Outlookでメールを書いているとき、重要な部分を目立たせたいと思うことはありませんか?
文字に色を付けたり、蛍光ペンのように背景を塗りつぶして強調したりできると、相手に伝えたいポイントがはっきり分かりますよね。
でも、「塗りつぶしのボタンが見つからない」「グレーアウトして使えない」「塗りつぶしても相手に表示されない」といったトラブルに遭遇する方も少なくありません。
この記事では、Outlookで塗りつぶし機能が使えない原因と、その解決方法を詳しく解説していきます。
Outlookの「塗りつぶし」とは?
まず、Outlookにおける「塗りつぶし」機能について、基本を理解しましょう。
テキストの蛍光ペン機能
メール本文の文字に、蛍光ペンで線を引いたような背景色を付ける機能です。正式には「蛍光ペンの色」や「テキストの強調表示の色」と呼ばれます。
黄色、緑、ピンクなど、複数の色から選択でき、重要な箇所を視覚的に目立たせることができます。
塗りつぶし機能の場所
デスクトップ版Outlookでメールを作成する際、以下の場所に塗りつぶし機能があります。
メール作成画面:
- 「メッセージ」タブまたは「書式設定」タブを開く
- 「基本テキスト」セクションにある蛍光ペンのアイコン(マーカーのような形)
このアイコンをクリックすると、色を選択して文字の背景を塗りつぶせます。
塗りつぶしができない原因と解決方法
ここからは、塗りつぶし機能が使えない具体的な原因と、その解決策を見ていきます。
【原因1】メールの形式がテキスト形式になっている
最も多い原因がこれです。Outlookには3つのメール形式があり、形式によって使える機能が異なります。
Outlookの3つのメール形式:
- HTML形式:文字の色、サイズ、塗りつぶしなど、豊富な書式設定が使える
- リッチテキスト形式:一部の書式設定が使えるが、主にOutlook間のやり取り向け
- テキスト形式:書式設定が一切使えない、シンプルな文字のみ
テキスト形式ではすべての書式設定機能が無効になるため、塗りつぶしボタンがグレーアウトして使えません。
解決方法:メール形式をHTML形式に変更する
現在作成中のメールを変更する場合:
- メール作成画面で「書式設定」タブをクリック
- 「形式」グループにある「HTML」をクリック
すると、すぐにHTML形式に切り替わり、塗りつぶしボタンが使えるようになります。
デフォルトのメール形式を変更する場合:
毎回HTML形式にする手間を省くため、設定を変更しましょう。
- Outlookの「ファイル」タブをクリック
- 「オプション」をクリック
- 左側のメニューから「メール」を選択
- 「メッセージの作成」セクションにある「次の形式でメッセージを作成する」を「HTML形式」に設定
- 「OK」をクリック
これで、新しく作成するメールは自動的にHTML形式になります。
【原因2】返信メールが元のメール形式を引き継いでいる
相手から受信したメールがテキスト形式の場合、返信する際も自動的にテキスト形式が適用されることがあります。
解決方法:返信メールの形式を変更する
返信画面で「書式設定」タブを開き、「HTML」をクリックして形式を切り替えてください。
ただし、相手が意図的にテキスト形式で送信している場合(セキュリティ上の理由など)、HTML形式で返信すると失礼になる可能性もあります。状況に応じて判断しましょう。
【原因3】Outlook on the Webの編集モードの問題
ブラウザ版のOutlook(Outlook on the Web)では、デスクトップ版とは少し操作が異なります。
解決方法:書式設定オプションを表示する
- メール作成画面の下部にある「書式設定オプション」のボタン(「A」のようなアイコン)をクリック
- 書式設定ツールバーが表示される
- 蛍光ペンのアイコンを探してクリック
Outlook on the Webでは、初期状態で書式設定ツールが非表示になっていることがあるため、まずツールバーを表示させる必要があります。
【原因4】Wordをエディタとして使用していない
Outlook 2007以降、メール作成にはMicrosoft Wordのエディタエンジンが使用されています。この設定がオフになっていると、一部の書式設定機能が制限されます。
解決方法:Wordをエディタとして有効にする
最近のバージョン(Outlook 2016以降)では、この設定は標準でオンになっていますが、念のため確認しましょう。
- 「ファイル」→「オプション」→「メール」
- 「メッセージの作成」セクション
- 「Microsoft Wordを使用してメッセージを編集する」にチェックが入っているか確認
古いバージョンを使用している場合は、このチェックを入れることで解決する可能性があります。
【原因5】Officeのバージョンが古い
非常に古いバージョンのOutlookでは、塗りつぶし機能が正常に動作しないことがあります。
解決方法:OutlookとOfficeをアップデートする
- Outlookを起動
- 「ファイル」→「Officeアカウント」(または「アカウント」)
- 「更新オプション」→「今すぐ更新」をクリック
Windows Updateからも、Office製品の更新プログラムがインストールされる場合があります。
【原因6】受信者のメールクライアントが対応していない
塗りつぶしは正常に設定できているのに、送信した相手から「色が表示されない」と言われる場合は、受信者側の問題です。
相手が以下のような環境を使っていると、塗りつぶしが表示されないことがあります。
- テキスト形式で受信する設定になっている
- 古いメールクライアントを使用している
- セキュリティ設定でHTML形式を無効にしている
解決方法:事前に確認する
重要な色分けやハイライトを使う場合は、事前に相手の受信環境を確認しましょう。どうしても伝える必要がある場合は、以下の代替手段があります。
- 太字や斜体など、より基本的な書式を使う
- 重要な箇所を「※」や「★」などの記号で囲む
- PDFファイルに変換して添付する
【原因7】アクセシビリティモードが有効になっている
Outlookのアクセシビリティ機能が有効になっていると、一部の視覚的な書式設定が制限される場合があります。
解決方法:アクセシビリティモードを確認する
- 「ファイル」→「オプション」→「簡単操作」
- 関連する設定を確認
- 必要に応じて調整
ただし、アクセシビリティ機能は視覚障害のある方などにとって重要なものなので、本当に必要な場合以外はオンのままにしておくことをおすすめします。
【原因8】Outlookのプロファイルやキャッシュの問題
Outlookのユーザープロファイルやキャッシュファイルが破損していると、様々な機能に不具合が生じます。
解決方法:Officeの修復機能を使う
- コントロールパネルを開く
- 「プログラムと機能」をクリック
- 「Microsoft Office」または「Microsoft 365」を右クリック
- 「変更」をクリック
- 「クイック修復」を選択して「修復」をクリック
クイック修復で解決しない場合は、「オンライン修復」を試してください。ただし、オンライン修復にはインターネット接続が必要で、時間もかかります。
塗りつぶし機能を効果的に使うコツ
機能が使えるようになったら、より効果的な活用方法も知っておきましょう。
色の使い分け
塗りつぶしの色は複数ありますが、使いすぎると逆に読みにくくなります。
効果的な使い方:
- 黄色:最も一般的、重要な箇所に使う
- ピンク/赤:特に注意が必要な箇所、期限が迫っているものなど
- 緑:完了した項目、承認済みの箇所
- 青:補足情報、参考事項
1つのメールで使う色は、2〜3色までに抑えると見やすくなります。
他の書式設定との組み合わせ
塗りつぶしだけでなく、他の書式設定と組み合わせることで、さらに分かりやすくなります。
おすすめの組み合わせ:
- 塗りつぶし + 太字:最重要ポイント
- 塗りつぶし + 赤文字:警告や注意事項
- 塗りつぶし + 文字サイズ変更:見出しの強調
ただし、やりすぎは禁物です。シンプルで読みやすいことを最優先にしましょう。
ビジネスメールでの注意点
社外へのメールで塗りつぶしを使う場合、いくつか注意点があります。
注意すべきポイント:
- 初めての取引先や目上の方へのメールでは、控えめに使う
- 派手すぎる色(鮮やかなピンクなど)は避ける
- 社内の慣習やスタイルガイドに従う
- 重要な契約内容など、誤解を招きたくない情報には使わない方が安全
カジュアルすぎる印象を与えないよう、相手との関係性や内容に応じて使い分けましょう。
その他の強調方法も活用しよう
塗りつぶし以外にも、文章を強調する方法はたくさんあります。
基本的な書式設定
- 太字(Ctrl + B):最もシンプルで効果的
- 斜体(Ctrl + I):補足情報や外来語に
- 下線(Ctrl + U):重要な箇所に
文字の色変更
塗りつぶしではなく、文字そのものの色を変える方法もあります。
使い方:
- 色を変えたい文字を選択
- 「書式設定」タブの「フォントの色」ボタンをクリック
- 好きな色を選択
ただし、赤文字は「怒っている」「指摘している」といった印象を与える可能性があるので、使う場面に注意が必要です。
箇条書きと段落番号
長い文章を読みやすくするには、箇条書きが効果的です。
種類:
- 箇条書き(●や■):順序が重要でないリスト
- 段落番号(1、2、3):順序や手順を示すリスト
塗りつぶしよりも、構造的に情報を整理できる場合があります。
表の活用
データや比較情報を示す場合は、表を使うのも一つの方法です。
- 「挿入」タブ→「表」をクリック
- 必要な行と列の数を選択
- データを入力
表なら、セルごとに背景色を設定することもできます。
よくある質問(Q&A)
Q1. スマホのOutlookアプリでも塗りつぶしは使えますか?
iOSやAndroidのOutlookアプリでは、デスクトップ版ほど豊富な書式設定機能はありません。
基本的な太字や斜体は使えますが、蛍光ペンのような塗りつぶし機能は、モバイルアプリでは制限されています。
どうしても塗りつぶしを使いたい場合は、パソコンで作成してから送信するか、下書きとして保存しておいてパソコンで編集する方法があります。
Q2. 相手がGmailを使っている場合、塗りつぶしは表示されますか?
はい、GmailはHTML形式のメールに対応しているため、塗りつぶしも正常に表示されます。
ただし、相手がGmailの設定で「簡易HTML形式」にしている場合や、非常に古いブラウザを使っている場合は、表示されない可能性があります。
Q3. 塗りつぶした文字を印刷すると色が出ません。
プリンタの設定で「白黒印刷」や「グレースケール」になっている可能性があります。
解決方法:
- 印刷画面で「プリンターのプロパティ」を開く
- カラー設定を「カラー」に変更
- 「OK」をクリックして印刷
また、インクやトナーが切れていないかも確認してください。
Q4. 一度設定した塗りつぶしを解除するにはどうすればいいですか?
塗りつぶしを解除したい文字を選択して、蛍光ペンボタンの横にある下向き矢印をクリックし、「色なし」を選択します。
または、選択した状態で蛍光ペンボタンを何度かクリックすると、色が切り替わり、最終的に「色なし」に戻ります。
Q5. 会社のポリシーで塗りつぶしが使えないと言われました。
企業によっては、セキュリティやブランディングの観点から、メールの書式設定に制限をかけている場合があります。
このような場合は、IT部門やシステム管理者の指示に従ってください。代替の強調方法(太字、記号など)を使うことで、同様の効果を得られます。
まとめ:塗りつぶし機能を使いこなして分かりやすいメールを
Outlookの塗りつぶし機能は、重要な情報を視覚的に強調できる便利なツールです。
この記事のポイント:
- 最も多い原因は「メール形式がテキスト形式になっている」こと
- HTML形式に変更すれば、ほとんどの場合で解決する
- デフォルト設定を変更すれば、毎回HTML形式で作成できる
- 相手の受信環境によっては表示されない可能性もある
- 使いすぎは逆効果、シンプルさを保つことが大切
困ったときのチェックリスト:
- メール形式がHTML形式になっているか確認
- 「書式設定」タブで蛍光ペンアイコンを探す
- Outlookのバージョンを最新にアップデート
- 必要に応じてOfficeの修復機能を実行
塗りつぶし機能を適切に使えば、相手にとって読みやすく、理解しやすいメールを作成できます。ビジネスシーンでも使える便利な機能なので、ぜひマスターしてください。
ただし、使いすぎには注意して、相手との関係性や内容に応じて適切に活用していきましょう。

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