毎日のメール業務で、同じような文章を何度も打ち込んでいませんか?
「お世話になっております」や「よろしくお願いいたします」といった定型文を、毎回入力するのは時間がもったいないですよね。そんなときに便利なのが、Outlookの「マイテンプレート」機能です。
マイテンプレートを使えば、よく使う文章を登録しておいて、ワンクリックでメール本文に挿入できるんです。シンプルで使いやすい機能なので、初めての人でもすぐに使いこなせますよ。
この記事では、マイテンプレートの作成方法から実践的な活用術まで、わかりやすく解説します。毎日のメール作成が少しでも楽になるように、ぜひ参考にしてください。
マイテンプレートって何?

マイテンプレートの基本
マイテンプレートとは、Outlookで使える「定型文の保存機能」のことです。よく使うフレーズや文章を事前に登録しておけば、メール作成中にワンクリックで挿入できます。
例えば、こんな文章を登録しておくと便利です。
- お世話になっております
- ご確認のほど、よろしくお願いいたします
- お忙しいところ恐れ入りますが
- 添付ファイルをご確認ください
マイテンプレートでできること
マイテンプレートで保存できるのは、メール本文のテキストのみです。
保存できるもの:
- 本文のテキスト
- 改行や段落
- 基本的な書式(太字、斜体、下線)
保存できないもの:
- 宛先(To、CC、BCC)
- 件名
- 添付ファイル
- 画像(サイズが大きいと保存できない)
ユーザーテンプレートとの違い
Outlookには「ユーザーテンプレート」という別の機能もあります。2つの違いを理解しておきましょう。
| 機能 | マイテンプレート | ユーザーテンプレート |
|---|---|---|
| 保存内容 | 本文のみ | 宛先、件名、本文、添付ファイルすべて |
| 形式 | クラウド保存 | .oftファイル(PC内に保存) |
| 使いやすさ | とても簡単 | やや複雑 |
| 同期 | デスクトップ版とWeb版で自動同期 | 同期しない |
| 用途 | よく使う文章の挿入 | 同じ相手への定型メール |
マイテンプレートは「短い定型文を素早く挿入したい」ときに便利で、ユーザーテンプレートは「宛先や件名も含めた完全なメールを保存したい」ときに向いています。
マイテンプレートの作成方法【デスクトップ版】
デスクトップ版Outlookでマイテンプレートを作る手順を説明します。
手順1:新規メールを開く
- Outlookを起動します
- 「ホーム」タブで「新しいメール」をクリックしてください
手順2:マイテンプレートを開く
- メール作成画面で「メッセージ」タブをクリックします
- リボンの右側にある「テンプレートを表示」をクリックしてください
※初めて使う場合は、マイテンプレートの説明画面が表示されます。「続行」をクリックしましょう。
手順3:新しいテンプレートを作成
- マイテンプレートの画面が右側に開きます
- 「+テンプレート」ボタンをクリックしてください
- テンプレート作成画面が表示されます
手順4:内容を入力して保存
- タイトル欄:テンプレートの名前を入力します(例:「挨拶」「お礼」など)
- 本文欄:保存したい文章を入力してください
- 「保存」ボタンをクリックします
これで完成です!作成したテンプレートがマイテンプレート一覧に表示されるようになります。
書式設定の方法
マイテンプレートの入力画面には書式設定ボタンがありませんが、書式を設定する方法があります。
方法1:ショートカットキーを使う
- 太字:Ctrl + B
- 斜体:Ctrl + I
- 下線:Ctrl + U
方法2:別の場所で作ってコピペする
- メール本文やWordなどで好きな書式に整えます
- その文章をコピーします
- マイテンプレートの本文欄に貼り付けてください
この方法なら、フォントの色やサイズも保存できます。
マイテンプレートの作成方法【Web版】
Web版Outlook(Outlook on the Web)でも、ほぼ同じ手順でマイテンプレートを作成できます。
手順1:メール作成画面を開く
- Web版Outlookにアクセスします
- 「新規メール」をクリックしてください
- 右上の「新しいウィンドウで開く」をクリックすると作業しやすくなります
手順2:マイテンプレートを開く
- メール作成画面のリボンで「メッセージ」タブをクリックします
- 右端にある「…」(その他のオプション)をクリックしてください
- 「マイテンプレート」を選択します
手順3:テンプレートを作成して保存
あとはデスクトップ版と同じです。
- 「+テンプレート」をクリック
- タイトルと本文を入力
- 「保存」ボタンをクリックしましょう
Web版で作成したテンプレートは、デスクトップ版でも使えるので便利ですよ。
マイテンプレートの使い方
作成したテンプレートを実際に使ってみましょう。
基本的な使い方
- 新規メール、返信、転送のいずれかでメール作成画面を開きます
- 本文内のテンプレートを挿入したい位置にカーソルを置いてください
- 「メッセージ」タブから「テンプレートを表示」をクリックします
- マイテンプレート一覧から使いたいテンプレートをクリックしましょう
すると、カーソルの位置にテンプレートの文章が挿入されます。
複数のテンプレートを組み合わせる
1つのメールに複数のテンプレートを挿入することもできます。
例:
- 「挨拶」テンプレートを挿入
- 本文を入力
- 「締めの言葉」テンプレートを挿入
この方法で、メール作成のスピードがぐっと上がりますよ。
予定表でも使える
実は、マイテンプレートは予定表の説明欄でも使えるんです。
- 予定やイベントを作成します
- 説明欄で「メッセージ」タブから「テンプレートを表示」を選択
- 使いたいテンプレートをクリックしてください
会議の議題や定例会議の説明文を登録しておくと便利です。
マイテンプレートの編集と削除
作成済みのテンプレートは、後から編集や削除ができます。
テンプレートを編集する
- マイテンプレート画面を開きます
- 編集したいテンプレートにマウスカーソルを合わせてください
- 右側に表示される「テンプレートの保存」(鉛筆マーク)をクリックします
- 内容を修正して「保存」をクリックしましょう
テンプレートを削除する
- マイテンプレート画面を開きます
- 削除したいテンプレートにマウスカーソルを合わせます
- 右側に表示される「削除」(ゴミ箱マーク)をクリックしてください
- 確認画面で「削除」をクリックします
削除したテンプレートは元に戻せないので、注意が必要です。
マイテンプレートの制限事項
便利なマイテンプレートですが、いくつか制限があります。
1. 容量制限がある
マイテンプレート全体で32KBまでという容量制限があります。
32KBというと、約16,000文字(日本語で約8,000字)です。普通の定型文なら十分ですが、長い文章や画像を大量に保存すると上限に達してしまいます。
容量オーバーのサインは:
- テンプレートを保存しようとするとエラーが出る
- 「容量制限を超えています」というメッセージが表示される
2. 宛先と件名は保存できない
マイテンプレートに保存できるのは本文だけです。
保存できないもの:
- To(宛先)
- CC
- BCC
- 件名
宛先や件名も含めて保存したい場合は、ユーザーテンプレート(.oft形式)を使いましょう。
3. 画像のサイズに注意
画像をテンプレートに入れることはできますが、サイズが大きいと保存できません。
対策:
- 画像のサイズを小さくする(幅300px程度まで)
- 容量の小さいPNG形式を使う
- 別の場所に画像を置いてコピペで挿入しましょう
4. Exchange Onlineアカウントが必要
マイテンプレート機能は、Exchange OnlineまたはMicrosoft 365のメールボックスでのみ使えます。
オンプレミス(社内サーバー)のExchangeアカウントでは使えないので注意してください。
5. スマートフォンでは使えない
残念ながら、マイテンプレートはスマートフォンのOutlookアプリには対応していません。
デスクトップ版またはWeb版でのみ使える機能です。
マイテンプレートが表示されない場合の対処法

「マイテンプレートが見つからない」「急に消えた」という場合は、以下の方法を試してください。
対処法1:Outlookを最新版に更新する
古いバージョンではマイテンプレートが正しく表示されないことがあります。
更新方法:
- Outlookで「ファイル」→「Officeアカウント」を開きます
- 「更新オプション」→「今すぐ更新」をクリックしてください
- Outlookを再起動しましょう
対処法2:アドインの設定を確認する
マイテンプレートは「アドイン」として動作しています。
確認方法:
- Outlookで「ファイル」→「オプション」を開きます
- 「アドイン」をクリックしてください
- 下部の「管理」で「COMアドイン」を選択して「設定」をクリックします
- 「My Templates」にチェックが入っているか確認しましょう
チェックが外れている場合は、チェックを入れてOutlookを再起動してください。
対処法3:無効なアイテムを確認する
アドインが無効化されている可能性があります。
確認方法:
- 「ファイル」→「オプション」→「アドイン」を開きます
- 「管理」で「使用できないアイテム」を選択して「設定」をクリックしてください
- 「My Templates」があれば選択して「有効にする」をクリックします
対処法4:Officeの修復を実行する
プログラム自体に問題がある場合は、修復機能を使いましょう。
修復手順:
- Outlookを完全に閉じます
- Windowsの「設定」→「アプリ」を開いてください
- 「Microsoft 365」または「Office」を選択します
- 「変更」をクリックしましょう
- 「クイック修復」を選択して実行します
- それでも解決しない場合は「オンライン修復」を試してください
対処法5:IT管理者に確認する
会社のOutlookを使っている場合、管理者側でマイテンプレートが無効化されている可能性があります。
IT管理者に「マイテンプレート機能を有効にしてほしい」と依頼しましょう。
マイテンプレートの実践的な活用例
実際の業務でどう使うか、具体例をご紹介します。
活用例1:挨拶文
登録する文章:
お世話になっております。
株式会社○○の△△です。
頻繁に使う挨拶文を登録しておけば、毎回入力する手間が省けます。
活用例2:依頼文
登録する文章:
お忙しいところ恐れ入りますが、
下記についてご確認いただけますでしょうか。
何かを依頼するときの丁寧な書き出しを保存しておくと便利です。
活用例3:締めの言葉
登録する文章:
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
何かご不明な点がございましたら、
お気軽にお問い合わせください。
メールの最後に使う言葉を登録しておきましょう。
活用例4:添付ファイルの案内
登録する文章:
添付ファイルをご確認ください。
ファイルが開けない場合は、お手数ですがご連絡ください。
添付ファイルを送るときの定型文も登録しておくと役立ちます。
活用例5:会議の議題
登録する文章:
【議題】
1. 前回の振り返り
2. 進捗状況の共有
3. 今後のスケジュール確認
4. その他
定例会議の議題テンプレートを作っておけば、予定表の作成が楽になります。
活用例6:よくある質問への回答
登録する文章:
お問い合わせありがとうございます。
ご質問の件について、以下のとおり回答いたします。
【回答】
カスタマーサポートなどで同じ質問が来る場合、回答テンプレートを用意しておくと効率的です。
活用例7:社内連絡用のフォーマット
登録する文章:
お疲れ様です。
【連絡事項】
【期限】
【担当者】
以上、よろしくお願いいたします。
社内向けの連絡メールのフォーマットを作っておけば、情報の漏れを防げます。
マイテンプレートを効果的に使うコツ
マイテンプレートをもっと便利に使うためのポイントをご紹介します。
コツ1:わかりやすい名前をつける
テンプレートのタイトルは、内容がすぐにわかる名前にしましょう。
良い例:
- 「挨拶」
- 「依頼文」
- 「締め(丁寧)」
- 「添付ファイル案内」
悪い例:
- 「テンプレート1」
- 「メモ」
- 「test」
コツ2:用途別に整理する
テンプレートの数が増えてきたら、用途別に名前を工夫しましょう。
例:
- 【挨拶】お世話になっております
- 【依頼】確認依頼
- 【依頼】資料送付依頼
- 【締め】丁寧バージョン
- 【締め】カジュアルバージョン
コツ3:適度な長さにする
1つのテンプレートは、1〜3段落程度にとどめるのがおすすめです。
長すぎるテンプレートは使いにくいですし、容量制限にも引っかかりやすくなります。
コツ4:定期的に見直す
使わないテンプレートは削除して、よく使うものだけを残しましょう。
3ヶ月に1回程度、テンプレートを見直すと効率的に管理できます。
コツ5:チームで共有する
ユーザーテンプレート(.oft形式)と違い、マイテンプレート自体は直接共有できません。
ただし、よく使うテンプレートの内容をチームで統一することはできます。
共有方法の例:
- チームで使う定型文をドキュメントにまとめる
- メンバーそれぞれが自分のマイテンプレートに登録する
- 定期的に内容を更新しましょう
コツ6:下書きと使い分ける
マイテンプレートは短い定型文向きです。
長い文章やメールのひな形全体は、「下書き」として保存する方法もあります。
トラブルシューティング
マイテンプレートを使っていてよくある問題と解決方法をまとめました。
Q1:保存ボタンを押してもエラーが出る
原因: 容量制限(32KB)を超えている可能性があります
解決方法:
- 使わないテンプレートを削除してください
- 画像やサイズの大きい書式を減らしましょう
- 長い文章は複数のテンプレートに分割します
Q2:書式が保存されない
原因: 直接入力した文字には書式がつきません
解決方法:
- 別の場所(メール本文など)で書式を設定します
- その文章をコピーしてマイテンプレートに貼り付けてください
Q3:テンプレートが同期されない
原因: サインインしているアカウントが違う可能性があります
解決方法:
- デスクトップ版とWeb版で同じアカウントにサインインしているか確認しましょう
- Exchange OnlineまたはMicrosoft 365アカウントを使っているか確認してください
Q4:新しいOutlookでマイテンプレートが見つからない
原因: 新しいOutlookでは表示場所が少し違います
解決方法:
- メール作成中に「メッセージ」タブを開きます
- 「…」(その他のオプション)をクリックしてください
- 「アドイン」の中に「マイテンプレート」があります
Q5:共有メールボックスでテンプレートが使えない
原因: 共有メールボックスの設定によって制限があります
解決方法:
- 共有メールボックスが「完全なアカウント」に昇格されているか確認しましょう
- IT管理者に設定変更を依頼してください
まとめ
Outlookのマイテンプレート機能について、詳しく解説しました。
重要なポイント:
- マイテンプレートは本文のテキストだけを保存する簡単な機能です
- デスクトップ版とWeb版の両方で使えて、自動で同期されます
- 作成はとても簡単で、数クリックで完了します
- 宛先や件名は保存できないので、それが必要ならユーザーテンプレートを使いましょう
- 容量制限は32KBまでです
- よく使う挨拶文や締めの言葉を登録すると時短になります
マイテンプレートを活用すれば、毎日のメール作成がぐっと楽になります。
最初は3〜5個くらいのテンプレートから始めて、徐々に増やしていくのがおすすめです。挨拶文と締めの言葉だけでも登録しておけば、かなりの時間を節約できますよ。
ぜひ今日から、マイテンプレート機能を使ってみてください。小さな積み重ねが、大きな業務効率化につながります。

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