「メールのリンクから共有フォルダが開けない…」
Outlookで受信したメールに記載されている社内の共有フォルダへのリンクをクリックしても、エラーになってしまう。そんな経験はありませんか?
ウェブサイトのリンクは開けるのに、なぜか共有フォルダだけ開けない。これは実は、一般的なハイパーリンクとは少し違う仕組みが関係しているんです。
この記事では、Outlookで共有フォルダのリンクが開けない原因と、具体的な解決方法を分かりやすく解説します。
ネットワークパスの基礎知識から、設定の変更方法まで、すぐに実践できる情報をお届けします!
共有フォルダのリンクとは?

ネットワーク上のフォルダを指すリンク
共有フォルダのリンクは、社内ネットワークやサーバー上にあるフォルダへのアドレスのことです。
通常、以下のような形式で表示されます。
UNCパス形式:
\\サーバー名\共有フォルダ名\ファイル名
例えば:
\\file-server\documents\project\report.docx
この「\」で始まる表記をUNCパス(Universal Naming Convention path)と呼びます。
通常のURLとの違い
ウェブサイトのURL(https://example.com)とは異なり、共有フォルダのリンクは:
- 社内ネットワークでのみアクセスできる
- Windowsのファイルシステムを使用している
- アクセス権限の設定が必要
このため、通常のウェブリンクとは開き方が少し違うんです。
共有フォルダのリンクが開けない原因
Outlookで共有フォルダのリンクが機能しない原因はいくつかあります。
1. UNCパスがハイパーリンクとして認識されない
Outlookの設定によっては、UNCパス形式のテキストが自動的にリンクに変換されないことがあります。
普通の文字列として表示されていると、クリックしても反応しません。
2. ネットワークドライブに接続していない
共有フォルダにアクセスするには、そのサーバーに接続している必要があります。
ネットワークドライブとして登録していない場合や、接続が切れている場合は開けません。
3. アクセス権限がない
共有フォルダには、誰がアクセスできるかという権限設定があります。
自分のアカウントに読み取り権限や書き込み権限が与えられていないと、リンクをクリックしてもエラーになります。
4. VPN接続が必要
在宅勤務やリモートワークの場合、会社のネットワークにVPN(仮想プライベートネットワーク)で接続しないとアクセスできないことがあります。
VPNに接続していない状態では、社内サーバーへのリンクは開けません。
5. Outlookのセキュリティ設定
Outlookには、安全性を高めるためのセキュリティ機能があります。
この設定が厳しすぎると、ローカルファイルや共有フォルダへのリンクをブロックしてしまいます。
6. レジストリの設定不備
Windowsのシステム設定(レジストリ)で、UNCパスの処理方法が正しく登録されていない可能性もあります。
特にWindowsやOfficeをアップデートした後に起こりやすい現象です。
【解決方法】試してほしい10の対処法
それでは、具体的な解決方法を見ていきましょう。段階的に試していくのがおすすめです。
方法1:ネットワーク接続を確認する
まずは基本的なネットワーク接続の確認です。
手順:
- エクスプローラーを開く
- アドレスバーに共有フォルダのパスを直接入力
- エンターキーを押す
- フォルダが開くか確認
もし開けない場合は、ネットワーク接続自体に問題がある可能性があります。
方法2:VPN接続を確認する
リモートワーク中の場合、VPN接続が必須です。
確認ポイント:
- VPNソフトが起動しているか
- 接続ステータスが「接続済み」になっているか
- 接続先が正しいか
VPNに接続してから、再度リンクをクリックしてみてください。
方法3:Ctrl+クリックで開く
Outlookのセキュリティ設定によっては、リンクを普通にクリックするだけでは開きません。
手順:
- Ctrlキーを押しながらリンクをクリック
- フォルダが開くか確認
この方法で開ける場合、次の「方法4」で設定を変更できます。
方法4:Outlookの設定を変更する
Ctrlキーなしでリンクを開けるよう設定を変更します。
手順:
- Outlookで「ファイル」→「オプション」をクリック
- 「メール」タブを選択
- 「ハイパーリンクを Ctrl キーを押しながらクリックして開く」のチェックを外す
- 「OK」で保存
これで普通にクリックするだけで開けるようになります。
方法5:レジストリを編集してUNCパスを有効化する
レジストリの設定で、共有フォルダのリンクを開けるようにします。
重要な注意:
レジストリの編集は慎重に行ってください。誤った操作はシステムに深刻な影響を与える可能性があります。
手順:
- Windowsキー + R を押す
- 「regedit」と入力してエンターキー
- レジストリエディタが開く
- 以下のパスに移動:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Common\General
※「16.0」の部分はOfficeのバージョンによって異なります
- Office 2016/2019/2021/365:16.0
- Office 2013:15.0
- 右クリック → 「新規」→「DWORD (32ビット) 値」
- 名前を「EnableLocalFileAttachments」に変更
- ダブルクリックして値を「1」に設定
- 「OK」で保存
- Outlookを再起動
方法6:信頼できる場所に追加する
Outlookのセキュリティセンターで、共有フォルダを信頼できる場所として登録します。
手順:
- Outlookで「ファイル」→「オプション」をクリック
- 「セキュリティセンター」→「セキュリティセンターの設定」をクリック
- 「信頼できる場所」タブを選択
- 「新しい場所の追加」をクリック
- 共有フォルダのパスを入力
- 「OK」で保存
方法7:ネットワークドライブとして割り当てる
共有フォルダをドライブ文字(Z:など)で管理する方法です。
手順:
- エクスプローラーを開く
- 「PC」を右クリック
- 「ネットワークドライブの割り当て」を選択
- 使用するドライブ文字を選択(例:Z:)
- フォルダー欄に共有フォルダのパスを入力
- 「ログオン時に再接続する」にチェック
- 「完了」をクリック
これで、次回からは「Z:\」のような形でアクセスできます。
方法8:リンクの形式を変更してもらう
メールの送信者に依頼できる場合、リンクの記載方法を変えてもらうのも一つの手です。
推奨する記載方法:
- UNCパスをそのまま記載:
\\server\folder\file.docx - file://プロトコルを追加:
file://server/folder/file.docx - ハイパーリンク形式で挿入する
特に、Outlookのメール作成画面で「挿入」→「ハイパーリンク」から正式にリンクを挿入すると、受信側で開きやすくなります。
方法9:Internet Explorerの設定を確認する
OutlookはInternet Explorerの設定を一部利用しています。
手順:
- コントロールパネルを開く
- 「インターネットオプション」を選択
- 「セキュリティ」タブをクリック
- 「ローカルイントラネット」を選択
- 「サイト」→「詳細設定」をクリック
- 共有フォルダのサーバーアドレスを追加
- 「OK」で保存
方法10:Outlookの修復を実行する
上記の方法で解決しない場合、Outlookの修復を試します。
手順:
- コントロールパネルの「プログラムと機能」を開く
- 「Microsoft Office」または「Microsoft 365」を選択
- 「変更」をクリック
- 「クイック修復」を実行
- それでも直らない場合は「オンライン修復」を試す
共有フォルダのリンクを安全に使うポイント

便利に使いつつ、セキュリティも保つためのコツをお伝えします。
アクセス権限を適切に設定する
共有フォルダには、必要な人だけがアクセスできるよう権限を設定しましょう。
基本的な権限の種類:
- 読み取り:ファイルを見るだけ
- 変更:ファイルの編集や削除が可能
- フルコントロール:すべての操作が可能
業務に必要な最小限の権限を与えるのが原則です。
定期的なパスワード変更
ネットワークドライブのパスワードは定期的に変更することをおすすめします。
特に退職者が出た場合は、速やかにアクセス権限の見直しを行いましょう。
外部共有に注意
社外の人とメールをやり取りする際、誤って社内の共有フォルダのリンクを送らないよう注意が必要です。
社外の人は社内ネットワークにアクセスできないため、リンクが機能しません。また、セキュリティ上のリスクにもなります。
トラブルシューティングのヒント
問題が解決しない時のチェックポイントです。
エラーメッセージを確認する
リンクをクリックした時に表示されるエラーメッセージを確認しましょう。
よくあるエラーと意味:
- 「ネットワークパスが見つかりません」→ サーバーに接続できていない
- 「アクセスが拒否されました」→ 権限がない
- 「このファイルは開けません」→ アプリの関連付けの問題
エラー内容によって対処法が変わります。
IT部門に相談する
会社のパソコンの場合、IT部門やシステム管理者に相談するのが確実です。
伝えると良い情報:
- いつから開けなくなったか
- 他の人は開けるか
- どんなエラーメッセージが出るか
- VPNには接続しているか
詳しい情報を伝えると、スムーズに解決できます。
代替手段を用意する
どうしてもリンクが開けない場合の代替案も考えておきましょう。
代替方法:
- エクスプローラーから直接フォルダを開く
- ショートカットをデスクトップに作成する
- OneDriveやSharePointなどのクラウドストレージを利用する
よくある質問
Q1:自宅からは開けないのですが?
自宅から社内の共有フォルダにアクセスするには、通常VPN接続が必要です。
対処法:
- 会社のVPNソフトをインストールする
- VPNに接続してからアクセスする
- IT部門にVPNの設定方法を確認する
セキュリティ上、自宅からのアクセスを禁止している会社もあります。
Q2:Macでは開けますか?
MacのOutlookでも、基本的には同じ方法で開けます。
ただし、Windowsの共有フォルダはSMB(Server Message Block)というプロトコルを使用しているため、Macの「Finder」で事前にサーバーに接続しておく必要があります。
Mac での接続方法:
- Finderで「移動」→「サーバへ接続」
smb://サーバー名/共有フォルダ名を入力- ユーザー名とパスワードを入力
Q3:特定の人からのメールだけ開けない
送信者側のメール作成方法に問題がある可能性があります。
確認ポイント:
- リンクが正しい形式で挿入されているか
- パスに全角文字やスペースが含まれていないか
- リンクが途中で改行されていないか
送信者に、ハイパーリンク機能を使って正しくリンクを挿入してもらいましょう。
Q4:モバイル版Outlookでは開けますか?
スマートフォンやタブレットのOutlookアプリでは、WindowsのUNCパスは開けません。
モバイルデバイスからアクセスするには:
- OneDrive for Businessなどのクラウドストレージにファイルを移動
- SharePointで共有
- モバイル対応のファイルサーバーアプリを使用
まとめ
Outlookで共有フォルダのハイパーリンクが開けない問題は、設定の調整で解決できることがほとんどです。
解決の基本ステップ:
- ネットワーク接続とVPN接続を確認
- Outlookの設定でCtrlキー不要にする
- レジストリでUNCパスを有効化
- 必要に応じてネットワークドライブとして割り当て
- アクセス権限を確認
特にリモートワークの環境では、VPN接続が重要なポイントになります。
また、レジストリの編集は慎重に行い、不安な場合はIT部門に相談しましょう。
共有フォルダへのスムーズなアクセスは、チーム作業の効率を大きく左右します。この記事を参考に、快適な業務環境を整えてくださいね!

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