「重要なメールが他のメールに埋もれて見つけにくい…」
毎日大量のメールを受信していると、返信が必要な重要なメールや、あとで確認したいメールが、新しいメールに押し流されてしまいますよね。フォルダをたくさん作っても、よく使うフォルダを探すのが面倒になってしまうこともあるでしょう。
Outlookには、重要なメールやフォルダをピン止め(固定表示)する機能があります。メールをピン止めすれば、受信トレイの最上部に常に表示され、新着メールが来ても埋もれません。フォルダをお気に入りに追加すれば、すぐにアクセスできるようになるんです。
この記事では、Outlookのピン止め機能の使い方から、表示設定、活用方法、トラブルシューティングまで、詳しく解説します。重要な情報を見失わないための便利な機能を、ぜひ活用してください。
Outlookのピン止め機能とは
まず、ピン止め機能の基本を理解しておきましょう。
ピン止め機能の概要
ピン止めとは、特定のメールやフォルダを、一覧の上部に固定表示する機能です。
画鋲(ピン)を刺して掲示板に貼り付けるイメージから、この名前が付いています。
Outlookでピン止めできるもの
Outlookでは、主に以下の2つをピン止めできます。
1. メール
受信トレイ内の特定のメールを、最上部に固定表示できます。
- 返信待ちの重要なメール
- あとで読み返したいメール
- 進行中のプロジェクトに関するメール
- 期限が近いタスクのメール
これらを上部に固定しておけば、新着メールがどれだけ来ても、すぐに見つけられます。
2. フォルダ(お気に入り)
よく使うフォルダを「お気に入り」に追加することで、フォルダペインの上部に固定表示できます。
- 特定のプロジェクトフォルダ
- VIPからのメールフォルダ
- よく参照する共有フォルダ
ピン止めの表示位置
メールのピン止め
受信トレイまたは選択したフォルダの最上部に、「ピン留めされたメッセージ」というセクションが表示され、そこにピン止めしたメールが並びます。
フォルダのお気に入り
フォルダペインの最上部に「お気に入り」セクションが表示され、追加したフォルダが並びます。
メールをピン止めする方法
それでは、実際にメールをピン止めする手順を見ていきましょう。
デスクトップ版Outlookでのピン止め
方法1:右クリックメニューから
ステップ1:メールを選択
受信トレイで、ピン止めしたいメールをクリックして選択します。
ステップ2:右クリック
選択したメールを右クリックして、コンテキストメニューを表示してください。
ステップ3:「ピン留め」を選択
メニューから「ピン留め」または「メッセージのピン留め」を選択します。
ステップ4:確認
メールが受信トレイの最上部、「ピン留めされたメッセージ」セクションに移動します。
方法2:リボンメニューから
ステップ1:メールを選択
ピン止めしたいメールをクリックします。
ステップ2:ホームタブを開く
リボンメニューの「ホーム」タブをクリックしてください。
ステップ3:ピン留めボタンをクリック
「タグ」グループまたは「移動」グループに、ピンのアイコンがあります。
これをクリックすると、メールがピン止めされます。
方法3:ドラッグ&ドロップ(一部のバージョン)
Outlookのバージョンによっては、メールを「ピン留めされたメッセージ」セクションにドラッグ&ドロップすることでもピン止めできます。
新しいOutlook for Windowsでのピン止め
ステップ1:メールを右クリック
メール一覧で、ピン止めしたいメールを右クリックします。
ステップ2:「ピン」を選択
メニューから「ピン」または「ピン留め」を選択してください。
新しいOutlookでは、インターフェースが簡潔になっているため、操作がより簡単です。
Outlook on the web(Webブラウザ版)でのピン止め
ステップ1:メールを右クリック
ブラウザ版のOutlook(https://outlook.office.com/)で、メールを右クリックします。
ステップ2:「ピン」を選択
メニューから「ピン」を選択してください。
ブラウザ版でも、デスクトップ版と同じようにピン止め機能が使えます。
複数のメールを同時にピン止め
複数のメールをまとめてピン止めすることもできます。
手順
- Ctrl キーを押しながら、複数のメールをクリックして選択
- 選択したメールのいずれかを右クリック
- 「ピン留め」を選択
すべての選択されたメールが、一度にピン止めされます。
メールのピン止めを解除する方法
ピン止めを解除したくなった場合の手順です。
ピン止めの解除
方法1:右クリックメニューから
ステップ1:ピン止めされたメールを右クリック
受信トレイの上部、「ピン留めされたメッセージ」セクションにあるメールを右クリックします。
ステップ2:「ピン留めを外す」を選択
メニューから「ピン留めを外す」または「ピンを外す」を選択してください。
ステップ3:確認
メールが通常のメール一覧に戻ります。
日時順に並んだ位置に戻るので、すぐには見つからないかもしれません。
方法2:リボンメニューから
ピン止めされたメールを選択して、リボンメニューの「ピン留め」ボタンをもう一度クリックすることでも解除できます。
すべてのピン止めを一度に解除
個別に解除するのが面倒な場合、一括で解除することもできます。
手順
- 「ピン留めされたメッセージ」セクション内のメールをすべて選択(Ctrl + A)
- 右クリック→「ピン留めを外す」
または、一つずつ解除していく必要がある場合もあります(バージョンによる)。
フォルダをお気に入りに追加する方法
よく使うフォルダを、すぐにアクセスできる場所に固定する方法です。
お気に入りフォルダの追加
方法1:右クリックメニューから
ステップ1:フォルダを右クリック
フォルダペイン(左側)で、お気に入りに追加したいフォルダを右クリックします。
ステップ2:「お気に入りに追加」を選択
メニューから「お気に入りに追加」または「お気に入りに表示」を選択してください。
ステップ3:確認
フォルダペインの最上部に「お気に入り」セクションが表示され、そこに追加したフォルダが表示されます。
方法2:ドラッグ&ドロップ
ステップ1:お気に入りセクションを表示
フォルダペインの上部に「お気に入り」セクションがあることを確認します。
表示されていない場合は、「表示」タブ→「フォルダーウィンドウ」→「お気に入り」を有効にしてください。
ステップ2:フォルダをドラッグ
追加したいフォルダを、「お気に入り」セクションにドラッグ&ドロップします。
これで、フォルダがお気に入りに追加されます。
お気に入りフォルダの並び替え
お気に入り内のフォルダは、ドラッグ&ドロップで順番を変更できます。
よく使う順番に並べておくと、さらに便利になりますよ。
お気に入りからフォルダを削除
ステップ1:お気に入り内のフォルダを右クリック
「お気に入り」セクション内のフォルダを右クリックします。
ステップ2:「お気に入りから削除」を選択
メニューから「お気に入りから削除」を選択してください。
注意点
お気に入りから削除しても、フォルダ自体は削除されません。元の場所に残ります。
ピン止めの表示設定
ピン止め機能の表示方法を調整する設定です。
お気に入りフォルダの表示/非表示
お気に入りセクション自体を表示するか非表示にするか選べます。
設定方法
ステップ1:表示タブを開く
リボンメニューの「表示」タブをクリックします。
ステップ2:フォルダーウィンドウを選択
「レイアウト」グループにある「フォルダーウィンドウ」をクリックしてください。
ステップ3:お気に入りを選択
ドロップダウンメニューから「お気に入り」を選択すると、お気に入りセクションが表示されます。
もう一度クリックすると、非表示になります。
ピン止めされたメッセージセクションの折りたたみ
ピン止めされたメールが多くなった場合、セクションを折りたたむことができます。
手順
「ピン留めされたメッセージ」セクションのタイトル部分にある、矢印(▼または▶)をクリックすると、折りたたみ/展開が切り替わります。
折りたたんでも、ピン止め自体は解除されません。
ピン止めメールの並び順
ピン止めされたメール同士の順番は、以下の方法で変更できます。
方法1:ドラッグ&ドロップ
ピン止めされたメールを、「ピン留めされたメッセージ」セクション内でドラッグ&ドロップすることで、順番を変更できます。
方法2:ピン止めし直す
一度ピン止めを解除して、希望する順番でもう一度ピン止めすることでも並び順を調整できます。
ピン止め機能の活用方法
効果的にピン止め機能を使うためのヒントです。
活用例1:返信待ちメールの管理
返信が必要なメールをピン止めしておけば、対応漏れを防げます。
返信したら、すぐにピン止めを解除する習慣をつけましょう。
活用例2:期限付きタスクの可視化
期限が近いタスクのメールをピン止めして、常に目に入るようにします。
期限順に並べておくと、優先順位が分かりやすくなりますよ。
活用例3:進行中プロジェクトの追跡
現在進行中のプロジェクトに関するメールをピン止めして、すぐに参照できるようにします。
プロジェクトが完了したら、ピン止めを解除してアーカイブしましょう。
活用例4:VIPからのメール
上司や重要なクライアントからのメールをピン止めして、見落としを防ぎます。
活用例5:定期的に確認する情報
週次レポート、勤務シフト、社内ルールなど、定期的に確認する必要がある情報をピン止めしておくと便利です。
活用例6:よく使うフォルダへのクイックアクセス
特定のプロジェクトフォルダ、チームの共有フォルダ、参照用のフォルダなどをお気に入りに追加して、スムーズにアクセスできるようにします。
ピン止めを使う際のベストプラクティス
効果的に活用するためのポイントです。
ポイント1:ピン止めは少なめに
あまり多くのメールをピン止めすると、かえって管理しにくくなります。
目安としては、5〜10件程度に抑えるのがおすすめです。
ポイント2:定期的に見直す
週に1回程度、ピン止めされたメールを見直して、不要になったものは解除しましょう。
古いメールがずっとピン止めされたままだと、本当に重要なメールが埋もれてしまいます。
ポイント3:カテゴリーやフラグと併用
ピン止めだけでなく、カテゴリー(色分け)やフラグ機能と組み合わせると、さらに管理しやすくなります。
例えば、「赤=緊急」「黄=重要」といった色分けをしたうえで、ピン止めすると視覚的に分かりやすいですね。
ポイント4:お気に入りフォルダは頻度順に
お気に入りフォルダは、アクセス頻度の高い順に並べると効率的です。
毎日使うフォルダを上部に、たまに使うフォルダを下部に配置しましょう。
ポイント5:処理が完了したらすぐに解除
返信した、タスクを完了した、確認したなど、処理が終わったメールは、すぐにピン止めを解除する習慣をつけてください。
常に「今、対応が必要なもの」だけがピン止めされている状態を保つことが理想です。
トラブルシューティング
ピン止め機能に関する問題と解決策です。
問題1:ピン止めボタンが見つからない
原因
古いバージョンのOutlookでは、ピン止め機能が搭載されていない場合があります。
対処法
- Outlook 2019以降、またはMicrosoft 365版を使用しているか確認
- Officeの更新プログラムを適用して、最新バージョンにアップデート
- 古いバージョンの場合、フラグやカテゴリー機能で代用
問題2:ピン止めしたメールが表示されない
原因
フォルダを切り替えたり、検索フィルターがかかったりしている可能性があります。
対処法
- 受信トレイに戻っているか確認
- 検索ボックスが空になっているか確認
- 「すべて」のビューになっているか確認(「未読のみ」などのフィルターを解除)
問題3:ピン止めが勝手に解除される
原因
メールを別のフォルダに移動すると、ピン止めが解除されます。
対処法
ピン止めは、そのフォルダ内でのみ有効です。メールを移動する場合は、移動先で再度ピン止めする必要があります。
問題4:お気に入りフォルダが表示されない
原因
お気に入りセクションが非表示になっている可能性があります。
対処法
「表示」タブ→「フォルダーウィンドウ」→「お気に入り」を有効にしてください。
問題5:ピン止めの順番が変えられない
原因
バージョンによっては、ドラッグ&ドロップでの並び替えができない場合があります。
対処法
一度すべてピン止めを解除して、希望する順番で再度ピン止めしてください。
Webブラウザ版とモバイルアプリでの違い
デバイスによる機能の違いを確認しておきましょう。
Outlook on the web(Webブラウザ版)
ブラウザ版でも、デスクトップ版とほぼ同じようにピン止め機能が使えます。
- メールのピン止め:可能
- フォルダのお気に入り:可能
- ピン止めされたメールはデスクトップ版と同期される
Outlookモバイルアプリ(iOS/Android)
モバイルアプリでも、ピン止め機能が利用できます。
メールのピン止め
メールを左にスワイプ→「ピン」アイコンをタップ
または、メールを開いて、右上のメニュー(…)→「ピン」を選択
お気に入りフォルダ
フォルダ一覧で、フォルダを長押し→「お気に入りに追加」
モバイルでピン止めしたメールは、デスクトップ版やWeb版とも同期されます。
よくある質問と回答
ピン止めしたメールは他の人にも見える?
いいえ、ピン止めは個人の設定です。共有メールボックスでも、あなたのピン止めは他の人には見えません。
ピン止めの上限数は?
明確な上限は公表されていませんが、実用的には数十件までピン止めできます。ただし、多すぎると管理が難しくなるので、10件程度に抑えることをおすすめします。
ピン止めしたメールを削除できる?
はい、ピン止めされたメールも通常のメールと同じように削除できます。削除すると、ピン止めも自動的に解除されます。
フラグとピン止めの違いは?
フラグは「フォロー」や「完了」などのステータスを付ける機能で、To-Doバーに表示されます。ピン止めは、受信トレイの上部に固定表示する機能です。両方を併用することもできます。
ピン止めは検索結果にも適用される?
いいえ、ピン止めは特定のフォルダ(受信トレイなど)内でのみ有効です。検索結果画面では、ピン止めは表示されません。
まとめ:ピン止めで重要な情報を見失わない
Outlookのピン止め機能について詳しく解説しました。
重要なポイントをおさらい
- メールをピン止めして受信トレイの上部に固定表示できる
- フォルダをお気に入りに追加してクイックアクセス可能に
- 右クリックメニューから簡単にピン止め/解除できる
- ピン止めは5〜10件程度に抑えるのが効果的
- 定期的に見直して、不要なピン止めは解除する
- カテゴリーやフラグと併用するとさらに便利
- デスクトップ版、Web版、モバイルアプリで同期される
ピン止め機能は、大量のメールの中から重要な情報を見失わないための強力なツールです。返信待ちメール、期限付きタスク、進行中プロジェクトなど、「今、注目すべきもの」を常に目に入る場所に置いておけます。
この記事を参考に、ピン止め機能を活用して、あなたのメール管理をより効率的にしてくださいね!


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