Outlookでメールを送受信しようとしたら、突然エラーメッセージが表示されて困ったことはありませんか?
「0x800CCC0E」や「0x80040600」といった謎の英数字が並ぶエラーコードを見ても、何が問題なのか全くわからないですよね。でも安心してください。実はこれらのエラーコードには、それぞれ明確な意味があるんです。
この記事では、Outlookでよく出るエラーコードを一覧にまとめて、その原因と具体的な解決方法を分かりやすく説明します。エラーが出たときに、このページをブックマークしておけば、すぐに対処できるようになりますよ。
Outlookのエラーコードって何?

エラーコードの基本
エラーコードとは、Outlookが何らかの問題に直面したときに表示する「エラーの種類を示す番号」のことです。病院でいうカルテ番号のようなもので、どんな症状(問題)が起きているのかを示してくれます。
ほとんどのOutlookエラーコードは「0x800」で始まる16進数の形式になっていて、例えば「0x800CCC0E」や「0x8004210B」といった表記が一般的です。
エラーコードでわかること
エラーコードを見れば、以下のような情報がわかります。
- 接続の問題:サーバーに繋がらない
- 認証の問題:パスワードやユーザー名が違う
- 設定の問題:ポート番号やサーバー名が間違っている
- ファイルの問題:データファイルが壊れている
よく出るエラーコード一覧【カテゴリ別】
【送信関連】メール送信時のエラーコード
メールを送ろうとしたときに出るエラーです。主にSMTPサーバー(送信用サーバー)との通信に関する問題を示しています。
0x800CCC0E
意味: サーバーに接続できません
主な原因:
- インターネット接続が切れている
- SMTPサーバー名が間違っている
- ポート番号の設定ミス
解決方法:
- インターネット接続を確認してください
- アカウント設定で送信サーバー名を確認しましょう
- ポート番号を25から587に変更してみてください
- ファイアウォールやウイルス対策ソフトがOutlookをブロックしていないか確認します
0x800CCC67
意味: サーバーが応答を拒否しました
主な原因:
- ISP(インターネットプロバイダー)がポート25をブロックしている
- ファイアウォールがSMTP通信を遮断している
- 認証設定が正しくない
解決方法:
- 送信ポートを587に変更してください
- 「送信サーバーは認証が必要」にチェックを入れます
- ファイアウォール設定でOutlookを許可リストに追加しましょう
0x800CCC78
意味: 送信者のメールアドレスが不完全です
主な原因:
- メールアドレスが完全な形式になっていない(例:「username」だけで「@example.com」が無い)
解決方法:
- アカウント設定を開きます
- 「電子メールアドレス」欄に完全なアドレス(user@example.com)を入力してください
0x800CCC79
意味: SMTP認証ができません
主な原因:
- 送信サーバーの認証設定が有効になっていない
解決方法:
- アカウント設定の「送信サーバー」タブを開きます
- 「送信サーバー(SMTP)は認証が必要」にチェックを入れてください
0x8004210B
意味: サーバーからの応答待ちでタイムアウトしました
主な原因:
- サーバーの応答が遅すぎる
- 大きな添付ファイルを送信しようとしている
- 配信リストに無効なアドレスが含まれている
解決方法:
- サーバーのタイムアウト時間を長くします(「詳細設定」タブで変更可能)
- 添付ファイルのサイズを小さくしてください
- 宛先のメールアドレスが正しいか確認しましょう
【受信関連】メール受信時のエラーコード
メールを受信しようとしたときに出るエラーです。主にPOP3やIMAPサーバー(受信用サーバー)との通信に関する問題を示しています。
0x800CCC90
意味: ログインできませんでした
主な原因:
- ユーザー名やパスワードが間違っている
- メールボックスがロックされている
解決方法:
- ユーザー名に完全なメールアドレスを使用してください(一部のサーバーでは必須)
- パスワードを再入力します(大文字小文字に注意)
- プロバイダーのWebメールで正しくログインできるか確認してください
- アカウントパスワードをリセットすることも検討しましょう
0x800CCC92
意味: サーバーがログインを拒否しました
主な原因:
- パスワードが間違っている
- ユーザー名の形式が間違っている
- アカウントが無効になっている
解決方法:
- パスワードを再確認してください
- ユーザー名を「user@example.com」の完全な形式にします
- プロバイダーに連絡してアカウントの状態を確認しましょう
0x800CCC18
意味: セキュアパスワード認証(SPA)の問題です
主な原因:
- 「セキュリティで保護されたパスワード認証(SPA)を使用する」が有効になっているが、サーバーがSPAをサポートしていない
解決方法:
- アカウント設定の「詳細設定」タブを開きます
- 「セキュリティで保護されたパスワード認証(SPA)を使用する」のチェックを外してください
0x800CCC19
意味: POP操作がタイムアウトしました
主な原因:
- ウイルス対策ソフトがメール受信を妨げている
- サーバーの応答が遅い
- 受信トレイに大きなメールがある
解決方法:
- サーバーのタイムアウト設定を長くします
- ウイルス対策ソフトのメールスキャン機能を一時的に無効にしてください
- Webメールで大きなメールを削除しましょう
0x80042108
意味: 受信メールサーバーに接続できません
主な原因:
- インターネット接続の問題
- POP3/IMAPサーバー名が間違っている
- ファイアウォールがブロックしている
解決方法:
- インターネット接続を確認します
- 受信サーバー名とポート番号を確認してください
- ファイアウォール設定を見直しましょう
【接続関連】ネットワーク接続のエラーコード
サーバーとの接続自体に問題がある場合のエラーです。
0x800CCC0D
意味: サーバーが見つかりません
主な原因:
- サーバー名のスペルミス
- DNSの問題
- サーバーがダウンしている
解決方法:
- サーバー名を慎重に確認してください(スペースや余計な文字がないか)
- DNSサーバー設定を確認します
- サーバーのIPアドレスを直接入力してみてください
- プロバイダーのサーバー状態を確認しましょう
0x800CCC0F
意味: サーバーへの接続が中断されました
主な原因:
- ネットワークが不安定
- サーバーが一時的にダウン
- ファイアウォールやウイルス対策ソフトの干渉
解決方法:
- インターネット接続の安定性を確認します
- しばらく待ってから再度試してください
- セキュリティソフトを一時的に無効にして確認しましょう
0x800CCC65
意味: ファイアウォールがOutlookをブロックしています
主な原因:
- WindowsファイアウォールやZone Alarmなどがポート25をブロック
- ウイルス対策ソフトがメール通信を遮断
解決方法:
- ファイアウォールの設定でOutlookを許可します
- ウイルス対策ソフトを一時的に無効にして確認してください
- ポート587を使用するように変更しましょう
【データファイル関連】PSTファイルのエラーコード
Outlookのデータファイル(PSTファイル)に問題がある場合のエラーです。
0x80040600
意味: 個人用フォルダファイルにアクセスできません
主な原因:
- PSTファイルが破損している
- ファイルサイズが大きすぎる
- ファイルが読み取り専用になっている
解決方法:
- 受信トレイ修復ツール(scanpst.exe)を実行します
- PSTファイルのプロパティで読み取り専用になっていないか確認してください
- 新しいPSTファイルを作成して、データを移行することも検討しましょう
0x8004010F
意味: データファイルにアクセスできません
主な原因:
- ファイルが破損している
- ファイルのアクセス権限に問題がある
解決方法:
- scanpst.exeでファイルを修復します
- ファイルのアクセス権限を確認してください
- 新しいプロファイルを作成しましょう
0x8004060C
意味: 不明なエラーが発生しました(データファイル関連)
主な原因:
- PSTファイルの軽度の破損
解決方法:
- scanpst.exeで修復を試してください
- アカウント設定を作り直しましょう
【その他】その他のエラーコード
上記以外のよく見るエラーコードです。
0x80070005
意味: アクセスが拒否されました
主な原因:
- アドレス帳が更新されていない
- 配布グループへの送信権限がない
解決方法:
- アドレス帳をダウンロードします(「送受信」タブ→「送受信グループ」→「アドレス帳のダウンロード」)
- オフラインアドレス帳のキャッシュをクリアしてください
0x80040201
意味: 不明なエラーです
主な原因:
- 様々な原因が考えられる汎用エラー
解決方法:
- Outlookを再起動します
- アカウント設定を確認してください
- Officeの修復を実行しましょう
0x800CCC13
意味: 接続の問題が発生しました
主な原因:
- 接続が切断された
- アドインの干渉
- システムファイルの破損
解決方法:
- インターネット接続を確認します
- セーフモードでOutlookを起動してみてください(アドインの影響を排除)
- システムファイルチェッカー(sfc /scannow)を実行しましょう
エラーが出たときの基本的な対処手順

どのエラーコードでも、まず試してほしい基本的な対処方法をご紹介します。
1. インターネット接続を確認する
意外と多いのが、単純にネット接続が切れているケースです。
確認方法:
- Webブラウザで複数のサイトにアクセスできるか確認
- Wi-Fiやイーサネットケーブルの接続状態をチェック
2. Outlookを再起動する
一時的な不具合は、再起動で解決することが多いです。
手順:
- Outlookを完全に終了します(タスクバーのアイコンも確認)
- 数秒待ってから再度起動してください
3. アカウント設定を確認する
設定ミスがエラーの原因になっている場合があります。
確認するポイント:
- メールアドレスが正しいか
- パスワードが正しいか
- サーバー名が正しいか
- ポート番号が適切か
- SSL/TLS設定が正しいか
4. セキュリティソフトを一時的に無効にする
ウイルス対策ソフトやファイアウォールがOutlookの通信を妨げている可能性があります。
注意:
無効にするときは、必ず後で有効に戻すことを忘れないでください。
5. セーフモードで起動する
アドインが原因の場合、セーフモードで起動すれば問題が切り分けられます。
起動方法:
- Windowsキー + Rで「ファイル名を指定して実行」を開きます
- 「outlook.exe /safe」と入力してEnterを押してください
6. プロファイルを再作成する
プロファイルが破損している場合は、新しく作り直すのが効果的です。
手順:
- コントロールパネルを開きます
- 「メール」→「プロファイルの表示」を選択
- 「追加」で新しいプロファイルを作成してください
7. Officeを修復する
Outlookのプログラム自体に問題がある場合は、修復機能を使いましょう。
手順:
- 設定から「アプリ」を開きます
- Microsoft Officeを選択
- 「変更」→「クイック修復」または「オンライン修復」を実行してください
エラーを防ぐための予防策
エラーが出る前に、日頃から以下の点に気をつけておくと安心です。
定期的なメンテナンス
実践すべきこと:
- 不要なメールを定期的に削除する
- 受信トレイを整理する
- 大きな添付ファイルは削除またはアーカイブする
- 送信済みアイテムも定期的に整理しましょう
PSTファイルのサイズ管理
PSTファイルが大きくなりすぎると、様々な問題が起きやすくなります。
対策:
- ファイルサイズを定期的にチェックする
- 20GB以上になったら、古いメールをアーカイブしてください
- 自動整理機能を活用しましょう
バックアップの習慣
万が一データファイルが破損しても、バックアップがあれば安心です。
バックアップ方法:
- PSTファイルの場所を確認します(ファイル→アカウント設定→データファイル)
- 定期的に別の場所にコピーしてください
- クラウドストレージに保存するのもおすすめです
Officeの更新
最新の更新プログラムには、バグ修正が含まれています。
確認方法:
- Outlookで「ファイル」→「Officeアカウント」を開きます
- 「更新オプション」→「今すぐ更新」をクリックしてください
それでも解決しないときは
上記の方法を試してもエラーが解決しない場合は、以下の選択肢を検討してください。
Microsoft サポート&回復アシスタント
Microsoftが提供する無料の診断ツールです。多くの問題を自動的に検出して修正してくれます。
使い方:
- Microsoft公式サイトから「サポート&回復アシスタント」をダウンロード
- ツールを起動して画面の指示に従います
プロバイダーに問い合わせる
サーバー側に問題がある場合は、メールサービスを提供しているプロバイダーやIT管理者に相談しましょう。
確認すべきこと:
- サーバーがメンテナンス中ではないか
- サーバー設定に変更がなかったか
- アカウントに制限がかかっていないか
Microsoftサポートに連絡する
上記すべてを試しても解決しない場合は、Microsoftの公式サポートに相談してください。
まとめ
Outlookのエラーコードは一見複雑に見えますが、それぞれに明確な意味と対処法があります。
覚えておきたいポイント:
- エラーコードは問題の種類を教えてくれる大切な情報です
- 0x800で始まる数字がOutlookの標準的なエラーコード形式
- 多くのエラーは、接続・認証・設定の3つの問題に分類できます
- 基本的な対処法(再起動・設定確認・セキュリティソフトの確認)で解決することが多い
- データファイルの定期的なメンテナンスが予防に効果的
エラーが出たときは慌てず、このページを参考にして一つずつ対処法を試してみてください。多くの場合、数分で解決できるはずです。
それでも解決しない場合は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。大切なメールデータを守るためにも、無理せず適切な対応を取りましょう。


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