- タスクマネージャーでOutlookを終了
- セーフモードで起動
- アドインを無効化
- 新しいプロファイルを作成
- データファイルを修復(ScanPST.exe)
- Officeを修復
- 再インストール
予防策
- 定期的にバックアップを取る
- PSTファイルのサイズを管理する
- Officeを最新に保つ
- 不要なアドインは無効化する
ほとんどの場合、手順1~5で解決します。焦らず、一つずつ試していきましょう。
それでも解決しない場合は、以下を検討してください:
- Microsoftサポートに問い合わせ
- 会社のIT部門に相談(会社のメールの場合)
- 専門業者にデータ復旧を依頼(最終手段)
Outlookが起動できないと困りますが、ほとんどの場合データは無事なので、落ち着いて対処すれば大丈夫です。
この記事を参考に、Outlookを再び使えるようにしてください!

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