メールでXML形式のファイルを受け取ったのに、Outlookでダウンロードできない…そんな経験はありませんか?
添付ファイルに禁止マークが表示されていたり、「アクセスがブロックされました」というメッセージが出たりして、困っている方も多いでしょう。
この記事では、OutlookでXMLファイルがダウンロードできない問題の原因と、状況に応じた確実な解決方法を分かりやすく解説します。
問題は2種類ある!まず状況を確認しよう

「OutlookでXMLがダウンロードできない」という問題には、実は大きく分けて2つのケースがあります。
ケース1:XML添付ファイルがブロックされる
メールの添付ファイルとして送られてきたXMLファイルに、禁止マーク(赤い丸に斜線)が表示されていて、ダウンロードや開くことができない状態です。
よくある表示:
- 添付ファイルアイコンに赤い禁止マークが表示
- 「アクセスがブロックされました」
- 「Outlookは次の安全でない可能性のある添付ファイルへのアクセスをブロックしました」
このケースは、Web版Outlook(Outlook on the web)や新しいOutlookで特に発生しやすい問題です。
ケース2:Outlookが起動できない「無効なXML」エラー
Outlookを起動しようとすると、以下のようなエラーメッセージが表示されて起動できない状態です。
エラーメッセージ:
- 「Microsoft Office Outlookを起動できません」
- 「Outlookウィンドウを開けません」
- 「無効なXMLです。ビューは読み込めません」
このケースは、Outlookの設定ファイル(XMLファイル)が破損している問題です。
あなたの状況はどちらですか?
- メールの添付ファイルが開けない → ケース1に該当
- Outlook自体が起動しない → ケース2に該当
以下、それぞれのケースごとに解決方法を説明していきます。
【ケース1】XML添付ファイルがブロックされる問題の解決方法
このケースでは、Outlookのセキュリティ設定でXMLファイルがブロックされています。
なぜXMLファイルがブロックされるのか?
OutlookはセキュリティのためXMLファイルを含む特定の拡張子のファイルを自動的にブロックします。
ブロックされる理由:
- XMLファイルに悪意のあるスクリプトが埋め込まれる可能性
- XMLボム攻撃(小さなファイルがメモリを大量消費する攻撃)のリスク
- XSLTを使った不正なWebページへの変換
特にWeb版Outlook(OWA)と新しいOutlookでは、デフォルトでXMLファイルが厳格にブロックされます。
【解決方法1】送信者に圧縮ファイルで送り直してもらう(最も簡単・推奨)
自分で設定を変更できない場合や、手っ取り早く解決したい場合は、送信者にファイルを圧縮(ZIP形式)して送り直してもらうのが最も簡単です。
手順:
- 送信者に連絡
- XMLファイルを右クリック
- 「送る」→「圧縮(zip形式)フォルダー」を選択
- 作成されたZIPファイルをメールで送信してもらう
- ZIPファイルを受信後、解凍してXMLファイルを取り出す
メリット:
- 設定変更不要
- 誰でもすぐにできる
- セキュリティリスクが低い
デメリット:
- 送信者の協力が必要
【解決方法2】OneDrive経由でダウンロードする(Outlook.comユーザー向け)
Web版Outlookを使っている場合、添付ファイルをOneDriveに保存してからダウンロードする方法があります。
手順:
- Web版Outlookでメールを開く
- 添付ファイルの右側にある「∨」(下矢印)をクリック
- 「OneDrive 個人用に保存」を選択
- OneDriveを開く
- 保存されたXMLファイルを右クリック
- 「ダウンロード」を選択
メリット:
- 設定変更不要
- すぐに実行できる
デメリット:
- OneDriveの容量を使用
- 少し手間がかかる
【解決方法3】クラシック版Outlookを使う
新しいOutlookでXMLファイルがブロックされている場合、クラシック版(従来のOutlook)に切り替えることで開ける可能性があります。
新しいOutlookからクラシック版に戻す方法:
- 新しいOutlookを開く
- 右上の「設定」(歯車アイコン)をクリック
- 画面上部に表示される「新しいOutlookを試す」のトグルをオフにする
- クラシック版Outlookが起動する
- 同じメールを開いてXMLファイルをダウンロード
メリット:
- すぐに試せる
- 設定変更不要
デメリット:
- 新しいOutlookの機能が使えなくなる
【解決方法4】管理者に設定変更を依頼する(法人ユーザー向け)
会社のMicrosoft 365やExchangeサーバーを使っている場合、IT管理者にXMLファイルのブロック解除を依頼する必要があります。
依頼する内容:
「Outlook on the webでXMLファイルの添付ファイルがダウンロードできません。ポリシー設定でXMLファイルのブロックを解除していただけますか?」
管理者は以下のPowerShellコマンドで設定を変更します(参考情報として記載)。
Get-OwaMailboxPolicy | Set-OwaMailboxPolicy -BlockedFileTypes @{Remove = ".xml"}
Get-OwaMailboxPolicy | Set-OwaMailboxPolicy -AllowedFileTypes @{Add = ".xml"}
Get-OwaMailboxPolicy | Set-OwaMailboxPolicy -BlockedMimeTypes @{Remove = "text/xml", "application/xml"}
Get-OwaMailboxPolicy | Set-OwaMailboxPolicy –AllowedMimeTypes @{Add = "text/xml", "application/xml"}
注意: 設定変更には数分から数時間かかる場合があります。また、セキュリティリスクが高まるため、必要性をよく検討してもらいましょう。
【解決方法5】個人用Outlookのブロック設定を解除する(上級者向け)
個人でOutlookを使っている場合、レジストリを編集してブロックを解除できます。
警告: レジストリの編集は慎重に行ってください。間違えるとシステムに深刻な問題が発生する可能性があります。必ずバックアップを取ってから実行してください。
手順:
- Windows + Rキーを押す
- 「regedit」と入力してEnterキー
- レジストリエディターが起動する
- 以下のパスに移動:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Outlook\Security
(Outlookのバージョンによって「16.0」の部分が異なります)
- 右ペインで右クリック→「新規」→「文字列値」
- 名前を「Level1Remove」と入力
- 作成した「Level1Remove」をダブルクリック
- 値のデータに「.xml」と入力
- 「OK」をクリック
- レジストリエディターを閉じる
- Outlookを再起動
メリット:
- 個人で完結できる
- 永続的に解除される
デメリット:
- レジストリ編集のリスク
- セキュリティが低下する
【ケース2】Outlook起動時の「無効なXML」エラーの解決方法

Outlookが起動しないこのエラーは、ナビゲーションペインの設定を保存するXMLファイルが破損しているのが原因です。
【解決方法1】ナビゲーションペインをリセットする(最優先)
最も効果的で安全な方法です。
手順:
- Outlookを完全に終了
- Windows + Rキーを押す
- 「ファイル名を指定して実行」が表示される
- 以下を正確に入力(outlook.exeと/の間に半角スペースを入れてください):
outlook.exe /resetnavpane
- Enterキーを押す
- Outlookが起動する
重要: 「outlook.exe」と「/resetnavpane」の間には必ず半角スペースを入れてください。
この操作により、破損したナビゲーションペインの設定ファイルが再作成され、Outlookが正常に起動するようになります。
メリット:
- 簡単で安全
- データは失われない
- すぐに実行できる
デメリット:
- ナビゲーションペインのカスタマイズ設定がリセットされる
【解決方法2】破損したXMLファイルを手動で削除する
コマンドでうまくいかない場合は、設定ファイルを直接削除します。
手順:
- Outlookを完全に終了
- エクスプローラーを開く
- 以下のパスに移動:
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Microsoft\Outlook
([ユーザー名]は自分のWindowsユーザー名)
- 「[プロファイル名].xml」という名前のファイルを探す
例:「Outlook.xml」 - このファイルを右クリック→「削除」
(念のため、削除前にデスクトップなどにバックアップコピーを作成推奨) - Outlookを起動
Outlookが起動時に新しい設定ファイルを自動的に作成します。
注意: AppDataフォルダは隠しフォルダです。表示されない場合は、エクスプローラーの「表示」タブで「隠しファイル」にチェックを入れてください。
【解決方法3】Officeの修復を実行する
上記の方法で解決しない場合は、Office全体を修復します。
手順:
- Outlookを終了
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」を開く
- 「Microsoft 365」または「Microsoft Office」を探す
- 「…」(三点リーダー)をクリック
- 「変更」を選択
- 「クイック修復」を選択して実行
- 解決しない場合は「オンライン修復」を実行
メリット:
- 根本的な問題を解決できる
デメリット:
- 時間がかかる(特にオンライン修復)
- インターネット接続が必要(オンライン修復の場合)
セキュリティ上の注意点
XMLファイルのブロックを解除する場合、以下の点に注意してください。
信頼できる送信元からのみ開く
XMLファイルには悪意のあるコードが含まれている可能性があります。知らない人や怪しいメールから届いたXMLファイルは絶対に開かないでください。
ウイルス対策ソフトでスキャン
ダウンロードしたXMLファイルは、開く前に必ずウイルス対策ソフトでスキャンしてください。
必要最小限のブロック解除
管理者にブロック解除を依頼する場合、すべてのファイルタイプを解除するのではなく、XMLファイルのみに限定してもらいましょう。
よくある質問
なぜ以前は開けたのに今は開けないの?
新しいOutlookやOutlook on the webでは、セキュリティが強化されています。以前のバージョンでは開けていたXMLファイルが、現在のバージョンではブロックされるようになりました。
ブロックを解除するとどんなリスクがある?
XMLファイルには以下のようなリスクがあります:
- 悪意のあるスクリプトの実行
- XMLボム攻撃によるメモリ消費
- 不正なWebページへのリダイレクト
信頼できる相手からのファイルのみを開くようにしてください。
特定のXMLファイルだけブロック解除できる?
残念ながら、Outlookの設定では「すべてのXMLファイル」に対してブロック/解除を設定することしかできません。特定のファイルだけを許可することはできません。
新しいOutlookと旧Outlookで動作が違うのはなぜ?
新しいOutlookは、Web版Outlookと同じセキュリティポリシーを使用しています。そのため、デスクトップ版の旧Outlookよりも厳格にファイルをブロックします。
XMLファイルを頻繁に扱う場合は、当面クラシック版Outlookの使用を検討してください。
まとめ
OutlookでXMLファイルがダウンロードできない問題には、2つのケースがあります。
ケース1:添付ファイルがブロックされる場合
推奨解決方法の優先順位:
- 送信者にZIP圧縮ファイルで送り直してもらう(最も簡単)
- OneDrive経由でダウンロード(Web版Outlook)
- クラシック版Outlookを使う
- 管理者に設定変更を依頼(法人)
- レジストリ編集(個人・上級者のみ)
ケース2:Outlookが起動しない「無効なXML」エラー
解決方法の優先順位:
- outlook.exe /resetnavpaneコマンドを実行(最優先)
- 破損したXMLファイルを手動削除
- Officeの修復を実行
重要なポイント:
- XMLファイルは セキュリティリスクがあるため、信頼できる送信元からのみ開く
- 新しいOutlookでは厳格にブロックされる
- 法人の場合は管理者への相談が必要
- 個人でレジストリを編集する場合は慎重に
XMLファイルのブロックは、セキュリティを守るための重要な機能です。本当に必要な場合のみブロックを解除し、怪しいファイルは絶対に開かないようにしてください。
それでも解決しない場合は、プロバイダーやIT管理者、Microsoftサポートに相談することをおすすめします。

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