OutlookでAIアシスタント機能「Copilot」を使おうと思ったのに、ボタンが見当たらない。メール作成画面にも表示されないし、どこを探しても見つからない…。
実は、OutlookのCopilotが表示されないのには、いくつかの明確な理由があるんです。ライセンスの問題だったり、設定の問題だったり、あるいは使っているアカウントの種類が対応していなかったり。
この記事では、Outlook Copilotが表示されない原因を一つずつ確認しながら、確実に解決できる方法を分かりやすく解説していきます。
そもそもOutlook Copilotって何?

まず、Outlook Copilotとは何かを簡単に説明しておきましょう。
Copilotの基本機能
Outlook Copilotは、大規模言語モデルとOutlookのデータを組み合わせて、仕事の生産性を維持するのに役立つAIアシスタント機能です。
主な機能は以下の通り:
- メールの要約: 長いメールスレッドから重要なポイントを抽出
- メールの下書き作成: 指示を入力するだけでメール文を自動生成
- メールのコーチング: 文章のトーンや明瞭さを改善する提案
- チャット機能: Outlookを使いながらCopilotと対話
つまり、メール作業を効率化してくれる便利な機能なんですね。
Copilotが表示されない主な原因7つ
OutlookでCopilotが表示されない原因としては、ライセンスの問題、アプリやWebバージョンのバージョン、管理者の設定、環境の違いなど複数の要素が関係します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
原因1:対応していないライセンスプラン
最も多い原因がこれです。
CopilotはすべてのMicrosoft 365プランで使えるわけではありません。
対応プラン(法人向け):
- Microsoft 365 E3 / E5
- Microsoft 365 Business Standard
- Microsoft 365 Business Premium
- Microsoft 365 Education A3 / A5
対応プラン(個人向け):
- Microsoft 365 Personal(Copilot Proの追加契約が必要)
- Microsoft 365 Family(Copilot Proの追加契約が必要)
非対応プラン:
- Microsoft 365 E1
- Microsoft 365 F3
- Microsoft 365 Business Basic
- 無料版のOutlook.com
つまり、基本的なプランだけではCopilotは使えないんです。
原因2:対応していないメールアカウント
これも見落としがちなポイントです。
outlook.com、hotmail.com、live.com、msn.comのメールアドレスを使用するMicrosoftアカウントのみがサポートされます。Gmail、Yahoo、iCloudなどのサードパーティのメールプロバイダーのメールアカウントはOutlookを使用できますが、Copilot機能にはアクセスできません。
Copilotが使えるアカウント:
- outlook.com
- hotmail.com
- live.com
- msn.com
- 職場または学校のMicrosoft 365アカウント
Copilotが使えないアカウント:
- Gmail
- Yahoo Mail
- iCloudメール
- その他のサードパーティメール
OutlookアプリでGmailを使っていても、Copilot機能は利用できないということですね。
原因3:Outlookのバージョンが古い
Copilotは最新のビルドにのみ対応しています。アプリをアップデートしていない場合や、古いブラウザでWeb版を利用している場合、Copilotは表示されません。
特に、従来版のOutlookを使っている場合は要注意です。新しいOutlook for WindowsやWeb版のOutlookでないと、一部の機能が使えないことがあります。
原因4:プライバシー設定がオフになっている
Copilotを使うには、特定のプライバシー設定を有効にする必要があります。
Microsoft 365アプリにCopilotが表示されない原因としては、2種類の設定が考えられます。コンテンツを分析するエクスペリエンスと、すべての接続エクスペリエンスがオンになっている必要があります。
これらの設定がオフになっていると、いくらライセンスがあってもCopilotは表示されません。
原因5:更新チャネルの問題(企業向け)
企業で使っている場合、更新チャネルの設定も影響します。
Microsoft 365の半期エンタープライズチャネルを使用している場合は、アプリでMicrosoft 365 Copilot機能が使用できなくなっています。割り当てられたCopilotライセンスで有効になっている機能を使用するには、最新または月次エンタープライズチャネルに切り替える必要があります。
これは個人で変更できないため、IT管理者に相談する必要があります。
原因6:管理者による制限
企業や学校のテナント管理者がセキュリティ上の理由でCopilotを無効化しているケースがあります。
組織のポリシーでCopilot機能が制限されている場合、ユーザー側では設定を変更できません。
原因7:段階的な展開による未提供
Copilotは段階的にロールアウトされており、地域や言語によって利用可否が異なります。
条件をすべて満たしていても、まだ自分の環境には展開されていない可能性もあるんです。
解決方法1:ライセンスとアカウントを確認する
まずは、基本中の基本。自分のライセンスとアカウントを確認しましょう。
Microsoft 365のライセンスを確認する手順
手順1:Outlookでアカウント情報を開く
- Outlookを起動
- 「ファイル」タブをクリック
- 「Officeアカウント」を選択
手順2:ライセンス情報をチェック
画面に表示される情報で、以下を確認します:
- サブスクリプション名(例:Microsoft 365 Business Premium)
- サインインしているアカウント
- 製品のライセンス状態
Web版で確認する方法
- ブラウザで office.com にアクセス
- Copilotが使えるはずのアカウントでサインイン
- 画面右上のアカウントアイコンをクリック
- 「マイアカウント」→「サブスクリプション」を選択
- 契約内容に「Copilot」の記載があるか確認
アカウントの種類を確認
使っているメールアドレスが、対応しているものかどうか確認しましょう。
確認方法:
Outlookの「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」で、現在サインインしているメールアドレスを確認できます。
@gmail.comや@yahoo.co.jpなどのアドレスでは、Copilotは使えません。
解決方法2:Outlookを最新バージョンに更新する
古いバージョンを使っている場合は、まずアップデートしましょう。
デスクトップ版Outlookの更新手順
手順1:更新を確認
- Outlookを起動
- 「ファイル」タブをクリック
- 「Officeアカウント」を選択
- 「更新オプション」→「今すぐ更新」をクリック
手順2:更新のインストール
更新プログラムがあれば、自動的にダウンロードとインストールが開始されます。完了したらOutlookを再起動しましょう。
現在のバージョンを確認する方法
- 「ファイル」→「Officeアカウント」を開く
- 「Outlookのバージョン情報」をクリック
- バージョン番号とビルド番号が表示される
最新バージョンかどうか分からない場合は、「更新オプション」から「今すぐ更新」を実行すれば確実です。
新しいOutlookに切り替える
従来版のOutlookを使っている場合、新しいOutlook for Windowsに切り替えることで問題が解決することもあります。
切り替え方法:
- Outlookの右上にある「新しいOutlookを試す」トグルスイッチをオンにする
- 切り替えが完了するまで待つ
- Copilotボタンが表示されるか確認
解決方法3:プライバシー設定を確認・変更する

プライバシー設定が原因の場合は、以下の手順で修正できます。
Windowsでの設定変更手順
ステップ1:プライバシー設定を開く
- Outlookまたは他のMicrosoft 365アプリ(Wordなど)を開く
- 「ファイル」タブをクリック
- 「アカウント」を選択
- 「アカウントのプライバシー」にある「設定の管理」をクリック
ステップ2:接続エクスペリエンスを有効化
プライバシー設定のウィンドウが開いたら:
- 「コンテンツを分析するエクスペリエンス」がオンになっていることを確認
- 下にスクロールして「すべての接続エクスペリエンス」がオンになっていることを確認
- 「OK」をクリック
ステップ3:アプリを再起動
設定を変更したら、Outlookを含むすべてのOfficeアプリを一度閉じて、再起動してください。
Macでの設定変更手順
手順:
- Outlookまたは他のMicrosoft 365アプリを開く
- 画面上部のメニューから、アプリ名(WordやOutlookなど)を選択
- 「環境設定」をクリック
- 「プライバシー」を選択
- 「コンテンツを分析するエクスペリエンス」をオンにする
- 「すべての接続エクスペリエンス」をオンにする
- すべてのアプリを再起動
組織で管理されている場合
Microsoft 365が組織によって管理されている場合は、プライバシーの設定を管理しているIT管理者に確認する必要があります。
個人で設定を変更できない場合もあるため、まずは社内のIT部門に相談しましょう。
解決方法4:アドインを無効化してみる
アドインが原因でCopilotが表示されないこともあります。
アドイン無効化の手順
ステップ1:アドイン設定を開く
- Outlookを起動
- 「ファイル」メニューをクリック
- 「オプション」を選択
- 左側のメニューから「アドイン」をクリック
ステップ2:COMアドインを管理
- ウィンドウ下部にある「管理(A):」のドロップダウンリストで「COMアドイン」を選択
- 「設定(G)…」ボタンをクリック
- 表示されたアドインのリストが開く
ステップ3:一時的に無効化
- 怪しいアドイン(特にサードパーティ製)のチェックボックスを外す
- 「OK」をクリック
- Outlookを再起動
- Copilotが表示されるか確認
原因となっているアドインが特定できたら、そのアドインを削除するか、提供元に問い合わせましょう。
解決方法5:更新チャネルを確認する(企業向け)
企業でMicrosoft 365を使っている場合、更新チャネルの確認も重要です。
現在の更新チャネルを確認する方法
手順:
- Outlookまたは他のMicrosoft 365アプリを開く
- 「ファイル」→「アカウント」を選択
- 「製品情報」セクションを確認
- 「更新チャネル」の表示を探す
表示例:
- 「最新チャネル」→ Copilot対応
- 「月次エンタープライズチャネル」→ Copilot対応
- 「半期エンタープライズチャネル」→ Copilot非対応
半期チャネルの場合の対処法
「半期エンタープライズチャネル」と表示されている場合、個人では変更できません。
対応方法:
- 社内のIT管理者に連絡
- 「最新チャネル」または「月次エンタープライズチャネル」への変更を依頼
- 変更後、Outlookを再起動して確認
解決方法6:サードパーティCookieを確認する(Web版)
Web版Outlookを使っている場合、ブラウザの設定も影響します。
ブラウザでCookieを許可する方法
Google Chromeの場合:
- 右上の「︙」(設定メニュー)をクリック
- 「設定」を選択
- 左側の「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 「サードパーティのCookie」を選択
- 「outlook.office365.com」を許可リストに追加
Microsoft Edgeの場合:
- 右上の「…」(設定メニュー)をクリック
- 「設定」を選択
- 「Cookieとサイトのアクセス許可」をクリック
- 「Cookieとサイトデータの管理と削除」を選択
- 「許可」セクションで「outlook.office365.com」を追加
トラブルシューティング:それでも解決しない場合
上記の方法を試してもCopilotが表示されない場合の対処法です。
チェック1:Office全体を修復する
手順:
- Windowsの「設定」を開く
- 「アプリ」→「インストールされているアプリ」を選択
- 「Microsoft 365」または「Microsoft Office」を探す
- 「…」(詳細オプション)→「変更」をクリック
- 「クイック修復」を実行
- 解決しない場合は「オンライン修復」を実行
オンライン修復には時間がかかりますが、より徹底的に修復できます。
チェック2:管理者に確認する
企業や学校で使っている場合:
確認項目:
- 組織でCopilotライセンスが購入されているか
- 自分のアカウントにライセンスが割り当てられているか
- 組織のポリシーでCopilotが制限されていないか
- ネットワークやセキュリティ設定で制限がないか
これらは管理者にしか確認・変更できない項目です。
チェック3:Web版で試してみる
デスクトップ版で表示されない場合、Web版Outlookで試してみましょう。
手順:
- ブラウザで outlook.office.com にアクセス
- 正しいアカウントでサインイン
- メールを開いてCopilotボタンを探す
デスクトップアプリで表示されない場合、Web版Outlookを利用すれば、最新機能が先行して反映されることがあります。
チェック4:ライセンスの反映を待つ
新しく割り当てられたライセンスの場合、割り当てが反映されるまでに時間がかかる場合があります。
ライセンスを追加したばかりの場合は、24時間程度待ってから再度確認してみましょう。
Copilotが使えるOutlookの種類
念のため、どのOutlookでCopilotが使えるのか確認しておきましょう。
対応しているOutlook
完全対応:
- 新しいOutlook for Windows
- Outlook on the web(Web版)
- Outlook for Mac(最新版)
一部対応:
- 従来のOutlook for Windows(機能制限あり)
非対応:
- レガシー版Outlook for Mac
- 無料版Outlook.com(ライセンスなし)
新しいOutlookへの切り替えをおすすめします。
Copilotが表示された後の初期設定
無事にCopilotが表示されるようになったら、使い始める前に確認しておきたいことがあります。
Copilotボタンの場所
Copilotボタンは、以下の場所に表示されます:
メール作成時:
- 新しいメール作成画面の上部ツールバー
- Copilotアイコン(✨マーク)をクリック
メール閲覧時:
- メール本文の上部
- 「要約」ボタンとして表示されることも
チャット機能:
- 画面右側のサイドパネル
- 「Copilot」アイコンから開く
初回使用時の設定
初めてCopilotを使う際、プライバシーに関する同意画面が表示されることがあります。
内容を確認して「同意」または「続行」をクリックすれば、すぐに使い始められます。
よくある質問と回答
Copilot表示に関する、よくある疑問にお答えします。
Q1:個人向けMicrosoft 365でもCopilotは使える?
Microsoft 365 PersonalやFamilyに加入していても、Copilot Proの契約がないと利用できません。
Copilot Proは月額料金が別途かかります。Microsoftの公式サイトから契約できます。
Q2:無料版のOutlook.comでは使えない?
基本的には使えません。ただし、将来的に一部機能が無料で使えるようになる可能性はあります。
現時点では、有料のMicrosoft 365サブスクリプションが必要です。
Q3:一部のメールでだけCopilotが使えない理由は?
署名済みまたは暗号化されたメール、IRMを含むメール、または一部のMIPラベル付きメールではCopilot機能がサポートされていません。
セキュリティ保護されたメールでは、Copilotの一部機能が制限されるんです。
Q4:スマートフォン版Outlookでも使える?
はい、使えます。ただし、デスクトップ版とは機能が若干異なる場合があります。
最新版のOutlookアプリにアップデートしておきましょう。
Q5:Copilotの料金はいくら?
法人向け(Microsoft 365 Copilot):
- 月額約3,750円/ユーザー(年間契約)
- 対象のMicrosoft 365プランが別途必要
個人向け(Copilot Pro):
- 月額約3,200円
- Microsoft 365 PersonalまたはFamilyが別途必要
料金は変動する可能性があるため、公式サイトで最新情報を確認してください。
まとめ:原因を一つずつ確認して解決しよう
OutlookでCopilotが表示されない問題は、必ず原因があります。
この記事のポイント:
- ライセンスとアカウントの種類が最も重要な確認ポイント
- outlook.com/hotmail.com/live.com/msn.comのアカウントのみ対応
- プライバシー設定で2つの接続エクスペリエンスを有効化
- Outlookを最新バージョンにアップデート
- 企業の場合は更新チャネルと管理者設定を確認
- アドインが原因の可能性もある
- それでもダメならOffice全体の修復を試す
特に重要なのは、正しいライセンスと対応するアカウント、そしてプライバシー設定の3つです。
この記事の手順を一つずつ試していけば、きっとCopilotが使えるようになるはずです。それでも解決しない場合は、Microsoftサポートに問い合わせることをおすすめします。
Copilotを活用して、効率的なメール作業を実現しましょう!

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