「30分で一日分の充電完了」
そんな驚異的な充電速度を実現してきたOnePlus。その秘密は、独自の急速充電技術にあります。
今回は、OnePlusが誇る急速充電技術の全てを、その仕組みから使い方、注意点まで詳しく解説していきます。
OnePlusの急速充電技術とは

OnePlusは、2016年のOnePlus 3発売時から独自の急速充電技術を搭載し、業界をリードしてきました。
技術の系譜
OnePlusの急速充電技術は、大きく分けて以下のように進化してきました。
- Dash Charge(2016年〜):20W
- Warp Charge(2018年〜):30W〜65W
- SuperVOOC(2020年代〜):80W〜150W
これらの技術は、いずれもOPPOの「VOOC(Voltage Open Loop Multi-step Constant-Current Charging)」技術をベースにしています。
OPPOとの関係
OnePlusはOPPO傘下のブランドですが、独立したアイデンティティを保つため、充電技術に独自の名称を付けてきました。
しかし、技術的な中身はOPPOのVOOC / SuperVOOCと同じものです。
Dash Charge:OnePlusの急速充電の原点
OnePlus 3/3Tで初めて採用された急速充電技術。
基本スペック
出力: 5V / 4A(20W)
充電時間: 30分で約60%充電
対応機種:
- OnePlus 3 / 3T
- OnePlus 5 / 5T
- OnePlus 6 / 6(初期)
技術的特徴
Dash Chargeの最大の特徴は、低電圧・高電流方式を採用したことです。
他社技術との違い
Qualcomm Quick Charge:
- 電圧を上げる方式(5V → 9V → 12V)
- 電圧変換時に熱が発生しやすい
Dash Charge:
- 電圧は5Vで固定
- 電流を4Aまで上げる
- 熱は充電器側で発生
熱管理の仕組み
Dash Chargeの革新的なポイントは、熱を充電器側に逃がす設計です。
通常の急速充電では、電圧変換の際にスマートフォン内部で熱が発生します。
しかしDash Chargeは、電力管理回路のほとんどを充電器側に配置することで、スマートフォン本体の発熱を最小限に抑えています。
使用中でも速度低下なし
この熱管理方式のおかげで、充電中にスマートフォンを使っても充電速度が落ちないという大きなメリットがあります。
ゲームをプレイしながらでも、最大速度で充電できるのです。
専用ケーブルが必要
Dash Chargeは、専用の充電器とケーブルの組み合わせでのみ動作します。
市販のUSB Type-Cケーブルでは、通常の充電速度(5V/2A程度)になってしまいます。
Warp Charge:さらなる高速化
2018年12月、OnePlus 6T McLaren Editionで初めて登場した次世代技術。
Warp Charge 30の登場
出力: 5V / 6A(30W)
充電時間: 20分で50%、60分で100%
初搭載機種:
- OnePlus 6T McLaren Edition(2018年12月)
- OnePlus 7 Pro(2019年5月)
- OnePlus 7T / 7T Pro(2019年10月)
Dash Chargeとの違い
| 項目 | Dash Charge | Warp Charge 30 |
|---|---|---|
| 出力 | 5V / 4A | 5V / 6A |
| 電力 | 20W | 30W |
| 0→50%充電 | 約30分 | 約20分 |
| フル充電 | 約80分 | 約60分 |
電力が50%増加したことで、充電時間が大幅に短縮されました。
ハードウェアの改良
Warp Charge 30を実現するため、OnePlusはスマートフォン本体にも大きな改良を加えました。
バッテリー保護構造の強化
- 8層保護基板を採用
- より効率的な冷却機構
- 安全性を保ちながら高速充電を実現
ケーブルの強化
- より太い導線で大電流に対応
- 耐久性の向上
- 特徴的なオレンジ色の編み込みケーブル
Warp Charge 30Tへの進化
OnePlus 7Tシリーズでは、さらに改良された「Warp Charge 30T」が採用されました。
主な改良点:
- より安定した充電速度
- 熱管理のさらなる最適化
- 充電終盤の速度調整機能
充電残量が90%を超えると、自動的に5V/2A(10W)にステップダウンし、バッテリー寿命を保護します。
互換性
Warp Charge 30充電器 + 旧型OnePlus:
→ Dash Charge速度で充電(20W)
Dash Charge充電器 + Warp Charge対応機種:
→ Dash Charge速度で充電(20W)
旧型OnePlusケーブル + Warp Charge 30充電器:
→ Warp Charge 30速度で充電可能
つまり、ケーブルは共通で使えますが、充電器の世代によって速度が変わります。
Warp Charge 65:新たなステージへ
2020年、OnePlus 8Tでさらなる高速化を実現。
革新的な65W充電
出力: 最大65W(10V / 6.5A)
充電時間: 15分で58%、39分で100%
対応機種:
- OnePlus 8T(2020年10月)
- OnePlus 9 / 9 Pro
- OnePlus 9R / 9RT
- OnePlus 10 Pro
- OnePlus 11シリーズ
USB-C to USB-Cへの移行
Warp Charge 65から、ケーブルがUSB-C to USB-Cに変更されました。
これにより、将来的な互換性や利便性が向上しました。
Warp Charge 65Tの登場
OnePlus 9 Proでは、「Warp Charge 65T」という改良版が採用されました。
特徴:
- より長時間にわたる高電圧の維持
- 充電カーブの最適化
- 30分以内でのフル充電を実現
SuperVOOCへの統合
OnePlusとOPPOの統合が進む中、充電技術も名称が統一されていきました。
80W SuperVOOC
出力: 80W
充電時間: 約35分でフル充電
対応機種:
- OnePlus 10T
- 一部のOnePlus Aceシリーズ
100W SuperVOOC
出力: 100W
充電時間: 約25分でフル充電
対応機種:
- OnePlus 11 / 11R
- OnePlus 12 / 12R
- OnePlus Aceシリーズの上位モデル
120W〜150W SuperVOOC
さらなる高速化も進んでいます。
150W充電:
- OnePlus Ace(中国版)で採用
- 約15分でフル充電
- 業界トップクラスの充電速度
200W超への挑戦
OPPOは240Wの充電技術も開発しており、将来的にOnePlusにも搭載される可能性があります。
ワイヤレス充電への対応
有線充電だけでなく、ワイヤレス充電でも高速化を実現。
Warp Charge 30 Wireless
OnePlus 8 Proで初めて搭載されたワイヤレス充電。
出力: 30W
充電時間: 約80分でフル充電
特徴:
- 専用の充電スタンドが必要
- ファン内蔵で冷却
50W Wireless
OnePlus 9 Proから採用された高速ワイヤレス充電。
出力: 50W
充電時間: 約43分でフル充電
特徴:
- 有線充電に迫る速度
- 独自の冷却システム
リバースワイヤレス充電
一部の上位機種では、他のデバイスを充電できる機能も搭載。
出力: 5W程度
用途:
- ワイヤレスイヤホンの充電
- 他のスマートフォンへの緊急充電
急速充電の仕組みを理解する
なぜOnePlusの充電はこんなに速いのか、その秘密を探ります。
デュアルセルバッテリー
SuperVOOCの高速充電を実現する重要な技術。
従来の方式:
- 単一の大容量バッテリーセル
SuperVOOC方式:
- 2つのバッテリーセルに分割
- 並列充電で速度倍増
例えば、OnePlus 12の5,400mAhバッテリーは、実際には2,700mAh×2の構成です。
電力管理回路の配置
スマートフォン内:
- 最小限の電力管理回路のみ
- 発熱を抑制
充電器側:
- 主要な電力管理回路
- 大型のヒートシンクで放熱
この設計により、スマートフォン本体の温度上昇を抑えつつ、高速充電を実現しています。
インテリジェントな充電制御
OnePlusの急速充電は、単に電力を流し込むだけではありません。
多段階定電流充電:
- 初期(0〜80%):最大電力で高速充電
- 中期(80〜90%):やや電力を下げる
- 終期(90〜100%):低電力でトリクル充電
この制御により、バッテリー寿命を保護しながら高速充電を実現しています。
温度監視システム
複数の温度センサー:
- バッテリー内部
- 充電回路
- USB端子
温度が上昇しすぎると、自動的に充電速度を落とす安全機能が働きます。
他社技術との比較
OnePlusの急速充電は、他のメーカーとどう違うのでしょうか。
Qualcomm Quick Charge
多くのAndroidスマートフォンが採用する急速充電規格。
Quick Charge 3.0:
- 最大18W
- 電圧可変方式(5V〜12V)
Quick Charge 4/4+:
- 最大27W〜30W
- USB PD互換
Quick Charge 5:
- 最大100W
- USB PD 3.0完全互換
OnePlusスマートフォンは、基本的にQuick Chargeには非対応です。
USB Power Delivery(USB PD)
USB-Cの標準的な急速充電規格。
USB PD 2.0:
- 最大100W
- 幅広いデバイスに対応
USB PD 3.0 PPS:
- より柔軟な電圧・電流制御
- Samsung、Google Pixelなどが採用
OnePlusは、USB PDに限定的に対応しています。
OnePlusでUSB PD使用時:
- 最大5V/3A(15W)程度
- Warp Charge/SuperVOOCよりかなり遅い
- 汎用充電器が使える利点はある
Samsung超急速充電
Samsung 25W:
- Galaxy S21以降の標準
- USB PD PPS準拠
Samsung 45W:
- Galaxy S22 Ultra、S23 Ultraなど
- フル充電に約60分
OnePlusの65W〜100W充電と比べると、Samsungは保守的な速度設定です。
Xiaomi急速充電
OnePlusの強力なライバル。
Xiaomi 120W:
- Xiaomi 11T Proなど
- 約20分でフル充電
Xiaomi 210W:
- Xiaomi 13 Proで採用
- 約10分でフル充電(中国版のみ)
技術的にはOnePlus(OPPO)と同レベルまたはそれ以上の速度を実現しています。
急速充電の安全性
「こんなに速く充電して大丈夫?」という疑問に答えます。
バッテリー寿命への影響
結論: 適切に設計されていれば、通常の使用範囲では問題ありません。
OnePlusの対策:
- 充電終盤での速度低下
- 温度監視と自動調整
- 過充電防止機能
- 夜間充電の最適化(一部機種)
発熱対策
充電器側での発熱:
- 大型のヒートシンク
- 放熱設計の最適化
- ファン搭載(ワイヤレス充電器)
スマートフォン側:
- ベイパーチャンバー冷却
- 銅箔ヒートスプレッダー
- 温度センサーによる監視
過電流・過電圧保護
多重保護システム:
- 充電器側の保護回路
- ケーブル内のE-Markチップ
- スマートフォン側の保護回路
- バッテリー保護基板
これらの安全機能により、異常な電力供給を防止しています。
長期使用でのバッテリー劣化
OnePlusの公式情報によると、800回の充電サイクル後も80%以上の容量を維持するよう設計されています。
通常の使用(1日1回充電)なら、約2年間は問題なく使える計算です。
実際の充電時間
各技術での実際の充電時間を見てみましょう。
Dash Charge(20W)
OnePlus 3T(3,400mAh):
- 0→50%:約30分
- 0→100%:約80分
Warp Charge 30(30W)
OnePlus 7T(3,800mAh):
- 0→50%:約20分
- 0→100%:約60分
Warp Charge 65(65W)
OnePlus 8T(4,500mAh):
- 0→58%:15分
- 0→100%:39分
SuperVOOC 100W
OnePlus 11(5,000mAh):
- 0→50%:約10分
- 0→100%:約25分
SuperVOOC 150W
OnePlus Ace(4,500mAh):
- 0→50%:約7分
- 0→100%:約15分
ワイヤレス充電
OnePlus 9 Pro 50W Wireless(4,500mAh):
- 0→100%:約43分
充電器とケーブルの互換性
OnePlusの充電システムを最大限活用するための知識。
世代間の互換性
新しい充電器 + 古い機種:
- 古い機種の最大速度で充電
- 例:Warp Charge 65充電器 + OnePlus 6 → Dash Charge速度(20W)
古い充電器 + 新しい機種:
- 充電器の最大速度で充電
- 例:Dash Charge充電器 + OnePlus 8T → Dash Charge速度(20W)
ケーブルの重要性
専用ケーブルが必須:
- Dash Charge、Warp Charge用ケーブル
- USB-A to USB-C(初期)
- USB-C to USB-C(65W以降)
市販のケーブルでは:
- 通常充電速度(5V/2A、10W程度)
- Quick ChargeやUSB PDには非対応のため
サードパーティ製品
公式互換品:
- OnePlus純正品を推奨
- 一部の認証済みサードパーティ製品
非純正品のリスク:
- 充電速度が出ない
- 安全性の問題
- 機器の故障リスク
パワーバンク(モバイルバッテリー)
外出先での急速充電。
OnePlus公式パワーバンク
OnePlusは過去にパワーバンクを販売していましたが、現在は限定的です。
市販品での充電
問題点:
- Warp Charge/SuperVOOC対応のパワーバンクがほとんど存在しない
- 通常速度(10W〜18W)での充電になる
USB PD対応パワーバンク:
- 15W程度での充電は可能
- OnePlusの急速充電は利用できない
将来の展望
OPPOはSuperVOOC対応パワーバンクを一部市場で販売しており、OnePlusでも使える可能性があります。
カーチャージャー
車内での急速充電。
Warp Charge / Dash Charge対応
OnePlusは公式のカーチャージャーを販売しています。
Warp Charge 30 Car Charger:
- 出力:30W
- 入力:12V/24V対応
- 専用のS-VOCポート
使用上の注意
専用ポート:
- S-VOCポートのみがWarp Charge対応
- 他のUSBポートは通常速度
互換性:
- 純正ケーブルが必要
- 市販のUSB Type-Cケーブルでは速度が出ない
よくある質問と回答
OnePlusの急速充電についてのFAQ。
Q1:急速充電でバッテリーは劣化しませんか?
A: 適切に設計されているため、通常使用の範囲では問題ありません。
OnePlusは充電終盤での速度低下、温度管理、過充電防止など、多重の保護機能を実装しています。
Q2:充電中にスマホを使っても大丈夫?
A: はい、問題ありません。
むしろDash Charge/Warp Chargeは、使用中でも充電速度が落ちないよう設計されています。
Q3:他社の急速充電器は使えますか?
A: 使えますが、速度は出ません。
Quick ChargeやUSB PDには非対応のため、通常速度(10W〜15W程度)での充電になります。
Q4:ケーブルだけ交換しても大丈夫?
A: 急速充電には専用ケーブルが必要です。
市販のUSB Type-Cケーブルでは、Warp Charge/Dash Chargeの速度は出ません。
Q5:充電器が熱くなるのは正常?
A: はい、正常です。
OnePlusの急速充電は、意図的に充電器側で熱を発生させる設計です。スマートフォン本体は熱くなりにくいはずです。
Q6:夜通し充電しても大丈夫?
A: はい、問題ありません。
過充電防止機能があり、100%到達後は自動的にトリクル充電に切り替わります。
一部の新しい機種では、夜間充電の最適化機能(起床時刻に合わせて充電完了)もあります。
Q7:海外で使えますか?
A: はい、世界中で使えます。
OnePlusの充電器は100-240V対応で、変換プラグさえあれば世界中で使用できます。
Q8:充電器を落としたけど大丈夫?
A: 動作確認を推奨します。
内部の回路が破損している可能性があるため、異常な発熱や充電速度の低下がないか確認してください。
不安な場合は、新しい充電器の購入を検討しましょう。
まとめ
OnePlusの急速充電技術は、スマートフォンの使い方を変える画期的なイノベーションです。
技術の進化:
- Dash Charge(20W)→ Warp Charge(30W〜65W)→ SuperVOOC(80W〜150W)
- 約10年で7倍以上の高速化を実現
技術的特徴:
- 低電圧・高電流方式
- 充電器側での熱管理
- デュアルセルバッテリー
- インテリジェントな充電制御
安全性:
- 多重保護システム
- 温度監視と自動調整
- バッテリー寿命への配慮
制約:
- 専用充電器とケーブルが必須
- USB PDやQuick Chargeには非対応
- パワーバンクでは速度が出ない
OnePlusユーザーなら、ぜひこの革新的な急速充電技術を最大限に活用しましょう。
「充電を忘れた!」という朝でも、朝食の支度中の15〜20分で十分なバッテリーが確保できる。それがOnePlusの急速充電の魅力です。

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