「OneNoteでサブページを作ろうとしても、うまくいかない…」「ページの階層化ができなくて困っている」「昔はサブページが作れたのに、なぜかできなくなった」そんな悩みはありませんか?
OneNoteのサブページ機能は、バージョンや使用環境によって動作が異なったり、設定によって利用できなかったりすることがあります。適切な方法を理解することで、効率的な階層管理が可能になるんです。
今回は、OneNoteサブページが作成できない原因から、代替手段による階層管理、効果的な情報整理テクニックまで詳しく解説していきます。あなたのノート管理を格段に改善する実践的な解決策を身につけてくださいね。
OneNoteサブページ機能の現状と変更点

サブページ機能の廃止について
重要な点として、現在のOneNote(Microsoft 365版、Windows 10版)では、従来のサブページ機能が廃止されています。OneNote 2016までは利用できた階層ページ機能が、新しいバージョンでは削除されているのが現状です。
この変更は、OneNoteをよりシンプルで直感的にするMicrosoftの設計思想によるものですが、既存ユーザーには大きな影響を与えています。
バージョン別の機能差異
OneNoteのバージョンによって、サブページ機能の有無が異なります:
実例:バージョン別サブページ機能の対応状況
- OneNote 2016(デスクトップ版):サブページ機能あり
- OneNote for Microsoft 365:サブページ機能なし
- OneNote for Windows 10:サブページ機能なし
- OneNote Web版:サブページ機能なし
- OneNoteモバイル版:サブページ機能なし
設計思想の変更
Microsoftは、複雑な階層構造よりもフラットで検索しやすい構造を推奨する方向に舵を切りました。タグ機能、検索機能、セクション機能を活用した新しい情報整理方法が提案されています。
この変更により、従来のファイル・フォルダ的な管理から、より柔軟でダイナミックな情報管理へとパラダイムシフトが起きています。
既存のサブページの扱い
OneNote 2016で作成された既存のサブページは、新しいバージョンでも表示・編集は可能です。ただし、新しいサブページの作成や階層の変更はできません。
既存のサブページ構造を維持したい場合は、OneNote 2016を継続使用するか、後述する代替手段を検討する必要があります。
現状を理解したところで、次はサブページが作成できない具体的な原因を確認していきましょう。
サブページが作成できない原因
使用しているOneNoteバージョンの確認
最も一般的な原因は、サブページ機能をサポートしていないバージョンのOneNoteを使用していることです。「ファイル」→「アカウント」→「OneNoteについて」から、現在使用しているバージョンを確認してください。
Microsoft 365を使用している場合、自動的に新しいバージョンのOneNoteが起動するため、サブページ機能は利用できません。
ライセンスと権限の問題
企業環境や教育機関では、管理者によってOneNoteの機能が制限されている場合があります。特定のバージョンの使用が禁止されていたり、機能が無効化されていたりする可能性があります。
IT管理者に確認して、使用可能なOneNoteバージョンと機能制限について把握してください。
アカウント設定の影響
使用しているMicrosoftアカウントの種類(個人、職場・学校)によって、利用できる機能が異なる場合があります。また、アカウント間の同期設定も影響することがあります。
複数のアカウントを使用している場合は、どのアカウントでサインインしているかを確認してください。
デバイス固有の制限
使用しているデバイス(Windows、Mac、タブレット、スマートフォン)によって、利用できるOneNote機能が異なります。特にモバイルデバイスでは、デスクトップ版にある機能の多くが制限されています。
実例:デバイス別の機能制限
- Windows PC:最多機能(ただしバージョンによる)
- Mac:一部機能制限
- iPad/iPhone:大幅な機能制限
- Android:大幅な機能制限
- Webブラウザ:中程度の機能制限
同期とキャッシュの問題
OneNoteの同期問題やキャッシュの破損により、一部機能が正常に動作しない場合があります。特に複数デバイス間での同期時に問題が発生することがあります。
キャッシュのクリアや手動同期を実行することで解決する場合があります。
アプリケーションの破損
OneNoteアプリ自体に問題がある場合、正常に機能しないことがあります。アプリの再インストールや修復が必要な場合があります。
Windows の「アプリと機能」から、OneNoteの修復オプションを試してみてください。
原因を特定したところで、次は具体的な解決方法を見ていきましょう。
サブページ問題の解決方法
OneNote 2016の使用
サブページ機能を継続して使用したい場合は、OneNote 2016(デスクトップ版)の使用を検討してください。Microsoft 365のライセンスがあれば、OneNote 2016も利用可能です。
ただし、OneNote 2016は将来的にサポート終了が予定されているため、長期的な使用には注意が必要です。
バージョンの切り替え設定
Windows環境では、複数のOneNoteバージョンが同時にインストールされている場合があります。デフォルトで開くOneNoteを変更することで、サブページ機能のあるバージョンを使用できる場合があります。
「設定」→「アプリ」→「既定のアプリ」から、OneNoteの関連付けを変更してください。
キャッシュとデータの修復
OneNoteの動作に問題がある場合は、以下の手順でキャッシュをクリアしてください:
実例:キャッシュクリアの手順
- OneNoteを完全に終了
- 「ファイル」→「オプション」→「保存と同期」
- 「キャッシュファイルの削除」を実行
- OneNoteを再起動
- 手動同期を実行
権限とアクセス設定の確認
企業環境では、管理者に以下の点を確認してください:
- OneNote 2016の使用許可
- サブページ機能の有効化
- ノートブックの編集権限
- 組織ポリシーの制限事項
必要に応じて、IT部門に機能の有効化を依頼してください。
アカウント設定の最適化
複数のMicrosoftアカウントを使用している場合は、適切なアカウントでサインインしているか確認してください。職場・学校アカウントと個人アカウントでは利用できる機能が異なります。
「ファイル」→「アカウント」から、現在のサインイン状況を確認してください。
代替インストール方法
Microsoft 365経由ではなく、単体でOneNote 2016をインストールすることで、サブページ機能を利用できる場合があります。ただし、ライセンス条項を確認して、適切な方法でインストールしてください。
解決方法を確認したところで、次はサブページの代替手段について詳しく見ていきましょう。
サブページ機能の代替手段
セクショングループの活用
OneNoteの「セクショングループ」機能を使用することで、サブページに似た階層構造を作成できます。セクショングループ内にセクションを作成し、さらにその中にページを配置することで、3階層の構造を実現できます。
セクショングループは右クリックメニューから作成でき、見た目も分かりやすいフォルダアイコンで表示されます。
インデントを使った視覚的階層
ページタイトルでインデント(字下げ)を使用することで、視覚的な階層構造を表現できます。スペースや記号を使ってレベルを表現してください:
実例:インデントによる階層表現
第1章 概要
1.1 背景
1.2 目的
1.2.1 短期目標
1.2.2 長期目標
第2章 方法論
2.1 調査方法
2.2 分析手法
番号とコードによる分類
ページ名に番号やコードを付けることで、論理的な階層関係を表現できます。この方法は検索時にも有効で、関連ページを素早く見つけることができます。
プロジェクトコード、日付、カテゴリコードなどを組み合わせて、独自の分類システムを構築してください。
タグシステムの活用
OneNoteのタグ機能を戦略的に使用することで、従来のサブページ以上に柔軟な分類が可能になります。複数のタグを組み合わせることで、多次元的な情報整理を実現できます。
実例:効果的なタグ活用パターン
- プロジェクト別タグ:#ProjectA、#ProjectB
- 優先度タグ:#High、#Medium、#Low
- ステータスタグ:#Draft、#Review、#Complete
- カテゴリタグ:#Meeting、#Research、#Action
リンク機能による関連付け
ページ間のリンクを積極的に活用することで、ネットワーク型の情報構造を作成できます。親ページから子ページへのリンク、関連ページ間の相互リンクを設置してください。
目次ページを作成し、そこから各ページへのリンクを配置することで、サブページに近い使用感を実現できます。
表形式による構造化
OneNoteの表機能を使用して、階層構造を表形式で表現することも効果的です。レベル、タイトル、内容、関連情報を列に分けて整理してください。
この方法は、情報の一覧性が高く、後からの並び替えや検索も容易です。
代替手段を理解したところで、次は効果的な階層管理方法を確認していきましょう。
効果的な階層管理の方法

情報アーキテクチャの設計
サブページ機能なしでも効果的な情報管理を実現するには、事前の情報アーキテクチャ設計が重要です。情報の性質、関係性、利用頻度を分析して、最適な構造を設計してください。
トップダウン方式(大分類から小分類へ)とボトムアップ方式(個別情報から分類へ)を組み合わせて、バランスの取れた構造を作成しましょう。
ネーミングルールの統一
ページ、セクション、セクショングループの命名ルールを統一することで、検索性と管理性が大幅に向上します。日付形式、分類コード、優先度表示などを含めた体系的な命名規則を確立してください。
実例:効果的なネーミングルール
- 日付:YYYY-MM-DD形式
- 分類:[カテゴリ]_タイトル
- 優先度:★★★ 重要事項
- ステータス:[完了] [進行中] [保留]
検索機能の最大活用
OneNoteの強力な検索機能を活用することで、階層構造に依存しない情報アクセスが可能になります。キーワード検索、タグ検索、日付検索を組み合わせて、必要な情報を素早く見つけてください。
検索しやすいキーワードを意識的にノートに含めることで、検索効率を向上させることができます。
定期的な整理とリファクタリング
情報が増加するにつれて、初期の構造が最適でなくなることがあります。定期的に情報構造を見直し、必要に応じて再編成(リファクタリング)を行ってください。
月次や四半期ごとの整理タイムを設けることで、常に使いやすい状態を維持できます。
視覚的な手がかりの活用
色分け、アイコン、記号を使って視覚的な手がかりを提供することで、階層関係を直感的に理解しやすくできます。一貫したルールに基づいて視覚要素を配置してください。
重要度、緊急度、完了状況などを色で表現することで、情報の性質を瞬時に把握できます。
メタデータの活用
ページの作成日、更新日、作成者、関連プロジェクトなどのメタデータを活用することで、多面的な情報管理が可能になります。
ページの冒頭や末尾に、一貫した形式でメタデータを記録することをおすすめします。
効果的な管理方法を理解したところで、次は実践的な代替構造について確認していきましょう。
実践的な代替構造の構築
プロジェクトベースの構造
プロジェクト単位での情報管理では、各プロジェクトをセクショングループとし、フェーズやカテゴリをセクションに分類する構造が効果的です。
プロジェクトA(セクショングループ)
├─ 企画・設計(セクション)
├─ 開発・実装(セクション)
├─ テスト・検証(セクション)
└─ 運用・保守(セクション)
時系列ベースの構造
時間軸を重視する場合は、年・月・週単位でのセクション分けが有効です。日次の作業ログや学習記録に適しています。
会議録、日報、学習ノートなどは、この構造で管理すると後から参照しやすくなります。
テーマベースの構造
内容のテーマや分野別に分類する構造も効果的です。研究活動、学習、趣味などの分野で活用できます。
実例:テーマベース構造の例
学習ノート(ノートブック)
├─ 数学(セクショングループ)
│ ├─ 代数(セクション)
│ ├─ 幾何(セクション)
│ └─ 統計(セクション)
├─ 物理(セクショングループ)
│ ├─ 力学(セクション)
│ ├─ 電磁気学(セクション)
│ └─ 量子力学(セクション)
ハイブリッド構造
複数の分類軸を組み合わせたハイブリッド構造も効果的です。プロジェクト軸と時間軸、テーマ軸と優先度軸などを組み合わせてください。
この構造により、多様な視点からの情報アクセスが可能になります。
動的構造の活用
固定的な階層構造ではなく、タグとリンクを活用した動的な構造も検討してください。情報の関係性が変化しても柔軟に対応できます。
特に、創造的な作業やアイデア管理では、この動的アプローチが威力を発揮します。
インデックスページの作成
各セクションや重要なテーマについて、専用のインデックスページ(目次ページ)を作成してください。このページから関連するすべてのページにリンクを張ることで、疑似的なサブページ構造を実現できます。
インデックスページは定期的に更新し、新しく作成されたページへのリンクを追加してください。
実践的な構造を理解したところで、次はよくあるトラブルの解決方法を確認していきましょう。
トラブルシューティング
階層表示が正しくない場合
セクショングループやセクションの階層表示に問題がある場合は、OneNoteの表示設定を確認してください。「表示」タブから「ページタブ」や「セクションタブ」の表示設定を調整できます。
キャッシュの問題で表示が乱れている場合は、アプリの再起動やキャッシュクリアを試してください。
既存のサブページが消失した場合
OneNote 2016から新しいバージョンに移行した際に、既存のサブページが見えなくなることがあります。これは表示の問題で、データ自体は残っている場合が多いです。
OneNote 2016で確認するか、Web版で「すべてのページ」を確認してみてください。
同期問題による構造の乱れ
複数デバイス間での同期により、セクション構造が乱れることがあります。以下の手順で修復を試してください:
実例:同期問題の解決手順
- すべてのデバイスでOneNoteを閉じる
- 最も信頼できるデバイスで手動同期を実行
- 構造を確認・修正
- 他のデバイスでOneNoteを起動
- 同期完了を確認
権限問題による機能制限
共有ノートブックで階層操作ができない場合は、編集権限を確認してください。閲覧権限では、セクションやページの追加・移動ができません。
ノートブック所有者に権限の変更を依頼してください。
検索機能が正常に動作しない
タグや階層構造に依存した情報管理では、検索機能が重要です。検索が正常に動作しない場合は、インデックスの再構築を試してください。
「ファイル」→「オプション」→「検索」から、インデックスの管理設定を確認できます。
パフォーマンス問題
大量のセクションやページがある場合、OneNoteの動作が重くなることがあります。不要なセクションをアーカイブしたり、別のノートブックに移動したりしてください。
定期的な整理により、パフォーマンスを維持することが重要です。
トラブル解決方法を確認したところで、よくある質問についても答えていきましょう。
よくある質問と回答
Q1: 新しいOneNoteで絶対にサブページは作れないのですか?
現在のOneNote(Microsoft 365版、Windows 10版)では、従来のサブページ機能は提供されていません。ただし、セクショングループ、インデント、タグ、リンクなどを組み合わせることで、サブページに近い階層管理は可能です。
どうしてもサブページ機能が必要な場合は、OneNote 2016の使用を検討してください。
Q2: OneNote 2016はいつまで使用できますか?
OneNote 2016は2025年10月にサポートが終了予定です。それ以降もアプリ自体は動作しますが、セキュリティ更新や新機能の追加は行われません。
長期的な使用を考える場合は、新しいOneNoteに適応した情報管理方法への移行を検討することをおすすめします。
Q3: 代替手段でも同じような使い勝手を実現できますか?
適切に設計された代替構造であれば、従来のサブページ機能と同等またはそれ以上の使い勝手を実現できます。特にタグ機能や検索機能を活用することで、より柔軟な情報管理が可能になります。
実例:代替手段の利点
- タグによる多次元分類
- 検索機能による高速アクセス
- リンクによる柔軟な関連付け
- 視覚的な整理による直感的操作
Q4: 既存のサブページ構造を新しい形式に移行する方法は?
既存のサブページ構造を移行する際は、以下の手順をおすすめします:
- 現在の階層構造を分析・文書化
- 新しい分類方法を設計
- 段階的にページを移動・再編成
- タグやリンクを追加して関連付けを強化
- インデックスページを作成
Q5: チームで共有する場合の最適な構造は?
チーム共有では、以下の要素を考慮した構造をおすすめします:
- メンバーが理解しやすい明確な分類
- 権限管理を考慮したセクション分け
- 検索しやすいネーミングルール
- 定期的な整理ルールの確立
Q6: モバイルデバイスでも同じような管理ができますか?
モバイル版OneNoteでは機能が制限されますが、基本的な構造管理は可能です。セクション・ページの移動、タグの追加、検索機能などは利用できます。
ただし、細かい設定や大規模な構造変更は、デスクトップ版で行うことをおすすめします。
質問への回答を通して理解を深めたところで、今回学んだ内容をまとめてみましょう。
まとめ
OneNoteのサブページ機能問題を理解し、効果的な代替手段を活用することで、より柔軟で実用的な情報管理システムを構築できます。
今回ご紹介した主なポイントを振り返ってみましょう:
現状と問題を正しく把握しよう
- 新しいOneNoteではサブページ機能が廃止されている現実
- バージョンや環境による機能差異の理解
- OneNote 2016継続使用の検討と制限事項の認識
- 企業環境での権限・ライセンス問題の確認
効果的な代替手段を活用しよう
- セクショングループとインデントによる階層表現
- タグシステムとリンク機能による柔軟な分類
- 検索機能を前提とした情報設計
- 視覚的手がかりとメタデータの戦略的活用
実践的な管理システムを構築しよう
- プロジェクト、時系列、テーマベースの構造設計
- ハイブリッド構造と動的分類の組み合わせ
- インデックスページによる疑似サブページ実現
- 定期的な整理とリファクタリングの実施
OneNoteのサブページ機能廃止は、確かに既存ユーザーには影響がありますが、新しいアプローチを採用することで、従来以上に柔軟で効率的な情報管理が可能になります。階層的な思考から、ネットワーク的・タグベースの思考への転換が、現代的な情報管理の鍵となります。
まずは小規模な範囲で代替手段を試し、徐々に自分の作業スタイルに最適化された管理システムを構築してください。継続的な改善により、サブページ機能以上に使いやすい情報管理環境を実現できることを願っています!
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