OneDriveのファイルをローカルに保存したいけれど、どうすればいいか分からなくて困っていませんか?「オフラインでもファイルにアクセスしたい」「容量不足でクラウドから削除されそう」「PCの故障に備えてバックアップを作りたい」といったお悩みは、OneDriveのローカル保存機能で解決できます。
この記事では、OneDriveファイルをPC内に確実に保存する方法を詳しく解説し、ファイルオンデマンド機能の活用からトラブル対処まで、包括的にご紹介します。
OneDriveローカル保存の基本知識

ローカル保存とは何か
OneDriveのローカル保存とは、クラウド上のファイルをPCの内蔵ストレージにも保存することです。これにより、インターネットに接続していない状態でもファイルにアクセスできるようになります。
ローカル保存の種類
- 常に保持:指定したファイルを常にPC内に保存
- 一時ダウンロード:ファイルを開いた時のみダウンロード
- 全ファイル同期:OneDrive内のすべてのファイルをローカル保存
- 選択的同期:特定のフォルダのみをローカル保存
ファイルオンデマンド機能の理解
OneDriveの「ファイルオンデマンド」は、ファイルの本体をクラウド上に保管し、PC上にはファイルの概要を示す最小限の情報のみを保存する機能です。
ファイルの状態表示
- 青い雲のアイコン(☁):オンライン専用(クラウドのみに保存)
- 緑のチェックマーク(✓):ローカルとクラウドの両方に保存
- 白い雲のアイコン:オンライン時に使用可能
この機能により、PCのストレージ容量を節約しながら、必要な時にファイルにアクセスできます。
個別ファイルをローカルに保存する方法
右クリックメニューから保存
最も簡単で確実な方法は、エクスプローラーの右クリックメニューを使用することです。
基本的な保存手順
- エクスプローラーでOneDriveフォルダを開く
- ローカル保存したいファイルを右クリック
- 「このデバイス上で常に保持する」を選択
- ファイルアイコンが緑のチェックマークに変わることを確認
フォルダ単位での一括保存
- 保存したいフォルダを右クリック
- 「このデバイス上で常に保持する」を選択
- フォルダ内のすべてのファイルが一括でローカル保存される
複数ファイルの一括保存
Ctrlキーを使った複数選択
- Ctrlキーを押しながら保存したいファイルを複数選択
- 選択したファイルのいずれかを右クリック
- 「このデバイス上で常に保持する」を選択
範囲選択での一括保存
- 最初のファイルをクリック
- Shiftキーを押しながら最後のファイルをクリック(範囲選択)
- 右クリックして「このデバイス上で常に保持する」を選択
ドラッグ&ドロップでの移動
OneDriveフォルダから他のローカルフォルダにファイルを直接移動する方法です。
基本的な移動手順
- エクスプローラーでOneDriveフォルダを開く
- 移動したいファイルを選択
- Ctrlキーを押しながらドラッグ:ファイルがコピーされ、OneDriveにも残る
- Shiftキーを押しながらドラッグ:ファイルが移動され、OneDriveから削除される
注意:移動とコピーの違い
- コピー(Ctrl+ドラッグ):ファイルがローカルとOneDriveの両方に保存
- 移動(Shift+ドラッグ):ファイルがローカルのみに保存され、OneDriveから削除
全ファイルをローカルに保存する方法
OneDrive設定からの一括保存
すべてのOneDriveファイルをローカルに保存する方法です。
全ファイル保存の手順
- タスクバーのOneDriveアイコンを右クリック
- 「設定」を選択
- 「同期とバックアップ」をクリック
- 画面をスクロールして「詳細設定」をクリック
- 「ファイルオンデマンド」セクションで「すべてのファイルをダウンロードする」をクリック
- 確認画面で「続ける」をクリック
処理完了の確認
- すべてのファイルアイコンが緑のチェックマークになることを確認
- 大量のファイルがある場合は、完了まで数時間かかる場合があります
ファイルオンデマンドの無効化
ファイルオンデマンド機能自体を無効にして、今後すべてのファイルが自動的にローカル保存されるようにする方法です。
無効化手順
- OneDrive設定画面を開く(前述の手順1-2)
- 「設定」タブを開く
- 「容量を節約し、ファイルを使用するときにダウンロード」のチェックを外す
- 「OK」をクリック
注意事項 ファイルオンデマンドを無効にすると、OneDriveのすべてのファイルがローカルストレージにダウンロードされ、PC上の容量を大幅に消費します。
WebブラウザからのOneDriveダウンロード
個別ファイルのダウンロード
OneDrive.comから直接ファイルをダウンロードする方法です。
基本的なダウンロード手順
- ブラウザでOneDrive.comにアクセス
- Microsoftアカウントでサインイン
- ダウンロードしたいファイルを選択
- 上部メニューの「ダウンロード」をクリック
- ブラウザのダウンロードフォルダに保存される
複数ファイル・フォルダの一括ダウンロード
複数ファイルの選択方法
- Ctrlキーを押しながら複数のファイルをクリック
- または、すべてのファイルを選択する場合は左上のチェックボックスをクリック
- 選択後、「ダウンロード」をクリック
フォルダ全体のダウンロード
- ダウンロードしたいフォルダを選択
- 「ダウンロード」をクリック
- フォルダはZIPファイルとして圧縮されてダウンロードされる
ZIPファイルの展開方法
Windows標準機能での展開
- ダウンロードしたZIPファイルを右クリック
- 「すべて展開」を選択
- 展開先フォルダを指定して「展開」をクリック
- 展開されたフォルダで内容を確認
OneDriveフォルダの保存場所変更
既定保存場所の変更
OneDriveフォルダ自体の保存場所をCドライブから別のドライブに変更する方法です。
保存場所変更の準備
- OneDrive設定から「このPCからリンクを解除する」をクリック
- 「アカウントのリンク解除」で確認
- OneDriveサインイン画面が表示されるが、そのまま放置
フォルダの物理的移動
- エクスプローラーで「C:\Users\ユーザー名」を開く
- 「OneDrive」フォルダを右クリックして「切り取り」
- 移動先ドライブ(DドライブやEドライブなど)で「貼り付け」
- ファイルが多い場合は移動完了まで数分~数時間かかる
OneDriveの再設定
- 先ほどのサインイン画面でアカウント情報を入力
- 「OneDriveフォルダはこの場所にあります」で「このフォルダーを使用」を選択
- セットアップを完了
カスタムフォルダでの同期
OneDriveを任意の場所に設定する方法です。
セットアップ時の場所指定
- OneDrive初回設定時に「フォルダーの場所を変更」を選択
- 希望する保存場所を参照で指定
- 「次へ」で設定を完了
既存設定の変更 既にOneDriveを使用している場合は、一度リンクを解除してから再設定する必要があります。
スマートフォンからのローカル保存
iPhone/iPadでのダウンロード
OneDriveアプリからの保存
- OneDriveアプリで保存したいファイルを長押し
- 「エクスポート」または「保存」を選択
- 保存先として「ファイル」アプリを選択
- 保存場所(iCloud DriveやローカルiPhone)を指定
写真・動画の保存
- OneDriveアプリで写真または動画を選択
- 共有ボタンをタップ
- 「画像を保存」または「ビデオを保存」を選択
- 端末のカメラロールに保存される
Androidでのダウンロード
OneDriveアプリからの保存
- OneDriveアプリで保存したいファイルを長押し
- メニューボタン(三点リーダー)をタップ
- 「ダウンロード」を選択
- 端末のダウンロードフォルダに保存される
ファイルマネージャーでの確認
- 端末の「ファイル」または「マイファイル」アプリを開く
- 「ダウンロード」フォルダを確認
- OneDriveからダウンロードしたファイルを確認
ローカル保存時のトラブルシューティング
よくある問題と解決方法
「このデバイス上で常に保持する」が表示されない
- 原因:ファイルオンデマンドが無効になっている
- 解決方法:OneDrive設定でファイルオンデマンドを有効化
ダウンロードが開始されない
- 原因:インターネット接続の問題
- 解決方法:ネットワーク接続を確認し、OneDriveを再起動
容量不足エラーが発生
- 原因:PCのストレージ容量不足
- 解決方法:不要ファイルを削除するか、外部ストレージを使用
同期が止まってしまう
- 原因:OneDriveプロセスの問題
- 解決方法:OneDriveをリセットするか再インストール
ファイル状態の確認方法
エクスプローラーでの状態確認
- OneDriveフォルダを詳細表示に変更
- 「状態」列でファイルの保存状況を確認
- 状態アイコンの意味を理解して適切に管理
状態アイコンの詳細
- 青い雲(☁):オンライン専用、PCには保存されていない
- 緑のチェック(✓):ローカルとクラウドの両方に保存済み
- 白い雲:必要時にダウンロードされる
- 赤いX:同期エラーが発生
パフォーマンス最適化
同期速度の改善
- OneDrive設定で「帯域幅」タブを開く
- アップロード・ダウンロード速度を調整
- 「制限しない」または適切な速度を設定
バックグラウンド同期の管理
- 必要に応じて同期を一時停止
- 重要な作業中はOneDrive処理を制限
- 夜間など使用しない時間帯に大容量ファイルの同期をスケジュール
高度なローカル保存テクニック
自動保存の設定
ストレージセンサーとの連携
- Windows設定で「システム」→「記憶域」を開く
- 「ストレージセンサーを構成する」をクリック
- OneDriveセクションで未使用ファイルの自動削除期間を設定
- 一定期間アクセスしないファイルを自動的にオンライン専用に変更
条件付き保存の活用
- 重要なファイルは常に保持に設定
- 一時的なファイルはオンライン専用に設定
- 作業中のプロジェクトは期間限定で保持
専門ツールの活用
サードパーティ製移動ツール
- AOMEI Partition Assistantなどの専用ツールを使用
- OneDriveフォルダを他のドライブに簡単移動
- ブートファイルの損失を防ぎ、正常な動作を維持
バッチファイルでの自動化
@echo off
echo OneDriveファイルの一括ローカル保存
for /r "C:\Users\%USERNAME%\OneDrive" %%f in (*) do (
attrib +P "%%f"
)
echo 処理完了
pause
クラウドとローカルのハイブリッド運用
用途別の保存戦略
- 日常業務ファイル:常にローカル保存
- アーカイブデータ:オンライン専用
- 共同作業ファイル:必要時のみダウンロード
- 重要資料:ローカルとクラウドの両方に保存
セキュリティと管理のベストプラクティス
データ保護の考慮事項
暗号化の確認
- OneDriveの転送時暗号化(HTTPS/TLS)
- 保存時暗号化(AES 256-bit)
- ローカル保存ファイルのBitLocker暗号化
アクセス権限の管理
- ローカル保存ファイルのフォルダアクセス権を適切に設定
- 共有PCではユーザーアカウント制御を強化
- 重要ファイルは追加認証を設定
バックアップ戦略
3-2-1ルールの適用
- 3つのコピー:オリジナル、OneDrive、ローカルバックアップ
- 2つの異なるメディア:クラウドとローカルストレージ
- 1つのオフサイト:OneDriveがオフサイトバックアップの役割
定期的な整合性チェック
- 月1回:ローカルとクラウドのファイル同期状況を確認
- 重要ファイル:定期的にハッシュ値を比較
- バックアップの復元テスト:年1回実施
まとめ
OneDriveのローカル保存は、オフライン作業、データ保護、パフォーマンス向上という3つの大きなメリットをもたらします。適切な方法を選択することで、クラウドの利便性を保ちながら、ローカルの安全性も確保できます。
この記事の重要ポイント
ファイルオンデマンドの理解が基本です。OneDrive Files On-Demandは、OneDrive内のクラウドストレージ内のすべてのファイルにアクセスするのに役立ち、ファイルをダウンロードしてコンピューター上のストレージ領域を使用する必要はありません。
目的に応じた保存方法を選択しましょう。個別ファイルの「このデバイス上で常に保持する」から、全ファイルの一括ダウンロードまで、ニーズに合った方法を使い分けることが重要です。
トラブル予防も忘れずに行いましょう。定期的な同期状況の確認、適切な容量管理、バックアップ戦略の実施により、データ損失のリスクを最小限に抑えられます。
OneDriveのローカル保存機能を正しく理解し活用することで、クラウドとローカルの両方の利点を最大限に活用できます。この記事で紹介した方法を参考に、あなたの使用環境に最適なローカル保存戦略を構築してください。
データの重要性に応じて適切な保存方法を選択し、定期的なメンテナンスを行うことで、安全で効率的なファイル管理が実現できます。
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