「OneDriveがファイルでいっぱいになって整理できない」「アカウントを変更するので全部削除したい」「容量制限に達したので空にしたい」といった理由で、OneDriveを完全に空にしたいと考える方は多いでしょう。
ただし、OneDriveを空にする作業は一度実行すると元に戻せません。大切なファイルを失わないよう、正しい手順で安全に実行することが重要です。
この記事では、OneDriveを安全かつ確実に空にする方法を、バックアップから完全削除まで詳しく解説します。読み終わる頃には、安心してOneDriveをリセットできるようになるでしょう。
OneDriveを空にする前の重要な準備|データ消失を防ぐチェックリスト

OneDriveを空にする作業を始める前に、必ず確認しておくべき重要なポイントがあります。一度削除したファイルは復元が困難になる場合があるため、慎重な準備が必要です。
削除前の必須確認項目
重要ファイルの特定
まず、OneDrive内にある重要なファイルをすべて洗い出しましょう。
確認すべきファイル
- 仕事関連の文書やプレゼンテーション
- 家族写真や思い出の動画
- パスワード管理ファイル
- 設定やライセンス情報
- 他の人と共有している資料
共有ファイルの確認
他の人と共有しているファイルがある場合、削除すると相手もアクセスできなくなります。
確認手順
- OneDriveのWeb版にアクセス
- 左メニューから「共有」を選択
- 「自分が共有しているもの」を確認
- 重要な共有ファイルをリストアップ
Office製品との連携確認
OneDriveとOffice製品が連携している場合、自動保存されているファイルがないかチェックしましょう。
確認場所
- Word、Excel、PowerPointの「最近使用したファイル」
- OneNoteのノートブック
- Outlookの添付ファイル自動保存
これらの確認を怠ると、後で重要なファイルを失うことになりかねません。
バックアップの作成方法
OneDriveのファイルを安全に保管するため、複数の方法でバックアップを作成しましょう。
方法1:外付けドライブへのコピー
最も確実で安全な方法です。
- 外付けハードディスクまたはUSBメモリを準備
- OneDriveフォルダ全体をコピー
- コピー完了後、ファイルが正常に開けるか確認
- バックアップした日付をラベルに記録
方法2:他のクラウドサービスへの移行
Google DriveやDropboxなど、他のクラウドサービスにファイルを移動する方法です。
Google Driveへの移行手順
- Google Driveにサインイン
- 「新規」→「ファイルのアップロード」を選択
- OneDriveからダウンロードしたファイルを選択
- アップロード完了まで待機
方法3:ZIP圧縮でのダウンロード
OneDriveのWeb版では、フォルダ全体をZIP形式でダウンロードできます。
- OneDriveのWeb版でフォルダを選択
- 上部メニューの「ダウンロード」をクリック
- ZIP形式でファイルがダウンロードされる
- ダウンロードファイルの内容を確認
バックアップは複数の場所に保存することをおすすめします。
OneDriveのファイル削除手順|段階的な安全な方法
バックアップが完了したら、実際にOneDriveを空にする作業を開始します。一度にすべて削除するのではなく、段階的に進めることで安全性を高められます。
段階1:不要ファイルの事前整理
まず、明らかに不要なファイルから削除を開始しましょう。
一時ファイルの削除
削除対象
- ダウンロードフォルダの古いファイル
- キャッシュファイル
- 重複ファイル
- 空のフォルダ
大容量ファイルの確認
容量を多く消費しているファイルを特定して、本当に必要かどうか判断します。
確認方法
- OneDriveのWeb版で「ストレージ」を選択
- ファイルサイズ順でソート
- 大容量ファイルの内容を確認
- 不要なものから削除開始
段階2:フォルダ単位での削除
整理が完了したら、フォルダ単位で削除を進めます。
Web版OneDriveでの削除手順
- OneDriveのWeb版にアクセス
- 削除したいフォルダを選択
- 上部メニューの「削除」をクリック
- 確認ダイアログで「削除」を選択
デスクトップアプリでの削除
- エクスプローラーでOneDriveフォルダを開く
- 削除したいフォルダを右クリック
- 「削除」を選択
- ごみ箱に移動されることを確認
注意点 デスクトップから削除したファイルは、まずローカルのごみ箱に移動し、その後OneDriveのごみ箱にも移動します。完全に削除するには両方のごみ箱を空にする必要があります。
段階3:ごみ箱の完全削除
削除したファイルは、OneDriveのごみ箱に一時保存されます。完全に削除するためには、ごみ箱も空にする必要があります。
OneDriveごみ箱の削除手順
- OneDriveのWeb版で「ごみ箱」を選択
- 「すべて選択」をクリック
- 「完全に削除」を選択
- 確認ダイアログで「削除」をクリック
重要な注意事項 ごみ箱から完全に削除したファイルは、基本的に復元できません。削除前に必ずバックアップを確認してください。
アカウント別の削除方法|個人用と法人用の違い
OneDriveアカウントの種類によって、削除手順や制限が異なります。自分のアカウント種別を確認して、適切な方法を選択しましょう。
個人用Microsoftアカウントの場合
個人用アカウントでは、すべてのファイルを自由に削除できます。
一括削除の手順
- OneDriveのWeb版にアクセス
- 「Ctrl+A」ですべてのファイルを選択
- 「Delete」キーまたは削除ボタンをクリック
- 削除確認ダイアログで「削除」を選択
- ごみ箱からも完全削除を実行
アカウント削除を検討する場合
OneDriveだけでなく、Microsoftアカウント自体を削除したい場合の手順です。
事前準備
- Xbox、Skype、Outlookなどの関連サービスの確認
- Microsoft 365サブスクリプションの解約
- 他のデバイスからのサインアウト
削除手順
- account.microsoft.comにアクセス
- 「アカウントを閉じる方法」を選択
- 注意事項を確認
- 60日間の猶予期間を経て完全削除
職場・学校アカウントの場合
組織のアカウントでは、管理者の設定により削除に制限がある場合があります。
制限事項の確認
よくある制限
- 特定のフォルダは削除不可
- ファイルの完全削除に管理者承認が必要
- 組織のポリシーにより復元期間が設定されている
管理者への相談が必要な場合
以下の状況では、IT部門や管理者への相談が必要です。
- 共有フォルダが削除できない
- エラーメッセージが表示される
- 削除権限がないと表示される
- 組織のデータ保持ポリシーに関する質問
Microsoft 365サブスクリプションとの関係
Microsoft 365を契約している場合、OneDriveを空にする前に考慮すべき点があります。
サブスクリプション継続時の注意点
- OneDriveの容量は契約に含まれている
- 削除後も容量制限は変わらない
- 他のMicrosoft 365アプリとの連携を確認
サブスクリプション解約時の手順
- Microsoft 365の自動更新を停止
- 重要ファイルをバックアップ
- 解約予定日前にOneDriveを空にする
- アカウントダウングレード後の容量制限を確認
デバイス間の同期解除|完全な切り離し

OneDriveを空にした後は、各デバイスとの同期も解除する必要があります。同期が残っていると、意図しないファイルの復元が発生する可能性があります。
Windows PCでの同期解除
OneDriveアプリの停止
- タスクバーのOneDriveアイコンを右クリック
- 「設定」を選択
- 「アカウント」タブで「このPCのリンクを解除」をクリック
- 確認ダイアログで「アカウントのリンクを解除」を選択
OneDriveフォルダの処理
同期を解除しても、ローカルのOneDriveフォルダは残ります。
処理方法
- エクスプローラーでOneDriveフォルダの場所を確認
- 必要なファイルがないことを再確認
- フォルダ全体を削除
- ごみ箱からも削除
Mac・モバイルデバイスでの設定
Macでの同期解除
- メニューバーのOneDriveアイコンをクリック
- 設定(歯車アイコン)を選択
- 「アカウント」タブで「OneDriveのリンクを解除」をクリック
- アプリケーションフォルダからOneDriveアプリを削除
iPhone・iPadでの設定
- OneDriveアプリを開く
- 「設定」→「アカウント」を選択
- 「サインアウト」をタップ
- 必要に応じてアプリをアンインストール
Androidでの設定
- OneDriveアプリの設定を開く
- 「アカウント」を選択
- 「サインアウト」をタップ
- アプリの権限設定も確認
ブラウザのキャッシュクリア
各ブラウザに保存されているOneDriveのキャッシュもクリアしましょう。
Chrome・Edge・Firefoxでの手順
- ブラウザ設定を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「閲覧データを削除」をクリック
- OneDriveサイトのキャッシュを削除
削除後の確認作業|完全削除の検証方法
OneDriveを空にした後は、本当にすべてのファイルが削除されているか確認することが重要です。
Web版での確認
基本的な確認項目
- OneDriveのメインページに何もファイルがないことを確認
- 各フォルダ(ドキュメント、写真など)が空であることを確認
- ごみ箱が空であることを確認
- 共有フォルダに残りがないことを確認
ストレージ使用量の確認
- OneDriveの設定で「ストレージ」を選択
- 使用量が0KB近くになっていることを確認
- 数日後に再度確認(同期の遅延があるため)
他のMicrosoftサービスとの連携確認
Office Online
- Word Online、Excel Onlineなどにアクセス
- 「最近使用したファイル」が空であることを確認
- テンプレートから新規作成時、OneDriveが選択肢に表示されないことを確認
Outlookの添付ファイル
- Outlook.comにアクセス
- 「ファイル」タブでOneDriveの項目を確認
- OneDriveからの添付ファイルがないことを確認
モバイルアプリでの確認
各デバイスのOneDriveアプリでも確認を行いましょう。
確認ポイント
- アプリを開いて何もファイルが表示されないこと
- オフライン保存されたファイルがないこと
- アプリの設定でアカウントが表示されないこと
トラブルシューティング|削除できない場合の対処法
OneDriveを空にする過程で発生しがちなトラブルと、その解決方法を説明します。
ファイルが削除できない場合
「使用中のファイル」エラー
ファイルが他のアプリで開かれている場合に発生します。
対処法
- すべてのOfficeアプリを終了
- ブラウザのOneDriveタブを閉じる
- パソコンを再起動
- 再度削除を試行
「権限がありません」エラー
ファイルやフォルダの権限設定に問題がある場合です。
対処法
- ファイルのプロパティで所有者を確認
- 必要に応じて所有者を変更
- 管理者権限でコマンドプロンプトを実行
- コマンドラインから削除を実行
同期エラーの解決
同期が止まっている場合
OneDriveの同期が正常に動作していない場合の対処法です。
解決手順
- OneDriveアプリを完全に終了
- Windows+Rで「%localappdata%\Microsoft\OneDrive\onedrive.exe /reset」を実行
- OneDriveアプリを再起動
- 同期状況を確認
削除したファイルが復活する場合
他のデバイスで同期が残っている可能性があります。
確認事項
- すべてのデバイスでOneDriveアプリが停止されているか
- 各デバイスのローカルOneDriveフォルダが空になっているか
- ブラウザのキャッシュが削除されているか
サポートへの相談が必要な場合
以下のような状況では、Microsoftサポートに相談することをおすすめします。
相談すべき状況
- 重要なファイルが誤って削除された
- アカウントに不審なアクティビティがある
- 削除操作が完了しない技術的問題
- 法人アカウントの権限に関する問題
サポート連絡前の準備
- エラーメッセージのスクリーンショット
- 実行した操作の詳細記録
- アカウント情報(個人用か組織用か)
- 使用しているデバイスとOSの情報
まとめ:安全で確実なOneDriveリセットを実現しよう
OneDriveを空にする作業は、適切な手順を踏むことで安全に実行できます。重要なのは事前の準備と段階的な削除、そして削除後の確認作業です。
成功のポイント
- 削除前の重要ファイル確認とバックアップ作成
- 段階的な削除による安全性の確保
- 全デバイスでの同期解除の実行
- 削除後の徹底的な確認作業
特に、バックアップの作成は絶対に省略してはいけません。「後で必要になるかもしれない」と思うファイルは、必ず複数の場所に保存しておきましょう。
OneDriveを空にした後は、新しい整理システムを構築する良い機会でもあります。今度は計画的にフォルダ構成を作り、定期的な整理を心がけることで、再び容量不足に悩まされることもなくなるでしょう。
この記事の手順に従って、安心してOneDriveのリセット作業を進めてください。
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