「Outlookで返信するとき、元のメールが長々と引用されて見づらい…」
メールの返信時に、元のメッセージが自動的に含まれるのは便利な機能です。しかし、長いやり取りが続くと、メールの大半が過去のメッセージで埋まってしまい、肝心な返信内容が埋もれてしまうことがありますよね。
実は、Outlookには元のメッセージの表示方法を細かく設定できる機能があります。元のメッセージを含めるか含めないか、引用の形式をどうするか、過去のやり取りをどこまで残すかなど、目的に応じて調整できるんです。
この記事では、Outlookで返信時の元のメッセージを管理する方法を、設定変更から実践的な編集テクニックまで詳しく解説します。見やすく分かりやすいメールのやり取りを実現しましょう。
元のメッセージとは?基本を理解しよう

まず、返信メールにおける「元のメッセージ」について理解しておきましょう。
元のメッセージの役割
元のメッセージとは、返信や転送をする際に、自動的に含まれる相手からの元のメール内容のことです。
これにより、以下のような利点があります。
- 会話の流れが分かる
- 何について返信しているか明確になる
- 相手が過去のメールを探さなくて済む
- 長期間のやり取りでも文脈を保てる
ビジネスメールでは、元のメッセージを含めるのが一般的なマナーとされています。
元のメッセージの表示形式
Outlookでは、元のメッセージを以下のような形式で表示できます。
引用形式(インデント)
元のメッセージの各行の先頭に「>」や「|」などの記号を付けたり、インデント(字下げ)して表示する形式です。
山田様
了解いたしました。
> お疲れ様です。
> 明日の会議は10時からです。
> よろしくお願いいたします。
元のメッセージをそのまま含める
区切り線の下に、元のメッセージをそのまま含める形式です。
山田様
了解いたしました。
-----元のメッセージ-----
差出人: 山田太郎
送信日時: 2024年1月15日 10:00
件名: 明日の会議について
お疲れ様です。
明日の会議は10時からです。
よろしくお願いいたします。
添付ファイルとして含める
元のメッセージを本文に含めず、.msgファイルとして添付する形式です。
返信と転送の違い
返信(Reply)
元の送信者に返事を送る機能。元のメッセージは通常、返信の下に含まれます。
全員に返信(Reply All)
元の送信者とすべての宛先(CCも含む)に返事を送る機能。
転送(Forward)
元のメールを別の人に送る機能。元のメッセージは通常、本文に含まれるか、添付ファイルとして送られます。
それぞれで、元のメッセージの扱いが少し異なります。
返信時の元のメッセージの既定設定を変更する
Outlookの設定で、返信時の元のメッセージの表示方法を変更できます。
設定変更の手順
ステップ1:オプションを開く
「ファイル」タブ→「オプション」をクリックします。
ステップ2:メール設定を開く
左側のメニューから「メール」を選択してください。
ステップ3:返信と転送の設定
「返信と転送」セクションを見つけます。ここに、以下の設定項目があります。
メッセージに返信するとき
ドロップダウンメニューから、以下のいずれかを選択できます。
- 元のメッセージ テキストを含める:元のメッセージを引用符なしで含める
- 元のメッセージをインデントする:元のメッセージをインデント(字下げ)して含める
- 元のメッセージの各行の先頭に記号を追加する:各行の先頭に「>」を付けて引用
- 元のメッセージを添付する:元のメッセージを.msgファイルとして添付
- 元のメッセージを含めない:元のメッセージを含めない
推奨設定
一般的なビジネスメールでは、「元のメッセージをインデントする」または「元のメッセージの各行の先頭に記号を追加する」が読みやすいです。
メッセージを転送するとき
転送時の元のメッセージの扱いも、同様のドロップダウンメニューから選択できます。
ステップ4:インデント記号の変更(オプション)
「元のメッセージの各行の先頭に記号を追加する」を選んだ場合、その下の「元のメッセージの各行の先頭に付ける文字列」欄で、記号を変更できます。
既定は「>」ですが、好みに応じて「|」や「>>」などに変更できますよ。
ステップ5:OKをクリック
設定を保存するために、「OK」ボタンをクリックしてください。
これで、次回からの返信では、新しい設定が適用されます。
個別の返信で元のメッセージを編集する
設定に関係なく、返信を作成する際に元のメッセージを編集できます。
元のメッセージを削除する
方法1:すべて削除
返信メールの本文で、元のメッセージ部分(引用部分)をすべて選択して、Deleteキーを押します。
方法2:不要な部分だけ削除
長いやり取りの場合、必要な部分だけ残して、他を削除することもできます。
例えば、直前のメッセージだけ残して、それより古いメッセージは削除する、といった具合です。
元のメッセージを折りたたむ
Outlookでは、返信作成時に元のメッセージが表示されますが、作成中に邪魔な場合は折りたたむことができます。
折りたたみ方法
元のメッセージの上部にある「…」(省略記号)や「元のメッセージ」というリンクをクリックすると、元のメッセージが折りたたまれます。
もう一度クリックすると、展開されますよ。
引用部分に返信を挿入する
相手のメッセージの特定の部分に対して返信したい場合、引用の間に自分のコメントを挿入できます。
手順
- 返信メール本文で、コメントを入れたい位置にカーソルを置く
- Enterキーで改行して、コメントを入力
- 自分のコメントと引用部分を区別するため、色を変えたり、名前を入れたりする
例
> 明日の会議は10時からです。
了解しました。会議室はA会議室でよろしいでしょうか?
> 資料は当日配布します。
承知いたしました。
この方法は、複数の質問に答える場合などに便利です。
元のメッセージを後から追加する
元のメッセージを含めない設定にしている場合や、削除してしまった場合に、後から追加する方法です。
方法1:元のメールから手動でコピー
ステップ1:元のメールを開く
返信元のメールをダブルクリックして開きます。
ステップ2:内容をコピー
元のメール本文を選択して、Ctrl + C でコピーしてください。
ステップ3:返信メールに貼り付け
返信メールの適切な位置で、Ctrl + V で貼り付けます。
ステップ4:書式を整える
必要に応じて、引用符(>)を追加したり、インデントを設定したりして、引用部分であることが分かるようにしましょう。
方法2:引用ボタンを使う
Outlookの一部のバージョンでは、選択したテキストに引用書式を適用するボタンがあります。
「書式設定」タブ→「段落」グループ→「インデント」ボタンで、選択した部分をインデントできます。
過去のやり取りをどこまで残すか
メールのやり取りが長くなると、元のメッセージも長大になります。
適切な管理方法
方法1:直前のメッセージのみ残す
最新の1〜2件のメッセージだけを残して、それより古いものは削除します。
これにより、メールが読みやすくなります。
方法2:重要な部分だけ引用
元のメッセージ全体ではなく、自分が返信している特定の部分だけを引用します。
> 明日の会議は10時からです。
了解いたしました。参加いたします。
方法3:要約する
長い元のメッセージの内容を、自分の言葉で要約して記載する方法もあります。
先日ご連絡いただいた会議の件、
10時からA会議室で参加いたします。
やり取りの履歴を残す場合
重要なプロジェクトや契約関係のメールでは、やり取りの履歴をすべて残しておく方が良いこともあります。
その場合は、元のメッセージをすべて含めて返信しましょう。後から経緯を確認するときに役立ちますよ。
元のメッセージの書式を変更する

元のメッセージの見た目を調整する方法です。
フォントや色を変更
引用部分のフォントや色を変更して、自分の返信と区別しやすくできます。
ステップ1:引用部分を選択
元のメッセージ部分をドラッグして選択します。
ステップ2:書式を変更
「書式設定」タブまたは「メッセージ」タブから、以下を変更できます。
- フォントの色(例:グレーにする)
- フォントサイズ(例:小さくする)
- フォントの種類
ステップ3:適用
設定を適用すると、引用部分が視覚的に区別しやすくなります。
罫線や区切りを追加
元のメッセージの前に、区切り線を入れると分かりやすくなります。
区切り線の追加方法
カーソルを元のメッセージの前に置いて、「挿入」タブ→「水平線」を選択します。
または、手動で以下のような区切りを入力することもできます。
-----元のメッセージ-----
転送時の元のメッセージの扱い
転送メールでは、元のメッセージの扱いが少し異なります。
転送時の既定動作
転送の場合、通常は元のメッセージ全体が含まれます。
前述の「オプション」→「メール」→「メッセージを転送するとき」の設定で、以下が選べます。
- 元のメッセージ テキストを含める
- 元のメッセージをインデントする
- 元のメッセージを添付する
- 元のメッセージを含めない
添付として転送
元のメッセージを.msgファイルとして添付する方法もあります。
手順
- 転送したいメールを選択
- 「ホーム」タブ→「その他」→「添付ファイルとして転送」を選択
これにより、元のメールが添付ファイルになります。受信者は添付ファイルを開いて、元のメールを見られますよ。
転送時の編集
転送メールでは、元のメッセージに対して、自分のコメントを追加するのが一般的です。
鈴木様
山田様からいただいた以下のメールを転送いたします。
ご確認をお願いいたします。
-----元のメッセージ-----
[元のメッセージ内容]
HTMLメールとプレーンテキストでの違い
メールの形式によって、元のメッセージの表示が異なります。
HTMLメール
HTMLメールでは、元のメッセージも書式が保持されます。
- 太字や色などの書式が残る
- インデントや罫線が視覚的に表示される
- 画像や表も含まれる
見た目は美しいですが、メールサイズが大きくなりがちです。
プレーンテキストメール
プレーンテキストでは、すべての書式が削除されます。
- 文字だけの表示
- 引用は「>」などの記号で表現
- 画像や表は含まれない
シンプルで、どの環境でも正しく表示される利点があります。
形式の変更
返信作成中に、メール形式を変更できます。
「書式設定」タブ→「書式」グループから、「HTML」「プレーンテキスト」「リッチテキスト」を選択できますよ。
モバイルアプリでの元のメッセージ
スマートフォンやタブレットのOutlookアプリでの扱い方です。
iOS / Android版の動作
モバイルアプリでも、返信時に元のメッセージが含まれます。
ただし、デスクトップ版ほど細かい設定はできません。
元のメッセージの表示
モバイルアプリでは、元のメッセージは折りたたまれた状態で表示されることが多いです。
「…」や「元のメッセージを表示」をタップすると、展開されます。
編集
返信本文に含まれた元のメッセージは、通常のテキストと同じように編集・削除できます。
トラブルシューティング
元のメッセージに関する問題と解決策です。
問題1:元のメッセージが含まれない
原因
「元のメッセージを含めない」設定になっている可能性があります。
対処法
「ファイル」→「オプション」→「メール」→「返信と転送」で、「元のメッセージを含めない」以外の選択肢を選んでください。
問題2:元のメッセージの書式が崩れる
原因
HTMLメールをプレーンテキストで返信すると、書式が失われます。
対処法
返信メールをHTML形式にするか、「ファイル」→「オプション」→「メール」→「次の形式でメッセージを作成する」を「HTML」に設定してください。
問題3:元のメッセージが文字化けする
原因
文字エンコーディングの問題が考えられます。
対処法
- メールを開いた状態で、「アクション」→「その他のアクション」→「エンコード」から、適切な文字セット(日本語の場合は「日本語(自動選択)」)を選択
- 相手に再送を依頼する
問題4:引用記号がおかしい
原因
「元のメッセージの各行の先頭に付ける文字列」の設定が意図しないものになっている可能性があります。
対処法
「ファイル」→「オプション」→「メール」→「返信と転送」で、「元のメッセージの各行の先頭に付ける文字列」を確認して、「>」に戻してください。
問題5:過去のメッセージが長すぎる
原因
長期間のやり取りで、元のメッセージが蓄積されています。
対処法
返信作成時に、手動で古いメッセージ部分を削除しましょう。必要な部分だけを残して、他を削除すれば、メールが読みやすくなります。
元のメッセージのベストプラクティス

効果的に元のメッセージを扱うためのヒントです。
1. 適度に整理する
すべての過去のやり取りを残すのではなく、必要な部分だけを残しましょう。
通常は、直前の1〜2件のメッセージで十分です。
2. 引用部分を明確にする
自分の返信と引用部分が混ざらないよう、インデントや色、区切り線などで区別してください。
3. 長文の引用は避ける
相手のメールが長い場合、全文を引用せず、自分が返信している部分だけを引用すると読みやすくなります。
4. 重要な情報は残す
契約内容、納期、金額など、後から確認が必要な情報は、元のメッセージとして残しておきましょう。
5. 相手の環境を考慮
HTMLメールを送る相手が、プレーンテキストしか受け取れない環境かもしれません。その場合は、プレーンテキスト形式を選ぶ配慮も必要ですね。
6. 機密情報に注意
転送する際は、元のメッセージに機密情報が含まれていないか確認してください。必要に応じて、該当部分を削除しましょう。
よくある質問と回答
返信の度に元のメッセージを手動で削除するのは面倒
設定で「元のメッセージを含めない」を選べば、自動的に含まれなくなります。ただし、ビジネスメールでは元のメッセージを含めるのが一般的なので、必要に応じて判断してください。
相手から届いたメールに元のメッセージがない
相手が「元のメッセージを含めない」設定にしているか、手動で削除している可能性があります。必要であれば、過去のメールを参照するか、相手に確認してください。
引用記号を変更できる?
はい、「オプション」→「メール」→「元のメッセージの各行の先頭に付ける文字列」で変更できます。
モバイルアプリで元のメッセージを編集できる?
はい、返信本文内の元のメッセージ部分をタップして、通常のテキストと同じように編集・削除できます。
元のメッセージの一部だけを引用したい
元のメールを開いて、引用したい部分だけをコピーして、返信メールに貼り付けてください。手動で「>」を付けると、引用であることが分かりやすくなります。
まとめ:元のメッセージを適切に管理して分かりやすいメールを
Outlookの返信における元のメッセージの扱い方を解説しました。
重要なポイントをおさらい
- 元のメッセージの表示方法は設定で変更できる
- インデントや引用記号で、引用部分を明確にする
- 長いやり取りでは、不要な部分を削除して整理
- 重要な情報は元のメッセージとして残す
- 転送時は、添付ファイルとして送る方法も活用
- プレーンテキストとHTMLで表示が異なる
元のメッセージを適切に管理することで、メールのやり取りが分かりやすくなり、コミュニケーションがスムーズになります。特にビジネスメールでは、相手が理解しやすいメール構成を心がけることが大切ですね。
この記事を参考に、あなたのメール作業がより効率的になることを願っています!

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