「いつも使っていたOutlookの翻訳機能が、突然消えてしまった…」
英語やその他の言語のメールを受信したとき、Outlookの翻訳機能は本当に便利ですよね。「メッセージを日本語に翻訳する」をクリックするだけで、簡単に内容を理解できます。ところが、突然この翻訳ボタンが表示されなくなってしまうことがあるんです。
Outlookの翻訳機能が消える問題は、接続エクスペリエンスの設定、翻訳設定のチェック漏れ、新しいOutlookでのライセンス制限、リボンの表示設定、Officeのバージョン問題など、様々な原因で発生します。特に、新しいOutlook for Windowsでは、アカウントの種類によって翻訳機能が使えないケースが報告されています。
この記事では、Outlookの翻訳機能が消えた・表示されない問題の原因と、段階的な解決方法を詳しく解説します。あなたの状況に合った対処法を見つけて、翻訳機能を復活させましょう。
Outlookの翻訳機能とは

まず、Outlookの翻訳機能について理解しておきましょう。
翻訳機能の種類
Outlookには、主に以下の翻訳機能があります。
1. メッセージ翻訳
外国語で書かれたメール全体を、指定した言語に翻訳する機能です。
通常、外国語のメールを開くと、メール本文の上部に「メッセージを日本語に翻訳する」というボタンが表示されます。
2. 選択テキストの翻訳
メール内の特定の単語やフレーズを選択して、右クリックメニューから翻訳できます。
3. ミニ翻訳(翻訳ポップアップ)
単語にマウスカーソルを合わせると、ポップアップで意味が表示される機能です。
翻訳機能の仕組み
Outlookの翻訳機能は、Microsoftのオンライン翻訳サービス「Microsoft Translator」を利用しています。
そのため、インターネット接続が必須で、オフラインでは使用できません。
翻訳機能が消える症状
以下のような症状が現れます。
- メールを開いても「メッセージを翻訳する」ボタンが表示されない
- 右クリックメニューに「翻訳」オプションがない
- リボンメニューに「翻訳」ボタンがない
- 設定画面に翻訳の項目が表示されない
- 翻訳ボタンがグレーアウトしていてクリックできない
翻訳機能が消える主な原因
翻訳機能が表示されなくなる原因を見ていきましょう。
原因1:接続エクスペリエンスがオフ
Outlookの「接続エクスペリエンス」設定がオフになっていると、オンライン翻訳サービスに接続できず、翻訳機能が使えません。
これが最も多い原因です。
原因2:翻訳設定のチェックが外れている
Outlook on the web(Web版)やデスクトップ版の設定で、翻訳機能のチェックが外れていることがあります。
特に、一度「今後表示しない」を選択してしまうと、翻訳ボタンが出なくなります。
原因3:新しいOutlookでのライセンス制限
新しいOutlook for Windowsでは、プライマリアカウントのライセンス種別によって、使える機能が制限されます。
- 個人向けOutlook.comアカウント:翻訳機能が使える
- 組織向けExchange Onlineアカウント:翻訳機能が使える
- 他社IMAP/POPアカウント:翻訳機能が使えないことがある
プライマリアカウントに他社メール(Gmail、Yahoo!メールなど)を設定していると、翻訳機能が表示されません。
原因4:リボンのユーザー設定
リボンメニューのカスタマイズで、翻訳ボタンが非表示になっている可能性があります。
原因5:Officeのバージョン問題
特定のバージョン(バージョン 2005 ビルド 12827.20268など)では、一時的に翻訳機能が削除されるバグがありました。
原因6:インターネット接続の問題
翻訳機能はオンラインサービスを利用するため、インターネット接続が不安定だと機能しません。
原因7:アドインの問題
「Translator for Outlook」アドインが無効になっている、または削除されている可能性があります。
【最初に試す】基本的なトラブルシューティング
まずは、簡単にできる基本的な対処法を試してみましょう。
対処法1:Outlookを再起動
一時的な不具合の場合、再起動で解決することがあります。
ステップ1:Outlookを完全に終了
Outlookを閉じます。
ステップ2:タスクマネージャーで確認
Ctrl + Shift + Esc を押して、タスクマネージャーを開きます。
「プロセス」タブで「Microsoft Outlook」が残っていないか確認してください。
ステップ3:再起動
数秒待ってから、Outlookを再起動します。
対処法2:インターネット接続を確認
ステップ1:ブラウザで確認
Webブラウザで任意のサイト(例:google.com)にアクセスして、インターネット接続を確認します。
ステップ2:接続が不安定な場合
Wi-Fiルーターを再起動するか、有線LANに切り替えてみてください。
対処法3:別の言語のメールで試す
現在開いているメールだけの問題かもしれません。
別の外国語メールを開いて、翻訳ボタンが表示されるか確認してください。
接続エクスペリエンスを有効化する
最も効果的な対処法です。
デスクトップ版Outlookでの設定
ステップ1:オプションを開く
「ファイル」タブ→「オプション」を選択します。
ステップ2:セキュリティセンター
左側のメニューから「セキュリティ センター」を選択してください。
ステップ3:セキュリティセンターの設定
「セキュリティ センターの設定」ボタンをクリックします。
ステップ4:プライバシーオプション
左側のメニューから「プライバシー オプション」を選択してください。
ステップ5:接続を有効化
以下の項目にチェックが入っているか確認します。
「Office を Microsoft のオンライン サービスに接続して、使用状況や環境設定に関連する機能を提供できるようにしますか?」
チェックが外れている場合は、チェックを入れてください。
ステップ6:OK
「OK」を2回クリックして、設定を保存します。
ステップ7:Outlookを再起動
Outlookを再起動して、翻訳ボタンが表示されるか確認しましょう。
全般設定での接続エクスペリエンス
ステップ1:オプションを開く
「ファイル」→「オプション」を選択します。
ステップ2:全般タブ
左側のメニューから「全般」を選択してください。
ステップ3:プライバシー設定
「プライバシー設定」ボタンをクリックします。
ステップ4:接続エクスペリエンスを確認
以下の項目にチェックが入っているか確認してください。
- 「接続エクスペリエンスを有効にする」
- 「すべての接続エクスペリエンス」
チェックが外れている場合は、チェックを入れます。
ステップ5:保存
設定を保存して、Outlookを再起動します。
翻訳設定を確認・有効化する

Outlook on the web(Web版)や新しいOutlookでの設定確認です。
Outlook on the webでの設定
ステップ1:設定を開く
画面右上の歯車アイコン(設定)をクリックします。
ステップ2:すべての設定を表示
「すべてのOutlook設定を表示」を選択してください。
ステップ3:メールの設定
「メール」→「メッセージの取り扱い」を選択します。
ステップ4:翻訳の項目を探す
下にスクロールして、「翻訳」のセクションを見つけてください。
ステップ5:翻訳を有効化
以下の項目にチェックを入れます。
- 「翻訳を有効にする」
- 「常にメッセージを翻訳する」(必要に応じて)
ステップ6:保存
「保存」ボタンをクリックして、設定を保存します。
翻訳の「今後表示しない」を解除
一度「今後表示しない」を選択してしまった場合、設定を変更する必要があります。
前述の「翻訳設定」で、再度有効化することで、翻訳ボタンが表示されるようになります。
リボンのユーザー設定を確認
リボンメニューから翻訳ボタンが消えている場合の対処法です。
リボンのカスタマイズ確認
ステップ1:オプションを開く
「ファイル」→「オプション」を選択します。
ステップ2:リボンのユーザー設定
左側のメニューから「リボンのユーザー設定」を選択してください。
ステップ3:メッセージタブを展開
右側の「メイン タブ」の中から、「メッセージ」を見つけて展開します。
ステップ4:翻訳の項目を確認
「翻訳」または「翻訳ツール」の項目があるか確認してください。
チェックが外れている場合は、チェックを入れます。
ステップ5:既定値に戻す(オプション)
うまく見つからない場合、画面右下の「リセット」→「リボンのすべてのカスタマイズをリセット」をクリックしてください。
確認メッセージが表示されるので、「はい」を選びます。
ステップ6:OK
「OK」をクリックして設定を保存します。
ステップ7:確認
メールを開いて、リボンに「翻訳」ボタンが表示されるか確認しましょう。
新しいOutlook for Windowsでの対処法
新しいOutlookで翻訳機能が使えない場合の特別な対処法です。
プライマリアカウントを確認
新しいOutlookでは、プライマリアカウント(最初に登録したアカウント)のライセンスによって、機能が制限されます。
確認方法
「設定」→「アカウント」→「メールアカウント」で、アカウントの一覧を確認してください。
一番上に表示されているのが、プライマリアカウントです。
プライマリアカウントを変更する
他社IMAP/POPアカウントがプライマリになっている場合、翻訳機能が使えません。
対処法1:アカウントの順序を変更
残念ながら、新しいOutlookでは、現時点でプライマリアカウントを簡単に変更する機能がありません。
対処法2:アカウントを削除して再追加
- 現在のすべてのアカウントを削除
- 最初にOutlook.comまたはExchange Onlineアカウントを追加
- その後、他のアカウントを追加
こうすることで、機能制限のないアカウントをプライマリにできます。
注意:アカウント削除前に、必ずデータをバックアップしてください。
Outlook.comで開く
他のアカウントで翻訳が使えない場合、Outlook.com(Web版)で開けば翻訳できます。
手順
- ブラウザでhttps://outlook.office.com/ を開く
- Outlook.comアカウントでサインイン
- 該当するメールを転送してもらうか、アカウントを追加
従来のOutlookに戻す
新しいOutlookで翻訳機能が使えない場合、従来版に戻すことを検討してください。
手順
画面右上にある「新しいOutlookを試す」トグルスイッチをオフにします。
従来版のOutlookに戻ります。
Officeを更新する
古いバージョンで翻訳機能に問題がある場合、更新で解決します。
Officeの更新方法
ステップ1:Outlookを起動
Outlookを起動します。
ステップ2:アカウント画面
「ファイル」→「Officeアカウント」または「アカウント」を選択してください。
ステップ3:更新オプション
「更新オプション」→「今すぐ更新」をクリックします。
ステップ4:更新を待つ
更新プログラムがダウンロードされ、インストールされます。
完了したら、Outlookを再起動してください。
バージョンの確認
現在のバージョンを確認して、問題のあるバージョンでないか確認しましょう。
確認方法
「ファイル」→「Officeアカウント」→「Outlookのバージョン情報」で確認できます。
問題のあったバージョン
- バージョン 2005 (ビルド 12827.20268)
このバージョンでは、翻訳機能が一時的に削除されていましたが、バージョン 2006 (ビルド 13001.20266)で修正されています。
アドインを確認・有効化する
翻訳アドインが無効になっている場合の対処法です。
アドインの状態を確認
ステップ1:オプションを開く
「ファイル」→「オプション」を選択します。
ステップ2:アドイン
左側のメニューから「アドイン」を選択してください。
ステップ3:COMアドインを管理
下部の「管理」ドロップダウンで「COMアドイン」を選択して、「設定」ボタンをクリックします。
ステップ4:翻訳アドインを確認
「Microsoft Translator」や「Translator for Outlook」という項目があるか確認してください。
チェックが外れている場合は、チェックを入れます。
ステップ5:OK
「OK」をクリックして、Outlookを再起動します。
アドインがない場合
アドインが一覧に表示されていない場合、Officeの修復やインストールが必要な場合があります。
Officeの修復を実行
上記の方法で解決しない場合、Officeを修復します。
クイック修復
ステップ1:設定を開く
「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」を開きます。
ステップ2:Microsoft Officeを見つける
「Microsoft 365」または「Microsoft Office」を探してください。
ステップ3:変更をクリック
アプリの右側にある「…」(三点メニュー)→「変更」を選択します。
ステップ4:クイック修復を選択
「クイック修復」を選択して、「修復」ボタンをクリックしてください。
数分で完了します。
ステップ5:確認
修復完了後、Outlookを起動して問題が解決したか確認しましょう。
オンライン修復
クイック修復で解決しない場合、オンライン修復を試します。
同じ手順で、「オンライン修復」を選択してください。
注意点
- インターネット接続が必要
- 時間がかかる(30分〜1時間程度)
- Officeのすべてのファイルを再インストール
代替手段:外部翻訳サービスを使う

Outlookの翻訳機能がどうしても復活しない場合の代替手段です。
Google翻訳
手順
- メール本文をコピー
- ブラウザでGoogle翻訳(https://translate.google.com/)を開く
- コピーしたテキストを貼り付け
Google翻訳は精度が高く、無料で使えます。
DeepL翻訳
手順
- メール本文をコピー
- ブラウザでDeepL翻訳(https://www.deepl.com/translator)を開く
- コピーしたテキストを貼り付け
DeepLは、特に自然な翻訳が得意です。
Gmailに転送
手順
- 翻訳したいメールをGmailに転送
- Gmailの自動翻訳機能を使う
Gmailには、高精度な翻訳機能が標準搭載されています。
注意:会社のポリシーで外部への転送が禁止されている場合があります。必ず確認してください。
トラブルシューティング
特定の状況での対処法です。
問題1:特定のメールだけ翻訳できない
原因
メールの形式や送信者の設定によって、翻訳できないことがあります。
対処法
メール本文をコピーして、Google翻訳などの外部サービスで翻訳してください。
問題2:翻訳ボタンは表示されるが、クリックできない
原因
インターネット接続が不安定、またはMicrosoft Translatorサービスに問題がある可能性があります。
対処法
- インターネット接続を確認
- しばらく時間をおいて再試行
- Microsoftのサービス状態を確認(https://status.office.com/)
問題3:翻訳の精度が低い
原因
専門用語や複雑な文章は、自動翻訳では正確に翻訳できないことがあります。
対処法
- 外部の翻訳サービス(DeepL、Google翻訳)を併用
- 重要なメールは、専門家に依頼
問題4:翻訳後にレイアウトが崩れる
原因
HTMLメールや特殊な書式のメールでは、翻訳後にレイアウトが崩れることがあります。
対処法
「元のメッセージを表示」で元に戻して、必要な部分だけをコピーして外部サービスで翻訳してください。
よくある質問と回答
新しいOutlookで翻訳機能が使えないのはなぜ?
新しいOutlook for Windowsでは、プライマリアカウントのライセンスによって機能が制限されます。他社IMAP/POPアカウントでは使えない場合があります。
接続エクスペリエンスを有効にしても翻訳が表示されない
Officeのバージョンが古い可能性があります。「今すぐ更新」で最新版に更新してください。
会社のパソコンで設定変更できない
管理者がグループポリシーで制限している可能性があります。IT部門に相談してください。
翻訳機能は無料で使える?
はい、Outlookの翻訳機能は、Microsoft 365やOutlook.comユーザーであれば無料で使えます。
翻訳の精度はどのくらい?
一般的なビジネスメールであれば、おおよその内容を理解できる程度の精度があります。専門用語や複雑な表現は、正確に翻訳できないこともあります。
まとめ:段階的に対処して翻訳機能を復活させよう
Outlookの翻訳機能が消えた・表示されない問題の解決方法を解説しました。
重要なポイントをおさらい
- まずは接続エクスペリエンスを有効化する
- 翻訳設定でチェックが入っているか確認
- リボンのユーザー設定を確認・リセット
- 新しいOutlookではプライマリアカウントのライセンスが重要
- Officeを最新版に更新する
- アドインが有効になっているか確認
- Officeの修復(クイック修復→オンライン修復)
- どうしてもダメなら外部翻訳サービスを活用
翻訳機能は、外国語メールを扱う上で欠かせない機能です。この記事の対処法を、簡単なものから順番に試していってください。
多くの場合、接続エクスペリエンスの有効化や翻訳設定の確認で解決します。新しいOutlookを使っている場合は、プライマリアカウントの確認も重要です。あなたのOutlookで翻訳機能が復活することを願っています!


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