「OneDriveの個人用Vaultを間違えて作ってしまった」「Vaultが邪魔で削除したい」「セキュリティ機能を使わないから無効にしたい」
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
OneDriveの個人用Vault(金庫)は、重要なファイルを保護するセキュリティ機能ですが、使わない人にとっては不要な機能です。しかし、Vaultの削除は通常のフォルダ削除とは異なる手順が必要なんです。
この記事では、OneDriveの個人用Vaultを完全に削除・無効化する方法を、初心者にもわかりやすく解説していきます。安全に削除する手順から、削除後の注意点まで、詳しくご紹介します。
OneDrive個人用Vaultとは?

個人用Vaultの基本機能
OneDriveの個人用Vault(個人用金庫)は、特に機密性の高いファイルを保護するためのセキュリティ機能です。
主な特徴:
- 二段階認証による厳重なアクセス制御
- 自動的なロック機能(20分間の非アクティブで自動ロック)
- 暗号化による高度なセキュリティ保護
- 限定的なファイル共有機能
Vaultが作成される場面
自動作成のケース:
- OneDriveの初期設定中にセキュリティ機能をオンにした場合
- Microsoft 365の特定プランを使用している場合
- セキュリティ強化の案内に従って有効化した場合
手動作成のケース:
- ユーザーが意図的にVaultを作成した場合
- セキュリティ設定でVault機能を有効にした場合
Vaultを削除する理由
よくある削除理由:
- セキュリティ機能が不要だから
- 二段階認証が面倒だから
- 通常のフォルダとして使いたいから
- 間違えて作成してしまったから
- 容量の無駄だと感じるから
この章でVaultの基本を理解しました。次に、削除前の重要な準備について説明します。
Vault削除前の重要な準備
Vault内のファイル確認
削除する前に、Vault内に重要なファイルが保存されていないか必ず確認しましょう。
確認手順:
- OneDrive.com にアクセスしてログイン
- 個人用Vaultをクリック
- 認証手続きを完了(SMS、認証アプリなど)
- Vault内のすべてのファイルとフォルダをチェック
確認すべきファイルタイプ:
- 重要な契約書や証明書
- パスワード管理ファイル
- 個人情報を含む書類
- 暗号化された重要データ
- バックアップファイル
重要ファイルのバックアップ
Vault内に必要なファイルがある場合は、事前にバックアップを取りましょう。
バックアップ手順:
- Vault内の必要なファイルを選択
- 「ダウンロード」ボタンをクリック
- ローカルの安全な場所に保存
- 必要に応じて通常のOneDriveフォルダに移動
バックアップ先の候補:
- ローカルの暗号化フォルダ
- 外部ハードディスク
- 他のクラウドストレージ
- 通常のOneDriveフォルダ
アクセス権限の確認
Vaultを共有している場合は、他のユーザーへの影響を確認しましょう。
確認項目:
- Vaultのファイルを共有している相手はいるか
- 家族アカウントでVaultを使用しているか
- 業務でVaultの内容が必要な人はいるか
事前連絡: 削除前に関係者に連絡を入れ、必要なファイルのコピーを渡しておきましょう。
この章では削除前の準備について説明しました。次に、実際の削除手順を詳しく見ていきます。
Webブラウザでの削除手順
OneDrive WebサイトからのVault削除
最も確実で簡単な方法は、Webブラウザを使った削除です。
基本削除手順:
- OneDriveにアクセス
- ブラウザでonedrive.live.comを開く
- Microsoftアカウントでログイン
- 個人用Vaultを開く
- 個人用Vaultフォルダをクリック
- 二段階認証を完了する
- Vault内を完全に空にする
- すべてのファイルを選択(Ctrl + A)
- 「削除」ボタンをクリック
- ごみ箱からも完全削除
- Vaultフォルダ自体を削除
- Vaultを閉じて元の画面に戻る
- 個人用Vaultフォルダを右クリック
- 「削除」を選択
削除が完了しない場合の対処
症状:削除ボタンが表示されない
この場合は、以下の手順を試してください:
- ブラウザのキャッシュクリア
- ブラウザ設定からキャッシュとCookieを削除
- OneDriveに再ログイン
- 別のブラウザで試行
- Chrome、Edge、Firefoxなど別のブラウザを使用
- プライベートモードでアクセス
- デスクトップアプリを使用
- Windows版OneDriveアプリから操作
- エクスプローラーでVaultフォルダを確認
完全削除の確認
削除確認の手順:
- OneDriveのメイン画面を確認
- 個人用Vaultフォルダが消えていることを確認
- ページを更新して再確認
- ごみ箱の確認
- OneDriveのごみ箱を開く
- Vault関連のアイテムがあれば完全削除
- ストレージ使用量の確認
- OneDriveの使用容量が削除分だけ減っているか確認
この章ではWebブラウザでの削除手順を説明しました。次に、デスクトップアプリでの削除方法を見ていきます。
デスクトップアプリでの削除方法
Windows OneDriveアプリでの削除
WindowsのOneDriveデスクトップアプリからもVaultを削除できます。
削除手順:
- OneDriveフォルダを開く
- エクスプローラーでOneDriveフォルダにアクセス
- または通知領域のOneDriveアイコンから「フォルダーを開く」
- 個人用Vaultの確認
- 「個人用Vault」フォルダが表示されていることを確認
- フォルダをダブルクリック
- 認証とファイル削除
- 認証画面が表示されるので認証を完了
- Vault内のすべてのファイルを選択して削除
- Vaultフォルダの削除
- 一つ上の階層に戻る
- 個人用Vaultフォルダを右クリック→削除
Mac版OneDriveでの削除
手順(Macの場合):
- Finderを開く
- サイドバーからOneDriveを選択
- 個人用Vaultへアクセス
- 個人用Vaultフォルダをダブルクリック
- 認証を完了
- 内容の削除
- Command + A ですべて選択
- ゴミ箱に移動
- フォルダ削除
- 個人用Vaultフォルダを右クリック
- 「ゴミ箱に入れる」を選択
同期エラーが発生する場合
症状:同期エラーで削除できない
対処法:
- OneDriveの一時停止
- 通知領域のOneDriveアイコンを右クリック
- 「同期を一時停止」を選択
- Webブラウザから削除
- OneDrive.com から削除作業を実行
- 削除完了後に同期を再開
- OneDriveアプリの再起動
- OneDriveアプリを完全に終了
- 再起動後に同期状況を確認
ローカルファイルの確認
デスクトップアプリで削除した場合、ローカルに残っているファイルがないか確認しましょう。
確認場所:
Windows: C:\Users\[ユーザー名]\OneDrive\個人用 Vault
Mac: /Users/[ユーザー名]/OneDrive/個人用 Vault
残存ファイルの削除:
- ファイルエクスプローラーで該当フォルダを確認
- 残っているファイルがあれば手動で削除
- ごみ箱からも完全削除
この章ではデスクトップアプリでの削除を説明しました。次に、モバイルアプリでの操作方法をご紹介します。
モバイルアプリでの削除操作
iPhone・iPad OneDriveアプリ
削除手順:
- OneDriveアプリを開く
- App StoreからダウンロードしたOneDriveアプリを起動
- Microsoftアカウントでログイン
- 個人用Vaultにアクセス
- メイン画面で「個人用Vault」をタップ
- Touch ID、Face ID、またはPINで認証
- ファイルの削除
- 右上の「選択」をタップ
- すべてのファイルを選択
- 削除アイコン(ゴミ箱)をタップ
- Vault自体の削除
- 一つ上の画面に戻る
- 個人用Vaultの「…」メニューをタップ
- 「削除」を選択
Android OneDriveアプリ
削除手順:
- アプリの起動とログイン
- Google Play StoreからダウンロードしたOneDriveアプリを開く
- Microsoftアカウントでサインイン
- Vaultへのアクセス
- 個人用Vaultフォルダをタップ
- 指紋認証やPINで認証を完了
- 内容の削除
- 長押しで選択モードに入る
- 全ファイルを選択
- 削除ボタンをタップ
- フォルダ削除
- メイン画面に戻る
- 個人用Vaultを長押し
- メニューから「削除」を選択
モバイルアプリの制限事項
注意点:
- モバイルアプリでは一部の管理機能が制限される場合があります
- 完全な削除には Webブラウザ版の使用が推奨されます
- 大量のファイルがある場合は、PCでの作業が効率的です
推奨手順:
- モバイルアプリで Vault 内のファイル確認
- 重要なファイルは事前にダウンロード
- 実際の削除はPCのブラウザまたはデスクトップアプリで実行
この章ではモバイルでの操作を説明しました。次に、Vault機能の完全無効化について詳しく解説します。
Vault機能の完全無効化
OneDrive設定での無効化
Vaultフォルダを削除しても、機能自体が残っている場合があります。完全に無効化するための設定を行いましょう。
Web版OneDriveでの設定:
- 設定画面にアクセス
- OneDrive.com の右上歯車アイコンをクリック
- 「オプション」を選択
- セキュリティ設定の変更
- 左メニューから「セキュリティ」を選択
- 「個人用Vault」の項目を確認
- 機能の無効化
- 「個人用Vaultを無効にする」オプションを選択
- 確認ダイアログで「無効にする」をクリック
Microsoft アカウント設定での調整
Microsoft アカウントページでの設定:
- アカウントページへアクセス
- account.microsoft.com にアクセス
- サインインを完了
- セキュリティ設定の確認
- 「セキュリティ」タブを選択
- 「高度なセキュリティオプション」を確認
- OneDrive関連設定の調整
- 「アプリのパスワード」設定を確認
- 不要な認証方法を削除
二段階認証の見直し
Vault削除後は、OneDrive全体のセキュリティ設定も見直しましょう。
推奨設定:
- 基本的な二段階認証は維持(アカウント保護のため)
- Vault専用の認証方法は削除
- 使用しない認証アプリは連携解除
不要な認証の削除:
- Microsoft アカウントのセキュリティ設定を開く
- 「サインイン方法」を確認
- Vault専用に追加した認証方法を削除
家族アカウントでの設定
Microsoft 家族アカウントを使用している場合の注意点:
管理者アカウントで実行:
- 子アカウントのVault削除は管理者権限が必要
- 家族設定からセキュリティオプションを調整
各アカウントでの個別設定:
- 大人の家族メンバーは個別に設定変更が必要
- 子供アカウントは制限により設定変更ができない場合がある
この章では機能の完全無効化について説明しました。次に、削除後の確認と注意点をご紹介します。
削除後の確認と注意点

削除完了の確認方法
Vaultが完全に削除されたかを確認することが重要です。
Web版OneDriveでの確認:
- OneDrive.com にアクセス
- メイン画面に個人用Vaultフォルダが表示されないことを確認
- 検索で「個人用」「Vault」を検索して結果が出ないことを確認
- ごみ箱にVault関連のアイテムがないことを確認
デスクトップアプリでの確認:
- OneDriveフォルダを開く
- 個人用Vaultフォルダが存在しないことを確認
- 同期状況を確認(エラーが出ていないか)
ストレージ使用量の確認:
- OneDriveの容量表示を確認
- Vault内のファイル分だけ使用量が減っていることを確認
同期エラーの対処
Vault削除後に同期エラーが発生する場合があります。
よくあるエラー:
- 「個人用Vaultが見つかりません」
- 「同期に問題があります」
- 「ファイルの同期が停止しました」
対処法:
- OneDriveアプリの再起動
Windows: タスクマネージャーからOneDriveプロセスを終了→再起動
Mac: Activity MonitorからOneDriveを強制終了→再起動
- 同期の再設定
- OneDriveアプリの設定を開く
- 「アカウント」タブで「このPCのリンク解除」
- 再度アカウントにサインイン
- キャッシュのクリア
- OneDriveのローカルキャッシュを削除
- アプリを再起動して同期を確認
データ復旧の可能性
削除データの復旧期限:
- OneDriveのごみ箱:30日間(個人アカウント)
- Microsoft 365:93日間(ビジネスアカウント)
復旧手順:
- OneDrive.com のごみ箱にアクセス
- Vault関連のファイルを検索
- 必要なファイルがあれば「復元」をクリック
注意:Vault機能は復旧されません
- ファイル自体は復旧できますが、Vault機能は再設定が必要
- 復旧後は通常のフォルダとして扱われます
セキュリティ面での注意
Vault削除後のセキュリティ対策:
- 重要ファイルの新しい保護方法を検討
- ローカルでの暗号化
- 他のセキュリティツールの活用
- パスワード管理ソフトの導入
- OneDrive全体のセキュリティ設定見直し
- 二段階認証の維持
- 不審なアクセスの監視設定
- 共有設定の確認
- 定期的なセキュリティチェック
- アカウントアクティビティの確認
- 不要なアプリ連携の削除
- パスワードの定期変更
この章では削除後の確認について説明しました。最後に、代替セキュリティ対策をご紹介します。
代替セキュリティ対策の検討
ローカル暗号化ツール
OneDriveのVault機能を削除した後も、重要なファイルは適切に保護する必要があります。
推奨ローカル暗号化ツール:
Windows:BitLocker
- Windows標準の暗号化機能
- ドライブ全体またはファイル単位で暗号化
- 設定手順:
- コントロールパネル→「システムとセキュリティ」
- 「BitLockerドライブ暗号化」を選択
- 暗号化したいドライブを選択
Mac:FileVault
- macOS標準の暗号化機能
- ディスク全体を暗号化
- 設定手順:
- システム環境設定→「セキュリティとプライバシー」
- 「FileVault」タブを選択
- 「FileVaultをオンにする」をクリック
クロスプラットフォーム:VeraCrypt
- 無料のオープンソース暗号化ソフト
- Windows、Mac、Linux対応
- 仮想暗号化ドライブの作成が可能
他のクラウドサービスのセキュリティ機能
Google Drive:機密モード
- 機密性の高いファイル用の特別な共有設定
- ダウンロード、印刷、コピーの制限
- 有効期限付きアクセス
Dropbox:Vault(有料プラン)
- OneDriveと類似したセキュリティ機能
- PIN認証による追加保護
- 自動ロック機能
iCloud:高度なデータ保護
- エンドツーエンド暗号化
- Apple デバイス間でのセキュアな同期
- 二段階認証との連携
パスワード管理ソフトの活用
機密ファイルの代わりに、パスワード管理ソフトで重要情報を管理する方法:
推奨パスワードマネージャー:
1Password
- 優れたセキュリティ機能
- 家族プランあり
- クロスプラットフォーム対応
Bitwarden
- 無料プランでも高機能
- オープンソース
- 自社サーバーでの運用も可能
LastPass
- 無料版でも基本機能が利用可能
- 自動入力機能が充実
- セキュリティダッシュボード機能
物理的セキュリティの強化
外部ストレージの暗号化
- USB メモリやハードディスクの暗号化
- 物理的な紛失に対する対策
- オフサイトバックアップの実現
二要素認証デバイス
- YubiKey などのハードウェアキー
- SMS に依存しないセキュリティ
- フィッシング攻撃への耐性
セキュリティ戦略の見直し
リスク評価の実施:
- 保護すべきデータの分類
- 脅威の特定と評価
- 対策の優先順位付け
- 定期的な見直しスケジュール
多層防御の実装:
- 複数のセキュリティ対策を組み合わせ
- 一つの対策が破られても他で補完
- 利便性とセキュリティのバランス
この章では代替セキュリティ対策を説明しました。最後に今回の内容をまとめます。
まとめ
OneDriveの個人用Vaultの削除は、正しい手順を踏めば安全に実行できます。
削除の基本手順:
- Vault内の重要ファイルをバックアップ
- Vault内のすべてのファイルを削除
- Vaultフォルダ自体を削除
- 機能の完全無効化設定
- 削除完了の確認
推奨する削除方法:
- 初心者:Webブラウザ版OneDriveから削除
- 上級者:デスクトップアプリとWebの組み合わせ
- モバイルユーザー:確認用途のみ、実際の削除はPCで実行
削除後の重要なポイント:
- 同期エラーが発生しないか確認
- ストレージ使用量の変化をチェック
- 代替セキュリティ対策の検討と実装
セキュリティ面での配慮:
- Vault削除後も重要ファイルの保護は必要
- ローカル暗号化ツールやパスワード管理ソフトの活用
- 定期的なセキュリティ設定の見直し
トラブル時の対処:
- 削除できない場合は別のブラウザやデバイスで試行
- 同期エラーが続く場合はOneDriveアプリの再設定
- 不明な点はMicrosoftサポートに相談
OneDriveの個人用Vaultは便利なセキュリティ機能ですが、使わない場合は削除して構いません。ただし、削除後も大切なデータを適切に保護することを忘れずに、あなたに合ったセキュリティ対策を講じてくださいね。
安全で快適なOneDriveライフをお楽しみください!
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