月曜日の朝、いつものようにパソコンを起動してOutlookを開くと、突然こんなメッセージが。
「現在接続できません。ネットワークを確認して、後でもう一度お試しください。」
昨日まで普通に使えていたのに、何が起きたの?急ぎのメールをチェックしたいのに…。
こんな経験、ありますよね。このエラーは、Outlookユーザーが最も頻繁に遭遇するトラブルの一つです。でも心配しないでください。ほとんどの場合、数分から数十分で解決できます。
この記事では、「現在接続できません」エラーの原因と、それぞれの状況に合わせた解決方法を、初心者の方にも分かりやすく説明していきます。
- まず確認!本当にネットワークの問題?5秒でチェック
- 【解決法1】Outlookとパソコンを再起動する(最も簡単で効果的)
- 【解決法2】オフライン作業モードを解除する
- 【解決法3】アカウント設定を修復する
- 【解決法4】アカウントを削除して再設定する
- 【解決法5】インターネット接続設定を確認する
- 【解決法6】Outlookデータファイルを修復する
- 【解決法7】アドインを無効化する
- 【解決法8】OfficeとWindowsを最新の状態に更新する
- 【解決法9】新しいOutlookプロファイルを作成する
- 【解決法10】レジストリ設定を確認する(上級者向け)
- 特殊なケース:会社のネットワークでの問題
- トラブルシューティング:よくある質問と回答
- 予防策:エラーを未然に防ぐ方法
- まとめ:段階的に試して確実に解決しよう
まず確認!本当にネットワークの問題?5秒でチェック

エラーメッセージには「ネットワークを確認」と書かれていますが、実はネットワーク以外が原因のことも多いんです。
まずは、本当にネットワークに問題があるのか確認しましょう。
ブラウザでウェブサイトを開いてみる
- Google ChromeやMicrosoft Edgeなどのブラウザを開く
- 「google.com」や「yahoo.co.jp」など、任意のウェブサイトにアクセス
- 正常に表示されるか確認
ウェブサイトが表示される場合:
ネットワークは正常です。問題はOutlookの設定やソフトウェアにあります。この記事の解決方法を順番に試してください。
ウェブサイトが表示されない場合:
本当にネットワークに問題があります。Wi-Fiの接続を確認するか、ルーターを再起動してください。
Outlook Web版を試してみる
もう一つの確認方法として、ブラウザでOutlookにアクセスしてみましょう。
- ブラウザで「outlook.office.com」にアクセス
- ログイン情報を入力
Web版が正常に動作する場合、問題はデスクトップ版Outlookのアプリケーション設定にあります。
【解決法1】Outlookとパソコンを再起動する(最も簡単で効果的)
意外かもしれませんが、単純な再起動で解決することが非常に多いです。
Outlookだけを再起動する手順
- Outlookの右上の「×」ボタンをクリックして終了
- タスクマネージャーを開く(Ctrl + Shift + Esc)
- 「プロセス」タブで「Outlook」が残っていないか確認
- もし残っていたら、右クリックして「タスクの終了」を選択
- タスクマネージャーを閉じる
- Outlookを再度起動
パソコン全体を再起動
Outlookだけの再起動で解決しない場合は、パソコン全体を再起動してみましょう。
再起動することで、一時的なメモリの問題やネットワークの不具合がリセットされます。
再起動後、Outlookを開いて接続できるか確認してください。これだけで解決することが本当に多いです。
【解決法2】オフライン作業モードを解除する
Outlookが「オフライン作業」モードになっていると、サーバーに接続できません。
オフライン作業モードの確認と解除
確認方法:
Outlookの画面下部のステータスバーを見てください。「オフライン作業中」や「切断」と表示されていませんか?
解除方法:
- Outlookの上部メニューで「送受信」タブをクリック
- 「オフライン作業」ボタンを探す
- このボタンが強調表示(押された状態)になっていたらクリック
- ボタンの強調が解除され、オンラインモードになります
または:
- 画面下部のステータスバーで「オフライン作業中」をクリック
- 自動的にオンラインモードに切り替わります
なぜオフラインモードになるのか
以下の状況でオフラインモードになることがあります:
- パソコンがスリープから復帰した直後
- ネットワークが一時的に切断された
- 誤ってオフラインモードボタンを押してしまった
- Outlookの設定で自動的にオフラインになるよう設定されている
【解決法3】アカウント設定を修復する
Outlookのアカウント設定が破損すると、サーバーに接続できなくなります。Outlookには、これを自動的に修復する機能があります。
アカウント修復の手順
ステップ1:アカウント設定画面を開く
- Outlookを起動
- 左上の「ファイル」タブをクリック
- 「アカウント設定」をクリック
- もう一度「アカウント設定」を選択
ステップ2:修復を実行
- 「メール」タブで、問題のあるアカウントを選択(通常、アイコンがオレンジ色になっています)
- 上部の「修復」ボタンをクリック
- 修復ウィザードが起動します
ステップ3:ウィザードの指示に従う
- アカウント情報の確認画面が表示されます
- パスワードを再入力するよう求められる場合があります
- 正確にパスワードを入力してください
- 「次へ」をクリック
- Outlookが自動的にサーバーに接続して設定を確認します
- 修復が完了したら「完了」をクリック
ステップ4:Outlookを再起動
修復が完了したら、Outlookを一度終了して再起動してください。
修復できない場合
Exchange 2016を使用している環境では、「修復」ボタンが表示されないことがあります。その場合は、次の「解決法4」のアカウント再設定を試してください。
【解決法4】アカウントを削除して再設定する
修復で解決しない場合、アカウントを一度削除して、もう一度設定し直すと効果的です。
重要な注意点
POPアカウントを使用している場合:
アカウントを削除すると、過去に受信したメールも削除される可能性があります。必ず事前にバックアップを取ってください。
IMAPまたはExchangeアカウントの場合:
メールはサーバーに保存されているので、アカウントを削除しても消えません。再設定後に再度ダウンロードされます。
アカウント削除と再設定の手順
ステップ1:アカウントを削除
- 「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」
- 問題のあるアカウントを選択
- 「削除」ボタンをクリック
- 確認画面で「はい」をクリック
ステップ2:アカウントを再追加
- 同じ画面で「新規」ボタンをクリック
- メールアドレスを入力
- 「詳細オプション」をクリック
- 「自分で自分のアカウントを手動で設定」にチェックを入れる
- 「接続」をクリック
- アカウントの種類を選択(IMAP、POP、Exchangeなど)
- サーバー情報とパスワードを正確に入力
- 「次へ」をクリック
ステップ3:接続テスト
Outlookが自動的にサーバーに接続して、設定が正しいか確認します。すべてのチェックに緑のチェックマークが付けば成功です。
【解決法5】インターネット接続設定を確認する
特定のネットワーク設定が原因で接続できないことがあります。
プロキシ設定の確認
会社のネットワークでは、プロキシサーバーを経由してインターネットに接続することがあります。
確認手順:
- Windowsの「設定」を開く(Windowsキー + I)
- 「ネットワークとインターネット」を選択
- 左側のメニューで「プロキシ」をクリック
- 「プロキシサーバーを使う」がオンになっている場合、一時的にオフにしてみる
- Outlookで接続できるか確認
VPNの影響を確認
VPN(仮想プライベートネットワーク)を使用している場合、これが原因で接続できないことがあります。
- VPNを一時的に切断
- Outlookで接続を試す
- 接続できた場合、VPNの設定を見直す必要があります
ファイアウォールとセキュリティソフト
ファイアウォールやウイルス対策ソフトがOutlookの通信をブロックしている可能性があります。
確認方法:
- セキュリティソフトの設定を開く
- 「許可されたアプリ」または「例外」の一覧を確認
- 「Outlook.exe」が許可リストに含まれているか確認
- 含まれていない場合、追加する
注意:ファイアウォールを完全に無効化するのは危険です。一時的な確認のためだけに使用し、確認後は必ず再度有効化してください。
【解決法6】Outlookデータファイルを修復する
Outlookは、メールやカレンダーのデータを.ostファイルまたは.pstファイルに保存しています。このファイルが破損すると接続エラーが発生します。
データファイルの場所を確認
- 「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」
- 「データファイル」タブをクリック
- ファイルを選択して「ファイルの場所を開く」をクリック
.ostファイルの場合(Exchangeアカウント)
.ostファイルは、サーバーと同期しているキャッシュファイルです。
安全な修復方法:
- Outlookを完全に終了
- 上記の手順で.ostファイルの場所を確認
- ファイルの名前を変更(例:Outlook.ost → Outlook_old.ost)
- Outlookを再起動
- 新しい.ostファイルが自動的に作成され、サーバーからデータが再ダウンロードされます
注意:この方法では、送信トレイに残っている未送信メールが消える可能性があります。事前に確認してください。
.pstファイルの場合(POPアカウント)
.pstファイルには、すべてのメールデータが含まれています。慎重に扱う必要があります。
受信トレイ修復ツールを使用:
- エクスプローラーを開く
- 以下のパスに移動(コピー&ペーストしてください):
- 64ビット版:C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16
- 32ビット版:C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16
- 「SCANPST.EXE」を見つけてダブルクリック
- 「参照」をクリックして、修復したい.pstファイルを選択
- 「開始」ボタンをクリック
- エラーが見つかった場合、「修復」ボタンをクリック
修復には時間がかかることがあります。ファイルサイズが大きいほど長くなります。
【解決法7】アドインを無効化する
サードパーティのアドインが原因で接続できなくなることがあります。
セーフモードで起動して確認
ステップ1:セーフモードで起動
- Windowsキー + R を押す
- 「outlook.exe /safe」と入力
- Enterキーを押す
Outlookがセーフモードで起動します。この状態で接続できるなら、アドインが原因です。
ステップ2:問題のあるアドインを特定
- 通常通りOutlookを起動
- 「ファイル」→「オプション」→「アドイン」
- 下部の「管理」で「COMアドイン」を選択
- 「設定」をクリック
- インストールされているアドインの一覧が表示されます
- すべてのチェックを外して「OK」をクリック
- Outlookを再起動
ステップ3:一つずつ有効化
正常に接続できた場合、アドインを一つずつ有効化して、どれが問題かを特定します。
問題のあるアドインが見つかったら、アンインストールするか、開発元に問い合わせてください。
【解決法8】OfficeとWindowsを最新の状態に更新する
古いバージョンのOutlookやWindowsは、接続の問題を引き起こすことがあります。
Office更新プログラムのインストール
方法1:Outlook内から更新
- Outlookを起動(接続エラーが出ても起動できる場合)
- 「ファイル」→「Officeアカウント」
- 「更新オプション」→「今すぐ更新」をクリック
方法2:Windows Updateから更新
- Windowsの「設定」を開く
- 「Windows Update」を選択
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
- Officeの更新プログラムがあればインストール
Windows更新プログラムのインストール
- 「設定」→「Windows Update」
- 「更新プログラムのチェック」
- 利用可能な更新プログラムがあればインストール
- 必要に応じてパソコンを再起動
【解決法9】新しいOutlookプロファイルを作成する

既存のプロファイル全体が破損している場合、新しいプロファイルを作成すると解決できます。
プロファイル作成の手順
ステップ1:コントロールパネルを開く
- Windowsの検索ボックスに「コントロールパネル」と入力
- 「コントロールパネル」を開く
- 表示方法を「大きいアイコン」に変更
- 「メール(Microsoft Outlook)」をクリック
ステップ2:新しいプロファイルを追加
- 「プロファイルの表示」ボタンをクリック
- 「追加」ボタンをクリック
- 新しいプロファイル名を入力(例:「Outlook新規」)
- 「OK」をクリック
- アカウント設定ウィザードが起動するので、メールアドレスとパスワードを入力
- ウィザードの指示に従ってアカウントを設定
ステップ3:新しいプロファイルを既定に設定
- プロファイル一覧画面に戻ります
- 「常に使用するプロファイル」を選択
- ドロップダウンメニューから新しいプロファイルを選択
- 「OK」をクリック
ステップ4:Outlookを再起動
Outlookを開くと、新しいプロファイルで起動します。接続できるか確認してください。
【解決法10】レジストリ設定を確認する(上級者向け)
レジストリの設定が原因で接続できない場合があります。ただし、レジストリの編集は慎重に行う必要があります。
重要な警告
レジストリの誤った変更は、Windowsシステム全体に深刻な問題を引き起こす可能性があります。
- 必ずレジストリのバックアップを取ってから作業してください
- 自信がない場合は、IT管理者に相談してください
- 間違った変更をすると、Windowsが起動しなくなることもあります
自動検出の設定を確認
ステップ1:レジストリエディタを開く
- Windowsキー + R を押す
- 「regedit」と入力してEnterキーを押す
- ユーザーアカウント制御の画面が表示されたら「はい」をクリック
ステップ2:該当のキーに移動
以下のパスに移動します(Officeのバージョンに応じて変わります):
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Outlook\AutoDiscover
(16.0はOffice 2016/2019/Microsoft 365、15.0はOffice 2013)
ステップ3:値を確認・設定
- 右側のウィンドウで「ExcludeLastKnownGoodUrl」という項目を探す
- この項目がない場合、新規作成:
- 右クリック→「新規」→「DWORD(32ビット)値」
- 名前を「ExcludeLastKnownGoodUrl」に設定
- この値をダブルクリック
- 値のデータを「1」に設定
- 「OK」をクリック
- レジストリエディタを閉じる
- Outlookを再起動
特殊なケース:会社のネットワークでの問題
会社のExchangeサーバーに接続している場合、追加の確認が必要です。
IT部門に確認すべきこと
- Exchangeサーバーが正常に動作しているか
- ネットワークのファイアウォール設定に変更がないか
- VPN接続が必要な場合、正しく接続されているか
- アカウントがロックされていないか
- Exchangeサーバーのメンテナンス中でないか
自宅から会社のメールに接続できない場合
リモートワーク環境では、以下を確認してください:
- 会社のVPNに接続しているか
- 自宅のネットワークが会社のセキュリティ要件を満たしているか
- 二段階認証が必要な場合、正しく設定されているか
- 会社のIT部門がリモートアクセスを許可しているか
トラブルシューティング:よくある質問と回答
Q. 「切断」と「再試行」が繰り返し表示される
A. ネットワーク接続が不安定です
この現象は、Wi-Fiが弱い、または不安定な場合によく起こります。
- 有線LANに切り替えてみる
- Wi-Fiルーターに近づく
- ルーターを再起動する
- 別のネットワークで試してみる
Q. 特定のフォルダーだけ同期できない
A. フォルダーサイズの問題かもしれません
Outlookには、同期できるアイテム数に推奨制限があります。
- 1フォルダーあたり5,000アイテムまで
- 合計500フォルダーまで
これを超えると、パフォーマンスが低下したり、同期エラーが発生します。
解決方法:
- 古いメールをアーカイブする
- 不要なメールを削除する
- フォルダーを整理して数を減らす
Q. Web版は使えるのにデスクトップ版が使えない
A. デスクトップ版の設定に問題があります
Web版が正常に動作する場合、サーバー側には問題ありません。
この場合、以下を順番に試してください:
- アカウントの修復(解決法3)
- データファイルの修復(解決法6)
- 新しいプロファイルの作成(解決法9)
Q. 「サーバーは利用できません」というエラーが出る
A. メールサーバーがダウンしているか、設定が間違っています
まず、Web版でアクセスしてみてください。
- Web版も使えない場合:サーバーのメンテナンスやトラブルの可能性
- Web版は使える場合:デスクトップ版の設定を確認
Q. 朝だけエラーが出る
A. パソコンのスリープ復帰に問題があります
パソコンをスリープから復帰させた直後は、ネットワーク接続が完全に確立するまで時間がかかることがあります。
解決方法:
- スリープから復帰後、1〜2分待ってからOutlookを起動
- Outlookを常に起動したままにする設定を見直す
- 電源オプションでネットワークアダプターの省電力設定を無効化
予防策:エラーを未然に防ぐ方法
定期的なメンテナンス
月に一度は以下を実行しましょう:
- 不要なメールを削除
- 古いメールをアーカイブ
- 送信済みアイテムフォルダーを整理
- 削除済みアイテムを完全削除
バックアップの習慣
重要なメールは定期的にバックアップを取りましょう。
Exchangeアカウント:
- 重要なメールをローカルの.pstファイルにエクスポート
- OneDriveやGoogle Driveに保存
POPアカウント:
- .pstファイル自体を外付けドライブにコピー
- 週に一度のバックアップを習慣化
Officeの自動更新を有効化
- 「ファイル」→「Officeアカウント」
- 「更新オプション」→「更新を有効にする」
- これで、自動的に最新の状態に保たれます
まとめ:段階的に試して確実に解決しよう
「現在接続できません」エラーは、原因が多岐にわたるため、一つの方法ですぐに解決するとは限りません。
推奨する対処順序:
- まず基本から:Outlookとパソコンを再起動(解決法1)
- 簡単な設定確認:オフライン作業モードの解除(解決法2)
- 設定の修復:アカウント設定の修復(解決法3)
- 少し手間がかかる:アカウントの再設定(解決法4)
- 外部要因の確認:ネットワーク設定とセキュリティソフト(解決法5)
- データファイルの問題:.ost/.pstファイルの修復(解決法6)
- アドインの影響:セーフモードでの確認(解決法7)
- ソフトウェア更新:OfficeとWindowsの更新(解決法8)
- プロファイル再作成:新しいプロファイルの作成(解決法9)
- 最終手段:レジストリ設定の確認(解決法10)
重要なポイント:
- 一つの方法を試したら、必ず結果を確認してから次に進む
- 会社のパソコンの場合、勝手に設定を変更せず、IT部門に相談する
- 重要なデータは必ずバックアップを取ってから作業する
- 自信がない操作は無理せず、専門家に相談する
多くの場合、最初の3つの方法(再起動、オフライン作業解除、アカウント修復)で解決します。それでも解決しない場合は、少し時間をかけて残りの方法を順番に試してみてください。
このエラーは必ず解決できます。焦らず、一つずつ確実に進めていきましょう!

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